どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年11月26日(火)新発売のカップ麺、サンポー食品「沖縄の名店 そば処 根夢監修」の実食レビューです。
第3回 “沖縄そば王” にも輝いた沖縄の名店「そば処 根夢(ごん)」のカップ麺がローソン限定商品として復活!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
そば処「根夢」監修カップ麺
「そば処 根夢」とは、1990年(平成2年)、沖縄県沖縄市安慶田で創業した「居酒屋 根夢」を前身とする沖縄そばの名店で、1998年(平成10年)7月から「居酒屋 根夢」のランチタイム限定メニューとして沖縄そば(根夢そば)を提供開始。その根夢そばが美味しいと評判で、2010年(平成22年)10月に沖縄そば専門店「そば処 根夢 伊佐店」(宜野湾市伊佐)をにオープンします。
お店の名前「根夢」の読み方は、根夢と書いて “ねむ” ではなく「ごん」と読み、由来は創業者・比屋根忠昭さんが下積み時代に働いていた居酒屋で「根(ごん)ちゃん」と呼ばれていたことに因んだもの。当時から “自分の店を持つことが「夢」だった――” という強い思いがあり、出店の際に根(ごん)ちゃんの夢(ゆめ)で「根夢(ごん)」と名付けたのだとか。
そば専門店「そば処 根夢 伊佐店」のオープンから約1年8ヶ月後の2012年(平成24年)3月、RBC琉球放送『あなたが選ぶ沖縄そば王決定戦(第3回)』にて、初代王者「沖縄そば いしぐふー」と2代目王者「そば処 玉家」に続く3代目王者に認定。そんな根夢の一番人気メニューは、三枚肉・軟骨ソーキ・本ソーキの入った「ミックスそば」で、ネット上でも “沖縄を訪れたら必ず食べたい” との口コミ・評判が見られます。
そんな根夢の店主がこだわる特製スープは、しっかりと効いた鰹の出汁(だし)と豚肉のコクが特徴とされ、もっちりした自家製麺が食欲をそそる至極の一杯とカップ麺のパッケージにも記載。実はローソンの沖縄出店20周年を記念して、2017年10月24日に行われた「HY」の沖縄限定「Happy Year! キャンペーン 第2弾」でもサンポー食品とタイアップしていました。
【沖縄限定】Happy Year! キャンペーンとは、メンバー全員が沖縄県うるま市出身の人気ミクスチャーバンド「HY(エイチワイ)」とローソンのコラボレーション企画。その沖縄限定キャンペーン第2弾のオリジナル商品として、サンポー食品と「根夢」が共同開発したカップ麺「サンポー 沖縄の名店 根夢(ごん)監修 沖縄そば」もエントリーしていた経緯があります。
2017年10月発売当時の製品スタイルは標準サイズの丼型で、本体価格は170円(税込184円)。そして今回、2019年11月に発売された「沖縄の名店 そば処 根夢(ごん)監修」は大盛りサイズのバケツ型で、ローソン標準価格は230円(税込248円)。以前は沖縄限定商品として販売されていましたが、今回は全国発売品として “ひっそり” とノーアナウンスで販売開始。
ローソンの公式ウェブサイトに製品情報は掲載されておらず、そもそもネット上にアップされている「根夢」の情報が偏っていたので、製造者のサンポー食品に直接問い合わせてみたところ、今回は2009年10月9日に設立された株式会社ローソンの完全子会社「株式会社ローソン沖縄(株式会社サンエー運営)」の “設立10周年記念商品として開発した” との回答。
沖縄県下におけるローソンのコンビニエンスストア事業は、1997年7月18日に開店した20店舗から始まっており、先ほど書いた2017年のキャンペーンはローソンの “沖縄出店20周年を記念” したもの。そして今回は “株式会社ローソン沖縄の設立10周年を記念” した商品かつ製品スタイルも違うので、厳密にいうと2017年発売品の再販ではありません。
開封
