どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年1月14日(月)新発売、まるか食品のカップ麺「ペヤング イカスミマヨやきそば」の実食レビューです。
脱やきそば系の名作「イカスミやきそば」がマヨネーズと禁断の結託!? ペヤング史上初の組み合わせが実現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング イカスミマヨやきそば
ペヤング(peyoung)とは、まるか食品の代名詞といっても過言ではないブランドで、1973年(昭和48年)7月発売のカップラーメン「ペヤングヌードル」が最初の商品。その約2年後、1975年(昭和50年)3月13日に「ペヤング ソースやきそば」の販売を開始し、四角い容器や液体ソース、かやくの個包装など、現在のカップ焼きそばにおけるディファクトスタンダードを築き上げました。
今回の新商品「ペヤング イカスミマヨやきそば」は、ソースにパスタやリゾットなどで重宝されるイカ墨を使用した “脱やきそば系” の変わり種で、さらにマヨネーズを搭載してきたペヤング。たとえば「一平ちゃん夜店の焼そば」(明星食品)や「ごつ盛り ソース焼そば」(東洋水産)など、すでにカップ焼きそば業界でマヨネーズの別添は定番化していますが、イカスミにマヨネーズは前例がありません。
初代「ペヤング イカスミやきそば」は、2012年10月29日にリリースされた “セブンイレブン先行商品” まで遡り、2013年11月18日には通常のソースやきそばと抱き合わせた「ペヤング 超大盛やきそば ハーフ&ハーフイカスミ」を市場に投下。さらに約6年後、2019年10月7日に従来とは異なる「ペヤング イカスミやきそば」を発売し、ネット民の間でも話題になりました。
まるか食品のデータベースを調べてみたところ、歴代「イカスミやきそば」は上記の3品だけだったので、今回の「イカスミマヨやきそば」は4代目に該当する商品。2012年と2013年の添付調味料には “イカスミ加工品” しか使用していませんでしたが、2019年と2022年の添付調味料には “イカスミペースト” と “いかエキスパウダー” を併用しているため、ひとまずソースについては心配なさそうなイメージ。
イカスミ(烏賊墨)とは、イカの墨袋に含まれる粘度の高い液体で、捕食者から逃げる際、目眩しのために吐き出されます。近縁のタコ(蛸)もスミを吐きますが、タコのスミは “煙幕” のように水中で大きく広がるのに対し、イカのスミは粘度が高く、紡錘形(ぼうすいけい)の状態で吐き出された後、しばらくイカと似た形状を保つため、役割としては威嚇や錯乱を目的とする “分身の術” といったところ。
イカにとっての用途は逃走の手口に過ぎないイカスミですが、タウリンやアスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸を豊富に含んでいるため、人にとっては価値が高い食材の一つ。水の都として知られるヴェネツィアのスパゲッティ・ネーロ(イカスミを使った黒いパスタ)に、スペインのアロス・ネグロ(イカスミを使った黒いパエリア)など、一部の地域では古来親しまれています。
ちなみに “イカスミ料理はあるのにタコスミ料理はない” という疑問について、タコスミに含まれる旨み成分(アミノ酸)は “イカスミの2倍以上” という研究結果も出ているのですが、タコの墨袋は体内の奥にあって取り出しにくいこと、加えてタコの墨は量そのものが少なく、ほとんど水揚げの際に吐き出してしまうため、現実的に “食材として使用することが難しいから” というのが真相です。
さて、そろそろ「ペヤング イカスミマヨやきそば」に話を戻しましょう。添付調味料の構成などから察するに、おそらく2019年10月発売の「イカスミやきそば」がベースになっていると思うので、それとの違いや共通点はもちろん、マヨネーズとイカスミの相性にも注目です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れの「ソース」と「マヨネーズ」で計3袋。マヨネーズの小袋は「オニオンマヨツナやきそば」や「オムそば風やきそば」と同じデザインなので、おそらく中身はプレーンタイプ。麺は油で揚げたフライ麺で、いつもの「ソースやきそば」にも使われている汎用性が高いフライ麺と見て間違いありません。
2022年1月発売のペヤングといえば、3週連続でシーフード×マヨが組み合わさり、1月17日発売の「明太シーフード唐辛子マヨやきそば」は “売ってない問題” で入手を断念。1月31日発売の「超大盛シーフード唐辛子マヨやきそば」は手に入ったので、先にレビューしているのですが、それを探している途中、発売日から1週間遅れて搬入されていた「イカスミマヨやきそば」を捕獲しました。
営業の関係や仕入れの都合など、カップ麺の新作は販売店の変動が激しいため、ぜったい買えると断言することは難しいのですが、今回の「イカスミマヨやきそば」は全国規模のNB(ナショナルブランド)商品。実際に立ち寄ったコンビニの中では「ファミリーマート」での取り扱いが多く、スーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストアなども取扱店の対象になっています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ペヤング イカスミマヨやきそば 製造者:まるか食品株式会社 製造所:A・赤堀工場(群馬県伊勢崎市下触1101-1) 内容量:126g(めん90g) 商品コード:4902885007685(JAN) |
