「マルちゃん 山椒が香る塩そば」和そば界の新星!? “蕎麦×鶏しお” 淡麗系の新境地!!

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東洋水産

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2019年10月14日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 山椒が香る塩そば」の実食レビューです。

和そば(蕎麦)なのに塩味!? 山椒の香りが広がる塩味仕立ての「塩そば」新登場!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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マルちゃん 山椒が香る塩そば

「塩そば」という商品名だけ見ると、まるで塩ラーメンの新作に思えますが、「赤いきつねうどん」や「緑のたぬき天そば」が属しているマルちゃん和風丼カップ麺シリーズからの新商品で、中華そば(ラーメン)ではなく和そば(蕎麦)を採用したもの。カップ麺でも実店舗でも珍しい、爽やかでコクのある “塩仕立ての蕎麦つゆ” が登場しました。

同時発売品の「ごま担々うどん」は、毎年秋になると発売される準定番商品で、2019年はトレンドの “痺れ” を意識した「花椒(かしょう)が香るごま担々うどん」がテーマ。前回の「ごま担々うどん」はマイルド路線の豆乳仕立て「豆乳ごま担々うどん」でしたが、今回の担々うどんは刺激的な路線で再販です。



そして、抱き合わせの蕎麦は “日本の痺れ” をテーマにしつつ、一般的な醤油味の蕎麦つゆではない「山椒(さんしょう)が香る塩そば」という新鮮味のあるテーマ。和そば系のカップ麺に比較的よく別添されている七味唐辛子にも山椒は含まれていますけど、山椒のみピックアップされているケースは珍しく、ましてや今回は塩味仕立て。

東洋水産が公表しているニュースリリースには、 “チキンの旨味をベースに、かつおと昆布の旨味を利かせ、山椒でアクセントをつけた塩味のつゆ” と、味の特徴が解説されているので、鶏がらベースの和風しおスープを彷彿とさせます。で、いま手元にある商品の製造所は、厳密にいうと東洋水産株式会社の本社工場ではありません。

容器側面・賞味期限表示の下に「M11」と表示されているローマ字と番号は “製造所固有記号” といい、マルちゃんのM11は佐賀県伊万里市に本社工場を構える「伊万里東洋株式会社」(佐賀県伊万里市山代町楠久929番地53)の固有記号。伊万里東洋はTSグループ(TOYO SUISAN グループ)に属している企業で、麺類の製造や缶詰及び瓶詰め、生鮮魚介の卸売を手掛ています。

ちなみに定番商品「マルちゃん 緑のたぬき天そば(関西限定)」の製造所固有記号は「M11」と「M1」の2パターンあって、M1は東洋水産の直系「関東工場」(群馬県館林市赤生田本町3831-1)のこと(※関西工場は「M8」)。で、いま手元にあるコンビニ限定「緑のたぬき天そば ぶ厚い特製天ぷら入り(西向け)」の製造所は、今回と同じく伊万里東洋(M11)が担当しています。



たとえば東洋水産の直系工場でされた麺と比較して、同じ「緑のたぬき」でも伊万里東洋の麺は微妙に違うのですが、そもそも東洋水産の和風どんぶり型そば系統には「緑のたぬき」用、「冷しぶっかけ(汁なし)」用、さらに「田舎風」「乱切り」といったタイプも存在。今回の「山椒が香る塩そば」の麺は、公式サイトで “なめらかで黒めの” と色を強調しています。

実は「おそば屋さんの鴨だしそば」や「おそば屋さんのカレー南ばんそば」など、オーソドックスな「緑のたぬき」よりも味に個性のある商品には、きまって比較的 “黒めの” 蕎麦が採用される傾向にあり、既存の「おそば屋さん」シリーズ2品の製造も伊万里東洋の工場なので、それと同じ麺を使用しているのかもしれません。

開封

さて、別添の小袋は「粉末スープ」「液体スープ」「かやく」の3袋、メーカー希望小売価格は税別193円と標準的な値段設定。どんぶり型レギュラーサイズのカップ麺は、基本的にスーパーマーケットやドラッグストア向けの商品と開発されているため、おそらく同社の「マルちゃん 緑のたぬき天そば」と同じくらいの値段で販売されていると思います。