さて、別添の小袋は「粉末スープ」「かやく」「紅しょうが」の合計3袋。粉末スープの量は多く、かやくの中には豚肉たっぷり、紅生姜は同社の “焼豚ラーメン” にも別添されているような生タイプを採用しています。ちなみにサンポー食品の沖縄そば系カップ麺を検索してみたところ、近年では「根夢」のカップ麺くらいしかヒットしなかったので、けっこうレアな商品。
麺は太くて縮れの強い熱湯5分の油揚げ麺で、サンポー食品らしくラードを使用した油で揚げているフライ麺を採用。そのため調理前の段階から油揚げ麺特有の芳ばしい香りが強めに漂い、パッと見た感じの雰囲気はカップうどん系の油揚げ麺にしか見えないのですが、原材料に梘水(かんすい)を使用しているため、分類上は中華麺に該当します。
値段は地味に高く、たとえば同じ大盛バケツ型の「スーパーカップ」を例にあげると、メーカー希望小売価格は税別220円、コンビニで購入した場合の税込価格は235円が相場。しかしながら今回の「根夢」はローソン標準価格230円(税込248円)となっており、ややコンビニ限定のPB商品にしては強気の値段設定なので、やや費用対効果的な部分が不安なところでしょうか。
製品情報・購入価格
製品名:沖縄の名店 そば処 根夢監修 製造者:サンポー食品株式会社 内容量:111g(めん85g) 商品コード:4901773100385(JANコード) 発売日:2019年11月26日(火) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛バケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(粉末スープ・かやく・紅しょうが) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(ポークエキス、食塩、しょうゆ、香辛料、魚介エキス、かつお節粉末、ねぎ、チキンエキス、しいたけエキス、昆布粉末、植物油脂)、かやく(味付豚肉、紅しょうが、かまぼこ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、増粘多糖類、酸味料、カラメル色素、かんすい、紅麹色素、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む)※本品は乳成分・えびを使用した設備で製造しています。 |
実食開始
別添の小袋は紅しょうが以外先入れとなっていて、「かやく」の中には多めの豚肉とカップうどんで定番の半月かまぼこが入っているのですが、ご覧のとおり上記の写真では具材が見えません。しかし、この入れ方こそサンポー食品が勧める調理方法で、多めの「粉末スープ」を溶かすために “かやくを入れてから粉末スープを入れる” のが正しい作り方。
だいたいサンポー食品のカップ麺は粉末スープの量が多く、調理方法には “スープをよく溶かすために、めんの上に「かやく」、「粉末スープ」を順にあけ、スープの上から熱湯を内側の線まで注ぎフタをする” と記載しているのが定番商品の「焼豚ラーメン」にも通じる特徴の一つ。それにしてもローソン沖縄の設立記念商品とはいえ、この時期にハイビスカス満開のパッケージというのも斬新な‥w
と、それはさておき5分経ったら粉末スープ(乾燥ねぎ入り)が溶け残らないよう念入りに混ぜ合わせ、お好みで紅生姜をトッピングしたら出来上がり。けっこう豚肉の量が多いのと、かまぼこも多いw それでは、税込248円という実売価格も踏まえ、コストパフォーマンスにも注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(111g)当たり
カロリー:485kcal |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
何も言われなければ縮れの強い饂飩(うどん)にしか見えないけれど、前述のように食品添加物の梘水(かんすい)を使用しているため、ジャンルとしては中華蕎麦に分類されます(でも風味は「うどん」っぽいw)。そしてパッケージでは “もっちりした麺が――” と麺の特徴が記載されているのですが、むしろ食べ始めは強付きが目立つ、ごわごわとしたワイルドな口当たり。
