知る人ぞ知る幻の袋麺「アラビヤン焼そば」55周年を記念してカップ麺に!! 昭和レトロな “サッポロ一番” を忠実に再現

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サンヨー食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2022年7月25日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「サッポロ一番 カップ アラビヤン焼そば」の実食レビューです。

摩訶不思議!? 香ばしくスパイシー、たまらない味わいアラビヤン。知る人ぞ知る袋麺「アラビヤン焼そば」の味わいをカップ焼きそばにアレンジ!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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サッポロ一番 カップ アラビヤン焼そば

アラビヤン焼そば(あらびやんやきそば)とは、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品の袋麺で、現在を遡ること55年以上、1967年(昭和42年)4月10日から販売を続けているロングセラー。全国的な知名度は低いかと思いますが、時系列に沿って整理すると、1968年(昭和43年)9月1日発売の「みそラーメン」や、1971年(昭和46年)9月1日発売の「塩らーめん」よりも古株に当たる存在。

2022年4月10日に発売55周年を迎えたアラビヤン

今回の新商品「サッポロ一番 カップ アラビヤン焼そば」は、知る人ぞ知る袋麺「アラビヤン焼そば」の美味しさをカップ麺で再現した一杯で、パッケージに “アラビヤン焼そば 55周年” とあるように、それを記念した企画。そもそも「アラビヤン焼そば」ってなに? どこに売ってるの? パッケージの人形は‥‥? と、疑問に感じている方も多いと思うので、まずは歴史と特徴について触れておきます。

あらためまして「アラビヤン焼そば」とは、サンヨー食品のブランド第1号「ピヨピヨラーメン」(1963年7月)に始まり、即席めん業界初の塩味として話題をさらった「長崎タンメン」(1964年8月)、そして誰もが知っている「サッポロ一番 しょうゆ味」(1966年1月発売)に次いで発売された、サンヨー食品史上4番目の商品で、現存するアイテムの中では2番目に古い歴史の持ち主。

フライパンで調理するタイプの袋麺で、内容物は油で揚げたフライ麺(91g)に「粉末ソース」と「青のり」だけのシンプルなスペック。如何せん草創期の製品なので、名前の由来については本部も正確に把握していないようですが、キャッチコピーの “不思議な位おいしく出来ます” が転じ、不思議な位 → 魔法のように → アラジン → アラビヤンになったのではないか‥‥というのが有力説。

アラビアン焼そばではなく「アラビン焼そば」

そのため発売当初から宝石付きのターバンを巻いている、神秘的な青い目のインド人(?)の人形がイメージキャラクターに起用され、デビュー当時のパッケージには “サッポロ一番の姉妹品です 最高の味を御賞味下さい” と書かれていたのですが、2000年2月のリニューアルから晴れて「サッポロ一番」に入ります。ただ、冒頭でも “知る人ぞ知る幻の袋麺” と触れたように、不遇な運命を辿ったアラビヤン。

かつての販売エリアは全国で、全盛期にはテレビCMも放映していましたが、1971年4月1日に “液体ソース” を特徴とする大盛りサイズの袋麺「サッポロ一番 ソースやきそば」を売り出したサンヨー食品。新進気鋭のニューフェイスが登場したことで、営業の重点は掌を返したように切り替わり、それまで台頭だった「アラビヤン焼そば」は必然的に姿を消すことになります。

——しかし、千葉県の銚子市や東金市を筆頭に、なぜか茨城県南部の限られた地域では継続的に売れたことを受け、引き続き「サッポロ一番」の大看板を掲げながらも細々と販売されていたアラビヤン。そのため “千葉にしか売ってない、ご当地やきそば的なローカル袋麺” に定着したのですが、昨今の昭和レトロブームが追い風になり、ニッチな商品に強いドンキホーテや業務スーパーでも見かけるようになりました。

昭和レトロなデザインは完コピ

とはいえ現在も入手困難な地域は多く、今回のカップ麺を切っ掛けに、その存在を初めて知った方も多いでしょう。実は以前にも何度かカップ麺になっているのですが、直近だと「サッポロ一番 アラビヤン スパイシー焼そば 大盛カップ」(2014年7月7日発売品)及び「同 レギュラーカップ」(2014年7月14日発売品)が最終なので、見落としがなければ8年ぶりの企画です。

開封

青のり無し・調味油ありの構成は初めてかも?

さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「焼そば粉末ソース」と「調味油」の計2種で、袋麺には入っている青のりは不在。湯切り調理が基本のカップ麺なので、調理感を出すために、オイルと置換したのでしょう。ちなみに袋麺の粉末ソースには “ソースは多めです お子様には8分目お使い下さい” というメッセージが小袋に記載されているのですが、そういった気遣いはありません。

縮れの弱さに最新の技術を感じる油揚げ麺

麺は油で揚げたフライ麺で、もっと典型的な縮れ麺を想像していたのですが、思いのほか縮れは弱く、サンヨー食品の公式ウェブサイトにも “当社独自製法により、コシと弾力のある食感でちぢれの少ないめんに仕上げました” との記載があります。これまでのカップ版「アラビヤン焼そば」には、縮れの強い熱湯3分の油揚げ麺を搭載していたのに対し、湯戻し時間が熱湯2分になっているのも大きな変化。

メーカー希望小売価格は214円(税別)なので、たとえば「サッポロ一番」を掲げる定番のカップ焼そば「オタフクお好みソース味焼そば」や「塩カルビ味焼そば」らと同じ値段。袋麺は入手困難と前述しましたが、カップ麺の販売地域は全国かつ販売店も限定していない、スーパーやドラッグストア向けの商品なので、袋麺の「アラビヤン焼そば」よりは多く流通していると思います。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:サッポロ一番 カップ アラビヤン焼そば
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品工業株式会社 関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)
内容量:100g(めん85g)
商品コード:4901734046745(JAN)
発売日:2022年07月25日(月)
実食日:2022年07月26日(火)
発売地域:全国
取得店舗:スーパー
商品購入価格:127円(税込)
希望小売価格:214円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:角型レギュラー
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:540ml
調理時間:熱湯2分
小袋構成:2袋(焼そば粉末ソース・調味油)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵、チキン調味料)、ソース(砂糖、植物油脂、食塩、粉末ソース、香辛料、豚脂、粉末酢)、かやく(キャベツ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸味料、かんすい、焼成カルシウム、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

かやくはキャベツのみ

かやくは最初から容器の中に入っている状態で、内容はキャベツのみと最低限は押さえました的な。しかし、麺の形状が特殊だったので、そこにコストを費やしたのかもしれません。作り方は外装フィルムと本体のフタ上にも書いてありますが、熱湯2分で湯切りした後、添付調味料の小袋は「調味油」を麺に馴染ませてから「焼そば粉末ソース」を混ぜ合わせるとスムーズです。

※アラビヤンはソース味の焼きそばです

さて、アラビヤンという響きに、黄色いパッケージのデザインとインド人ライクなキャラクターのイメージに影響され「アラビヤン焼そば」はカレー味と想像されることもあるようですが、なんのこれしきカレー味ではありません。ええ、私も実際に袋麺を食べる前は勘違いをしておりました。というわけで、カレーとは掛け離れつつも芳しいソースの香りが食欲を刺激してくる調理直後。

ちなみに製造所は太平食品工業の関西工場(製造所固有記号 +W)となっていますが、太平食品工業はサンヨー食品が1963年(昭和38年)1月に設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続きアラビヤンな美味しさに注目しつつ「めん」「ソース・調味油」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(100g)あたり
カロリー:504kcal
たん白質:7.9g
脂  質:25.8g
炭水化物:60.0g
食塩相当量:2.9g
ビタミンB1:0.30mg
ビタミンB2:0.56mg
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

