どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年1月10日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「麺魚 じわ辛濃厚鯛だしらーめん」の実食レビューです。
東京・錦糸町の人気行列店「真鯛らーめん 麺魚」の店主が試行錯誤を繰り返し “カップ麺限定メニュー” を新開発!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺魚 じわ辛濃厚鯛だしらーめん
麺魚(めんぎょ)とは、東京都墨田区江東橋・錦糸町に本店を置く “真鯛らーめん専門店” で、創業は2016年(平成28年)1月6日。愛媛県宇和島産の真鯛から抽出した出汁(だし)に、北海道産の小麦で打った石臼挽き全粒粉入りの麺を泳がせ、桜で燻した真空低温調理チャーシューと柚子をトッピングするなど、その斬新で完成度の高い一杯は瞬く間に注目を集めます。
その実力は凄まじく、創業した年に “ラーメン界のアカデミー賞” こと『第17回 業界最高権威 TRY(東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー)ラーメン大賞 2016-2017』に選出され、新人賞部門の「しお部門4位」「MIX部門1位」「つけ麺部門1位」「汁なし部門4位」を受賞し、みごと新人大賞部門の「総合1位」を獲得。2022年1月現在は都内に3店舗を構え、唯一無二のポジションを確立しました。
今回の新商品「麺魚 じわ辛濃厚鯛だしらーめん」は、鮮魚系ラーメンのスペシャリスト・橋本友則(はしもと とものり)店主監修のもと、カップ麺のためだけに開発された限定フレーバーで、真鯛らーめん「麺魚」を象徴する濃厚な鯛だしスープに、鶏白湯(とりぱいたん)と鰹(かつお)のほか、唐辛子の辛味と山椒の痺れをアクセントに加えた変わり種。
メーカーは以前より「麺魚」との親交が深い “マルちゃん” のブランドで知られる東洋水産で、前述の『第17回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2016-2017』において「麺魚」が新人大賞部門・総合1位に輝いたことを切っ掛けに関係がスタート。これまでに何度か店主監修のカップラーメンを発売しているため、すこし歴史を振り返ってみましょう。
初めて「麺魚」監修のカップ麺が発売されたのは、現在を遡ること4年以上、2017年6月19日の話。コラボ第1弾の「マルちゃん 縦型ビッグ 麺魚 濃厚鯛だしラーメン」は、CVS(コンビニエンスストア)や量販店、一般小売店などを対象とした、販売ルートを問わないNB(ナショナルブランド)商品で、お店の看板メニューである「濃厚真鯛らーめん」の味わいを再現。
お店のトレードマークにもなっている鯛を中心に魚介の旨みが強く、サブ的な立ち位置にありながらも鯛を支えていた鶏白湯、そこにスッと通る柚子の清涼感に、ほんのり漂う燻製したチャーシューの香りなど、当時の即席カップめん業界としても珍しいジャンルを開拓。けっこう力強くデフォルメしていましたが、それも功を奏し、当時の衝撃は今でも記憶に残っています。
その後、2018年は動きを見せませんでしたが、2019年10月7日と2020年9月28日に “イオングループ限定のPB(プライベートブランド)商品” として、東洋水産と共同開発した「麺魚 濃厚鯛だしラーメン」を市場に投下。2021年は特に目立った動きを見せなかったものの、満を持して現れたのが今回の「じわ辛濃厚鯛だしらーめん」で、お店では食べられない味をテーマに商品化されました。
今回もコンビニでは「ミニストップ」のみ取り扱いがあり、同社のニュースリリースには “スープの美味しさを追求すべく、鯛の旨味を活かしながら辛さをどこまで上げるか、スープの美味しさのバランスを取るか、試行錯誤した結果、非常に美味しい商品が完成しました。” との記載があったので、鯛だしの旨みと辛さの両立に注目です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製スープ」が1袋。東洋水産が販売している縦型ビッグに小袋が貼り付けてある場合、名称が「特製油」だと基本的に油脂しか入っていませんが、特製スープの場合はタレに当たる成分も含まれているため、小袋を入れる前と後に起きる変化が気になるところ。
かやくは味付豚肉を筆頭に、チンゲン菜、玉ねぎ、ねぎの4種類で、粉末スープは思っていたよりも辛そうな色合い。ただ、東洋水産の辛いカップ麺は “ピリ辛〜中辛くらいが基本” なので、おそらく今回も突き抜けた辛さではないと思います。念のためパッケージを確認したところ、辛味に対する警告文はありませんでした。
販売店はコンビニのミニストップを筆頭に、イオンリテールやウエルシアなど、イオングループの店舗(一部を除く)も対象で、それ以外では購入できないPB商品。ミニストップでの販売価格は208円(税込224円)に統一されていましたが、ウエルシアでは188円(税込203.04円)で販売している店舗もあったので、PBにしては珍しく店舗によって値段差が生じています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:麺魚 じわ辛濃厚鯛だしらーめん 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:103g(めん70g) 商品コード:4901990370837(JAN) |
