どうも、taka :a（@honjitsunoippai）です。
本日の一杯は、2023年9月11日（月）新発売、日清食品のカップ麺「特上カップヌードル」の実食・比較レビューです。
特上トリュフ風味のカップヌードル!? 愛されて52年、ブランド史上最大サイズの謎肉入りとトリュフの風味を特徴とする “いつもよりワンランク上” の限定品が登場!! というわけで、通常品と食べ比べてみた結果——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。通常品と何が違うのか、それについても詳しく解説しますので、よろしければ最後までお付き合いください。
カップヌードル 特上トリュフ風味
カップヌードル（CUPNOODLE）とは、1971年（昭和46年）9月18日の発売以来、即席カップめん市場で圧倒的な占有率を誇るロングセラーで、日清食品の代名詞となっているブランド。当初は店頭にさえ並ばない時期もありましたが、東京都新宿区・伊勢丹百貨店での販売を皮切りに、今や世界100ヶ国でも販売されている、真のグローバルブランドとしての地位を確立しました。
今回の新商品「特上カップヌードル」は、値上げラッシュで全国的に節約志向が進む一方、価値を感じるものは『価格が少し高くても購入したい』と考えるユーザーが増えている、そのような分析を背景に、あえて高級路線を狙った “プチ贅沢” な一杯で、カップヌードル史上最大サイズの謎肉（なぞにく）入りと、別添の「特製トリュフ風味オイル」が “特上” たる所以。
さらに同日、新具材の皮付きポテトと後かけスパイスの別添を特徴とする「特上 “スパイス” カップヌードルカレー」、満を持すエビ入りで海鮮オールスターを実現した「特上 “だし濃いめ” シーフードヌードル」、ピリッと刺激的な唐辛子謎肉とホットチリ風味オイルで個性の底上げを図った「特上 “リッチ” チリトマトヌードル」を一挙に展開し、ラインナップを大幅に強化してきた日清食品。
ゴールドを基調にした高級感あふれるパッケージに身を包み、しかも一見して明白に話題性が高い新商品を4つも同時にリリースする、それだけでも気合の入れ様は充分に伝わってくるのですが、カップヌードルの公式X（Twitter）アカウントが唐突に「いいですか、落ち着いて聞いてください」というメッセージと共に “例の動画” を投稿し、とてつもない反響を巻き起こしたのは記憶に新しいところ。
動画の元ネタになっているのは、小島 秀夫（こじま ひでお）監督が最後に手掛けたメタルギアシリーズの最終章『メタルギアソリッドV ザ・ファントムペイン（MGSⅤ:TPP、METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN）』の冒頭で、主人公が9年の昏睡状態から目を覚まし、その事実と左腕を失ったことを医師に告げられる、とてもシリアスなシーンなのですが‥‥
医者のボイスは原作でも声優を担当した、大塚 芳忠（おおつか ほうちゅう）さん本人で、冷静に「あなたにお話があります いいですか？ どうか落ち着いて——」と、こちらに語り掛けてきたと思いきや「9月11日に特上カップヌードルが発売されます」「大きな謎肉 史上最大です」「さらにこのトリュフ香るスープ」「ええ、そうです」「今は9月」「あなたの夏休みは‥‥もう、終わっています」などとw
このワンシーンは、2022年2月頃からネットミームとして話題になっていたので、原作のゲームを知らない人にも広く波及していたのですが、今回のCMでは主観の唸り声も原作と同じ大塚 明夫（おおつか あきお）さんが演じるなど、本気で作り込んできた日清食品。冷静に考えたら、誰に何をやらせてんだって話なんですけど、いやはや恐れ入りました（企画担当者さん、ぐっじょぶ）。
というわけで、ほぼ完璧なスタートダッシュをキメた「特上カップヌードル」なんですけれども、大切なのは中身の仕上がり。同時発売の「特上カレー」「特上シーフードヌードル」「特上チリトマトヌードル」は、いずれも基本の味わいを踏襲しつつ、実直な姿勢でグレードアップしているような印象を受けますが、オリジナルだけは “特上トリュフ風味” と冒険しまくっているので、やや地雷臭が否めません。
開封
はたしてトリュフの風味を訴求している「特上カップヌードル」は、世界初の即席カップめん「カップヌードル」ならではの魅力を継承しつつ、きちんとトリュフの個性も楽しめるのか、そもそも異例の組み合わせに思えるトリュフとの相性はいいのかなど、それらを確かめるため “オリジナル” の「カップヌードル」と食べ比べてみることに。
いつもの「カップヌードル」に小袋は別添されていませんが、特上ともなると “手ぶら” というわけにはいかないらしく、こちらには「特製トリュフ風味オイル」を別添。調理前の香りは間違いなく「カップヌードル」にルーツを感じるベクトルですが、やや醤油を強めに感じること、さらに謎肉のサイズもビックリするくらい大きくてw 早くも特別感はバッチリ。
