どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年9月6日(月)新発売、まるか食品のカップ麺「ペヤング 獄激辛麻婆やきそば」の実食レビューです。
泣けるほど辛みが強いので、小さなお子様や辛みが苦手な方の喫食には十分ご注意ください——。ペヤングの獄激辛やきそば “第5弾” はシリーズ初の「麻婆豆腐」がテーマ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング 獄激辛麻婆やきそば
ペヤング(peyoung)とは、まるか食品の代名詞となっているロングセラーで、現在はキワモノ路線のカップ焼きそばを精力的に開発していますが、1973年(昭和48年)7月発売のカップラーメン「ペヤングヌードル」が最初の商品。まだカップ麺が高価な食べ物だった当時、若い(young)カップルに2人(pair)で1つのものを仲良く食べてほしいとの願いを込めて「ペヤング」という名前になりました。
近年は “脱やきそば系” の変わり種や激辛・爆盛りなど、デジタルネイティブやYouTuber(ユーチューバー)に向けた商品を数多く展開しているため、すっかりネット上でも変態扱いされている「ペヤング」ですが、四角い容器の導入や液体ソースの開発、個包装にした具材の別添など、現在は当たり前のように大手企業も採用しているカップ焼きそばのデファクトスタンダードを築いたパイオニアです。
今回の新商品「ペヤング 獄激辛麻婆やきそば」は、泣けるほどの辛さで即席カップめん業界を震撼させた「獄激辛(ごくげきから)シリーズ」第5弾に該当する新作で、麻婆(まーぼー)の旨みを効かせた新展開。実は2011年(平成23年)6月13日に “特殊な湯切りシステム” を搭載した「麻婆やきそば」を発売している「ペヤング」ですが、獄激辛シリーズからの商品化は初の試み。
獄激辛シリーズの皮切りとなった「ペヤング 獄激辛やきそば」が初めて発売されたのは、2020年(令和2年)2月17日と比較的に最近の話。それ以前から激辛系のカップ焼きそばに力を入れていましたが、2012年(平成24年)2月20日発売のMAXシリーズ第1弾「ペヤング 激辛やきそば」を圧倒的に凌駕する非常識な辛さを打ち出し、業界の辛味水準を大幅に狂わせました。
辛みの強さを表す指標として、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンの含有量を数値化した「スコヴィル値(Scoville heat units – SHU)」という辛味単位があり、一般的なタバスコが2,500〜5,000SHU程度。まるか食品が公表している「ペヤング 激辛やきそば」のスコヴィル値は45,000SHUなので、単純に計算してもタバスコの5倍以上なのですが、それも “序の口” となってしまった現在——。
リタイア続出で話題になった “激辛MAX END(マックスエンド)” こと2018年(平成30年)8月27日発売の「激辛やきそばEND」では脅威の153,400SHU(15万SHU以上)を叩き出し、既存の「激辛やきそば」と比較して3.4倍以上の辛さを誇っていたのですが、なんのなんの。獄激辛シリーズのスコヴィル値は455,000SHU(45万SHU以上)なので、もはや味よりも痛みが先行するレベル。
まるか食品の公式ウェブサイト内にある「ペヤング 獄激辛麻婆やきそば」の商品情報には “従来の獄激辛シリーズと同等の辛さに、麻婆の旨味をしっかりと効かせた商品” と記載されていたので、スコヴィル値は45万SHU以上。パッケージには前回(第4弾)の「獄激辛にんにくやきそば」と同じ表情のキャラクターをデザインし、もれなく例の警告文も表示しています。
このブログでは、シリーズ第1弾の「獄激辛やきそば」から「獄激辛カレーやきそば」「超大盛やきそばハーフ&ハーフW獄激辛」「獄激辛担々やきそば」「獄激辛にんにくやきそば」まで、今回の「獄激辛麻婆やきそば」を除く全商品をレビュー済み。おそらく “泣けるほどの辛さ” については申し分ないと思うので、あとは “麻婆の旨味” も伝わってくるのかどうか、お手並み拝見と参りましょう。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れの「ソース」で合計2袋。外装フィルムの原材料名を確認してみたところ、添付調味料に甜麺醤(テンメンジャン)や豆板醤(トウバンジャン)のほか、老酒(ラオチュウ)の表示もあったので、思いのほか作りとしては本格的。ただ、それだけに非常識な辛さとのバランスが問われるところ。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。ペヤングやきそばの油揚げ麺は基本的に使い回しなので、おそらく今回も「ソースやきそば」などに使われている麺と同じだと思います。ちなみに外装フィルムの賞味期限横に「H」とあったら本社工場で、同じ位置に「A」とあったら赤堀工場で製造したことを意味しているのですが、どちらの工場でも油揚げ麺のレシピは変わりません。
メーカー希望小売価格は205円(税別)に設定されているので、2021年4月19日発売の「超大盛やきそばハーフ&ハーフW獄激辛」を除く従来の獄激辛シリーズと共通の値段。筆者の住んでいる地域では「獄激辛にんにくやきそば」や「獄激辛担々やきそば」の売れ残りが目立ち、新作の「獄激辛麻婆やきそば」を置くスペースがなく、どこにも売ってない状況だったので、ネット通販サイトを利用しました。
2021年9月19日現在、イトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)やヨドバシ.com(ヨドバシ・ドット・コム)を確認したところ、まだ1品単位でバラ売りされていましたが、送料や手数料が別途必要になるので、それを加味しても買うべきかどうか、今回のレビューが参考になれば幸いです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ペヤング 獄激辛麻婆やきそば 製造者:まるか食品株式会社 製造所:A・赤堀工場(群馬県伊勢崎市下触1101-1) 内容量:114g(めん90g) 商品コード:4902885007265(JAN) |
