どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年9月11日(月)新発売、日清食品のカップ麺「特上カップヌードル カレー」の実食・比較レビューです。
新具材のホクホク皮付きポテト入り!? カップヌードルの人気ロングセラー、今だけ限定の “特上カレー” にグレードアップ!! ただし——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
特上スパイス カップヌードル カレー
特上カップヌードルとは、1971年(昭和46年)9月18日の発売以来、依然として業界を牽引し続けている世界初の即席カップめん「カップヌードル」の発売52周年を記念した企画シリーズで、スープも具材もプチ贅沢な「特上トリュフ風味カップヌードル」「特上スパイスカップヌードルカレー」「特上だし濃いめシーフードヌードル」「特上リッチチリトマトヌードル」計4品を一挙に展開。
このページでレビューする「特上 カップヌードル カレー」は、濃厚かつマイルドな味わいで多くのユーザーを魅了し、度々開催されるカップヌードルの人気ランキングでも “常にベスト3入り” を果たしている、間違いない味の「カップヌードル カレー」を特上にグレードアップさせた一杯で、風味豊かなスパイスをブレンドした別添の「特製薫り立つ後かけスパイス」がポイント。
めんはスープの味に負けないように、オリジナルの「カップヌードル」よりも太めに切り出している、というのは通常の「カップヌードル カレー」と共通する “こだわり” なのですが、スープには欧風カレーよろしくビーフの旨みとバターのコクを効かせ、かやくには新具材の皮付きポテトを採用するなど、たしかに「カップヌードル カレー」の流れを汲みながら、しっかりと区別化している様子。
あらためまして「カップヌードル カレー」とは、1971年(昭和46年)9月発売の「カップヌードル」及び1972年(昭和47年)12月発売の「カップヌードル 天そば」に続く “第3の味” として開発されたフレーバーで、1973年(昭和48年)5月から存在し続けているロングセラー。すでに「天そば」は廃盤になっているため、現存する “カップヌードル” の中では2番目に古い歴史の持ち主です。
発売日は50年以上前ですが、最終リニューアルは2015年(平成27年)4月下旬と比較的に最近の話。それ以前の「カップヌードル カレー」と比較して “具材充実” をコンセプトに、謎肉(なぞにく)の愛称で親しまれている味付豚ミンチの量が増え、それに伴うトレードオフなのか、容器の底に余るほど入っていた刻み玉葱の量は目に見えて減少するなど、ファンの間でも賛否両論あるリニューアルでした。
それから時は流れ——2023年9月1日〜12月31日までの期間中、フタ表の二次元バーコードをスマホで読み込み、フタ裏の “ニャードル”(猫の落書き)をカメラで撮影すると、スマホの中で “ニャードル” が飼えるキャンペーン「カップニャードル(CUP NYADLE)」を実施しているため、現行パッケージは特殊な仕様になっているのですが、前述のリニューアル以降、中身に変更はありません。
ひとつ前のページでレビューした「特上カップヌードル」では、謎肉のサイズをブランド史上最大の1.5倍に巨大化させ、トリュフの風味を特徴とする「特製トリュフ風味オイル」を別添し、それにあわせてスープやフライめんの仕様も変更するなど、けっこう劇的な変化が生じていたのですが、こちらの「特上カップヌードル カレー」はオリジナルの延長線上に位置していそうなイメージ。
あえて奇を衒わずに安牌を切っているのか、それとも予想外の嬉しいサプライズが待っているのか、ここから先はオリジナルの「カップヌードル カレー」と「特上カップヌードル カレー」を順番に調理し、それぞれの違いや共通点に注目しながらレビューします。
関連ページ:おいしい? まずい? 特上カップヌードルには「トリュフ」と「謎肉」以外にも “大きな違い” が‥‥
開封
さて、まずは「カップヌードル カレー」の開封後。フタを開けた途端、例のマイルドで濃厚なカレーの香りが漂ってくる、なんとも裏切りのないファーストインプレッション。というか香りについては外装フィルムを破った瞬間から主張を始めるので、ちょっと怖かったりもするんですけどw それも含めて魅力的。
続けて「特上カレー」を開封してみたところ、たしかにモデルの「カップヌードル カレー」に通じる香りは漂ってくるのですが、通常品にはないビーフの香りが印象的。既存の「欧風チーズカレー」(レビューは2021年3月1日リニューアル品)ほど強烈ではないけれど、ビーフの存在感だったり、乳製品に由来する柔らかさだったり、そっち系の路線に寄ったフレーバー。