発売日:2022年01月10日(月) 実食日:2022年01月13日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ミニストップ) 商品購入価格:224円(税込) 希望小売価格:208円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ+紙 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(魚介エキス(鯛エキス、かつおエキス、さばエキス、むろあじエキス)、乳糖、チキンエキス、植物油、でん粉、食塩、豚脂、香辛料、香味油脂、しょうゆ、砂糖、魚醤(魚介類))、かやく(味付豚肉、チンゲン菜、たまねぎ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、カラメル色素、酒精、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、クチナシ色素、パプリカ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・魚醤(魚介類)を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分と標準的。製造所は酒悦の房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34)となっていますが、酒悦は東洋水産が1983年(昭和58年)7月から資本参加している連結子会社で、現在は「本気盛(マジモリ)」や「謹製」シリーズなど、マルちゃんの縦型ビッグ製品を手掛けています。
別添の特製スープは後入れなので、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタをして待つこと3分。時間になったら特製スープを加え、よく混ぜ合わせたら完成です。けっこう辛そうな見た目に仕上がりますが、香りから本能に訴えかけてくるような危険性は感じません。ただ、けっこう粉末スープが溶けにくかったので、しっかり念入りに混ぜ合わせるのがポイント。
ちなみにパッケージの作り方には記載されていませんが、お湯を注いでから待っている間に特製スープを温めておくと香り立ちがよくなるので、調理の際は参考にしてください。それでは、引き続き鯛の旨みと辛味のバランスに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(103g)あたり |
カロリー:449kcal たん白質:9.9g 脂 質:21.3g 炭水化物:54.4g 食塩相当量:7.0g (めん・かやく:2.7g) (スープ:4.3g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.38mg カルシウム:175mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:449kcal(めん・かやく:348kcal)(スープ:101kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
マルちゃんの次世代系
2017年6月19日発売の「麺魚 濃厚鯛だしラーメン」に使われていた油揚げ麺は、白っぽい見た目の幅が広い角麺で、うどんを彷彿とさせるような仕上がり。そんな和の面持ちが魚介の効いたスープに寄り添っていたのですが、今回の油揚げ麺は中華麺らしい幅の狭い平打ち麺で、厚みのわりに反発性が強く、しっとりとした口当たりも印象的。
現在の東洋水産が販売している縦型ビッグの油揚げ麺は、かつての「本気盛(マジモリ)」に抱かれていた無骨すぎるイメージとは裏腹に、それとは一線を画す上品さを実現。タイプとしては2019年以降の「謹製」シリーズに該当する油揚げ麺で、たしかな反発性を打ち出しながらもスープとの一体感が高く、有名店監修の商品に使ってもネガティブではなくなりました。
おそらく使用している小麦粉は北海道産100%ではないと思いますし、石臼挽きの全粒粉も練り込まれていませんが、食べ始めに感じた反発性は食べ終わる頃まで持続するため、簡単に伸びることはありません。むしろ時間の経過に合わせてスープとの親和性が高くなってくるので、3分きちんと待つのはもちろん、特製スープを加えてから “さらに2、3分ほど待つのがオススメの食べ方” です。
スープ
鶏白湯と鯛がバランスよく調和
特製スープを入れる前に味を確認してみたところ、まだ鯛の旨みは目立っていなかったのですが、節系の旨みはあり、白湯系の鶏は強く、唐辛子の辛さと山椒の痺れは弱め。しかしながら山椒の香りはハッキリと伝わってくる、粉末スープだけの状態でも “山椒の清涼感を添えた鶏白湯” という面白い骨組み。ただ、そこに特製スープを加えると‥‥
生臭さを感じるくらい鯛がゴリゴリに攻め寄せてくるタイプではなかったものの、まったりとした鶏白湯に泳ぐ鯛の存在感は明確。その鯛に加えてカツオ、サバ、ムロアジも重ねているのですが、特製スープ投入後は魚粉だけでは打ち出せない、クセを抑えながら旨みだけを抽出したエキスを使用しているようなイメージで、じんわりと魚の旨みが舌に溶け込んできます。
さらに程よくラー油の芳ばしさもプラスされますが、それでも辛さレベルはピリ辛の枠を出ないため、辛い食べ物が苦手な方でも大丈夫。また今回はタレ+アブラの特製スープではなく “少量のタレ+魚介エキス+アブラ” だったので、こういった手法もあるのだなと勉強になりました。
具材
文句なし
味付豚肉、チンゲン菜、玉ねぎ、ねぎは、他の商品にも使われてきた具材で、新規に開発した様子も感じなかったのですが、あいかわらず味付豚肉はリアルな質感。チンゲン菜の歯触りと風味はラー油の芳ばしさと相性がよく、なんといっても目立っていたのが玉ねぎのフレッシュな存在感で、前述のスープと相性ばっちり。
この玉ねぎ(細切り)は、昨年から通年販売のレギュラー商品に格上げされた「MARUCHAN QTTA サワークリームオニオン味」などにも使われている具材で、四角いフライドオニオンよりも歯触りが強く、風味も強め。意識しなくても常にシャキシャキとした食感が楽しめるのと、全体的に量が多かったので、まったく物足りなさを感じることはなかったです。
総評
もっと人を選ぶくらい鯛がオラオラ系でも‥‥などと感じた節もありますが、思っていたよりも鶏の旨みは濃厚で、山椒のアクセントも程よく、じんわりと舌に染み込んでくる鯛の旨みが心地よい、真鯛らーめん専門店「麺魚」監修の個性が伝わってくる仕上がりでした。
これと同じ系統の商品が他に思い付かなかったこともあり、総評はオリジナリティを加味して上出来の星5としたのですが、そろそろノンフライ麺を採用し、直球の「真鯛らーめん」を大判どんぶり型のカップラーメンで再現してほしいところ。お店の「真鯛らーめん」は “突き抜け系” なので、いつか鯛のクセまで打ち出した、本気のカップ麺にも期待しています【author・taka :a(大石敬之)】