どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年4月12日(火)リニューアル新発売、ローソン名店シリーズのカップ麺「日清 無鉄砲 濃厚ド豚骨」の実食レビューです。
生粋の豚骨バカで知られる “店主も認めた” こだわりスープ「無鉄砲」監修のカップラーメンが「濃厚ド豚骨」にリニューアル!!
どこが変わったのか、それに伴うトレードオフは生じていないか、実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
無鉄砲 濃厚ド濃厚
無鉄砲(むてっぽう)とは、1998年(平成10年)6月7日の創業以来、厳選した国産豚骨と水だけで作る純度100%の超濃厚とんこつスープが特徴の人気ラーメン店で、現在は京都府木津川市に「総本店」を構えていますが、発祥の地は奈良県奈良市南紀寺町。
そのルーツは宮崎県宮崎市を中心に店舗を展開している風来軒(ふうらいけん)にあり、そこで修行を積んだ赤迫重之(あかさこ しげゆき)店主は自他共に認める豚骨馬鹿として知られる人物。奈良で無鉄砲を開業した当初、客から「こんなドロドロのスープでは1年後に潰れる」「1ヶ月も保たない」と散々に言われる中、自身の信じる豚骨スープを追求し続け、唯一無二のジャンルを開拓しました。
今回の新商品「無鉄砲 濃厚ド豚骨」は、豚骨馬鹿こと「無鉄砲」の赤迫店主監修によるカップラーメンで、製造者は日清食品。2019年(平成31年)4月9日発売の初代「無鉄砲 濃厚豚骨ラーメン」に始まり、2020年(令和2年)4月7日発売の二代目「無鉄砲 濃厚とんこつ」に続くローソン限定のPB(プライベート)商品です。
日清食品と無鉄砲の付き合いは長く、2009年(平成21年)12月1日発売の近畿地区限定商品「無鉄砲 超濃厚豚骨 2人前」(日清食品チルド)を皮切りに、2011年(平成23年)10月11日発売の「有名店が推す一杯 無鉄砲」から即席カップ麺の監修をスタート。その後も何度か日清食品のNB(ナショナルブランド)商品を監修していましたが、無鉄砲のカップ麺は現在、ローソンでしか購入できません。
無鉄砲監修のカップ麺といえば、濃厚なスープに負けないコシを備えたノンフライ麺に、別添の小袋を開封した瞬間、むわっと押し寄せてくる獣臭が特徴的な一杯で、ローソン名店シリーズに参入してからの初代「無鉄砲 濃厚豚骨ラーメン」と二代目「無鉄砲 濃厚とんこつ」は、このブログでも高評価を叩き出してくれた逸材。
かくして三代目に突入した「無鉄砲 濃厚ド豚骨」のパッケージは、屋号を横書きから縦書きに切り替え、お店の丼を彷彿とさせる黒・赤・金のカラーリングを採用したメリハリのあるデザインに切り替わり、なおかつ従来の商品では訴求していなかった「店主も認めたごだわりスープ!」をアピール。商品名も「濃厚ド豚骨」と迫力を増しているため、引き続き期待できそうな予感。
ローソンの公式ウェブサイトには “京都の名店「無鉄砲」監修の商品です。豚のうまみを凝縮させた濃厚なスープが特長です。” としか記載されていないため、詳しいリニューアルポイントまでは伝わってきませんが、スープのブラッシュアップを図っているようなイメージ。ただ、それに伴うトレードオフが生じている確率も高いので、リニューアル前後の違いが気になるところ——。
ちなみに2020年4月発売の「無鉄砲 濃厚とんこつ」をレビューした際、初代との違いを比較しているため、それについての詳細は関連ページ「ローソン×日清食品『無鉄砲 濃厚とんこつ』獣臭が強烈な無鉄砲のカップ麺 “二代目” に進化!!」をご覧ください。以下、このページでは三代目「無鉄砲 濃厚ド豚骨」について細かく掘り下げます。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、まろやかな旨み引き立つ「特製コク旨たれ」1袋で、食べる直前に加える後入れ仕様。リニューアル前と比較して「無鉄砲」を象徴する○無のロゴと “がむしゃら” の文字は小さくなっていますが、新たに暖簾(のれん)のデザインが追加され、より洗練さを増した雰囲気に。
