即席カップめん業界震撼【凄麺】の技術革新「肉汁うどんの逸品」が “引くほど本格的” だった件

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ヤマダイ

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2022年9月12日(月)新発売、ヤマダイのカップ麺「ニュータッチ 凄麺 肉汁うどんの逸品」の実食レビューです。

凄麺の逸品シリーズに “うどん” 参戦!? ニュータッチのヤマダイが10年かけて「凄麺」史上初となるノンフライうどんを実現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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凄麺 肉汁うどんの逸品

凄麺(すごめん)とは、ニュータッチことヤマダイを代表するノンフライめんブランドで、2001年(平成13年)10月29日発売の「これが煮玉子らーめん」が最初の商品。現在はバリエーションに富んだ「ご当地シリーズ」に、麺・スープ・具の “すべてを極めること” をコンセプトにした「逸品シリーズ」など、カップ麺を超越した存在になりかねない本格的な商品を数多く展開しています。

逸品シリーズに和風めんのニューフェイス爆誕

今回の新商品「凄麺 肉汁うどんの逸品」は、独自製法のノンフライ麺に定評がある「凄麺」史上初の “ノンフライうどん” を搭載した一杯で、同時発売品としてノンフライそばの「凄麺 鴨だしそばの逸品」も市場に投下。後者は手緒里庵(ておりあん)から凄麺に移籍した「鴨だしそば」のリニューアルなので、純然たる新作ではないけれど、満を持すノンフライうどんの実現には驚きました。

1980年(昭和55年)3月1日の発売以来、独自の多加水製法と長時間熟成乾燥によって作られる「ゆうきつむぎの郷 手緒里うどん」だったり、オープン価格の即席カップめん「懐かしのとん汁うどん」や「懐かしのカレーうどん」だったり、ヤマダイが通年販売している商品の中に “うどん” は存在するのですが、手緒里うどんは乾麺、懐かしの○○シリーズは油揚げ麺なので、ノンフライではありません。

ヤマダイが保有しているノンフライ麺は、お馴染み「凄麺」やT’sレストラン監修の「ヴィーガンヌードル」に使われる多種多様なノンフライ中華そばに、揖保乃糸(いぼのいと)の手延素麺を使用した「手緒里庵」のノンフライそうめん、その手緒里庵から凄麺に移籍した前述のノンフライそば、さらにデュラム小麦のセモリナを配合した「Soup de Pasta(スープデパスタ)」など‥‥

うどんも極めてしまった「凄麺」

実に様々なノンフライ麺を使い分けているのですが、前述のように「凄麺」からノンフライうどんを展開するのは史上初の試み。主原料の小麦粉は100%国内産で、開発に費やした期間は驚きの10年以上。つゆは鰹だしと豚肉の風味を効かせ、濃いめで甘口の関東風に仕上げているらしく、パッケージでは “うどんを極めた” と大々的に訴求していることから、よほどの自信作であることが伝わってきます。

これまでの即席カップめん業界におけるノンフライうどんといえば、寿がきや食品の関東工場(旧・加ト吉水産 フーズ部 群馬工場)が台頭で、トップバリュベストプライスの激安カップ麺「ノンフライ麺 うどん」だったり、まるか食品(ペヤング)用のノンフライうどんだったりを製造しているのですが、メーカー指定の熱湯5分では適切に戻らないのが玉に瑕。

ほかにも第1弾で打ち切りになったエースコックの「JAPAN FOOD記(にっぽん ふーどき)山形ひっぱり風うどん」(2018年11月5日発売品)に、古くは日清食品の「日清の京風庵 細(ささめ)うどん」(2004年7月12日発売品)や「ノンフライどん兵衛」(2008年 – 2010年発売品)など、過去に大手も挑戦しているのですが、まだ通年販売する品質には至っていません。