再現度は低い

5.0

袋麺の「アラビヤン焼そば」に使われている麺は、油断するとフライパンの底に焦げ付きやすいのに対し、今回はフライパンを持ち出す必要はなく、カップに熱湯を注ぐ調理方法が基本。つまり、あのハラハラとした緊張感や炒め調理ならではの食感は楽しめません。そのためネット上では定期的に “カップ焼きそばなのに焼いてない論争” が巻き起こるのですが、それはさておき‥‥

クオリティは高い

袋麺では “ふっくらと粘りのある食感” を訴求しているのに対し、湯戻し調理の油揚げ麺はプリッとした歯切れのよさが印象的で、袋麺よりも洗練された雰囲気。揚げ油にラードを使用していないため、独特の芳ばしさを再現できていないのは寂しいポイントになるけれど、まるで「和ラー」の流れを汲んでいるような、油揚げ麺なのに上品とさえ思える仕上がりに独自製法の粋を感じます。

再現度は低いというか別のベクトルを歩んでいるといっても過言ではない、どちらかといえば近代的なタイプになりますが、早めにモタつく(放っておくと全体が一つの塊になるのが早い)ところは共通するポイント。ネガティブな共通点ですけどw モタつきに関しては液体ソースで解決ですし、洗練さについては「日清焼そばU.F.O.」に負けず劣らずだったので、かなりポテンシャルの高い麺ですよ。

ソース・調味油

粉末ソースならではのキレとスパイス感が魅力

5.0

たとえば鉄板で炒めたような調理感だったり、炒め野菜の風味だったり、なにかしらの仕掛けを「調味油」に忍ばせているのかと思いきや、ほぼほぼ無味無臭のオイルで拍子抜け。少量の豚脂をブレンドしているようですが、おおむね植物油脂がメインなので、そこまで香りは目立ちません。

奇を衒うことなく忠実に再現

しかし、焼そば粉末ソースを投入した途端、ちゃんと “フライパンで調理した「アラビヤン焼そば」の香り” が漂ってきたのにはビックリ。カップ焼きそば用に配合を調整している可能性も考えられますが、おそらく原材料の砂糖や食塩、粉末ソースなどは共通で、何味かと聞かれたら「アラビヤン焼そば」の粉末ソースと答えられる、そのくらいの再現度。

袋麺と同様に粉末ソースの量は多めですが、全体の食塩相当量は2.9gと高くありません。粉末ソースならではのドライな口当たりに、特有の刺激とキレのあるスパイシーな風味を備えつつ、どこか素朴で懐かしいテイスト。それでいてオニオンやトマトの旨み、粉末酢のアクセントで深みがある、昔ながらの袋麺に通じる魅力が楽しめました(余談ですけど、カレー粉ちょい足しアレンジもオススメです)。

かやく

キャベツです

3.0

えっと‥‥なんの変哲もないキャベツですw もともと袋麺は具無しなので、キャベツを抜いてでも「青のり」を別添してほしいと思ってしまったのですが、そういうわけにもいかんのですかね。ただ、あえての細切れなのか熱湯2分でも問題なく戻ったのと、適度に水分を保有しているため、粉末ソースの混ぜやすさに寄与していました(そっちが真の役割かも?)

総評

4.0

麺の再現度は低いといわざるを得ず、青のりも省かれていたので、せめて麺に精製ラードの風味が備わっていれば‥‥と、そのような不満がなかったといえば嘘になりますが、焼そば粉末ソースの臨場感は見事。

袋麺の「アラビヤン焼そば」が好きな方からすると、けっきょく “袋麺のほうが美味しいよね” となる確率大ですが、ソースの再現度については納得できるハズ。逆に袋麺を知らない方でも雰囲気が掴めるレベルには仕上がっているため、粉末ソースで作る焼きそばが好きな方には特にオススメの一杯です【author・taka :a(大石敬之)】

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