どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年10月7日(月)新発売、日清食品のカップ麺「セブンプレミアム 名店ジャンク 山頭火豚骨塩ヌードル」(198円+税)の実食レビューです。
らーめん山頭火の “雑うま„ ついに解禁。すみれ・一風堂と並ぶ名店再現系の金字塔、ついにジャンクな味わいにゴーサイン!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
名店ジャンク 山頭火 豚骨塩ヌードル
名店ジャンクとは、セブンプレミアムが展開している即席カップめんシリーズで、2023年12月4日に突如として現れた「すみれ味噌ヌードル」が事の発端。その後、翌年1月29日に「一風堂豚骨ヌードル」を新発売。どちらもセブン&アイ(SEVEN&i)の最上級ブランド・セブンプレミアムゴールド(7PG)のカップラーメンを監修していることは有名ですが、名店ジャンクは “あえての雑うま„ がコンセプト。
今回の新商品「セブンプレミアム 名店ジャンク 山頭火豚骨塩ヌードル」は、前述の「すみれ味噌ヌードル」及び「一風堂豚骨ヌードル」に次ぐ「名店ジャンク」シリーズ第3弾の新作で、同じくセブンプレミアムゴールドのカップラーメンを監修している「らーめん山頭火」の「旭川とんこつ塩」をジャンクな味わいにアレンジした一杯。
らーめん山頭火(さんとうか)とは、株式会社アブ・アウト(ab-out Co., Ltd.)が運営する「しおらーめん」の名店で、1988年(昭和63年)3月10日にオープン。創業者である畠中仁(はたなか ひとし)氏が伊丹十三監督の映画『タンポポ(ラーメン・ウエスタン)』を観た帰り道、とある店で食べたラーメンの味に落胆し、家族のために「山頭火」の創業を決意した——というのはマニアの間で有名な話。
一見すると比較的に小さな藍色の丼に、まろやかな白いスープを注ぎ入れ、チャーシュー、メンマ、キクラゲ、ナルト、ネギのほか、トッピングに欠かせないのがSSサイズの小梅。大正の浮世絵師と呼ばれた画家・竹久夢二(たけひさ ゆめじ)氏の作品に店主が感銘を受け、紅をさす細身で色白の女性をイメージし、小梅のトッピングが採用されました。
そんな「らーめん山頭火」の味わいを再現したカップラーメンが初めて発売されたのは、現在を遡ること23年以上、2001年(平成13年)5月15日の話。もうすこし遡って2000年(平成12年)4月18日にリリースされた「札幌すみれ みそ」及び「一風堂 赤丸新味」に次ぐ「日清名店仕込み」第3弾としてデビューを飾り、いつしか7PGに格上げされ、2024年9月16日にリニューアルしたのは記憶に新しいところ。
「山頭火 旭川とんこつ塩」のリニューアルは、現「すみれ 札幌濃厚みそ」及び「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」の切り替えから少し遅れてアクションを起こすパターンが毎度なので、名店ジャンクのリリースが遅れたのも同じ理由なのか、それとも畠中会長のゴーサインを貰うのに時間を要したのか‥‥
それについては関係者のみぞ知るところになりますが、満を持しての名店ジャンク第3弾「山頭火豚骨塩ヌードル」新発売に合わせ、ひと足早く商品化されていた「すみれ味噌ヌードル」と「一風堂豚骨ヌードル」も再登場。パッケージのデザインが同じだったので、念のため原材料名や栄養成分表示を比較してみた結果、前回発売品と完全に一致。
またJANコードも変わっていなかったので、まったく調整なしの再販。片や「山頭火豚骨塩ヌードル」は純然たる新作なので、今年は山頭火のみ掘り下げます。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、食べる直前に加える「ネギ×ガーリック風味オイル」1パックのみで、セブンプレミアム公式曰く “山頭火のまろやかな豚骨塩スープに、粗挽ペッパーと香味野菜オイルで、ジャンクな味わい„ とのこと。らーめん山頭火に対し、雑なイメージが皆無に等しいため、ちょっと仕上がりが想像できない実食前。
かやくは味付肉そぼろ、フライドガーリック、ねぎの組み合わせで、山頭火のアイデンティティといっても過言ではない小梅は不在。レギュラーサイズの縦型カップを採用しているため、小梅の別添が現実的でないことは理解できますが、この時点で山頭火らしからぬジャンクな香り。パッケージに山頭火の名前がなかったら、ほぼほぼ結び付かないほど掛け離れています。
ちなみに販売価格は1食あたり198円(税込213.84円)ということで、復活後の「すみれ」や「一風堂」と同じ値段。私はセブン-イレブンで購入しましたが、イトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマートなど、セブン&アイ系列のGMS(General Merchandise Store、ゼネラルマーチャンダイズストア)も販売店に含まれているようです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム 名店ジャンク 山頭火豚骨塩ヌードル 製造者:日清食品株式会社 製造所:関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1) 内容量:85g(めん60g) 商品コード:4902105280843(JAN) |
