どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年6月10日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん正麺 カップ ニボ玉」(333円+税)の実食レビューです。
5代目「濃ニボ」のコンセプトは “濃厚ニボシ×たっぷり玉ねぎ„ 煮干しが濃いめのスープに、異なる製法で仕上げた2種類の玉ねぎをトッピング!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん正麺 カップ ニボ玉
マルちゃん正麺(せいめん)とは “いま抜群に美味しく、そして10年後・20年後も古びることなく愛され続ける即席麺„ をコンセプトに、東洋水産が力を入れているブランドで、袋麺は3年前に発売10周年を突破。カップ麺も発売10周年を目前に控えていますが、当初に掲げた目標通り多くの方に愛され、また古びることもない、ど安定のポジションを維持し続けています。
今回の新商品「マルちゃん正麺 カップ ニボ玉」は、東洋水産の独自技術「生麺ゆでてうまいまま製法(特許5719064号)」で仕上げた乾燥麺に、煮干しを濃いめに効かせたスープ、さらにシャキシャキの玉ねぎをトッピングしたカップラーメンで、商品名は「ニボ玉(にぼたま)」となっていますが、毎年恒例となっている「濃ニボ(こいにぼ)」の流れを汲んだ一杯。
「マルちゃん正麺 カップ」における「濃ニボ」とは、通年販売のフレーバーにはない、がっつり系の濃厚煮干しラーメンをコンセプトにしたシリーズで、2020年4月27日に発売された「マルちゃん正麺 カップ 濃ニボ」を皮切りに発足。それ以前にも煮干し系は展開していましたが、初代「濃ニボ」では “ブランド史上最大量の背脂„ を使用し、このブログでは超絶高評価(★7)を記録。
2021年5月31日発売の2代目「マルちゃん正麺 カップ 濃ニボ」は、タイミングよく手に入らなかったので、残念ながらレビューには至らなかったのですが、初代と比較して “より煮干しの風味が感じられるスープに„ ブラッシュアップしていたらしく、2022年5月30日発売の3代目「マルちゃん正麺 カップ 濃ニボ」で麺の質感をフルモデルチェンジ。
2023年6月12日発売の4代目「マルちゃん正麺 カップ 濃ニボ」は、シリーズ初となる “ちょい辛„ に進化するなど、そのような変遷を経て今年は「ニボ玉」にリニューアルしているのですが、背景に泳ぐ煮干しの群れと「濃厚煮干しラーメン」の訴求は変わっていません。——で、言及しておきたいのがパッケージの煮干し。
2020年4月に発売された初代「濃ニボ」の整列に始まり、2021年5月発売の2代目「濃ニボ」は吹き出し付きで前年比 “ニボ感UP!„ を訴求。2022年5月発売の3代目「濃ニボ」では、SNSでバズった同年1月発売品「煮干し担々麺」よろしく “にぼっ!„ の吹き出しを付け、マルちゃんらしい遊び心を表現。
2023年6月発売の4代目「濃ニボ(ちょい辛)」では、唐辛子の辛さレベルを伝えるために “ちょい„ の吹き出しを添えるなど、2代目以降は吹き出しネタが鉄板になっていたので、今年は吹き出しデザインなしか——などと、ちょっと寂しく感じていたのですが、マルちゃんマークの上に注目。
ここ最近、X(旧 Twitter)で「都こんぶ」の公式アカウントから、しきりに前髪を昆布にされそうになっているマルちゃんなんですけれども、それはさておき “この煮干し1匹だけ顔の向きが違う„ のですよ‥‥意図は分かりませんがw あいかわらず小ネタも忘れないところにも「濃ニボ」のDNAを感じました。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」2袋に、後入れ「粉末スープ」と「液体スープ」の合計4パック。液体スープ+粉末スープ+かやく2袋の組み合わせは、歴代「濃ニボ」に共通する構成なので、実質 “5代目„ も例に漏れずのラインナップ。
麺は先に触れた「生麺ゆでてうまいまま製法」による乾燥麺で、湯戻し時間は5分と長めの設定。これまでの流れからパッと見、加水率は低めの印象ですが、この製法は質感のバリエーションに乏しい弱点を抱えているため、生麺ゆでて-・ならではの個性が吉と出るか凶と出るか。それと、評価する上で避けられないのがメーカー希望小売価格。
2024年6月現在、通年販売されている「マルちゃん正麺 カップ」汁あり部門(芳醇こく醤油、香味まろ味噌、うま辛担々麺)のメーカー希望小売価格は278円(税別)、汁なし部門は258円(税別)となっているのに対し、今回の「ニボ玉」は333円(税別)なので、捉え方によってワンコイン以下ですけど、カップラーメンとしてはプチ贅沢な高級品ですから、それなりのレンズ越しで評価します。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん正麺 カップ ニボ玉 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:122g(めん70g) 商品コード:4901990378116(JAN) |
発売日:2024年06月17日(月) 実食日:2024年06月28日(金) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:333円(税別) 購入価格:359.64円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・かやく2袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(魚介エキス(煮干しエキス、さばエキス、かつおエキス)、しょうゆ、豚脂、ポークエキス、香味油脂、植物油、食塩、こんぶエキス、デキストリン、粉末煮干し、香辛料、砂糖、発酵調味料)、かやく(背脂加工品、たまねぎ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、増粘多糖類、カラメル色素、炭酸カルシウム、レシチン、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・さば・大豆・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、紫の小袋には四角いカットのFD玉ねぎと斜め切りのFDネギを、青い小袋には細切りのAD玉ねぎと背脂加工品を充填。チャーシューや鶏団子こそ入っていませんが、2種類の玉ねぎを併用しているところは “こだわり„ を感じるポイント(FD:フリーズドライ=凍結乾燥、AD:エアドライ=熱風乾燥)。
添付調味料は後入れなので、かやく2袋を空けてから熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。硫化アリル(ユリ科の植物に含まれる刺激成分)が強烈に漂ってくるわけではないけれど、それとは異なる玉ねぎ特有の柔らかい香りが強く、この時点で商品名の「玉」は申し分ありません。
続けて熱湯を注いでから5分後、添付調味料を加えた途端、煮干しの香りが部屋に立ち込め、商品名の「ニボ」も申し分ない調理直後。しかしながら値段が値段なので、コスパ的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(122g)あたり |
カロリー:407kcal たん白質:13.9g 脂 質:11.0g 炭水化物:63.2g 食塩相当量:6.4g (めん・かやく:1.8g) (スープ:4.6g) ビタミンB1:0.25mg ビタミンB2:0.31mg カルシウム:241mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:407kcal(めん・かやく:297kcal)(スープ:110kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いいぞマルちゃん!
