どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年2月14日(火)新発売、ローソン×明星食品のカップ麺「ムラナカラーメン研究所 札幌味噌ラーメン」の実食レビューです。
冬季限定かつ土日祝日の3.5時間だけ営業!? すみれ社長の別邸 “ムラナカラーメン研究所” こと「らーめん おにやんま」監修のカップラーメンついに登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ムラナカラーメン研究所 札幌味噌ラーメン
ムラナカラーメン研究所(村中研究所)とは、札幌みそラーメン界の巨匠であり、北海道札幌市豊平区中の島2条4丁目に本店を置く「すみれ」の村中伸宜(むらなか のぶよし)社長が直々に営業している “すみれの別邸” で、現在を遡ること2007年(平成19年)12月、千歳鶴ミュージアム・アネックス内(札幌市中央区南3条東5丁目2番地)に「すみれ」プロデュースのセカンドブランドとしてオープン。
千歳鶴ミュージアム・アネックス内での営業は、2013年(平成25年)7月16日をもって終了し、2016年(平成28年)9月29日から現在店舗を構える北海道札幌市豊平区中の島2条6丁目に拠点を変更。営業は冬季(例年11月〜4月)の土日祝日かつ1日3.5時間(11時〜14時30分)に限定され、店主自ら厨房に立ち、創作研究を実践する場として密かな名所となっています。
今回の新商品「ムラナカラーメン研究所 札幌味噌ラーメン」は、コンビニの中でもローソンにしか売ってない、販路限定(PB)のカップラーメンで、東京都渋谷区に本社を置く明星食品と共同開発。2023年2月18日現在、ローソンの公式ウェブサイトに製品情報は掲載されておらず、また事前の告知もないノーアナウンスでの発売でしたが、販売店は全国のローソンが対象とのこと。
札幌の「すみれ」といえば「味噌ラーメン」が有名で、ほかにも「正油(醤油)ラーメン」や「塩ラーメン」「昔風ラーメン」などのメニューもあり、それとはチューニングが異なる「味噌」「正油」「塩」を “ムラナカラーメン研究所” こと「らーめん おにやんま」で提供しているようですが、なかでも牛骨の旨みを凝縮させた「テールラーメン」が社長おすすめの一杯。
ムラナカラーメン研究所×LAWSONといえば、2022年12月13日に北海道内のローソン店舗を対象に、電子レンジ調理専用のホット麺「ムラナカラーメン研究所監修 テールラーメン」(税込646円)を発売しているため、今回が初めてのコラボではありません。しかし、ローソン専用のカップ麺を監修するのは初の試みで、あえての「テールラーメン」ではなく「味噌ラーメン」のチョイスが興味深いポイント。
麺は「すみれ」と同じ西山製麺の特製33丸麺を使用しているようですが、現「中の島本店」で社長が自ら厨房に立つ姿は珍しく、そのため「らーめん おにやんま」と「すみれ」の間には味に違いがあり、おにやんまの「味噌」は “昔の「純連(すみれ)」に近い” との評判。ちょっと味噌の主張が強くて、あまり生姜が主張してこないなど、さらには本店を凌ぐとの口コミも見かけました。
ちなみに “ムラナカラーメン研究所” こと「らーめん おにやんま」を立ち上げた村中伸宜その人は、すみれ名義でセブン&アイグループ専用の商品を監修しているため、セブンプレミアムゴールドの「すみれ 札幌濃厚みそ」で培ってきたノウハウはもちろん、直近だと2023年2月6日発売の「最高に面倒で、最高にうまいラーメン。すみれ 特濃芳醇みそ」で話題をさらったのも記憶に新しいところ。
セブン&アイグループが展開している「すみれ」監修の即席カップめん及び即席カップライスは、2000年(平成12年)4月18日発売の「日清名店仕込み 札幌すみれ みそ」以降、一貫して日清食品が担当しているのに対し、ローソン名店シリーズの「ムラナカラーメン研究所 札幌味噌ラーメン」は日清食品グループの明星食品が手掛けるという、なかなか面白い構図になりました。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されているのは、フタの上に貼り付けてある「液体スープ」1袋のみ。それを取った先の天面には “こってり濃厚な札幌味噌ラーメンの味わいに、ニンニクのパンチとラードの香りをきかせたやみつきになる一杯。スープがよく絡む太麺の食感もお楽しみください” と「麺神(めがみ)カップ」よろしく製品の魅力が印刷されています。
かやくはチップ状のチャーシューに、そぼろ状の豚・鶏味付肉を組み合わせ、彩りにネギをトッピング。純連(すみれ)を発祥とする “純すみ系” に必須の「もやし」は不使用で、実際の「味噌ラーメン」には使われているメンマも入っていませんが、チャーシューと挽肉の組み合わせは再現度を高めることに寄与している部分。
2023年2月現在、縦型ビッグのNB(ナショナルブランド)製品に設定されているメーカー希望小売価格の平均は245円(税別)なので、それをコンビニで購入した場合の税込価格は264.60円に固定されているのですが、今回のローソン標準価格は239円(税込258円)と良心的。極端に格安とはいえないけれど、企業努力を感じるポイントです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ムラナカラーメン研究所 札幌味噌ラーメン 販売者:明星食品株式会社 製造所:西日本明星株式会社 神戸工場(兵庫県神戸市東灘区深江浜町34-2) 内容量:112g(めん80g) 商品コード:4902881477475(JAN) |
