どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2025年9月8日(月)新発売、日清食品のカップ麺「魔改造カップヌードル カレー」(236円+税)の実食レビューです。
いつものカレーをガーリックとマヨネーズで背徳的ウマさに魔改造!? 今だけ限定 “こってりマヨカレー味„ のカプヌをプロのカップ麺研究家がガチレビュー!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
魔改造カップヌードル カレー
魔改造(まかいぞう)カップヌードルとは、2025年(令和7年)9月上旬に突如として現れた「カップヌードル」の限定フレーバーで、抜群の安定感を誇るオリジナルの「カップヌードル」を筆頭に、絶大な信頼を寄せられている「カレー」「シーフードヌードル」「チリトマトヌードル」の味わいを公式自ら劇的にアレンジした挑戦的な企画。

このページでレビューする「魔改造カップヌードル カレー」は、まろやかで濃厚な味わいの「カップヌードル カレー」を本体に、ガーリックとマヨネーズの遺伝子を組み込むことで “ガリマヨカレー味„ に変貌させた強気の変わり種。
カップ焼そばの別添では定番のマヨネーズですが、それを激しい温度変化でも分離させないように加工する方法は容易ではなく、故にカップラーメンでは鬼門とされているアイテムなので、技術面から見ると今回の設計図は魔改造のイメージにピッタリです。
あらためまして「カップヌードル カレー」が初めて発売されたのは、現在を遡ること半世紀以上、1973年(昭和48年)5月。1971年(昭和46年)9月18日発売の「カップヌードル」及び1972年(昭和47年)12月発売の「天そば」に次ぐ “第3のカップヌードル„ として生み出され、すでに「天そば」は廃盤になっていることから、現存するカップヌードルの中では2番目に古い歴史の持ち主です。
ここ2、3年に発売された新商品だけに絞っても「だし仕込み」や「バターチキン」「クリーミーグリーン」「和風魚介ぶし」「豚カルビ味」「トリュフ香る特上濃厚バター」「特上スパイス」「塩分控えめ 1日分のカルシウム&ビタミンD」「高たんぱく&低糖質さらに塩分控えめ」などなど散々いじり倒されているのですが、これまでの歴史上 “ガリマヨカレー味のカップヌードル„ は存在しません。ただ‥‥

パッケージの側面、栄養成分表示の右側に「※マヨネーズ風味の香料を使用」って書いてあるんですよね、しれっと。マヨネーズ風味の香料って何だよ‥‥地味に怖ぇよ‥‥などと駆け出しの頃なら思っていましたが、即席カップめんの味を司る部門って “化学の実験室„ なんですよ、マジで。
品質管理に関する知識はもちろん、栄養学や食に関する法律を修得した理系の社員が集い、どのような原材料を何%で配合するか、それを実現するためにはどのような技術が必要か、決められたコストの範囲内で可能かどうか、さまざまな要素を数値化して弾き出し、ひとつの商品に落とし込んでいく緻密な世界。無論、開発に携わっている部門は一つに限りません。
たとえばベースとなる試作品を担当している部門を「開発部」とするならば、その試作品と開発部が確立した技術を応用し、マーケティング部の企画や工場との連携も踏まえ、技術的に商品化できるかどうか、大量生産に向けた工程設計を多角的な面から担っている「研究部」が存在したり、その中に中華麺の梘水(かんすい)とスープのpH(水素イオン指数)が起こす化学反応を研究している人物が在籍していたり。
なかにはヤマダイのように企画の立案からパッケージのデザイン、さらに工場への落とし込みなど、商品化まで開発室が一気通貫している企業もありますが、いずれにせよ我々の知らない間に研鑽が重ねられた技術と努力の結晶が「即席カップめん」という食べ物で、それを好き勝手に評価しているのが私 taka :a なんですけど←

小難しい話はさておき日清食品は “やみつき! 背徳的ウマさ„ をアピールしているため、その訴求通り背徳的な美味しさなのか、また「魔改造」を謳うからには通常の「カップヌードル カレー」対比どれほど逸脱しているのか、そして「※マヨネーズ風味の香料を使用」の効果など、そういった部分に注目しながらレビューします。
関連ページ:日清の話題作「魔改造カップヌードル」が抱える致命的な欠点。公式は “もつ鍋„ を標榜しているが‥‥
開封

