どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2020年12月1日(火)新発売の家系レンジ麺、ローソン「家系総本山吉村家監修 横浜家系ラーメン」の実食レビューです。
横浜家系総本山「吉村家」がコンビニ限定のレンジ麺を監修「RAMEN YOKOCHO(ラーメン横丁)」に新風到来!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、レンジ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
吉村家監修レンジ麺 ローソンに降臨
吉村家(よしむらや)とは、創業者・吉村実(よしむら みのる)氏が1974年(昭和49年)にオープンしたラーメン店で、神奈川県横浜市の人気ご当地ラーメン “横浜家系” の起源であり、元祖とされている総本山。家系(いえけい)ラーメンという名前の由来は、吉村家の直系店及びインスパイア店の屋号(○○家)に因み、日本の国民食として確固たる市民権を得た「ラーメン」を語る上で外せないほどの巨大ジャンルに成長しました。
今回の新商品「家系総本山吉村家監修 横浜家系ラーメン」は、株式会社ローソンと吉村家の共同開発商品で、近年のローソンが力を入れている「RAMEN YOKOCHO」の新作として市場に投下。関東エリアのローソン限定商品として、2019年12月3日に電子レンジ加熱専用のホット麺「家系総本山吉村家監修 家系らーめん」を発売しているのですが、今度はナチュラルローソンを除く全国のローソンを販売店の対象としています。
RAMEN YOKOCHO(ラーメンよこちょう)とは、各地の人気ラーメン店が監修したローソン限定のレンジ麺シリーズで、日本三大ラーメンをテーマに開発された2020年10月6日発売の「麺屋彩未(さいみ)監修 札幌味噌らーめん」「坂内食堂(ばんないしょくどう)監修 喜多方ラーメン」「博多一幸舎(いっこうしゃ)監修 博多豚骨ラーメン」を皮切りに、全国各地の名店とタイアップした企画を本格的に始動。
そんな「ラーメン横丁」より、満を持す「吉村家」監修のレンジ麺が全国発売ということで、ツイッターなどのSNSを中心にインターネット上でも話題になっている現在。本家の麺(酒井製麺)をイメージした太めのストレート麺に、豚骨醤油ベースのスープを合わせ、具材に家系ラーメンを象徴するホウレン草を採用しているのはもちろん、店舗でも人気の煮玉子や “ほのかに燻した香りチャーシュー” を使っているのも見どころ。
家系ラーメンには、大きく分けて「直系」「分家」「亜流系」と3つの派閥があり、なかでも総本山の吉村家に認められた直系店舗(杉田家・はじめ家・厚木家・高松家・上越家・末廣家)は本家に忠実なスタイル。麺は酒井製麺から取り寄せている特注麺を使い、それを茹で上げたあと、ラーメン店で一般的な鉄砲ざる(テボ)ではなく平ザルで湯切り。
スープは濃口醤油のキレを効かせた豚骨しょうゆ味を軸に、芳醇な香りの鶏油(ちーゆ)を合わせ、具材には海苔(標準3枚)、ほうれん草、そして “燻製感のあるスモークももチャーシュー” をトッピングしているのも「直系」ならではの魅力。そのため今回のレンジ麺に使われている “ほのかに燻した香りチャーシュー” は、本家の再現度を高めるために必要不可欠といっても過言ではない重要な要素を担っています。
なお破産して話題になった家系御三家の「六角家」をはじめ「川崎家」「近藤家」「寿々㐂家(すずきや)」など、1986年(昭和61年)にオープンした「本牧屋(ほんもくや)」出身の店を “分家” といい、それらに該当しない独自ジャンルを開拓したのが「壱六家」をはじめとする “亜流系” で、たびたび再販されて話題になっているファミリーマートの「濃厚豚骨家系醤油ラーメン」は亜流系を意識した商品。
タイミングよく手に入れば今回のローソン×吉村家監修レンジ麺と食べ比べようと思っているのですが、ひとまずファミリーマートのレンジ家系ラーメン(2020年10月13日発売品)はレビュー済みなので、感想や評価などの詳細が気になる方は、関連ページ(ネット民大絶賛「濃厚豚骨醤油家系ラーメン」ファミマの “壱六家インスパイア” ど乳化スープの極み再び!!)も併せてご覧ください。
商品概要
さて、今回のレンジ麺「家系総本山吉村家監修 横浜家系ラーメン」に別添されている小袋は、家系ラーメンを語る上で欠かせない海苔(のり)をはじめ、途中で味の変化が楽しめるラーメンコショーを別添。念のためパッケージを確認しましたが、調理前に小袋を取り外す等の注意書きは見当たらなかったので、そのまま電子レンジに放り込んでも問題はない様子。