発売日:2021年09月06日(月) 実食日:2021年09月19日(日) 発売地域:全国 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 商品購入価格:203円(税込) 希望小売価格:205円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(ソース・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、香辛料)、添付調味料(水あめ、甜麺醤、しょうゆ、食塩、植物油脂、香辛料、ガラスープ、豆板醤、味噌、ポークエキス、糖類、たん白加水分解物、老酒、チキンエキスパウダー、ジンジャーパウダー)、かやく(豚・鶏味付ひき肉、豆腐、ネギ)/ 調味料(アミノ酸等)、香辛料抽出物、酒精、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、かんすい、粉末セルロース、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、カラメル色素、トレハロース、豆腐用凝固剤、ビタミンB2、(一部に小麦・卵・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、小さな豆腐の存在も確認。前述した2011年(平成23年)6月発売の「麻婆やきそば」には “90度になるまで傾けると少量の湯が残る” 新しい湯切りシステム(当時まだ特許出願中)を採用していましたが、今回の「獄激辛麻婆やきそば」は通常の「ソースやきそば」と同じ作り方なので、お湯を注いでから3分後、湯切りしてソースを馴染ませたら出来上がり。
ペヤングには具沢山な商品が多いのに対し、今回の具材量は貧弱で、香りは獄激辛ソース特有の薬品臭が目立っている調理直後。麻婆といえば花椒(ホワジャオ)の清涼感も必須のイメージですが、それについての香りは感じません。獄激辛シリーズ第3弾の「獄激辛担々やきそば」も花椒は目立っていなかったので、痺れについては期待しないほうがいいのかも。
ちなみに筆者はネット通販サイトを利用したと前述しましたが、Twitterなどで検索すると “ローソンに売っていた” という目撃情報が多かったので、販売店の参考にしてください。それでは、獄激辛シリーズらしい泣けるほどの辛さと花椒の痺れにも注目しつつ「めん」「ソース」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(114g)あたり |
カロリー:551kcal たん白質:8.6g 脂 質:30.8g 炭水化物:59.8g 食塩相当量:3.6g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつもの油揚げ麺
今回のレビューで使用した商品の油揚げ麺は、群馬県伊勢崎市下触にある赤堀工場で製造されていたので、群馬県伊勢崎市戸谷塚町の本社工場ではないのですが、麺の仕様は差別化されていません。微妙に幅が広いとか狭いとか、わずかに薄いとか厚いとか、麺の形状にニュアンスが生じることもあるけれど、あくまでロット差の問題。
基本的にはレギュラーサイズの「ペヤング ソースやきそば」に使われている油揚げ麺と共通で、たとえば日清食品の「カップヌードル」よろしくスープに合わせて麺の味付けや太さを変えるなど、そういったバリエーションもありません。ただ、よほど奇抜なソースでない限り、だいたいの味に使えるので、汎用性の高さでコストが抑えられる(ソースや具材に力を入れられる)のが強み。
それは獄激辛シリーズも例に漏れず‥‥なんですけど、このシリーズはアホみたいにソースの刺激が強いので、たとえばラードの芳ばしい風味とか、ペヤングの油揚げ麺ならではの魅力を感じる余裕はありません。これといって相性が悪いわけではないけれど、これといった相乗効果もない、みたいなw とはいえアイデンティティは感じられました。
ソース
ずっと並行する苦味が気になる‥‥
たとえば麻婆豆腐に必須の甜麺醤や豆板醤に、紹興酒を代表とする黄酒(ホアンチュウ)を長期熟成させた老酒を使用しているのもポイントで、さらにガラスープ、ポークエキス、チキンエキスパウダー、ジンジャーパウダーなど、原材料名だけ見ると凝った作りになっているのですが、もはや辛(から)いを通り越して痛いw 辛(つら)いw
原材料名には “水あめ” の表示もありますが、筆者の舌に甘さを感じる余裕はなく、それよりも目立っていたのは辛味と苦味。花椒の痺れは感じるような、そうでもないような‥‥。とりあえずメインの刺激はカプサイシンで、香りも例の薬品臭が強く、ぶっちゃけ美味しいとは思えませんでした。そもそも味に期待してはいけないシリーズなんですけど、とりあえず麻婆の旨味についてはイマイチです。
具材
ラインナップは悪くないけど少ない
麻婆豆腐に必須の豆腐、挽肉、ねぎは取り揃えているのですが、いかせん少ないのが玉に瑕。それぞれソースを入れる前に食べてみたところ、豆腐は小さいながらに優しい口当たりと大豆の風味が心地よく、ちょっとジャンクな味付けの挽肉も美味しくて、しかしながらソースを入れた後は完全に埋没。ねぎの食感だけは辛さに埋没しなかったので、ある意味それが印象に残りました。
総評
泣けるほどの辛さについては申し分なかったのですが、肝心の麻婆味が弱く、ネット通販サイトを利用してまで取り寄せる価値があるのかと聞かれた場合、筆者は自信を持ってオススメすることはできません。新作を出せば100%の確率で騒がれる「獄激辛シリーズ」なので、そこに注力したい気持ちも理解できるのですが、それ以前にネット上でも話題になっている “どこにも売ってない問題” のほうが深刻。
もちろん取り扱っている販売店がゼロというわけではないものの、市場では前回・前々回の売れ残りが目立っている状態。それを捌けないが故に発注を躊躇っている店舗が多いのは明白で、新商品に敏感なコンビニでさえ同じような有様。話題になっても売れなければ本末転倒だと思うので、そろそろ大々的なテコ入れが必要な時期かもしれません【author・taka :a(大石敬之)】