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「明星 新華園本店 釜石ラーメン」東北復興支援商品第9弾カップ麺

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明星食品

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2019年3月4日(月)新発売のカップ麺、明星食品「明星 新華園本店 釜石ラーメン」の実食レビューです。

新華園本店(しんかえんほんてん)監修「釜石ラーメン」の再現カップラーメンが東北復興支援商品第9弾として復活!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。

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明星×新華園本店 釜石ラーメン

明星食品の「東北復興支援商品」とは、2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による災害及びそれに伴う福島第一原子力発電所事故による災害「東日本大震災」を受け、「『チャルメラ』を育ててくれた東北への恩返しがしたい」という明星食品の思いから発足したプロジェクトです。

震災当時、明星食品は農林水産省が発信した即席麺の緊急支援要請に応え、「明星 チャルメラカップ」7,000ケース(84,00食)と「明星 一平ちゃん各種3,000ケース(36,000食)」、あわせて10,000ケース(120,000食)を第1回目の救援物資として被災地に届ける支援活動を行なっていたのですが、2011年09月19日に発売された「明星の仙台辛味噌ラーメン」から東北復興支援商品企画が始まりました。

「東北復興支援商品」は、東北の被災地に由来するカップ麺シリーズで、第3弾「明星 大船渡 秋刀魚だし黒船 さんまだし香る醤油ラーメン」以降、「美味しくたべて東北の食を応援!!」をコンセプトに掲げて東北の名店とタイアップしたカップ麺を開発。そしてカップ麺の売り上げの一部を地域団体に寄付しているのですが、今回のカップ麺も売り上げの一部が「釜石市ふるさと寄付金」に寄付され、中心市街地の復興プロジェクトや市民体育館の復旧などに活用されます。ちなみに歴代のカップ麺は‥‥

・第1弾「明星の仙台辛味噌ラーメン」
  - 2011年09月19日発売
・第2弾「明星 高砂長寿味噌ラーメン」
  - 2012年01月16日発売
・第3弾「明星 大船渡 秋刀魚だし黒船 さんまだし香る醤油ラーメン」
  - 2013年02月11日発売
・第4弾「明星 熊谷×黒船 担々麺」
  - 2014年02月24日発売
・第5弾「明星 新華園本店 釜石ラーメン
  - 2015年02月23日発売
・第6弾「明星 らーめんの千草 しょうゆらーめん」
  - 2016年02月29日発売
・第7弾「明星 こんとき 釜石らーめん」
  - 2017年03月03日発売
・第8弾「明星 ぴかいち亭 しょうゆラーメン」
  - 2018年02月26日発売
・第9弾「明星 新華園本店 釜石ラーメン
  - 2019年03月04日発売

2011年9月19日の第1弾「明星の仙台辛味噌ラーメン」から始まり、毎年欠かさず東北エリアとのタイアップを重ね、今回で第9弾(9年目)となる復興支援プロジェクト。「新華園本店」の「釜石ラーメン」は2015年2月23日にも再現カップラーメンが製造されているのですが、上記に挙げた関連商品の中で最も反響が大きかったそうで、再発売の要望も多く寄せられたことから再び商品化することになりました。

「中国料理 新華園本店(しんかえんほんてん)」とは、程よいコシのある極細の縮れ麺と琥珀色に透き通った醤油味の淡麗スープが特徴とされる岩手県釜石市のご当地ラーメン「釜石ラーメン」発祥の店で、1951年(昭和26年)に仙台から三陸復興国立公園の中心に位置する岩手県の南東部・釜石市に移転し、同市内でも2度の移転を経て1976年(昭和51年)に現在の本店を構える岩手県釜石市大町に落ち着いたそうです。

「釜石ラーメン」の考案者は、「新華園」 の創業者・西条暢士(のぶひと)さん。現在は2代目店主・西条優度(まさのぶ)さんが先代の味を引き継いでいるのですが、先代が台湾出身だったこともあり、釜石ラーメンだけでなく同店で提供される本格的な中華料理も人気なのだとか。特に地元の方から愛され、今回のカップラーメンが再販される件についても一部では昨年末から話題になっていました。

鉄鋼業と漁業で賑わいのあった1955年(昭和30年)頃、お店の周辺にはハモニカ長屋(六間長屋)と呼ばれる製鉄所の社宅が多かったらしく、当時の価格で1杯あたり30〜50円のラーメンを家族で食べるのが楽しみの一つだったそうです。そして釜石市では古くから漁業が栄え、せっかちだけど羽振りのいい漁師たちで賑わっていた繁華街でも注文から待たせない極細麺を採用したラーメンは人気があり、鉄鋼業と漁業の繁栄が釜石のラーメン文化を発展させたとも言われています。

同プロジェクトの第7弾で「こんとき」の「釜石らーめん」が再現されているように、釜石市内で釜石ラーメンを提供する店は中華専門店、一般食堂、そば・うどん屋など様々で(ちなみにパッケージの幟は2011年11月に設立された「釜石ラーメンのれん会」と同じデザイン)、それぞれ麺やスープ、トッピングに違いがあるそうですが、「新華園本店」の「釜石ラーメン」は細ちぢれ麺と琥珀色の優しい清湯醤油スープが特徴とのこと。そこが今回の注目ポイントですね。