なおレンジ麺の発売にあわせ、吉村家の人気サブメニュー “チャーシューまぶしご飯” をイメージした、ローソン限定のコンビニおにぎり「吉村家監修 焼豚おにぎり 〜豚骨醤油スープ仕立て〜」も同時に展開。
吉村家監修のスープで炊き上げた豚骨醤油ごはんを使い、薫り高い焼豚を包み込んだ商品で、2020年12月1日(火)〜12月14日(月)までの期間中、焼豚おにぎり(税込150円)と一緒にカップ麺「明星食品 家系総本山吉村家 豚骨醤油ラーメン(税込278円)」またはカップスープ「旭松食品 家系総本山吉村家 野菜畑 豚骨醤油スープ(税込178円)」を購入すると、1セットにつき50円安くなる割引キャンペーンを実施していました。
残念ながらレンジ麺は割引の対象商品になっていなかったのですが、有名店が監修した「RAMEN YOKOCHO(ラーメン横丁)」には税込598円の商品も存在するのに対し、吉村家監修レンジ麺のローソン標準価格は509円(税込550円)と標準的な値段。一部の店舗では売ってない場合もあるかと思いますが、話題の新商品ということで、筆者が暮らしている田舎のローソンでも取り扱っている店舗は多かったです。
※スマホレジ決済はセール対象外なので、購入の際は注意してください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:家系総本山吉村家監修 横浜家系ラーメン 製造者:株式会社オイシス 加古川工場 製造所:兵庫県加古郡稲美町六分一1362番62 内容量:-(記載なし) |
発売日:2020年12月1日(火) 実食日:2020年12月6日(日) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:550円(税込) 希望小売価格:509円(税別) |
麺の種類:茹で中華麺 スタイル:レンジ麺 容器材質:プラ(PS) 保存方法:要冷蔵(-10℃) 加熱目安:1500W 1分50分 / 500W 5分30秒 小袋構成:2袋(海苔・ラーメンコショー) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】豚骨醤油ラーメンスープゼラチン、茹中華麺、味付茹卵、茹ほうれん草、焼豚、チキンオイル、海苔、胡椒 / 糊料(加工澱粉、キサンタン)、かんすい、調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、グリシン、酢酸Ca、酸化防止剤(ローズマリー抽出物)、カラメル色素、香料、酵素、トレハロース、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)(本品製造工場では、そば・卵を含む製品を生産しています) |
実食開始
調理方法は電子レンジ専用で、加熱時間の目安はローソンの業務用レンジ(1500W)で1分50秒、家庭用の電子レンジ(500W)で5分30秒。別添の小袋を取り外す必要はないようですが、過熱前にフタまたは製品情報を記載している帯状のフィルム(地域によってはラップやシール等)を破いてしまった場合、調理不良の原因になってしまうので、かならず購入してから “そのままの状態” で温めます。
時間になったら容器の底を触って温度を確認し、まだ冷たいようでしたら10秒ずつ様子を見ながら追加熱後、海苔とラーメンコショーをトッピングしたら出来上がり。家系ラーメンの海苔は標準3枚なので、2枚なのが寂しいところではあるものの、強めに香る醤油が印象的な調理直後。今回は撮影のために最初からラーメンコショーをトッピングしていますが、半分ほど食べ進めてから気分転換に使用するのがいいかもしれません。
なお手元にある商品のラーメンコショーは “帯状のフィルムとフタの間に別添されていた” のですが、もしかすると地域によっては仕様が異なる場合もあるかと思いますので、取り忘れなどに注意してください。それでは、引き続き本家監修の臨場感に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、家系レンジ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1包装当り |
カロリー:565kcal たん白質:33.7g 脂 質:22.5g 炭水化物:59.3g (糖 質:54.5g) (食物繊維:4.8g) 食塩相当量:8.78g(推定値) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ちょっと麺は残念かも