ちなみにX(Twitter)では「特上カップヌードルの『カレー』だけ売ってなかった」という投稿がチラホラと目立っていたのですが、実際に私が立ち寄った店舗の中でも4品すべて販売していたのは「ローソン」と「マックスバリュ」のみ。地域によっては “○○だけ売ってない問題” が深刻化していると思うので、コンプリートを狙うなら商品棚が広い量販店を積極的に当たってみてください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:特上 カップヌードル カレー 製造者:日清食品株式会社 製造所:関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1) 内容量:87g(めん60g) 商品コード:4902105281604(JAN) |
発売日:2023年09月11日(月) 実食日:2023年09月13日(水) 発売地域:全国 取得店舗:マックスバリュ 小売価格:259円(税別) 購入価格:235.44円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:300ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製薫り立つ後かけスパイス) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、香味調味料、ポーク調味料)、スープ(豚脂、でん粉、小麦粉、カレー粉、たまねぎ、糖類、香辛料、たん白加水分解物、香味調味料、ビーフ調味料、ポーク調味料、プロセスチーズ、酵母エキス、粉末しょうゆ、オニオンパウダー、牛脂、バター、オニオン調味料、粉末ソース、トマトパウダー)、かやく(味付豚ミンチ、フライドポテト、味付豚肉、ねぎ、にんじん)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、増粘多糖類、香料、乳化剤、炭酸Ca、かんすい、香辛料抽出物、カロチノイド色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、くん液、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む) |
実食開始
栄養成分表示[1食(87g)あたり]カロリー 422kcal(めん・かやく 363kcal / スープ 59kcal)、たんぱく質 9.0g、脂質 20.4g、炭水化物 50.6g、食塩相当量 4.4g(めん・かやく 2.2g / スープ 2.2g)、ビタミンB1 0.21mg、ビタミンB2 0.20mg、カルシウム 108mg[製造所:+A 関東工場(茨城県取手市清水667-1)] |
さて、まずは通常品「カップヌードル カレー」の調理直後。開封時と同様に、なんとものマイルドな香りが漂ってくるのですが、食欲を掻き立ててくるところは地味に過激w ちなみにカップニャードル版のパッケージにのみ、しれっと “ぶっこみご飯で2度ウマい!(シメはカレーライスだ)” というアイコンを追加しています。
栄養成分表示[1食(87g)あたり]カロリー 425kcal(めん・かやく 369kcal / スープ 56kcal)、たんぱく質 9.4g、脂質 21.3g、炭水化物 49.0g、食塩相当量 4.2g(めん・かやく 2.5g / スープ 1.7g)、ビタミンB1 0.19mg、ビタミンB2 0.25mg、カルシウム 110mg[製造所:+S 関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1)] |
次に、今だけ限定「特上カレー」の調理直後。なんというか見た目の雰囲気に大きな差は生じていないように思えますが、よく見るとイギリスのジャケットポテトよろしく幾つかのフライドポテトが皮付きだったり、謎肉の数が多かったり、それなりにリッチな雰囲気が無きにしも非ず。ただ、トリュフ風味のようなインパクトは伝わってきません。
実食前に栄養成分表示の数値を比較してみたところ、カロリー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量に目立った差は生じていません。けれども香りは「特上カレー」のほうが甘く、それでいて香辛料にフォーカスを当てると清涼感が強いなど、あきらかな違いが生じていたので、引き続き通常品との差に注目しながらレビューします。
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、各項目の評価と総評は「特上 カップヌードル カレー」の感想に基づきます。 |
めん
原材料名:油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、ポークエキス、チキンエキス、たん白加水分解物) |
製造所の違いによる差が明確に‥‥