発売日:2022年01月14日(月) 実食日:2022年02月05日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:216円(税込) 希望小売価格:205円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(ソース・かやく・マヨネーズ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、香辛料)、添付調味料(マヨネーズ、糖類、食塩、トマトペースト、香辛料、植物油脂、たん白加水分解物、イカ墨加工品、いかエキスパウダー、たまねぎ、イカスミペースト)、かやく(キャベツ、イカ、フライドガーリック)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、増粘多糖類、膨張剤、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、リン酸塩(Na)、ビタミンB2、香料、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・いか・大豆・りんごを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、2019年10月発売品の具材にはキャベツとイカしか入っていなかったのに対し、フライドガーリックを追加しているのはポイント。さらにマヨネーズも別添と豪華な仕様に変わっているのですが、メーカー希望小売価格(税別)も193円から205円に上がっているため、赤字覚悟のサービスというわけではない様子。
ソースとマヨネーズは後入れなので、3分後に湯切りした後、食べる直前に使用します。ひとまずソースは全体に馴染ませ、マヨネーズは混ぜない状態で撮影しましたが、このマヨネーズは “混ぜないで食べるのが正解” なのか “マヨネーズも大きく混ぜてしまうのが正解” なのか‥‥
ええ、それを確かめるのも私の仕事。基本的にカップ麺の焼きそばや油そば(まぜそば)に別添されているマヨネーズは混ぜない派なんですけど、場合によっては全体的に馴染ませたほうがいい商品もあるので、マヨネーズの使い方にも注意しながら「めん」「ソース・マヨネーズ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(126g)あたり |
カロリー:610kcal たん白質:10.2g 脂 質:36.0g 炭水化物:61.3g 食塩相当量:3.3g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
あいかわらず万能です
春雨の「ピーヤング」や「なんちゃって蕎麦風」など、いつもとは違う麺を使用した商品もありますが、今回は通常の「ソースやきそば」と同じ油揚げ麺で、イカスミなどの特殊な原材料は練り込まれていません。ただ、この油揚げ麺があるからこそ、まるか食品は数々の名作(迷作?)を世に送り出せています。
油揚げ麺とマヨネーズはジャンクさを高める相乗効果があるので、その相性については言うまでもなく、後述するイカスミソースにも違和感なくフィット。これをロングパスタ風のストレート麺に変えても面白そうですが、それだとペヤングのアイデンティティが消えてしまうので、ちょっと頼りない食感やラードの芳ばしい風味を楽しむスタンスで食べるのが正解。
ちなみに外装フィルムの賞味期限右側に「+H」と記載してあったら本社工場(群馬県伊勢崎市戸谷塚町49-1)で、同じ箇所に「+A」と記載してあったら赤堀工場(群馬県伊勢崎市下触町1101-1)で製造したことを意味しているのですが、どちらもレシピは変わりません。ロット差で微妙にサイズや縮れの強弱が変動することもあるけれど、それもペヤングの魅力だと思います。
ソース・マヨネーズ
おそらくソースは2019年10月発売品と同じ
魚介の旨みを中心に、きちんとイカスミに由来する独特のコクも感じられ、やや特有の生臭さもありますが、イカスミパスタのソースを作るときにも使われる技法を採用し、そのネガティブな部分を生おろしニンニクのインパクトで中和。さらに玉ねぎの甘みを重ね、そこにスッとトマトが通っている、2019年10月発売の「イカスミやきそば」を思い出すテイストです。いやー、あいかわらず本格的ですね。
原材料名の並びが変わっているので、すこし配合を見直したのかもしれませんが、食品表示法が改正されたことによる影響を受けた確率も高く、見直していたとしてもマイナーチェンジに過ぎない変化。パスタのソースとしても通用するほど硬派な味わいで、しかしながらカップ焼きそばのソースとしても違和感がないのは、これまでにペヤングが築き上げてきた無茶の賜物かもしれません。
かなりソースの完成度が高いので、これにマヨネーズを入れるのは勿体ないのでは‥‥と、実食前は懸念していました。ところがどっこい‥‥くっそウマかった件w マヨネーズでイカスミの魅力が半減するかと思いきや、なんのなんの。マヨネーズに含まれる卵黄でコクが大幅にアップするだけでなく、ちょっと強めの酸味がトマトの酸味と絡み合い、ソースと対等のバランスで絶妙にフュージョン。
たとえばレギュラーサイズの「一平ちゃん夜店の焼そば」に別添されている特製マヨ(からしマヨネーズ)の量は約5gなのに対し、今回のマヨネーズは約10gと2倍ちかい量を搭載しているのですが、それを全部使ってベストと思える適切な味加減。まずはマヨネーズなしでソースの味を確かめて、マヨネーズを投入し “全体を大きく混ぜてマヨネーズを馴染ませるのが正解” だと感じました。
かやく
前回よりもガーリック感アップ
2019年10月発売品と比較してフライドガーリックを追加した分、ちょっとキャベツやイカの量を減らし‥‥みたいな感じで調整しているかもしれませんが、それでもキャベツ、イカ、フライドガーリックともに申し分ない量で、イカは風味が強く、みずみずしいキャベツは多めのマヨネーズがクドくならないように中和してくれる存在。
新たに追加されたフライドガーリックのインパクトも凄まじく、これが口の中に入ってきた瞬間にバシッとダンクがキマるので、最後まで飽きずに食べ切れました。ソースのニンニクはマヨネーズで分散してしまうため、フライドガーリックを導入したのは大正解だったと思います。
総評
いやー、やってくれましたね。実際に食べる前は “あの名作だった「イカスミやきそば」にマヨネーズ? あたまペヤングかよ” などと心の中で侮っていましたが、全力で謝ります。大量のマヨネーズにイカスミの個性が埋没するかと思いきや、いざ組み合わせてみるとイカスミはマヨネーズの中で活き活きとしていたので、まったくネガティブではありませんでした。
マヨネーズをトッピングしてから混ぜないで食べた場合、ちょっとマヨネーズの主張が強いと感じたので、今回はマヨネーズもソースと同じように扱い、全体を大きく混ぜてしまうのがオススメの食べ方。あるいはマヨネーズを使わなければ前回の「イカスミやきそば」に近いので、それが気に入っていた方は早めに買い溜めしておいたほうがいいかもしれません【author・taka :a(大石敬之)】