初期の「マルちゃん正麺 カップ」に使われていたノンフライ麺は、箸で持ち上げた際に伝わってくる重量感が印象深く、加水率も軒並み高かったのに対し、近年の「マルちゃん正麺 カップ」では従来よりも加水率を下げ、箸で持ち上げた際の重量感も鳴りを潜めるなど、だいぶ様変わりしました。しかし、おかげでバリエーションが増えたのも事実。
なかでも今回のノンフライ麺は、カンメン・エクスペリエンス!!!! ってほど乾麺(干し中華麺)に近いわけではないけれど、私が別格中の別格と評価している「中華そば処 琴平荘(こんぴらそう)味噌そば」(ファミリーマート限定商品)に近い質感で、初期の「マルちゃん正麺 カップ」からは想像できないほど低めの加水率を実現。
博多とんこつラーメン専門店さながらのバリカタ麺とは別物ですけど、適度な弾力と内側から跳ね返してくるような反発性は、後述の煮干しスープと相性ばっちり。また小麦感が芳醇で、生麺ゆでてうまいまま製法の中でも最上ランクに位置している、333円(税別)というメーカー希望小売価格にも納得の仕上がりでした。
スープ
優等生を極めた感
まずは「粉末スープ」単体の味を確かめてみたところ、主軸を担っているのは糖類の甘さ、穏やかな煮干しの風味、うまみ成分の3本で、東洋水産らしいフレームワーク。これ単体の塩味は弱いため、あくまでも下支えに徹しているのですが、続けて「液体スープ」を加えると一変。
液体しょうゆ特有のフレッシュなコクと適度なエッジ、さらに「粉末スープ」の魚粉とは違う、煮干しのコク深い旨みもプラスされ、いっきに臨場感あふれる味わいに。煮干しの苦味・えぐみは徹底して取り除かれているのですが、隅々まで煮干しの個性が行き渡っている、まさにポジティブな部分だけを抽出して重ねている感じ。動物系も丁寧で、なんともマルちゃんらしい仕事ぶり。
いわゆるセメント系ほどの尖りはないため、人を寄せ付けないほどのインパクトは備わっていないけれど、いい意味で優等生を突き詰めたような、きちんと濃厚で上質な煮干し感。とろみ成分で粘度を高めていますが、それも不自然に思わせない、ギリギリの加減にも好感が抱けました。
かやく
たっぷり玉ねぎで食欲マシマシ
ちょっと画像では分かりにくい感じになってますが、四角い玉ねぎ(FD)は食感も風味も穏やかで、玉ねぎの優しい魅力を伝えてくれる具材。片や細切りの玉ねぎ(AD)は、同社の「MARUCHAN QTTA(クッタ)サワークリームオニオン味」にも入っている具材で、四角い玉ねぎよりも香味が強く、シャキシャキと強めの歯触りでシゲキ的な魅力を表現。
斜め切りのネギはFDなので、安っぽく主張してくることはなく、プニッとした食感の背脂加工品がスープの濃厚さをサポート。従来の背脂推しと比較したら控えめに思えますが、動物系の表情をワンランク上の位置に押し上げてくれる、常識的な量ながらに効果的な素材でした。
総評
正直、めちゃくちゃ優等生です。しかし、当たり障りなく丸め込まれた商品ではありません。芳醇な小麦感が特徴的なノンフライ麺に、ちゃんと煮干しが濃いめのスープ、さらに2種の玉ねぎも主役級の存在感を放っている、333円(税別)という値段に相応しい、優等生の鑑といっても過言ではない絶妙な着地点。煮干し系=塩気が強い‥‥みたいなイメージもあるかと思いますが、そういったこともなく。
煮干しの風味とコクを最大限に尊重していたので、この系統に馴染みがない方の入門編にも誂え向き。容器の底に細切りの玉ねぎが溜まりがちですが、あえて貯玉ねぎしたまま食べ進め、〆(シメ)に白ごはんドボンもオススメです。この感じだと来年6月に続編が来ると思いますけど、6代目の方向性も然る事乍ら、パッケージの煮干しネタも楽しみですね。【author・taka :a(大石敬之)】