どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月23日(火)新発売のカップ麺、味のマルタイ「縦型ビッグ長崎ちゃんぽん」ローソン限定商品の実食レビューです。
カップちゃんぽんのパイオニア「味のマルタイ 長崎ちゃんぽん」がコンビニ限定の大盛サイズで新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
味のマルタイ 長崎ちゃんぽん ローソン限定
「味のマルタイ」とは、言わずと知れたマルタイの代名詞ともいえる「棒ラーメン(マルタイラーメン)」をはじめ、揚げ麺「長崎皿うどん」などの九州を代表するヒット商品を手がけている即席麺メーカーで、創業者は藤田泰一郎(ふじた たいちろう)氏。現在の「マルタイ」という社名は、創業者の名前から一文字「泰(タイ)」を取って「マル」をつけたのが由来とされています。
1947年(昭和22年)5月、泰一郎氏が福岡県福岡市高砂町(現:中央区高砂)で「泰明堂」として創業し、1959年(昭和34年)11月に棒状のインスタントラーメン「即席マルタイラーメン」を開発。1975年(昭和50年)8月からカップ麺の製造を始め、1976年(昭和51年)9月に業界初となる「長崎ちゃんぽん」のカップ麺が発売されたのですが、今回のカップ長崎ちゃんぽんは定番の丼型ではありません。
カップ麺に限らずコンビニに新商品が並ぶのは火曜日が基本なので、いつも私は火曜日にコンビニの新作カップ麺をチェックしているのですが、ふと立ち寄ったローソンの商品棚で見慣れないタテ型ビッグの「長崎ちゃんぽん」を発見。隣に写っているローソン先行商品「無鉄砲 濃厚豚骨ラーメン」のように特別な宣伝用のポップはありませんでしたが、今週の「新商品」として販売されていました。
どう見てもパッケージ(特に上半分)はマルタイの「長崎ちゃんぽん」を縦型ビッグ容器にプリントしたようなデザインですし、はっきり「味のマルタイ」と明記されているのですが、マルタイの公式ウェブサイト及びローソンの公式ウェブサイトにも製品情報は掲載されておらず、特にローソン限定の九州フェアが行われていたわけでもありません。
また、違うのは容器の形状だけでなく、調理後のイメージ写真から具材の人参が消えてピンク色のカマボコがカニカマ風に変わっていたり、どんぶり型では緑背景の吹き出しに黄色い字で「モチモチめんに “コク旨” スープ」 とアピールされているところが「モチモチめんに “スパイシー” スープ」に変わっているなど、中身も縦型ビッグ用に調整されている模様。
それについて販売者のマルタイに問い合わせたところ、最初は既存の通年商品「縦型ちゃんぽん」(※主に安売り用の廉価版として販売されているタテ型レギュラーサイズ・めん50gの長崎ちゃんぽん)と勘違いされたのですが、今回の新商品はタテ型ビッグ・めん70gなので別物。その旨を伝えて引き続き調べてもらった結果、「ローソン限定」「期間限定」のスポット商品であることが分かりました。
マルタイにおける屋台骨の一つと言っても過言ではない「長崎ちゃんぽん」ですが、2019年4月現在に販売されている定番どんぶり型は “マルタイちゃんのちょっぴりエコ運動” と題し、別添されていた4種類の小袋(粉末スープ・かやく・調味油・ミックススパイス)のうちスパイスと粉末スープをミックスして、小袋が1つ減っています。
そういえば2016年の4月頃、セブンイレブン限定で「濃厚長崎ちゃんぽん」という縦型ビッグ濃厚バージョンが販売されていましたが、2019年のローソン版では “本場九州の味” と「モチモチめんにスパイシースープ」をアピール。どんぶり型は小袋削減のリニューアルに伴いスープのスパイス感が弱くなったように感じていたので、香辛料の効かせ方が注目すべきポイントでしょうか。
開封
フタの上に後入れの小袋が貼り付けてあるのですが、スパイス系の粉末ではなく「調味油」が別添されています。しかし、カップちゃんぽんに調味油は定番のアイテム。中には例外もありましたが、だいたい調味油なしのカップちゃんぽんは頼りなさが否めなかったのと、何気に調味油の量も多めなので、これについては好印象。