フタ裏には引き続き「ムテメシ」のアピールがあり、具材の構成はリニューアル前から変わっておらず、味付豚肉とネギ‥‥かと思いきや、新たに “大豆たん白加工品” を追加しています。つまり、フェイクミートでコストカット(本物の肉具材を減らし、かさ増し)しているため、これが今回のリニューアルで生じたトレードオフだと感じたのですが、ローソン標準価格を見ると頭ごなしには叩けません。
原材料の高騰が相次ぐ中、販売価格はリニューアル前と同じ211円(税込228円)なので、ここは企業努力を感じるポイント。果たして値段を据え置くために具材の質を落とす判断が正解なのか、値段を上げてでも質を向上させる決断が正解なのかは時と場合によるものの、即席カップめん業界は1銭(100分の1円)に左右されるシビアな世界なので、いずれにせよ頭を抱えたことは容易に推察できます。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清 無鉄砲 濃厚ド豚骨 製造者:日清食品株式会社 製造所:+F 静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:103g(めん70g) 商品コード:4902105272053(JAN) |
発売日:2022年04月12日(火) 実食日:2022年04月17日(日) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:228円(税込) ローソン標準価格:211円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製コク旨たれ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、チキンエキス、植物油脂、大豆食物繊維)、スープ(豚脂、ポーク調味料、でん粉、食塩、粉末しょうゆ、しょうゆ、ポークパウダー、糖類、チキン調味料、たん白加水分解物、酵母エキス)、かやく(大豆たん白加工品、味付豚肉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(増粘多糖類、加工でん粉)、かんすい、香料、カラメル色素、炭酸Ca、グリセリン、乳化剤、マリーゴールド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、フラボノイド色素、クチナシ色素、ビタミンB2、香辛料抽出物、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。かやくに大豆たん白加工品を追加していたことには価格据え置きの代償を感じましたが、麺の量を減らしてコストを-・みたいな調整はなく、原材料の構成もリニューアル前から変わっていません。
別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「特製コク旨たれ」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら小袋の中身を‥‥あいかわらず臭ぇなオイw(※とても喜んでおります)。例によって “むわっ” とくる豚臭い香りは人を選ぶ項目になりますが、実際のラーメンも人を選ぶことで知られる「無鉄砲」監修の恩恵といっても過言ではないので、この商品では強みになる香り。
ちなみにカロリーはリニューアル前(402kcal)と比較して大きく変わっておらず、たん白質、脂質、炭水化物、食塩相当量、ビタミンB1・B2など、それらの値にも大幅な変動は生じていないのですが、なぜか “カルシウムのみ536mgから370mgに減っている” のが気になるところ。というわけで、土台の豚骨感にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(103g)あたり |
カロリー:405kcal たん白質:9.9g 脂 質:10.8g 炭水化物:67.1g 食塩相当量:6.8g (めん・かやく:3.0g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.30mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:370mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:405kcal(めん・かやく:299kcal)(スープ:106kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おそらく麺に変更点はない