発売日:2023年02月14日(火) 実食日:2023年02月18日(土) 発売地域:全国 取得店舗:ローソン 小売価格:239円(税別) 購入価格:258円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:340ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、酵母エキス)、スープ(みそ、糖類、ポークエキス、豚脂、デキストリン、食塩、しょうゆ、香辛料、酵母エキス、たん白加水分解物、大豆加工品、香味油、香味調味料)、かやく(チャーシュー、鶏・豚味付肉、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、香料、増粘多糖類、カラメル色素、炭酸カルシウム、かんすい、微粒二酸化ケイ素、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、そば・かに・落花生を含む製品を生産しています。 |
実食開始
明星食品は縦型カップの製品に対し、他社よりも積極的にノンフライ麺を使ってくれるのですが、今回の「ムラナカラーメン研究所 札幌味噌ラーメン」には熱湯5分の油揚げ麺を搭載しています。本格さを優先するのであれば、圧倒的にノンフライ麺が有力ではあるものの、油揚げ麺には特有の魅力がありますし、それがプラスに働くことも珍しい話ではありません。
2022年10月31日に復活を果たしたセブンプレミアムの「すみれ 味噌キムチ味」(日清食品)はノンフライ麺だったので、対抗してほしかった思いが無きにしも非ずではあるものの、それはさておき熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。
もやしの不在を筆頭に、具材の構成は本物と異なるものの、麺が見えないほどのボリューム感は嬉しく、調理後のファーストインプレッションは悪くありません。さて、すみれ社長の “こだわり” は感じられるのか、ここから先は「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(112g)あたり |
カロリー:504kcal たん白質:11.6g 脂 質:20.7g 炭水化物:67.9g 食塩相当量:6.7g (めん・かやく:2.9g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.38mg カルシウム:140mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:504kcal(めん・かやく:415kcal)(スープ:89kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
再現度は扨措き基礎クオリティは高い
ムラナカラーメン研究所「らーめん おにやんま」でも「すみれ 中の島本店」と同じ西山製麺の特製33(すみれ)丸麺を使っているということは、セブンプレミアムゴールド(すみれ 札幌濃厚みそ)のノンフライ麺が目指している質感とも一致するわけなんですけど、それとは異なるベクトルで、ぶっちゃけ再現度が高いとは思えません。
しかし、明星食品は麺の製造にかけて並々ならぬ熱意を持っている企業。ノンフライ麺に見紛うほどのクオリティとはいえないけれど、現在の「麺神カップ」が誇る “麺密もっちり製法” の技術を応用しているような、中心部にかけてギュッと小麦の密度が高く、それでいて内側から弾けるように切れる反発性も印象的。
熱湯5分きちんと待てば、おおむね致命的なムラが発生することもなく、しばらく経っても食感の劣化は控えめで、カップラーメンだからこそといっても過言ではないジャンクな食べ応えが最後まで楽しめます。また有名店監修の縦型ビッグにおける麺重量(調理前)は、多くの商品で70gが標準となっているのに対し、今回は80gだったことにも好感が抱けました。
スープ
エッジは効いてるけど横暴ではない
まずは「液体スープ」を入れる前に味を確認してみたところ、この時点で充分に濃厚と思える味わいで、味噌の比率は白よりも赤寄り。カップラーメンらしいテイストではあるけれど、フロントでは味噌のコクとキレを尊重し、土台は動物系の旨みが丁寧に支えている、このままでも美味しく食べられそうな作り。
そこに加える「液体スープ」の構成は、生みそベースのタレと動物油脂の組み合わせで、さらに味の重心が低くなるのですが、闇雲に攻撃的なわけではありません。片手に白ご飯が欲しくなるほどの濃さではあるものの、中華鍋で味噌とラードを焦がしたような芳ばしさだったり、野菜を炒めたような風味だったり‥‥まぁ後者に関しては具材との間にギャップを感じる部分でもあるのですがw
思っていた以上に生姜の風味は控えめで、それも「すみれ 中の島本店」と「おにやんま」の違うポイントとして挙げられる要素であり、そこそこニンニクはアグレッシブ。ただ、純すみ系のレジェンドが監修したスープにしてはアブラの量に物足りなさを覚えたので、ちょっと物足りなかったです。
かやく
量は申し分なし
チップ状のチャーシューは安物のハムみたいに軽めの食感で、お店のチャーシューには程遠い質感になりますが、いわゆる大豆たん白加工品ではなく本物の肉具材。そぼろ状の豚・鶏味付肉はチャーシューよりもジャンクな味付けで、スープとの相性もよく、ワイルドさの底上げに貢献していました。
またネギも主張が激しすぎないフリーズドライ加工かつ斜め切りで、量についての物足りなさを覚えることはなかったです。。
総評
販売価格は圧倒的に違いますけど、7PGの「すみれ 札幌濃厚みそ」が既存する手前、純すみ系のカップ麺が食べたい気分のときは、ちょっと高くてもセブン-イレブンに行くかな‥‥というのが正直な感想です。ただ、あえてカップラーメンらしさを残し、それをプラスの方向に伸ばしていたことには魅力を感じたので、好みと気分によっては「ムラナカラーメン研究所」に票が入るかもしれません。
また「すみれ」ではなく「ムラナカラーメン研究所(おにやんま)」が即席カップめん業界に参戦したことにより、セブンvs.ローソンじゃないですけど、これが続けば面白い火花が散ると思うので、そういった意味では今後の口火になり得る一杯です。今回は本店と同じ土俵(味噌)で勝負したことがハードルになっていたので、次は「テールラーメン」の再現に期待【author・taka :a(大石敬之)】