特上カップヌードルとは、1971年(昭和46年)9月18日の発売以来、日本の即席カップめん市場で圧倒的な占有率を誇っている「カップヌードル」の発売52周年を記念した企画シリーズで、2023年(令和5年)9月11日に第1弾「特上トリュフ風味カップヌードル」「特上スパイスカップヌードルカレー」「特上だし濃いめシーフードヌードル」「特上リッチチリトマトヌードル」計4品を同時に展開。
数々のネットミームを生み出した『メタルギアソリッドV ザ・ファントムペイン(METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN)』を元ネタとするウェブCMも盛大にバズり、実際に食べたユーザーから「最高」「おいしすぎる」「残念」「けっきょく普通のがいい」「○○は美味しかった」「激まず」「リピート確定」「売り切れ続出」「売れ残ってて山積み」などなど、多くの反響が飛び交いました。
カップ麺ランキング 特上カプヌ 2024篇
その続編として登場したのが「松茸香る特上カップヌードル」「トリュフ香る特上濃厚バターカレー」「ウニとバターの味わい特上贅沢シーフード」「完熟トマトの特上レッドホットチリトマト」計4品で、ザックリとしたランキングは筆者のXアカウント(@honjitsunoippai)で先に公開しているのですが、SNSを利用していない方もいらっしゃると思いますので、よろしければご参照ください。
——ちなみに「1位」は同列評価だったので、どっちが美味しいか選び切れなかったものですから、ふわっと楽しんでいただけたらなと。この手は基本、ランキングの最下位からスタートし、上位の商品を最後に出し惜しみするパターンが大半なので、好印象だった順に公開します。
第1位「特上 カップヌードル」
昨年は「特上トリュフ風味」をコンセプトにしていた「特上カップヌードル」ですが、今年は「松茸香る特上カップヌードル」ということで、大幅に路線を変更。このブログではオリジナルの味わいを “洋風しょうゆ味„ と形容しておりまして、そこに松茸の風味を添加しているのかと思いきや、土台のスープも松茸に合わせてチューニング。
たしかに「カップヌードル」をベースにしつつ、オリジナルには含まれない「魚粉」や「こんぶ粉末」「しいたけ調味料」を追加しているため、いつもの “洋風しょうゆ味„ とは完全に別物。まさに和風しょうゆ味‥‥この表現だと頭痛が痛いですねw なんにせよ「カップヌードル」に出汁(だし)がプラスされ、極め付きに「特製松茸風味オイル」で松茸の風味をプラスするフレームワーク。
松茸の風味は香料による演出が強かったので、エースコックの「ワンタンメン」に使われている松茸香料が脳裏を掠めてきたんですけどw インスタント食品の枠組みから見ると分かりやすく、具材の「ほぼ松茸」も個性的。こちらの正体はエリンギなので、逆立ちしてもエリンギだなと思った節もありますが、けっこう雰囲気ありますよ。
詳細はコチラ:【特上】そんなカプヌで大丈夫か? SNSで話題沸騰「松茸香る特上カップヌードル」が想像以上に和食だった件
第1位「特上 カップヌードル シーフードヌードル」
そして、前述の「松茸香る特上カップヌードル」と甲乙付け難い仕上がりだったのがシーフード。昨年は「特上だし濃いめ」(イカ・ホタテ・エビ・タイの風味追加)をコンセプトにしていましたが、今年は「ウニとバターの味わい特上贅沢シーフード」がキーワード。ウニとバターの個性も然る事乍ら、こちらも土台からして通常の「シーフードヌードル」とは別物で、びっくりするほどクリーミー。
いつもの味わいをベースにしていることは明らかですが、まるでポタージュのように濃厚で、そこに「特製ウニ香るバターオイル」が個性を添加。ウニの風味がダイレクトに押し寄せてくるわけではないけれど、バターのコクと違和感なく調和し、まったりと口の中に広がってくる、その大人っぽい仕上がりが「特上」たる所以なのだなと。