開封

カップの中に入っている小袋は、先入れの「かやく」、後入れの「かやく入りスープ」と「液体スープ」の合計3種類。それぞれの小袋にも記載されていますが、「かやく入りスープ」と「液体スープ」は両方とも食べる直前に入れる「後入れ」なので、お湯を注ぐ前に誤って開封しないように気を付けましょう。

渡辺製麺(とかち麺工房)の氷結乾燥麺という特殊な製法のノンフライ麺もあるのですが、即席麺に使用される麺は基本的に2種類で、ひとつは油で揚げた油揚げ麺(フライ麺)、もうひとつは油で揚げていないない熱風乾燥のノンフライ麺。今回のカップ麺に使用されているのはノンフライ麺になるのですが、待ち時間は熱湯4分と長めの設定で、お店の極細ちぢれ麺よりも太めに見えます。

カップ麺のフタ(開封口)に「スーパーノンフライ製法」と書いてありますが、「スーパーノンフライ製法」とは明星食品が培ってきた製麺ノウハウに独自の乾燥技術・設備を組み合わせ、麺の表面や内部に発生する気泡の数、大きさなどを自在にコントロールし、従来のノンフライ製法を大きく進化させた革命的製法で、業界でも珍しい「ノンフライワンタン」などの製造にも応用されています。タテ型カップ麺の場合は、「スチームノンフライ製法」ですね。

製品情報・購入価格

製品名:明星 新華園本店 釜石ラーメン
販売者:明星食品
製造所:東日本明星(製造所固有記号 R)
内容量:88g(めん65g)
発売日:2019年03月04日(月)
実食日:2019年03月04日(月)
JANコード:4902881421867
希望小売価格:218円(税抜)

発売地域:全国(全チャネル販売)
購入価格:208円(税込)
取得店舗:イオンリテール

麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:400ml
調理時間:熱湯4分
小袋構成:3袋(かやく入り粉末スープ / 液体スープ / かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉、植物油脂、食塩、でん粉、しょうゆ、植物性たん白、香味調味料)、スープ(鶏・豚エキス、しょうゆ、植物油脂、香味油、香味調味料、糖類、たん白加水分解物、チキンオイル、食塩、魚介エキス、香辛料、醸造酢、酵母エキス、オニオン粉末、昆布エキス、さばぶし粉末、しいたけエキス)、かやく(チャーシュー、メンマ、ねぎ)/加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、ソルビット、酒精、炭酸カルシウム、かんすい、増粘剤(増粘多糖類、加工デンプン)、カラメル色素、微粒二酸化ケイ素、乳化剤、酸味料、香料、カロチノイド色素、香辛料抽出物、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・えび・豚肉・鶏肉・牛肉・さば・さけ・大豆・ごま・ゼラチン ※コンタミネーション:かに(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載)

実食開始

かやく入り粉末スープ・液体スープは後入れなので、かやくのみ先に開封するのですが、このメンマが面白い。AD(エアドライ / 熱風乾燥)ではなくFD(フリーズドライ / 凍結乾燥)なのか、そもそもの製法が違うのか、いわゆるカリッカリに乾いている一般的な乾燥メンマとは質感が異なり、やや水分が残っているような柔らかさで、湯戻し前からフニャン‥としています(明星食品が本気の時に採用される傾向にある気がする)。

4分経ったらスープの小袋を開封する前にノンフライ麺をほぐし、その後は厳密に指定されているわけではありませんが、「かやく入り粉末スープ」を馴染ませてから「液体スープ」の順に入れるとスムーズです。かやく入り粉末スープにはネギが同梱されていますが、とろみ成分などは特に含まれていなかったので、きちんと粉末スープさえ溶かせば執拗に混ぜる必要はありません。

ネギは粉末スープと同梱型でも頼りないサイズではなく、けっこう大きめにカットされていて、パッケージに書いてあった特徴通り清湯スープ(淀みのない澄んだスープ)に仕上がりました。あと、メンマたっぷりで頼もしいですね。それでは、「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

1食(88g)当たり

熱  量:327kcal(カロリー)
たん白質:9.2g
脂  質:8.3g
炭水化物:53.8g
食塩相当量:6.2g
(めん・かやく:1.7g)
   (スープ:4.5g)
カルシウム:105mg

参考値(調理直後に分別して分析)
熱量:327kcal(めん・かやく:259kcal)(スープ:68kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。特に食物アレルギーなどのアレルギー疾患に懸念がある方は、ご購入・お召し上がりの前に、念の為お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

表面がなめらかでしなやかな食べやすい細麺です。

(出典:明星食品「ニュースリリース」)

しっとり、もっちり

お店のラーメンを食べた方の評判・口コミの中には “そうめんみたい” というコメントもあり、お店の写真を見てもなるほど極細ちぢれ麺だったのですが、カップ麺の麺は太麺ではないものの極細でもなく、サイズは中〜中細。きっちり4分待っても強く残るコシが印象的で、もっちりとした密度の高い多加水麺タイプに仕上がっています。