第一関門は熱湯5分で適切に戻るかどうか

ヤマダイが試行錯誤を続けること10年以上‥‥満を持しての発売となった「凄麺 肉汁うどんの逸品」は “きちんと熱湯5分で戻るのか、致命的な戻りムラなどは生じていないかどうか” など、話題性も高ければハードルも高い一杯。さらに同社は 〜麺・スープ・具 全てを極めた〜 と公言しているため、こちらも気を引き締めてレビューします。

開封

2つに分けられた「かやく」と「後入れ液体スープ」

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」2袋に、後入れ「液体スープ」の計3種。かやくは味付豚肉、ねぎとシンプルな構成ですが、それぞれ個包装になっているのも “こだわり” の一つ。味付豚肉は角切りの豚バラ肉、ねぎも本格的なフリーズドライと気合は充分で、開封のファーストインプレッションは悪くありません。

ちゃんと熱闘5分で戻るかな‥‥

麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライうどんで、調理前の表面には「凄麺」のノンフライ麺らしく光沢があり、ほぐれをよくするためオブラート状にした大豆由来の食物繊維を纏わせるなど、ヤマダイの独自製法を感じさせる見た目となっているのですが、うどんなので “梘水(かんすい)は不使用” です。ちょっと頑固そうな雰囲気ですけど、はたして熱湯5分の壁をクリアしているのかどうか——。

メーカー希望小売価格は242円(税別)なので、引き合いに出した「トップバリュベストプライス(TOPVALUBESTPRICE)ノンフライ麺 うどん」の本体価格(2022年9月現在:68円 / 税込73.44円)よりも高額ですが、トップバリュベストプライスの安さは異常ですからねw ちなみに242円(税別)という希望小売価格は、現在の「凄麺」ブランド全体に共通する標準的な設定です。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:ニュータッチ 凄麺 肉汁うどんの逸品
製造者:ヤマダイ株式会社
製造所:本社工場(茨城県結城郡八千代町平塚4828)
内容量:103g(めん60g)
商品コード:4903088015873(JAN)
発売日:2022年09月12日(月)
実食日:2022年09月18日(日)
発売地域:全国
取得店舗:スーパー
商品購入価格:213円(税込)
希望小売価格:242円(税別)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:430ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:3袋(後入れ液体スープ・かやく2袋)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維)、スープ(しょうゆ、糖類、たん白加水分解物、発酵調味料、食塩、調味油、鰹節エキス、さばだし、動物油脂、昆布エキス)、かやく(味付豚肉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、カラメル色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、(一部に小麦・さば・大豆・豚肉を含む)

実食開始

角切りの味付豚肉と斜め切りのネギ

別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、片方には角切りの豚バラ肉を、もう片方には存在感がある大きめサイズの白ねぎを充填。なかでもフリーズドライの白ねぎは “関東風の肉汁うどんを演出するため” に選ばれた逸材で、それについては「凄麺」で楽しみな要素の一つ「フタの裏ばなし(No.肉-2)」にも記載されていました。

めっちゃいい香り

後入れの「液体スープ」は “フタの上で温め、めんをほぐした後に入れてください” となっているため、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと5分。時間になったらノンフライうどんをほぐし、温めておいた液体スープを加え、再度よく混ぜ合わせたら出来上がり。

寿がきやのノンフライうどんは戻りムラが玉に瑕と前述しましたが、こちらはオブラート状の成分が功を奏し、箸を入れた瞬間にトゥルンッとバラバラになって、まったくストレスを感じませんでした。ちなみにヤマダイは自社の公式ウェブサイトで “抜群のつるみ” を訴求していたので、そういった部分にも注目しつつ「めん」「つゆ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(103g)あたり
カロリー:295kcal
たん白質:8.0g
脂  質:3.0g
炭水化物:58.9g
食塩相当量:6.0g
(めん・かやく:1.3g)
   (スープ:4.7g)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