また具材にウニの食感や味わいを再現した魚肉練り製品「ほぼウニ」を採用していたところも面白く、風味や食感などに魚肉練り製品の限界を感じた節もありますが、なるほど「ほぼウニ」とはよく言ったもので。こいつが口の中に飛び込んできた途端、ちょっとスープで物足りないと感じたウニの風味がブーストする、かなり効果的かつ面白いアイアテムでした。
詳細はコチラ:シフヌ史上初のウニとバター「特上シーフードヌードル」2024年版の実力や如何に
第3位「特上 カップヌードル カレー」
昨年は後がけスパイスを別添し、いつもより香辛料の主張を強めていた「特上スパイスカレー」も大きく路線を変え、今年は「トリュフ香る特上濃厚バターカレー」にリニューアル。さらに皮付きポテトを大玉・牛謎肉に変更するなど‥‥あれ、なんか「特上トリュフ風味カップヌードル」とコンセプトけっこう似てない? などと思ったアナタ、鋭い。
昨年の「特上トリュフ風味カップヌードル」もトリュフと大きめの謎肉を売りにしていたので、なんかスライドしてきた感が無きにしも非ずだったんですけど、さておき土台は「カップヌードル カレー」よりもマイルド。そこに加える「特製トリュフ&バターオイル」はバターの主張が強く、トリュフは香辛料の陰に隠れているように感じたのですが、面白かったのが最後らへん。
ぶっちゃけ麺を食べている間は「トリュフどこ? あ‥‥いた。けど弱くね?」みたいな感じだったんですけど、残すところスープのみに差し掛かった途端、トリュフの香りがハッと目覚め、最終的にはバターと同じくらいのバランスに。具材の大玉・牛謎肉も通常の謎肉対比3倍くらい大きくて、これもインパクトあるなーと思いつつ、結論としては豚肉ベースのほうが相性よかったかも。
詳細はコチラ:繊細? 中途半端? 特上カップヌードル「トリュフ香る特上濃厚バターカレー」が甲論乙駁しそうなワケ
最下位「特上 カップヌードル チリトマトヌードル」
全国におられますチリトマト民の皆様、すみません。結論から申しますと、新具材の「ローズマリー謎肉」は本当に秀逸で、練り込まれたハーブ(ローズマリー、セージなど)の効果でソーセージっぽいというか、これはもう通常の「チリトマトヌードル」に採用するべきなのではないかと、そのくらい高く評価できる新たな謎肉でした。しかし、問題はスープ。
昨年の「特上リッチチリトマト」よりも酸味を弱めに感じたので、なるほど「完熟トマトの」というサブタイトルにも納得できたし、けっこうシャープな辛さから「レッドホットチリトマト」の訴求にも納得できたんですけど、あらためて原材料名を比較してみた結果「特上リッチチリトマト」と完全に一致。もちろん通常の「チリトマトヌードル」とは異なる味わいなのですが、否めない企画の二番煎じ感。
トマトパウダーの種類は違うのかもしれないけれど、他の3品は昨年から大幅に味を変えていたのに、チリトマトの変更点は具材の謎肉と酸味の強度くらいだったので、さすがに手を抜き過ぎなんじゃないかと。逆に「昨年の特上シリーズはチリトマトが最高だったぞ!」であれば、このステイはポジティブに受け取れると思います(※ちなみに筆者は「チリトマトヌードル」大好きですよ)。
詳細はコチラ:新具材のローズマリー謎肉を搭載した「特上レッドチリトマトヌードル」に感じた闇
まとめ
というわけで、今年の特上シリーズは「松茸香る特上カップヌードル」と「ウニとバターの味わい特上贅沢シーフード」が1位タイ、次いで「トリュフ香る特上濃厚バターカレー」「完熟トマトの特上レッドホットチリトマト」の順位になりました。けっきょく “普通のが一番だよね„ と感じた商品もありますが、裏を返すとオリジナルの魅力を再認識するキッカケにもなるので、それも日清食品が意図するところなのかなと。
——で、早くも気になるのが続編の開発。この感じだと来年9月にシリーズ第3弾が登場しそうですけど、次は「欧風チーズカレー」「味噌」「辛麺」「ねぎ塩」「担担」を起用するとか、特上エスニックシリーズを発足するとか、新しい展開にも期待したいですね。【author・taka :a(大石敬之)】