多少の粘り気はあるものの、うどんのような粘りは見られず、どちらかというと加水率は低めに設定されていて、なかなかに無骨な印象。特に食べ初めは麺1本ずつの独立心が強く、強めの縮れもランダムで、強付いた仕上がりと不規則な口当たりが手打ち風の臨場感を演出してくれていたのですが、すぐに「ふかふか」とした軽めの食感になるのが残念なポイント。
麺量は大盛バケツ型の標準(90g)よりも5g少ない85gに設定されているのですが、それでもレギュラーサイズのカップ麺(平均めん量60g)と比較して大盛りサイズ。ラード入りの油で揚げたサンポー食品らしい芳ばしさと食べ始めの頼もしい強付きは印象的だった反面、序盤から積極的に麺を攻めないと柔らかくなってしまうので、もうちょっと耐久性が欲しかったです。
スープ
意外とスープの濁りが強く、そのほとんどが鰹節を主体とした魚粉なのでは‥‥と、そんなふうに思えるくらい。いや、そんなふうに思えるどころか確信できるほど鰹の旨みが強烈に主張してきます。どうやら鯖(さば)も使用しているようですが、ほぼ魚介のベクトルは鰹を主体としたもので、その量は舌にザラつきを覚えるほど。
動物系の旨みはポークエキスを主軸にしていますが、豚骨ラーメンよろしく豚骨を白濁するまで炊き続けた白湯(ぱいたん)系の豚骨スープではありません。沖縄そばらしく豚ガラの他に豚肉も一緒に入れて煮込んだような、それでいて白濁させないように抽出した清湯(ちんたん)系の豚出汁(だし)が意識されていて、そっとチキンエキスがサポートに入ります。
ただし、すいぶん味の攻め方は強引で、鰹の旨みと同時に食塩のエッジも強く、さらに化学調味料のピリピリとした刺激も相俟って、ほぼ繊細な印象は皆無に等しい状態。化調と鰹と塩気のトリプルパンチで押し切るようなカップ麺らしいフレームワークだったので、実際の根夢そばよりも荒業かもしれませんが、それだけに “とにかくカツオが強い” というインパクトは伝わってきました。
かやく
メインの豚肉は脂身の少ない赤身が多めに入っていたのですが、赤身の繊維質を残しながらもパサつきは控えめで、東洋水産のリアルな味付豚肉に匹敵するクオリティの高さ。味付けは砂糖が強く、醤油は控えめな肉の旨味を重視するスタンスで、分厚い上に量が多いのも好印象。お店のボリュームには敵わないと思いますけど、大盛バケツ型のカップ麺としては値段相応で貧弱なイメージはありません。
かまぼこはスープとの関係か味付けによるものか異様に甘く、それ以外はフツーのかまぼこ。沖縄そばの具材として入っているのは棒状のかまぼこを切り分けたもので、魚の擂り身を蒸すのではなく “油で揚げた” もの。つまり立場としては薩摩揚げ(さつまあげ)に近いのですが、他社も含めカップ沖縄そばではカップうどん・カップそばにも使用している汎用のかまぼこを使うのが一般的。
ネギは歯触りの弱い乾燥ネギで、生タイプの紅生姜は存在感が強く、力強いスープにも負けません。もしスープが繊細だと紅しょうが味になりかねませんが、今回は油揚げ麺臭にも負けないパワフルなスープだったので、酸味がいい気分転換になりました。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)
思いのほか化調特有のピリピリとした刺激が強く、そのため想像以上にインスタント感の強いスープになっていたのですが、とにかく鰹がしっかり! というイメージは伝わってきました。それに麺の強付いた食感も最初は楽しかったんですけど、すぐに空気感の強い食感に変わってしまったので、具材に浮気せず麺を中心に食べ進めるのがいいいかもしれません。
お店の再現度はさておき「サンポー食品が製造する沖縄そば」としてのレアリティは高く、ある意味そこに大きな価値を感じる製品ではあったものの、売れ残らない限りコンビニ(ローソン)限定かつ税込248円必至なので、ちょっとコスパ的に難ありでしょうか。もちろんサンポーファンなら問答無用でローソンにGOですし、結果的にイマイチではないけれど、それなりに割り切って食べる必要があると思います。