【評価】沼るセアブラ「京都風背脂醤油ラーメン」ご当地の魅力をコスパ高に表現!! かと思いきや‥‥

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東洋水産

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2024年5月20日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「沼るセアブラ 京都風背脂醤油ラーメン」(160円+税)の実食レビューです。

やみつきになる背脂の味わいが沼級にウマい「沼る」ブランド第3弾は “こだわりの特製油付き„ 京都発祥の背脂チャッチャ系を再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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沼るセアブラ 京都風背脂醤油ラーメン

沼る(ぬまる)とは、周りが見えなくなるほど没頭する・熱中する・どっぷりハマる・のめり込む・夢中になる等々、そういった様子や気持ちを表現する際に用いられている通俗的な表現で、趣味の分野ではもちろん、推し活や恋愛話、中毒性のある作品の感想など、さまざまなシーンで見かける単語でもあるのですが、即席カップめん業界における「沼る」といえば東洋水産。

沼るブランド第3弾は「京都」

今回の新商品「沼るセアブラ 京都風背脂醤油ラーメン」は、一点の特徴を際立たせたハマる美味しさの “ご当地縦型カップ麺„ をコンセプトに、マルちゃんの東洋水産が展開している「沼る」ブランド初のフレーバーで、ポークとチキンの旨みをベースにした醤油味のスープに、たっぷりの背脂を加え “京都の背脂チャッチャ系„ を再現。

東京における背脂チャッチャ系といえば、1938年(昭和13年)に難波二三夫氏が創業した「ホープ軒本舗」にルーツを持ち、その貸屋台から独立する形で自身の店を持つことになった、牛久保英昭氏の「ホープ軒(千駄ヶ谷)」、穴見勝喜氏の「香月(恵比寿)」、西川総一氏の「弁慶(堀切菖蒲園)」、そして後に “環七ラーメン戦争„ を牽引することになる「土佐っ子」も超が付く有名どころ。

しかし、京都における背脂チャッチャ系といえば、1948年(昭和23年)の創業以来、現在は左京区北白川に本店を構えている「中華そば ますたに」が圧倒的に有名で、ここが元祖。また全国展開しているチェーン店を例に挙げると「来来亭」や「魁力屋」も背脂チャッチャ系のラーメンを提供していますし、即席カップめんの題材としてもメジャーなので、比較的にイメージしやすいスタイルかと思います。

背脂の “やみつきになる味わい„ を訴求

カタカナ表記のセアブラを見て、ふと「ラーメンセアブラノ神 背脂煮干そば」(ファミリーマート限定、2021年6月01日発売品)が脳裏を掠めたんですけど、それはさておき「沼る」ブランドの発足は、2023年5月29日発売品からと比較的に最近の話。第1弾は「沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン / 沼るニボシ 青森風煮干し醤油ラーメン」から始まり、同年9月25日に縦型ビッグ版を市場に投下。

その後、2024年2月12日に発売された「沼るタマネギ 八王子風醤油ラーメン」と「沼るコショウ 長崎風ちゃんぽん」は製造・販売を終了していますが、縦型ビッグの「沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン」と「縦型ビッグ 沼るニボシ 青森風煮干し醤油ラーメン」は現在も絶賛販売中なので、縦型ビッグは通年商品、レギュラーサイズはスポット商品に位置付けられている様子。

かくして(純然たる新フレーバーとしては)ブランド第3弾となる「沼るセアブラ 京都風背脂醤油ラーメン」の発売と同時に「沼るトウガラシ 宮崎風辛麺」もリリースされているのですが、後者は最寄りのスーパーで取り扱いがなく‥‥辛いから? 近隣の県じゃないから?(※筆者は近畿エリアかつ高齢者が多いド田舎の山間部に生息しているため)。

こだわりの特製油付き

というわけで、同時発売品の「沼るトウガラシ」は手に入り次第、なんとかレビューしようと目論んでいるのですが、こちら「沼るセアブラ」は “こだわりの特製油„ で背脂チャッチャ系の魅力を再現している模様。即席カップめん業界における液体背脂はエースコックの独擅場ですが、東洋水産は特製油+背脂加工品で勝負してくるパターンが恒例なので、そのインパクトに期待しながらレビューします。

開封

まずは「特製油」を取る(なかなかの粘着力だったw)

今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製油」1パックのみで、東洋水産曰く “別添の特製油により、さらにコクのある旨みを堪能できます„ とのこと。同社の特製油は基本的に植物油+動物油脂を組み合わせているため、こちらも100%動物油脂ではないと思いますが、それなりの背徳感には期待したいところ。

おいィィィィw

かやくは‥‥くっw 見えないw えっと、原材料名には “背脂加工品、ねぎ„ の記載しかないので、かなりシンプル。チャーシューやメンマは入っていませんが、沼るのコンセプトは一点特化型ですし、肉具材よりも背脂を優先したのは正解でしょう。そして、注目すべきはメーカー希望小売価格の低さ。

たとえば同社の「赤いきつね」「緑のたぬき」「麺づくり」「QTTA(クッタ)」を例に挙げると、いずれもレギュラーサイズのメーカー希望小売価格は236円(税別)となっているのに対し、こちらは160円(税別)と破格の値段。オープン価格の商品ではないけれど、お店によっては100円前後の商品に位置付けられているかもしれません。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:マルちゃん 沼るセアブラ 京都風背脂醤油ラーメン
販売者:東洋水産株式会社
製造所:株式会社酒悦 房総工場
内容量:70g(めん52g)
商品コード:4901990377935(JAN)
発売日:2024年05月20日(月)
実食日:2024年05月21日(火)
発売地域:全国(量販店・一般小売店 他)
取得店舗:スーパー
小売価格:160円(税別)
購入価格:127円(税込)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型レギュラー
容器材質:プラ(PP)
湯量目安:330ml
調理時間:熱湯4分
小袋構成:1袋(特製油)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白)、添付調味料(植物油、しょうゆ、豚脂、食塩、ポークエキス、乳糖、チキンエキス、砂糖、香辛料、たん白加水分解物、発酵調味料)、かやく(背脂加工品、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、増粘多糖類、かんすい、レシチン、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