ちなみにメーカー希望小売価格を比較すると、通常の「カップヌードル」は236円（税別）なのに対し「特上」は259円（税別）と高めに設定されているのですが、たとえばコンビニで「カップヌードル」を購入した場合の税込価格は254.88円。片やスーパー・ドラッグストアなどで「特上」を購入した場合、多くの販売店で税込250円を切ると思うので、考え方によっては‥‥でしょうか。
製品詳細情報・購入価格等
| 製品名：特上 カップヌードル 製造者：日清食品株式会社 製造所：関東工場（茨城県取手市清水667-1） 内容量：78g（めん60g） 商品コード：4902105281598（JAN） |
| 発売日：2023年09月11日（月） 実食日：2023年09月12日（火） 発売地域：全国 取得店舗：ウエルシア薬局 小売価格：259円（税別） 購入価格：246.24円（税込） |
| 麺の種類：油揚げ麺 スタイル：縦型レギュラー 容器材質：紙 湯量目安：310ml 調理時間：熱湯3分 小袋構成：1袋（特製トリュフ風味オイル） |
原材料名とアレルギー表示
| 【原材料名】油揚げめん（小麦粉（国内製造）、植物油脂、食塩、チキンエキス、ポークエキス、しょうゆ、ポーク調味料、香味調味料、香辛料）、かやく（味付豚ミンチ、味付卵、味付えび、ねぎ）、スープ（糖類、豚脂、粉末しょうゆ、植物油脂、香辛料、食塩、たん白加水分解物、香味調味料、ポーク調味料、メンマパウダー）/ 加工でん粉、調味料（アミノ酸等）、香料、カラメル色素、炭酸Ca、かんすい、増粘多糖類、カロチノイド色素、酸化防止剤（ビタミンE）、乳化剤、香辛料抽出物、くん液、ビタミンB2、ビタミンB1、酸味料、（一部にえび・小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む） |
実食開始
| 栄養成分表示［1食（78g）あたり］カロリー 351kcal（めん・かやく 327kcal / スープ 24kcal）、たんぱく質 10.5g、脂質 14.6g、炭水化物 44.5g、食塩相当量 4.9g（めん・かやく 2.4g / スープ 2.5g）、ビタミンB1 0.19mg、ビタミンB2 0.32mg、カルシウム 105mg［製造所：＋S 関西工場（滋賀県栗東市下鈎21-1）］ |
さて、まずは「カップヌードル」（通常品）の調理直後。たっぷりの具材も然る事乍ら、あいかわらず期待を裏切らない、そうそう、これこれ‥‥って無条件に納得できる香りは「カップヌードル」ならではのステータス。ただ、個体差によってエビが多かったり、少なかったり、謎肉が多かったり、少なかったり、そういった違いが出てくるため、場合によってはスープの味にも大きな変化が生じます。
| 栄養成分表示［1食（78g）あたり］カロリー 378kcal（めん・かやく 334kcal / スープ 44kcal）、たんぱく質 9.8g、脂質 19.2g、炭水化物 41.4g、食塩相当量 4.7g（めん・かやく 2.3g / スープ 2.4g）、ビタミンB1 0.17mg、ビタミンB2 0.25mg、カルシウム 105mg［製造所：＋A 関東工場（茨城県取手市清水667-1）］ |
次に「特上カップヌードル」の調理後なんですけど、謎肉めっちゃデカいw トリュフめっちゃ香ってくるw などなど “特上” ならではの個性が分かりやすく伝わってきます。しかし、だからといってエビが極小だとか、目に見えてスクランブルエッグが少量だとか、そういったトレードオフは感じません。
ちなみに栄養成分表示を比較してみると、特製トリュフ風味オイルを別添している分、わずかに「特上カップヌードル」のほうが高カロリーな値を示しているのですが、それ以外の数値を見ても誤差の範囲内。けれども香りの手引き通り、味にも大きな変化が生じているのかどうか、引き続きオリジナルとの違いに注目しながらレビューします。
| ※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、各項目の評価と総評は「特上カップヌードル」の感想に基づきます。 |
めん
| 原材料名：油揚げめん（小麦粉（国内製造）、植物油脂、食塩、チキンエキス、ポークエキス、しょうゆ、ポーク調味料、たん白加水分解物、香辛料） |
いつもは “Noodle” だけど「特上」は “Soba” っぽい質感に
いつもの「カップヌードル」に搭載されている油揚げ麺は、ラーメンよりもヌードルという表現が似合う形状で（漠然としたイメージですけどw）味が濃いめの「カレー」や「チリトマトヌードル」「味噌」には約3mm幅の太麺を合わせているのに対し、基本となるサイズは約2mm幅。お世辞にもコシが強いタイプとはいえないけれど、しなやかで、つるみがある、その儚げな仕様が魅力的。