無鉄砲グループの実店舗では「がむしゃら」「つけ麺 無心(むしん)」「つけ麺 無極(むきょく)」のみ自家製麺で、それ以外の系列店と京都総本店では “風来軒” から付き合いのある製麺所・日本めん(宮崎県)直送の特注麺を使っており、豚骨ラーメンといえばの低加水麺とは一線を画す中太ちぢれ麺を採用しています。
それを再現している今回のノンフライ麺は、体感的に前回・前々回と共通で、かなりコシが強く、濃厚なスープと対等に渡り合える存在感に、芳醇な小麦の風味が魅力。食べ始めはゴムっぽい弾力が残っているため、そこがカップラーメンらしい要素になってしまうのですが、独特の噛み応えがクセになる感じ。
きちんと指定の時間を守れば致命的な戻りムラが発生することもなく、強靭なコシの強さが楽しめるのですが、別添の「特製コク旨たれ」を加えて混ぜた後、あえて2〜3分ほど休ませるのもオススメの食べ方。すこし休ませるとスープの馴染みが増し、ゴムっぽさも控えめになるので、お好みの時間を探ってみてください。
スープ
おいおいおいおい‥‥
無鉄砲が誇る豚骨純度100%のスープは、骨髄から滲み出る旨みやコラーゲンのほかに、骨粉まで溶け込んでいる唯一無二の超濃厚どろどろ豚骨スープなので、それを税込228円のカップラーメンで再現するのは至難の業。とろみも増粘多糖類や加工でん粉で強引に高めているため、そこもカップラーメンの限界を感じるところ。
しかし、従来のスープよりも骨髄を彷彿とさせる旨みが強く、豚骨感が増し、特有の甘さやコクもブラッシュアップされ、ちゃんと骨っぽい旨みが全体に溶け込んでいることから、とろみ成分で人工的に演出された粘度の高さもネガティブではありません。カルシウムの値が極端に下がっていたので、豚っぽさが弱くなっているのでは‥‥と、実食前は懸念を覚えていたのですが、なんのなんの。
あいかわらず別添の「特製コク旨たれ」に仕込まれた豚臭いニオイが凄まじいインパクトを放っているのですが、それよりも土台の粉末スープに仕込まれた骨髄を彷彿とさせる旨みに心を惹かれる骨組みで、スープに溶け込む骨粉の臨場感を絶妙にザラついた舌触りが演出する粋な計らい。小袋の中には液体しょうゆベースのタレも入っているため、超ド濃厚でも最後までピンボケすることはありません。
偶然にも先月、無鉄砲のラーメンを食べる機会があり、その味を舌が鮮明に覚えているのですが、スープを飲み込んだ後に残る旨みの余韻は本物に近く、ここまできたかと舌を巻きました。税込228円の縦型ビッグなので、それなりにデフォルメされている部分もありますけど、明らかに従来よりも再現度が高くなっています。
具材
実は具材の一部だけ変換している
実食前は四角いチャーシューチップ、あるいは挽肉の片方をフルで大豆たん白加工品に変更しているのだろうと予想していたのですが、前回と同じく2種の味付豚肉を採用しつつ、その一部を大豆たん白加工品に置き換えた状態。大豆たん白加工品の割合は体感的に1/3ないし1/4程度だったので、実際に食べる分には気になりません。
ちょいちょいクニッとした大豆たん白加工品特有の弾力が飛び込んできますけど、ある意味それも食感のバリエーションが増えた感覚で面白く、ジャンクな挽肉(「カップヌードル」でいうところのミンチポーク)の力強い旨みも引き続き楽しめたので、まったくネガティブではありませんでした。
総評
すでにリニューアル前の商品は製造を終了しているため、従来品との違いについては記憶と記録を頼りにした比較になりますけど、再現度が高くなっていることは明らか。なかでもスープの余韻に感じる旨みは記憶を呼び覚ます引き金になるくらい、想像以上の進化を遂げていたので、オイルのニオイは人を選ぶ項目になりますが、お店の味を知っている方にも知らない方にも食べていただきたい逸品です。
ちなみにフタ裏でもアピールされていた無鉄砲メシ(ムテメシ)とは、残ったスープに温かい白ご飯、あるいは “おにぎり” を入れて〆(しめ)るアレンジで、ノンフライ麺とは違った魅力が引き出せる2度おいしい食べ方。コスパ的にも評価できる商品なので、ぜひ最寄りのローソンをチェックしてみてください【author・taka :a(大石敬之)】