今回のカップ麺に小袋は別添されていないため “フタを半分まではがし、熱湯を内側の線までゆっくり注ぐ → フタをして3分でOK„ の調理方法は通常の「カップヌードル カレー」と同じ手順。単純にプレーンタイプのマヨネーズやガーリックマヨネーズを別添する案も出ていたのではないかと推測しますが、前述したプロセスプランニング、あるいは試作品のテスト段階で篩(ふるい)に掛けられたのかもしれません。

かやくは謎肉(なぞにく)をはじめ、大きめのポテト、ニンジン、ネギを組み合わせており、通常品に入っているミンチポーク(味付豚肉)は省かれているのですが、それ以上に大きな変化を感じたのが香り。想像以上にマヨネーズの存在感が強かった件w ガーリックのアプローチは常識の範囲内ですけど、期間限定のポテトチップスにありそうな匂いというか、けっこうジャンクでスナック的なファーストインプレッション。
ちなみにメーカー希望小売価格は236円(税別)なので、レギュラーサイズの「カップヌードル カレー」と同じ値段。筆者はセブン-イレブンで購入しましたが、全国のスーパーマーケットやドラッグストア、ドン・キホーテなどのディスカウントストアも取扱店に含まれるため、かなりエンカウント率は高いと思います。ほんと営業に強いブランドですよね、カップヌードル。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:魔改造カップヌードル カレー 製造者:日清食品株式会社 製造所:+S 関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1) 内容量:82g(めん60g) 商品コード:4902105292792(JAN) |
発売日:2025年9月08日(月) 実食日:2025年9月26日(金) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:236円(税別) 購入価格:254.88円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:290ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、香味調味料、ポーク調味料)、スープ(豚脂、小麦粉、乳等を主要原料とする食品、でん粉、カレー粉、糖類、オニオン調味料、ガーリック調味料、食塩、香味調味料、ポーク調味料、たん白加水分解物、香辛料、粉末しょうゆ、酵母エキス)、かやく(フライドポテト、大豆たん白入り豚ミンチ加工品、ねぎ、にんじん)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、香料、炭酸Ca、増粘多糖類、酸味料、かんすい、カラメル色素、カロチノイド色素、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、くん液、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
実食開始

麺は “スープの味わいに負けない、つるみのある少し太めのしなやかな麺„ ということで、通常の「カップヌードル」や「シーフードヌードル」などに使われている約2mm幅よりも太い、約3mm幅の油揚げ麺を採用しています。開封直後の香りには「魔改造」らしい変化を感じましたけど、麺に改造が施された様子は見られません。

あとは内側の線まで熱湯を注ぎ、フタをして待つこと3分。時間になったらフタを開け、よく混ぜ合わせたら出来上がり。ポテトめっちゃ多いなオイw というのは個体差も絡んでくるため、なかには謎肉が多くてポテトが少ないとか、謎にニンジンが多いとか、そういったパターンも出てきますけど、さておき香りのアプローチは開封直後の印象から大きく変わっておらず、引き続きジャンクでスナック的な面持ち。
片やガーリックについては大人しい印象を抱いたのですが、今のところ “もつ鍋しょうゆ味„ を標榜していた「魔改造カップヌードル」よりも期待できる調理直後。というわけで、引き続き通常品との違いや「※マヨネーズ風味の香料を使用」の恩恵に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(82g)あたり |
カロリー:404kcal たん白質:7.9g 脂 質:20.5g 炭水化物:47.0g 食塩相当量:4.4g (めん・かやく:2.4g) (スープ:2.0g) ビタミンB1:0.20mg ビタミンB2:0.22mg カルシウム:104mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:404kcal(めん・かやく:341kcal)(スープ:63kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん

スープの味わいに負けない、つるみのある少し太めのしなやかな麺。
出典:https://www.nissin.com/jp/company/news/13436/

体感的には “いつもの麺„ なんだけど‥‥
レギュラーサイズの「カップヌードル カレー」に使われている油揚げ麺の原材料名は「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、ポークエキス、チキンエキス、たん白加水分解物」となっているのですが、今回の「魔改造カレー」では「ポークエキス」と「チキンエキス」の順番が逆になり、末尾の「たん白加水分解物」が省かれ「香味調味料」と「ポーク調味料」が追加されています。