たしかに縮れも施されていますが、手揉み風の小刻みな縮れではなく、ウェーブは緩やか。もともと釜石ラーメンは “製鉄所で働く人たちを待たせることなく短い時間で提供できるように” と考案されたので、熱湯4分は長く感じますし、麺の太さもお店より太いような気もするのですが、ひとつのノンフライ麺としてのクオリティは素晴らしいですね。

しっとりとした優しい口当たりに豊かな小麦の香りが心地よく、いっさい野蛮で暴力的な表情は見せませんが、確かなコシによって埋没することなく自己主張を放ち、それでいてスープを蹴散らすことなく適度に持ち上げる一体感の高さも好印象で、ほぼスープとのバランスも完璧。思っていたよりもスープがしっかりとした味だったので、もし極細麺だったら負けていたかもしれません。

スープ

鶏・豚のエキスに、鰹・鯖・煮干のエキスを加え、玉ねぎと香味野菜の旨みを加えて複雑な旨みを表現したスープです。

(出典:明星食品「ニュースリリース」)

芯の強い味

「伝統の味わいは、小さなお子様からお年寄りまでが安心して食べることができる逸品——」と、商品パッケージのフタ上にも記載されているのですが、とにかく「優しい」というイメージが強かったので、想像以上にしっかりした味で驚きました。攻撃的な味ではないんですけど、やや化学調味料特有のピリピリとした刺激が目立ちます。

しかし、白湯(ぱいたん)とは対極にある澄んだ豚骨清湯(ちんたん)をベースに鶏ガラを丁寧に重ね、表面に浮かぶ香味油と鶏油によってノンフライ麺でも適度にコクがあり、化調のテイストも昔ながらのイメージに通じるものがあったので、そんなにネガティブではありません。そして玉ねぎを中心とした香味野菜の旨味も強く、後味のキレも印象に残りました。

さらに魚介の指標はパンチのある魚粉ではなく膨よかな出汁(だし)が意識されていて、鰹と鯖が横広がりの旨味を、煮干が縦の旨味を演出。さらに昆布や椎茸を加えることで「うま味の相乗効果*」も図られ、素朴ながらに複雑なフレームワークから味気ない印象はまったくありません。醤油は薄口でタレよりも旨味で食わせるタイプですが、香味野菜のキレでピンボケ感や物足りなさを感じることはないでしょう。

* 昆布(グルタミン酸)に鰹や煮干(イノシン酸)などの異なる旨味成分を重ねると、約4〜8倍うま味が増幅し、そこへ椎茸(グアニル酸)を加えると約32倍にも体感的な旨味成分が増幅するといわれているのですが、その作用を「うま味の相乗効果」といいます。

かやく

チャーシュー、メンマ、ネギを組み合わせました。

(出典:明星食品「ニュースリリース」)

メンマはリアルで意外とチャーシューがハイレベル

市内で釜石ラーメンを提供しているお店には海苔をトッピングしている店舗も多いようですが、新華園本店のトッピングはシンプルにチャーシュー、メンマ、ネギとなっているので、ラインナップの再現度は高いと言っていいでしょう。それにチャーシューは側面に焼き目が見られ、赤身と脂身のバランスもよく、肉質や風味もカップ麺の肉具材としては上質でハイレベル。

また、お店のメンマは細麺とマッチするように細く裂いてあるのに対し、カップ麺のメンマは幅が広く短めではあるものの、主張し過ぎず弱すぎることもない自然な歯触りとリアルな風味が好印象。ネギも白葱ではなく青葱ですが存在感は適切で、メンマたっぷり、チャーシューのレベルも高く、200円オーバーのカップ麺として納得できるクオリティでした。

総評

★★★★★☆☆☆☆☆(★5++)

麺の太さやネギの種類、メンマの形状など、お店のラーメンを完璧に再現しているとは言えないかもしれませんが、ひとつのカップ麺としてのクオリティが高く、長々と並べた御託や小難しい理屈を抜きにしても素直に美味しかったので、個人的には何個か買い置きしてリピートしたいくらい気に入りました(主観的な満足度は★6)。それに、カップ麺を買うだけで復興支援にわずかでも協力できるのは嬉しいですよね。

‥‥などと発言すると一部の心無いユーザーから稀に「偽善者ぶるな」とか「しょーもな‥」みたいなコメントが入ったりすることもあるのですが、アホかと(※すみません)。売り上げの一部なので度肝を抜くような額にはならないかもしれませんし、カップ麺を買うだけでは実際に現地で復興支援に尽力されている方々に匹敵する貢献度とは言えませんが、まず気持ちが大切ですし塵も積もればの結果は侮れません。

「釜石市ふるさと寄付金」に貢献できることを抜きにしても、ひとつのカップ麺として高評価に値する硬派な実力の持ち主だったので、当ブログとしては素直にオススメしたい良品です(あとから評価を見直して上乗せするかもしれませんが下げることはありません)。ちなみにJALの国内線及び国際線の両線で新華園本店のCMが流されるそうですが、この記事も微力ながらお役に立てれば幸いです。

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