ガコッと戻した

麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は4分。ニュースリリースの商品特徴に記載されている “食べごたえのある太めの麺„ という表現が「沼るトウガラシ」と一括りになっているため、まったく同じ麺を使い回すことでコストを削減しているのかもしれません(まだ「沼るトウガラシ」は手元にないので、想像ですけど)。

このセアブラで沼れるのか?

別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「特製油」を温めながら待つこと4分。時間になったら「特製油」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。豚脂の芳ばしい香りはポジティブですが、沼るセアブラのわりにセアブラの量はジャンル的に普通というか、極端に多いわけではありません。

ちなみに製造所は酒悦の房総工場(千葉県長生郡)となっていますが、1983年(昭和58年)7月より東洋水産が資本参加している連結子会社の工場なので、単純に “マルちゃんの工場„ という認識で問題ありません。それでは、引き続き背脂チャッチャ系の臨場感とコスパ的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(70g)あたり
カロリー:325kcal
たん白質:7.4g
脂  質:15.4g
炭水化物:39.2g
食塩相当量:4.1g
(めん・かやく:0.9g)
   (スープ:3.2g)
ビタミンB1:0.33mg
ビタミンB2:0.29mg
カルシウム:119mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:325kcal(めん・かやく:245kcal)(スープ:80kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

背脂チャッチャ系のイメージからは外れる

2.0

京都における背脂チャッチャ系の麺といえば、その発祥とされる「中華そば ますたに」の影響で、加水率は低く、形状は細めでストレート。みたいなイメージが強いのに対し、こちらは真逆とまではいいませんけど、縮れの強い形状だったり、比較的に加水率が高めだったり、京都の背脂チャッチャ系を彷彿とさせる個性は備わっていません。

コスト制約の煽りをモロに受けたか‥‥

また調理前の段階でガコッと容器から外れていたように、容器の材質(PP:ポリプロピレン)が仇になったのか、お湯を注いでいる段階からプカッと浮いてしまうので、それを4分間ぎゅっと押さえ込んでおく術もなく、きちんと待っても部分的にカタいまま。大将! 今日ちょっと茹で加減ちょっとカタめで! みたいなカタさとは違うため、その戻りムラが気になります。

また揚げ油に由来するニオイが強いこともあり、よくも悪くもカップラーメンらしい仕上がりで、他に合わせる麺はなかったのかと。単純にスープとの相性だけ見れば、これはこれで悪くないと思ったけれど、京都風とは‥‥みたいな。題材のイメージを加味すると、手放しには評価できませんでした。

スープ

マルちゃんの京都風はコレらしい

2.5

まずは「特製油」を入れる前の状態を確認してみたところ、かなり濃いめの味付けで、しょうゆの主張が激しく、うまみ成分の影響も強め。ちらほらと目に入る唐辛子が “それっぽい„ 雰囲気を醸しているけれど、鶏ガラよりも豚のほうが手前に来る感じだったり、砂糖の効かせ方だったり、はたして京都風なのかと聞かれたら、ちょっと返答に困ります。

豚脂のチョイスは好印象

続けて「特製油」を加えると、けっこう豚脂の含有量が多く、しかも特有の芳ばしさが強く香るタイプの豚脂を選んできた東洋水産。スープのコクを深める効果についてはもちろん、後述する背脂加工品の臨場感も高めてくれるので、アブラのチョイスは好印象でした。

かやく

この倍は欲しかった背脂加工品

2.5

背脂加工品は東洋水産お得意のアイテムで、これ単体でも芳ばしいのですが、そこに「特製油」を重ねることで雰囲気をブーストさせるまでがマルちゃんの常套手段。しかし、商品名の「沼るセアブラ」を思うと量的に頼りなく、沼るほどのインパクトを与えるには、この倍量は欲しかったところ。

いやでも値段的に‥‥うーん、難しいですね。ちなみに京都のネギといえば、全国的にも有名な九条ネギ。たとえば九条ネギ入れ放題など、ネギに強い “こだわり„ を持ったラーメン店も多いので、この商品にも九条種ネギを使ってくれとまではいいませんが、FD(フリーズドライ)だとネギに “こだわり„ が見えたかなと、そのように思いました。

総評

2.0

メーカー希望小売価格が事実上の標準を圧倒的に下回る商品なので、コスト的な制約が多いブランドであることは理解しているつもりですが、何故に京都の背脂チャッチャ系に手を出したのだろうと。百歩譲って麺の仕様は大目に見たとしても「沼る」ほどの魅力がセアブラに備わっていなかったので、及第点は付けられませんでした。

京都の背脂チャッチャ系を再現したカップラーメンを食べたいのであれば、ニュータッチのヤマダイが誇る「凄麺 京都背脂醤油味」(255円+税)のほうが圧倒的に高コスパ。なによりも値段を抑えたいのであれば、先月にリブランディングしたエースコックの「ご当地の一杯 京都 背脂醤油ラーメン」をオススメします。【author・taka :a(大石敬之)】

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