ただ、今回は塩味仕立ての和蕎麦という面白い商品、もしかするとコンビニでの取り扱いも意欲的かもしれません。コンビニの棚に新商品が並び始めるのは基本的に火曜日以降なので、今週は10月15日(火)から、値段は持ち帰りの場合(税率8%)「緑のたぬき」と同じく税込198円が相場です。さて、気になる麺の色は——

左が今回の伊万里東洋製造「山椒が香る塩そば」で、右も伊万里東洋製造「緑のたぬき天そば(関西限定)」の麺。ちょっと写真では色の違いが分かりにくいのですが、ほぼサイズは同じくらいに切り出されていて、やや見た目は左のほうが濃いめの色。しかも色だけでなく、かなり至近距離で香りを確かめてみると、そば粉の香りも「山椒が香る塩そば」のほうが深みのある香りを漂わせていました。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:マルちゃん 山椒が香る塩そば
販売者:東洋水産株式会社
製造所:伊万里東洋株式会社(M11)佐賀県伊万里市山代町楠久929番地53
内容量:92g(めん65g)
商品コード:4901990364393(JANコード)
商品サイズ:縦141mm×横141mm×高さ77mm

発売日:2019年10月14日(月)
実食日:2019年10月14日(月)
発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他)
取得店舗:スーパー
商品購入価格:127円(税込)
希望小売価格:193円(税別)

麺の種類:油揚げ麺
スタイル:標準どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:360ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:3袋(粉末スープ・液体スープ・かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、とろろ芋、卵白)、添付調味料(たん白加水分解物、しょうゆ、鶏脂、チキンエキス、砂糖、植物油、ポークエキス、ごま、食塩、香辛料(にんにく、山椒、こしょう)、デキストリン、粉末野菜、粉末かつおぶし、チキン風味パウダー、こんぶエキス、酵母エキス)、かやく(味付鶏肉だんご、かまぼこ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、酒精、リン酸塩(Na)、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、香料、カラメル色素、レシチン、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、カロチン色素、(一部に小麦・そば・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・やまいも・ゼラチンを含む)

実食開始

先入れの小袋は「かやく」のみ、粉末スープと液体スープは後入れです。かまぼこは最初から容器の中に入っていて、かやくの小袋には斜め切りのネギと味付鶏肉だんごが4個ちょい。さきほど「おそば屋さんの鴨だしそば」を引き合いに出しましたが、麺の色や具材の構成を見る限り、今回の「山椒が香る塩そば」と共通かもしれません。



湯戻し時間は熱湯3分、かやくを麺の上にあけたら熱湯を内側の線まで注ぎ、フタをして待っている間に液体スープの小袋をフタの上にのせて温めます。3分経ったらフタを剥がし、スープ類の小袋を入れるのですが、とろみ成分が粉末スープの中に仕込んであったので、いったん粉末スープを溶かしてから液体スープを入れましょう。

さて、漂う湯気には蕎麦の香りが確実に存在しているのですが、スープの香りはスパイシーで “完全に鶏しお系のラーメン” という面白い状況の現在、さらに山椒の上品な香りが重なって、なんとも独特の世界観。それでは、鶏しおスープと蕎麦の相性に注目しつつ、「めん」「つゆ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(92g)当たり

カロリー:394kcal
たん白質:12.3g
脂  質:20.6g
炭水化物:39.9g
食塩相当量:4.8g
(めん・かやく:1.5g)
   (スープ:3.3g)
ビタミンB1:0.34mg
ビタミンB2:0.32mg
カルシウム:147mg

参考値(調理直後に分別した値)
熱量:394kcal(めん・かやく:340kcal)(スープ:54kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

新感覚!
5.0

原材料名は「緑のたぬき天そば」と同じですが、そば粉の含有量を増やしているような印象。やはりイメージとしては「おそば屋さんの○○シリーズ」に使われている黒っぽい蕎麦が採用されていたのですが、とろろ芋や卵白を繋ぎに使っているインスタント感の強い油揚げ蕎麦で、弾力や歯切れのタイプは同じ伊万里東洋が作っている「緑のたぬき」と変わりません。

しかし、ライバルの「どん兵衛」ほどではないものの、「緑のたぬき」よりも明らかに縮れが弱く、ちょっと謹製チックというか “おそば屋さん” 的に上品な雰囲気。「緑」の延長線上にある油揚げ麺なので、あまり食感に持続力はありませんが、汎用の麺よりもコストをかけて製麺しているように感じます。