発売日:2024年10月07日(月) 実食日:2024年10月22日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:198円(税別) 購入価格:213.84円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:310ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(ネギ×ガーリック風味オイル) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、大豆食物繊維、香辛料(にんにく))、スープ(豚脂、糖類、ポーク調味料、香味調味料、でん粉、小麦粉、魚介調味料、ごま、香辛料(にんにく、胡椒、唐辛子)、植物油脂、クリーミングパウダー、食塩)、かやく(味付肉そぼろ、フライドガーリック、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸Ca、かんすい、増粘多糖類、カラメル色素、セルロース、香辛料抽出物、カロチノイド色素、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、チャ抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
セブンプレミアムゴールドのカップラーメンにはノンフライ麺を使っていますが、こちらは油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は長めの5分。同じ名店ジャンクでも「すみれ」や「一風堂」の麺とは違うため、シリーズ間で使い回していないところは “こだわり„ を感じるポイント。
別添の「ネギ×ガーリック風味オイル」は後入れなので、それを取ってから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら「ネギ×ガーリック風味オイル」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。うむ、清々しいほど「らーめん山頭火」ではないですね。
ただ、名店ジャンクの名に恥じない、これぞカップラーメンらしいジャンクな香りを放ちつつ、不思議と安っぽさは感じさせないファーストインプレッション。とりあえず7PGとは別物の認識で挑むスタンスが吉と思える雰囲気ですが、念のため共通点にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(85g)あたり |
カロリー:405kcal たん白質:9.6g 脂 質:19.3g 炭水化物:49.3g (糖 質:47.2g) (食物繊維:2.1g) 食塩相当量:4.7g (めん・かやく:2.6g) (スープ:2.1g) ビタミンB1:0.17mg ビタミンB2:0.26mg カルシウム:105mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:405kcal(めん・かやく:321kcal)(スープ:84kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
意外と耐久力あった
カップヌードルの油揚げ麺と同じくらいのサイズ(約2mm幅)に切り出されていたので、熱湯3分でも大丈夫なんじゃないかと思いつつ、熱湯5分きちんと待った結果‥‥うん、そりゃ柔らかいよねw みたいな。しかし、ただ伸び切ったような頼りない柔らかさではありません。
本気モードのノンフライ麺とは雲泥の差でジャンクなタイプになりますし、それや実店舗の麺をイメージしているような素振りも皆無に等しいけれど、駄菓子っぽい系統の油揚げ麺なので、名店ジャンクのコンセプトを思うと悪くありません。それに、けっこう耐久力あるんですよ。
柔らかめのスタートだったので、後半は悪い意味での伸び具合が気になるかと思いきや、なんのなんの。めん重量が60gのレギュラーサイズである(大盛りサイズではない)ことも理由の一つに挙がりますが、食べ終わるまでの変化が緩やかで、そこに駄菓子の延長線上ではない設計が垣間見えました。
スープ
ジャンクだけど丁寧な作り
まずは小袋を入れる前の味を確かめてみたところ、香りの通り既存の「山頭火 旭川とんこつ塩」とは別物で、あの味わいを思い浮かべていた場合、ジャンクさに唖然とするでしょう。しかし、さらに深掘りしてみると、まろやかな豚骨の奥に酒粕っぽい余韻を感じたので、そこは「らーめん山頭火」監修ならではのDNAと思えたポイント。
同時に黒胡椒の清涼感やニンニクのアクセントも強く、すりごまのコクも重なって、たしかにジャンクでも雑な作りではありません。それなりに塩気のエッジも感じますが、原材料名を見ると「食塩」の記載は末尾。食塩が先頭に来ることはあっても、その逆パターンがあるなんて、これは初めての経験かもしれません。
続けて「ネギ×ガーリック風味オイル」を加えると、目立っていたのは焦がしラードっぽい風味、ねぎ油、ガーリックオイルの3本で、小袋を入れる前のほうが山頭火っぽいというか、オイルを加えて雑な味わいに変化するパターンも初めての経験かもしれないw 個人的には「ネギ×ガーリック風味オイル」を使用する前のほうが味わい深いと感じたんですけど、最終的に「雑うま」でも大味ではありませんでした。
かやく
フライドガーリックよき
スープにコストを注力している分、麺と具材は後回しになっているような構成で、歪な形の挽肉は味付け控えめで埋没気味。とはいえ意識的に食べると肉の旨みは感じられるため、大豆たん白加工品みたいなことにはなっていません。
ネギは熱風乾燥の青ネギなので、良くも悪くもカップラーメンらしいトッピングになりますが、特に効果的だったのがフライドガーリック。実食中は容器の底に沈みがちですけど、ちょっと量的に物足りないかな? くらいのサイズ感から、白ごはんドボンで本領発揮。白ごはんを入れずとも最後の一口で黒胡椒と共に強烈なパンチを残してくれるため、量以上の満足感が得られました。
総評
というわけで、まず定番の「山頭火 旭川とんこつ塩」とは別物であることを念頭に置く必要はありますが、名店ジャンクのコンセプトを踏まえると “あえての雑さ„ が魅力的に思える作り。また意識すると「山頭火 旭川とんこつ塩」に通じる余韻を感じるなど、お店の名前を借りただけの浅はかな商品ではありません。
麺と具材は値段相応といわざるを得ない内容でしたけど、スープの作り込みは値段以上。本格的な味わいはセブンプレミアムゴールドの土俵なので、これはこれと割り切って “雑うま„ なギャップを楽しんでみてください。余裕がある方は、小袋を入れる前の味と余韻も要チェックです。【author・taka :a(大石敬之)】