直近にレビューした商品を例に挙げると「カップヌードル 魚豚(ぎょとん)」の原材料名と完全に一致するのですが、とりあえず体感的には「カップヌードル カレー」の油揚げ麺です。ただ、ちょっと興味深いのが「カップヌードル カレー ビッグ」の原材料名で、そちらは今年8月下旬のリニューアル以降「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、ポークエキス、チキンエキス、香味調味料」となっているんですよ。
なにが面白いって「カップヌードル カレー ビッグ」に使われている油揚げ麺は、レギュラーサイズの麺よりも細い「カップヌードル 味噌 ミニ」の原材料名と完全に一致していること。ひとつ前のレビューで “おそらく食品表示法の関係だと思う„ などと書きましたが、そう単純な話でもないようです。——あ、魔改造された「ガリマヨカレー味」との相性は申し分なく、まったり濃厚なスープと少し太めのサイズ感がドンビシャでした。
スープ

「カップヌードル カレー」のスープをベースに、ガーリックの香ばしさとマヨネーズの風味を加えた “ガリマヨカレー味” のスープ。
出典:https://www.nissin.com/jp/company/news/13436/

実食前のイメージを裏切らない
実食前は「※マヨネーズ風味の香料を使用」の文字に構えていたのですが、なんのなんの。ガーリックの芳ばしさについては香りからも感じたように常識的で、そこに期待していたら物足りなさを覚えるおそれもありますけど、ちゃんと「カップヌードル カレー」のアイデンティティを踏襲しつつ、スナック的なマヨネーズの風味でオリジナルの味わいからポジティブに脱線。
マヨネーズ風味のポテトチップスとか米菓とか、あのベクトルに通じるマヨネーズ風味で、もちろん熱に伴う分離などもなく、そこに芳醇なカレー粉のアクセントがミラクルフィット。さらにスープの粘度も通常品と同等のレベルに高めてあるため、こってり感についても申し分ありません。ほんのちょっと普段のスープよりも香辛料の刺激が強かったんですけど、その加減も絶妙で、濃厚な味わいを持て余すことなく堪能できました。
かやく

“謎肉” (大豆たん白入り豚ミンチ)、ポテト、ニンジン、ネギ。
出典:https://www.nissin.com/jp/company/news/13436/

やっぱり謎肉の仕様も変わってるのか?
通常品の原材料名と比較して謎肉の表記が「味付豚ミンチ」から「大豆たん白入り豚ミンチ加工品」に変わっているのですが、前述した「カップヌードル カレー ビッグ」のリニューアル時と同じ変更点。従来の味付豚ミンチよりも大豆たん白の比率が高いのか、ちょっとサッパリした味わいに感じるので、もしかすると個体差ではないのかも。
とはいえホクホクのフライドポテト、こりこりとしたニンジンは通常品と同じ具材。そういえば “細かく刻まれた玉ねぎが入っていなかった„ ところはオリジナルカレーとの明白な違いになりますが、それ以上に実食中は「魔改造」の恩恵が大きかったので、玉ねぎの不在に気が付いたのは食後にレビューをまとめているときでした。
総評
ひとつ前のページでレビューした「魔改造カップヌードル」は “もつ鍋„ の打ち出し方に固執し過ぎたのか腑に落ちなかったんですけど、同時にリリースされた「魔改造カレー」は看板に偽りなし。想像以上にマヨネーズの個性が強く、ちゃんと “こってり濃厚„ かつ「カップヌードル カレー」の魅力も蔑ろにしていない、とても好印象な魔改造でした。
個人的にガーリックの主張はイメージしていたよりも弱かったので、もうちょい強くても‥‥いや、きちんと適量を意識した計算だったからこそ、魔改造らしい個性と万人ウケも視野に入れた味わいの両立が実現できたのでしょう。SNSでは否定的な投稿もありましたが、マヨネーズ風味の香料もナチュラルに受け入れられる味の組み方だったし、ひとつの変わり種として模範的な一杯です。【author・taka :a(大石敬之)】
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