吉村家の特注麺を製造している酒井製麺(東京都大田区)は、もともと中華麺ではなく “うどん” の製麺所として開業し、吉村実氏が独立して「吉村家」を立ち上げた頃、氏の依頼を受けたことをキッカケに家系の麺を作るようになったので、吉村家とは切っても切れない存在。それは一般的な中華麺よりも短く、コシの強い食感を特徴とする太めのストレート麺で、パンチの効いた醤油豚骨ベースのスープにも負けません。
それを再現した今回の茹で中華麺も太めの角刃で切り出し、断面は正方形に近く、縮れのないストレート麺を採用しているのですが、加水率は低めの設定で、食感はボソッとした茹で置きの中華麺ど真ん中。しかし、ふわっと鼻を抜ける小麦の香りは味わい深く、ローソン限定の即席カップ麺(ノンフライめん)では打ち出せないリアルさがあり、なかでも “すこし短めにカットされていた” のは印象的でした。
ただし、各コンビニで販売されているレンジ麺は、通称・ニッパイ(日配)と呼ばれる消費期限の短いデイリー食品なので、全国各地のローソンと最寄りのメーカーが提携し、商品を生産しています。つまり、地域によって製造者(製麺技術など)が異なるため、麺の仕上がりに地域差が生じるケースも珍しいことではなく、もしかするとコシの強い麺を提供している地域も存在するかもしれません。
スープ
白ご飯必須の濃厚な味わい
家系ラーメンの専門店を謳いながら、セントラルキッチンで作られた業務用の冷凍スープを店舗に持ち込み、それを解凍している店も珍しくない昨今、それに対して「吉村家」は生の豚骨(背ガラ)や鶏ガラにこだわり、横浜の市場を抑え、1日あたり1トンの豚骨と約700羽分の鶏ガラを使用。さらに “若者が多い時間帯” や “サラリーマンが多い日” など、客層や日によって味を微妙に調整しているのも職人の為せる業。
それを再現したレンジ麺のスープは、各ローソン店舗の最寄りにある工場で製造したゼラチンスープなので、ごりごりの缶詰なのですが、亜流系をイメージしたファミリーマートの家系ラーメンとは違う、濃口醤油のキレをガツンと効かせた醤油ベースの醤油豚骨味。表面に浮かぶ鶏油は全面に主張してくるわけではないけれど、豚脂や牛脂とは違う独特の芳ばしさが漂い、亜流や分家よりも乳化感を抑えた醤油感で直系らしさを演出します。
醤油の風味を効かせた濃いめのスープに負けないように、別添のラーメンコショーは黒胡椒(ブラックペッパー)をメインにしたもので、諸々の風味を引き立てると同時に全体のキレをブースト。さらにチャーシューから滲み出るスモーキーな香りも「吉村家」におけるスープの魅力であり、それは同店監修のカップ麺(明星食品)も再現できていなかったのですが、それを可能にしたのはデイリー食品の強み。
具材
クタクタほうれん草とスモーキーなチャーシューに注目
ベーコンやソーセージよろしく強烈な燻製感が漂ってくるわけではないけれど、チャーシューを口に入れた瞬間から、ふわっと香るスモーキーな風味が印象的。部位は豚のバラ肉とみて間違いなく、本店のチャーシューとは異なる部位を使用しているのですが、とろけるような脂身のジューシーな口当たりと赤身の適度な弾力によって、食べ応えについては申し分ありません。
味玉は電子レンジで加熱した後も完全な煮抜きになることはなく、だし醤油を効かせた慣れ親しみのある和風の味付け。ほうれん草はクタクタですが、実店舗でも麺やライスとの一体感を高めるために、やや柔らかめに茹で上げているのも特徴なので、くったくたの食感で正解(ほうれん草はスープをライスに運ぶための媒体だと思っている)
家系ラーメンにおける海苔の食べ方については諸説あるものの、基本はスープに沈め、たっぷりとスープを染み込ませた後、麺を包み込むようにして食べる、もしくは白ご飯と一緒に食べるのがオススメ。今回の麺は短めにカットされていたこともあり、一本あたりの独立心が強く包みにくかったこと、加えてスープが濃いめの味に仕上がっていたので、今回のレンジ麺には白ご飯がマストアイテムです。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3+)
麺は短めにカットされていたことを評価して及第点としましたが、地域差が生じるとはいえコシもヘッタクレもない食感だったので、今後のブラッシュアップに期待したいところ。スープは本家「吉村家」に倣い、醤油を強めに効かせながら、コンビニ向けの食べやすい味にアレンジしていたので、味としては悪い商品ではないけれど、本物の家系ラーメンが好きな方にとっては物足りなさを感じるところがあるかもしれません。
ちなみに同時発売品の「吉村家監修 焼豚おにぎり」も食べてみたところ、燻製感を全面に押し出した角切り焼豚のインパクトが強く、正直 “レンジ麺よりも美味しい” と感じたので、そちらもセール期間中に試してみてください(author・taka :a)