フタを開けるとパッケージのイメージ写真に写っていたようにカニカマ風の魚肉練り製品が入っているのですが、定番のピンクかまぼこじゃないのは寂しいところ——とはいえ小さいながらに本物のイカが入っているのは嬉しいですね。どうも最近また原価が高騰したのかカップ麺の具材からイカのエンカウント率が低下しているため、新商品で本物のイカは今後ちょっと珍しくなってくるかもしれません。
ちなみに容器底面の賞味期限欄下段左端に記載されている「W」は製造所固有記号というのですが、これは「太平食品工業(サッポロ一番)」の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)で製造されていることを意味しています。いま『マルタイなのにサッポロ一番!?』と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、実はエースコックと同じくマルタイもサッポロ一番ことサンヨー食品のグループ会社。
2009年(平成21年)10月にサンヨー食品株式会社とマルタイは資本・業務提携を発表しているのですが、2012年(平成24年)7月からカップ麺の製造をサンヨー食品に委託。今回の「縦型ビッグ長崎ちゃんぽん」の販売責任者こそマルタイですが、太平食品工業というのはサンヨー食品の製品開発部を意味しているため、実はサッポロ一番も一枚噛んでいます。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:縦型ビッグ長崎ちゃんぽん 販売者:株式会社マルタイ 製造所:太平食品工業株式会社・関西工場 内容量:101g(めん70g) 商品コード:4902702004323(JANコード) 発売日:2019年04月24日(火) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:タテ型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、でん粉、食塩、野菜エキス、しょうゆ)、スープ(ポークエキス、ポークオイル、食塩、デキストリン、砂糖、植物油脂、粉末しょうゆ、香辛料、魚介エキス、香味油、野菜粉末、コーンシロップ、ホエイパウダー、バターミルクパウダー)、かやく(キャベツ、かに風味カマボコ、いか、コーン)、加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉・タマリンドガム)、炭酸Ca、微粒二酸化ケイ素、カラメル色素、かんすい、香料、クチナシ色素、トレハロース、酸化防止剤(ビタミンE)、カゼインナトリウム、pH調整剤、乳化剤、ベニコウジ色素、香辛料抽出物、(原材料の一部に卵、乳成分、えび、かに、ごま、大豆、鶏肉を含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・えび・かに・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるものを表示) |
実食開始
粉末スープが多くて分かりにくいのですが、やや麺は太めの熱湯5分。別添の小袋については “温めてください・温めないでください” などの指示はありませんでしたが、動物油脂のポークオイルが含まれていたので、お湯を注いでから待っている間に軽くフタの上で温めておいたほうがいいかもしれません。ただ——
太平食品工業が製造している縦型ビッグのカップラーメンなので、別添の調味油とフタの間にある接着剤の粘着性が強いw ある意味これはサッポロ一番のタテビッグあるあるなんですけど、きちんと今回の新商品にも踏襲。動物系のオイルは事前に温めておいたほうが香り立ちがよくなるので、再接着が気にならない方はフタの上で温めておいたほうがよいでしょう。
さて、完成です。定番のピンクかまぼこがないと長崎感ちょっと半減しちゃうような気がしないでもありませんが、そういえばマルタイに限らず最近の新商品ではエンカウント率が大幅に下がってきたかもしれません。それでは、オリジナルの丼型との違いも意識しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
標準栄養成分表:1食(101g)当たり