すべてのルーツとなるオリジナル(洋風しょうゆ味)の「カップヌードル」には “約2mm幅” の油揚げ麺を合わせているのに対し、スープの味が濃いめの「カレー」や「チリトマトヌードル」「味噌」には “約3mm幅” の油揚げ麺を合わせている‥‥というのは、このブログで毎度お馴染みの解説なんですけど、今回の比較で触れておきたいのは “製造所の違い” について。
原材料名:油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、香味調味料、ポーク調味料) |
今回の比較用に購入した「カップヌードル カレー」は、茨城県取手市にある “関東工場” の製造で、加水率は低く、きもち荒めの口当たり。片や「特上カレー」の製造所は、滋賀県栗東市にある “関西工場” で、つるみのある滑らかな口当たりが印象的。歯で圧迫したときに感じる気泡も “関東工場” のほうが大きいというか、比較的にフカフカとした食感です。
本家とは異なる「特上カレー」の原材料名は、直近にレビューした商品を例に挙げるとピップフジモト(ダダン)のパロディCMで話題をさらった「カップヌードル 担担」と共通の内容で、カレー系の変わり種に使われる油揚げ麺のテンプレを守ったフレームワーク。ただ、つるみの加減(製造所の差)については「特上カップヌードル」の食べ比べ中にも気になったので、ちょっと意識してみてください。
スープ
原材料名:スープ(豚脂、カレー粉、小麦粉、カレー調味料、玉ねぎ、でん粉、香味調味料、糖類、マーガリン、食塩、人参、ピーナッツバター、香辛料) |
おいしいけど「特上」は名前負けかも
「カップヌードル カレー」のスープについて、多くを語る必要はないかと思いますが、辛味よりも深みを重視したカレー粉の使い方に、マーガリンとピーナッツバターのコク、そして玉ねぎのアクセントも外せないポイント。前述のリニューアル(謎肉の増量)から玉ねぎの量が減ってしまったので、そこが次の改善策だと思っているのですが、あいかわらずホッとする味であることは変わりません。
原材料名:スープ(豚脂、でん粉、小麦粉、カレー粉、たまねぎ、糖類、香辛料、たん白加水分解物、香味調味料、ビーフ調味料、ポーク調味料、プロセスチーズ、酵母エキス、粉末しょうゆ、オニオンパウダー、牛脂、バター、オニオン調味料、粉末ソース、トマトパウダー) |
片や「特上カレー」のスープにピーナッツバターは不使用で、ポーク調味料やビーフ調味料、牛脂、プロセスチーズ、粉末ソース、トマトパウダー、さらに人工甘味料(スクラロース、アセスルファムK)も追加するなど、ややこしい骨組みになっているのですが、濃厚かつマイルドというザックリとした魅力に大きなブレは生じていません。ただ、ビーフとバターの存在感は思っていたよりも控えめ。
かなりボテッとしたテクスチャーですが、それをスッキリまとめてくれるのが「特製薫り立つ後かけスパイス」の存在で、体感的にカルダモンやキャラウェイ、クミン、クローブ、コリアンダーシードなど、清涼感のあるスパイスを中心に配合しているようなイメージ。いつものカレー味とは違う、それについては個性を感じたのですが、ちょっと薬品的な雑味? が気になったので、そこは残念でした。
かやく
原材料名:かやく(フライドポテト、味付豚ミンチ、味付豚肉、人参、ねぎ) |
もうちょい捻ってほしかった
「カップヌードル カレー」のフライドポテトは、ホクホクというよりもシャリシャリで、昔は “ホクホクがいいなぁ‥‥” などと思っていたんですけど、濃厚なスープに対し、軽めの歯触りが絶妙だなと。わたし、おとなになりました。謎肉は謎肉なので、それ以上でも以下でもないのですが、ジャンクな旨みが濃厚なカレー味にベストマッチ。
原材料名:かやく(味付豚ミンチ、フライドポテト、味付豚肉、ねぎ、にんじん) |
謎肉・にんじん・ネギについては「特上カレー」も共通の内容で、謎肉は多めに入っているのですが、トリュフ風味の「特上カップヌードル」に入っていた1.5倍サイズほどのインパクトはありません。そして “特上” の指標にもなっている皮付きポテトは、なるほど通常品よりも芳ばしく、同時にサクサクとした戻りムラも目立っていたので、気になる人は気になるかも。
総評
もちろん好みの問題もあるとは思いますけど、カップヌードルの「カレー」が食べたい気分の日には、素直に “それ” を選べば確実で、欧風カレーっぽいイメージは既存の傑作「欧風チーズカレー」と被る、なんというか中途半端な印象が否めない仕上がり。別添の「特製薫り立つ後かけスパイス」は個性的なポイントになりますけど、はたして「特上」を謳うほどのインパクトでしょうか。
単純に「おいしい」か「まずい」の二択でいえば前者ですし、既存の「カレー」や「欧風チーズカレー」とも異なる味わいではあるものの、最終的な評価は及第点に★ひとつプラスが妥当だと判断しました。繰り返しますけど、まずいわけではありません。ただ、ちょっと名前負けしていると感じたので、事前に肩の力を抜いてから食べることをオススメします【author・taka :a(大石敬之)】