あっぱれ‥‥

8.0

たとえば生の讃岐(さぬき)うどんを茹で上げたような、それとは異なるベクトルにあるものの、乾麺を茹で上げた質感に極めて近く、これを熱湯5分の即席カップめんで実現してしまうのかと、正直いって脅威的な完成度の高さ。公式がアピールしていた “抜群のつるみ” についても申し分なく、足掛け10年以上に亘る試行錯誤の結果は伊達じゃありません。

途中で乾麺を食べているのかと錯覚した

前述のように箸を入れた途端、なんのストレスもなく一瞬で解れるため、液体スープの小袋を開ける手間を踏まえても、お湯を注いでから必要な時間は5分30秒。コシや風味は乾麺と同じベクトルを歩んでいるのですが、即座に食べ始めても部分的な戻りムラが気になることはなく、とにもかくにもリアルすぎる仕上がりに、途中から即席カップめんであることを忘れるレベル。

表面が摩擦抵抗ゼロの滑らかさなので、特に食べ始めはスープを弾く側面を見せますが、おかげで国産小麦100%使用の恩恵がダイレクトに伝わってきます。昔の「凄麺」に有り勝ちだったゴムっぽさだったり、ゴリゴリとした無骨さは皆無に等しく、それでいて経時劣化に強い(伸びにくい)ため、熱湯5分後に液体スープを馴染ませてから追加で5分ほど放置し、全体の一体感を高めて食べるのもアリですね。

つゆ

お店の品質

5.0

鰹・さば・北海道産昆布から取った出汁(だし)に、やや甘さを強めに効かせ、濃口しょうゆのコクで味に深みを持たせながら、適度なキレと酸味で輪郭を調えている——。これについては和風つゆの基本というか、よくあるシチュエーションではあるものの、つゆとオイルの両方に “肉感の強い素材を使用し、豚肉を煮込んだような風味を付けている” というのが注目すべきポイント。

クドさを覚えるような肉感ではなく、あくまでも上品に、それでいて明確に豚の旨味とコクを溶かしているため、商品名の “肉汁” も誇張ではありません。濃口しょうゆの旨味が強い面持ちから、なるほど関東風ではあるものの、鋭利な部分を適度に包み込む甘さの加減が絶妙で、地域差を問わずに楽しめる味だと感じました(余談ですが筆者は関西生まれの関西育ちです)。

かやく

豚肉はタイプを変えたほうがいいかも

4.0

角切りの豚バラ肉は、やや特有の臭みが残っているため、それがマイナスに作用していると感じる部分もありましたが、それは赤身の部分に由来しており、もうすこし脂身の比率が高い個体であれば気にならない程度。対して斜め切りの白ネギは加熱した白ネギ特有の甘さが強くて、食感も柔らかく、前述の肉汁つゆとの相性は申し分ありません。

ただ、角切りの豚バラ肉は「凄麺」のラーメンにも使っているチャーシューと同じなので、小間切れ系の豚肉に変更する、あるいは具材の満足感を優先し「鶏しおの逸品」で定番の国産鶏を使った鶏肉団子に変更するなど、そこは今後のリニューアルに期待したい伸び代です。

総評

6.5

10年以上の歳月を費やして完成した満を持す「ノンフライうどん」ということで、まず間違いないだろうと踏んではいましたが、それを超える完成度の高さに脱帽せざるを得ない仕上がり。あくまで乾麺ライクな質感ではあるものの、それを即席カップめんで実現した功績は大きく、肉汁の旨味を効かせた関東風の液体スープも含め、まさに「逸品」の名に相応しい一杯でした。

フタの裏ばなし No.肉-2(具材)/ No.肉-3(つゆ)

さらにフリーズドライの白ネギから得られる満足度も高く、強いて改善点を挙げるとするならば、ラーメン用の豚バラ肉を「肉汁うどんの逸品」専用の肉具材に変更してほしいことくらい。ノンフライうどんと液体スープについては現状、文句の付け所が見当たらなかったので、見かけたら積極的に試していただきたい、カップ麺を超越しかけているカップ麺です【author・taka :a(大石敬之)】

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