熱 量:450kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:450kcal(めん・かやく:369gkcal)(スープ:1.7kcal) 食塩相当量:6.6g(めん・かやく:2.3g)(スープ:4.3g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
丸刃でカットされた中太麺で、断面は四角や楕円形の平打ちではなく、ほぼほぼ丸い丸麺に仕上がっています。ただ、お湯を注いでから熱湯5分きちんと守り、軽く混ぜてから撮影の前に麺の食感を確認してみたところ、やや部分的に戻りムラが見られたので、きもち30秒くらい長めにケアしたほうがいいかもしれません。
ちょっと休ませてから食べ始めると適度にモチッとした弾力が楽しめたのですが、わりと早めの段階から一世代前の油揚げ太麺にありがちだったフカフカとした食感に変わってきます。また、箸で持ち上げた時の感覚に長崎ちゃんぽんらしい重量感はありませんし、そもそも思いっきり縮れまくってますからねw とはいえインスタント感の強さに関しては、頭ごなしにネガティブなわけではないですよ。
もし定番の「四海褸(しかいろう)」コラボなら話は別ですが、今回は昭和51年に発売したカップちゃんぽんのパイオニア商品「長崎ちゃんぽん」の姉妹品に位置する商品なので、チープな印象も悪くありません。丼型とは質感のベクトルが違ってくるものの、油揚げ麺の風味も定番の長崎ちゃんぽんスープにマッチしていたので、そのインスタントらしさが好印象でした。
スープ
スープの原材料名に記載されている最後(コーンシロップ、ホエイパウダー、バターミルクパウダー)だけ抜き出すと乳製品系のスイーツみたいな並びになっているのですがw たしかに軸はクリーミーな印象。また、それらは通常の丼型には使用されていない原料で、逆にチキンエキスや粉末味噌の隠し味はカットされています。
そして本家よりも動物系の厚みと “癖のある風味” が増していて、魚介エキスも力強く、たしかにルーツは定番の「長崎ちゃんぽん」にあるのですが、現代の洗練されたスープとは違い、動物系と魚介が拮抗しているような——そんなに胡椒はスパイシーではありませんでしたが、特にスープを飲み込んだ後に残る余韻と鼻を抜ける獣臭にハッとしました。
思いのほか野趣に富んだテイストで、別添の調味油に癖のあるポークオイルが仕込んであったのですが、もうひとつ特徴的だったのは葱油の香味。ちょっとフライドエシャロットっぽい揚げネギ系の芳ばしさとホロ苦い甘さが面白く、どんどん書きながら本家から離れているような気がしてきたのですがw ルーツを守りつつ縦型ビッグならではのアレンジが個性的でよかったです。
かやく
野菜はキャベツが主体ですが、キャベツだけで麺が隠れるくらいの量は入っています。あまり個々のサイズは大きくありませんし、厚みはなかったので食感は柔らかめの茹でキャベツ系でしたが、ちゃんと野菜。人参は入っていませんが、コーンは甘みがあって彩りもよく、もし入っていなかったら印象は大幅に変わっていたでしょう。
ピンクかまぼこのリストラは寂しさが否めないところではあるものの、かに風味カマボコは大きくて存在感があり、イカもゲソの端っこを切り落としたようなミニサイズでしたが、魚肉練り製品では出せない本物のイカならではの弾力がいいですね。その香りもスープに対してプラスに作用していたし、ちゃんぽんらしく具材にボリューム感があってよかったです。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
麺を食べている時には正直どうかなぁ‥と思ったのですが、思わぬスープ(調味油)の荒々しさにグッときたので★ひとつプラスしました。あらためて自分のレビューを振り返ってみると立ち位置は姉妹品というよりも亜種になるかもしれませんが、古き良き調味油のクセが印象的だったので、いつもの「長崎ちゃんぽん」と食べ比べてみるのも楽しいと思います。
後日、ナチュラルローソンやポプラなどのローソングループ店舗、場合によってはドンキホーテなどのディスカウントストアに流れるかもしれません。とりあえず基本はローソン限定となっているそうなので、どんぶり型との違いが気になる方、また一癖ある調味油の個性が気になる方は、最寄りのローソンをチェックしてみてください。