今回の蕎麦つゆは完全にスープのベクトルですが、まったく違和感ありません。むしろ違和感ないどころか淡麗系の鶏しおスープと相性バッチリで、蕎麦の新たな扉が開かれたような新鮮味を覚えました。最近、辣油を浮かべた濃口醤油の甘濃いラー油蕎麦が定番化しましたけど、次は淡麗系の “鶏しお蕎麦” くるんじゃないですかね。

つゆ

ただし “こいつ” さえ入っていなければ‥‥
4.0

粉末スープは同社の「麺づくり 鶏だし塩」に通じるスパイシーな味わいで、たっぷり入っている芳ばしい煎り胡麻が嬉しいポイント。たん白加水分解物やチキンエキスなどの旨み成分も仕込んであり、山椒の香りも漂ってくるのですが、それと同時に鶏の旨味を引き立てるガーリックパウダーやスパイシーな黒胡椒も主張してきます。

そして、液体スープに含まれる鶏油(ちーゆ)が粉末スープでは出せないコクと臨場感を打ち出し、実は醤油(薄口しょうゆ)の含有量も多く、そこへ鰹(かつお)と昆布の和風だしと自然な砂糖の甘み、さらに天日塩を彷彿とさせるキレを重ねた構図から、かえしは “白だし” のイメージ。また液体スープに山椒オイルも入っていて、痺れよりも和の香りで喰わせるタイプ。

蕎麦つゆらしからぬ、けれども深みのある和風仕立ての鶏しおスープに仕上がっていたのですが、ひとつ蛇足的なのが粉末野菜。体感的に野菜は粉末ポテトの含有量が多く、これ必要‥? みたいな、最近の東洋水産に見られる悪い癖が出てますね。

「山椒が香る塩焼そば」が発売される1週間前に、「謹製 山椒香る塩焼そば」という大盛りカップ焼そばが発売されていて、まさに今回それと同じネック。「謹製 山椒香る塩焼そば」のソースも山椒が香る鶏しお仕立ての塩味で、しかしながら粉末ポテトの粉っぽさが野暮ったく、ポタージュ系の時にはプラスに働いてくれる粉末ポテトが蛇足でした。

食べ始めは蕎麦の香りと鶏塩スープのマッチングに感動を覚えかけたのですが、粉末スープに含まれる粉末ポテトのザラついた舌触りとポテトの味が山椒の清涼感を阻害してくるため、それが残念で仕方ありません。もし、これさえなければ評価は★6を付けていたと思います。

具材

旨み濃厚な鶏肉団子がウマし
5.0

やはり具材は「おそば屋さんの鴨だしそば」と同じような内容で、ちょっとネギのカットは比較的に小さめですが、味付鶏肉だんごと半月かまぼこは同じもの。かまぼこに関しては「緑のたぬき」を含む和風丼カップ麺シリーズ全体に通じる汎用かまぼこで、枚数は厚み(重量)によって変動します(※平均2〜4枚)

同じく鶏団子の数も大きさやネギとの兼ね合いにより、だいたい3〜5個くらいの変動を見せますが、おそらく平均は4個。縦型ビッグ製品に入っているような巨大肉団子ではないけれど、味や食感は同じもので、ギュッ‥‥と旨味が凝縮されている濃いめのテイスト。変な臭みもなければ単発の存在感も大きく、これに関しては手放しに賞賛できる具材ですね。

総評

★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)

淡麗系の鶏しおスープに和蕎麦を合わせている、なんとも創意工夫にあふれた新商品で、まさに “ラー油入り蕎麦の真逆” を行く和そば界のホープ爆誕!! と言っても過言ではない新トレンドを匂わす斬新な組み合わせだったんですけど、粉末ポテトお前ってヤツはどうして‥‥w もうホントに、「QTTA」をはじめ最近この粉末ポテトかなりの頻度で登場してますけど、基本的にテーマが洋風じゃない時は使わないほうがいいと思います。

というわけで、まず調理方法に従って食べてから感想をまとめた後、新たに作り直して軽くアレンジしたのが上の写真。粉末スープを使用せずに “液体スープだけ入れて、粉末スープの代わりにピンク岩塩で味を整えた” ものです。ほんのり香る山椒オイルに芳ばしい鶏油、上品な和風出汁と蕎麦の香りを引き締めて引き立てる岩塩‥‥これなんじゃないですかね、「山椒が香る塩そば」の正しい着地点。興味のある方は、粉末スープの代わりに岩塩も試してみてください。

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