| 原材料名：油揚げめん（小麦粉（国内製造）、植物油脂、食塩、チキンエキス、ポークエキス、しょうゆ、ポーク調味料、香味調味料、香辛料） |
片や「特上カップヌードル」の油揚げ麺は、オリジナルよりも加水率が低く、それでいて比較的に厚みのある形状から耐久性に優れ、表面はキメが荒めのテクスチャーから、すすり上げたときの口当たりは別物。食感もボソボソした‥‥などと表現したらネガティブに思われるかもしれませんけど、中華麺よりも蕎麦（日本そば）っぽい質感に寄っている、といえばポジティブに伝わるでしょうか。
原材料名の違いについては、食品表示法の関係かもしれないですし、製造工場の違いも要因の一つになっているかもしれません。ただ、真横に並べてみると質感の差は歴然で、オリジナルの儚さに期待していた場合、それは違和感に繋がってしまうでしょう。しかし、これはこれと割り切れば、いつもより少し高級と思えなくもない、サプライズ的な変化に思えました。
スープ
| 原材料名：スープ（糖類、粉末しょうゆ、食塩、香辛料、たん白加水分解物、香味調味料、ポーク調味料、メンマパウダー） |
おいおい、そうきたか‥‥
「カップヌードル」のスープには、日本の伝統調味料である醤油を使用しているため、カテゴリーとしては “しょうゆラーメン” に分類されるのでしょうけれど、黒胡椒のアクセントだったり、エビや謎肉から滲み出てくる旨味だったり、そこはかとなく洋風の面持ちも強く、さらにメンマパウダーの隠し味も欠かせないポイント。この絶妙な味わいは、このブログで「洋風しょうゆ味」と表現しています。
| 原材料名：スープ（糖類、豚脂、粉末しょうゆ、植物油脂、香辛料、食塩、たん白加水分解物、香味調味料、ポーク調味料、メンマパウダー） |
それがベースの「特上カップヌードル」には、別添の「特製トリュフ風味オイル」に “豚脂” や “植物油脂” を充填しているため、味にも大きな変化が生じているのですが、豚脂と植物油脂を原材料名から抜き出すと、目に見える差は “食塩と香辛料の順番が違うこと” くらい。試しに「特製トリュフ風味オイル」を入れずに調理してみたところ、きちんと「カップヌードル」にルーツを感じる味わいでした。
しかし、オリジナルよりも土台は糖類の甘さが強く、醤油のコクとキレも増して感じるなど、いつもの洋風しょうゆ味と比較して随分と和風寄り。それでいて「カップヌードル」らしさを残しながら、別添の「特製トリュフ風味オイル」（系統は黒トリュフ）で洋風の面持ちも極端に強めている、いやはや末恐ろしいチューニングですよコレ。トリュフの風味は香料ですけど、たしかに高級感ありますね。
かやく
| 原材料名：かやく（味付豚ミンチ、味付卵、味付えび、味付豚肉、ねぎ） |
実はネギにも変化が‥‥
謎肉（なぞにく）という名称は、某掲示板で生まれたネットスラングに由来し、それを公式が採用したのは比較的に最近の話なんですけど、実は「カップヌードル」の発売当初から入っている最古参のトッピング。エビは “プーバラン” という名前の品種で、スープに影響するほど風味が強く、スクランブルエッグは優しい口当たりと甘い味付けがホッとするオアシス的な存在。
| 原材料名：かやく（味付豚ミンチ、味付卵、味付えび、ねぎ） |
前述のように「特上カップヌードル」に入っているエビは本家と同じサイズで、スクランブルエッグの仕様も変わっていませんが、謎肉はブランド史上最大の1.5倍（体感それ以上）に巨大化。そのため通常サイズよりも若干ながら味付けを控えめに感じたのと、味付豚肉（ミンチポーク）はカットされているところも好みによってはマイナスになりますが、謎肉のインパクトは想像を超えてくるレベル。
また通常品にはAD（エアドライ、熱風乾燥）の青ネギをトッピングしているのに対し、特上にはFD（フリーズドライ、凍結乾燥）の青ネギを使っているため、それも特別感と高級感の演出に一役買っていました。
総評
数年前に圧倒的な高級路線で一世を風靡した「カップヌードル リッチ」ほどの衝撃ではないけれど、別添のオイルに由来するトリュフの風味は個性的で、ブランド史上最大の謎肉も印象に残ったポイント。またトリュフの風味に配慮して、土台となるスープの味付けも濃いめに調整し、実は麺の質感まで変えるなど、いやはや「特上」の訴求は伊達じゃありません。
ちなみにSNSでは「どこで売ってる？」「コンビニには売ってない？」「値札はあるけど発売日に売り切れた」「みそきんの二の舞!?」などなど、発売日ならではの苦情が飛び交っていましたが、カップ麺の新商品がコンビニに並ぶのは “火曜日以降” が基本。またコンビニ以外の販売店や通販サイトでも手に入るため、トリュフさえ苦手でなければ積極的に試してみてください【author・taka :a（大石敬之）】
