どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年3月3日(火)新発売のカップ麺、ヤマダイ(ニュータッチ)「くそオヤジ最後のひとふり 旨味が自慢のあさりらーめん」の実食レビューです。
関西のラーメン好きが通う十三(じゅうそう)の名店「くそオヤジ最後のひとふり」がローソン限定のカップラーメンに!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
くそオヤジ最後のひとふり監修カップ麺
くそオヤジ最後のひとふり(The old men’s best swing)とは、大阪・十三(じゅうそう)にある関西屈指の名店で、運営は創業者の松村貴大さんが代表取締役を務めるUNCHI株式会社。同じく大阪の西中島南方にあるUNCHIグループの1号店「人類みな麺類」や中之島・渡辺橋「世界一暇なラーメン屋」「担担麺の掟を破る者」など、ユニークな屋号を掲げたラーメン店を経営しているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
ちなみに運営会社「UNCHI」の読み方はアンチではなく「うんち」が正解で、しかも「くそオヤジ最後のひとふり」が店を構えているのはションベン横丁(阪急十三駅前飲食店街)という冗談みたいなシチュエーションが重なっているのですが、この社名は “お客様に安全なものを提供するために良質な素材を使い、最初から最後まで責任を負う” という松村社長の覚悟が込められたもの(※いきなり食べ物のブログでスミマセン)。
「2012年4月12日」まだUNCHI株式会社が存在していなかった頃、当時に “日本一” と囁かれていた大阪の名門「金久右衛門(きんぐえもん)」で修行を積んだ24歳の若者(後の松村社長)が大学時代から思い描いていた「人類みな麺類」というラーメン店を立ち上げ、その翌2013年4月12日に創業したのが「くそオヤジ最後のひとふり(くそおやじさいごのひとふり)」という貝出汁専門店。
とんでもない店の名前ですが、ラーメンの見た目も店の内装もカフェのようにスタイリッシュで、基本となるグランドメニューは「あさりらーめん」「はまぐりらーめん」「しじみらーめん」と3種類の貝出汁(かいだし)のみ。カップラーメンのパッケージにも雪平鍋でアサリを煮出している写真が使われているように、寸胴などで長時間煮出すのではなく “一杯ずつ貝を炊いて” スープを作っているのも特徴です。
カエシに使っている醤油は、島根県浜田市産のマルハマしょうゆ(マルハマ食品株式会社)で、社長の修行先である「金久右衛門」や「人類みな麺類」のタレにも愛用されているもの。しじみらーめんには淡口醤油、はまぐりらーめんには濃口醤油、あさりらーめんには濃口醤油と淡口醤油をブレンドするなど、3種の貝出汁を活かせるように、それぞれの個性にあわせてカエシを調整しているのだとか。
水は竹炭・麦飯石・サンゴなどを入れた浄水器で濾過した浄水と活水、器は逆富士型の反り返った丼を使用しているのですが、それも貝の香りを感じさせやすくするための工夫という徹底したコンセプト。2018年10月23日、店舗上にあった高架の改装を理由に一時閉店しましたが、同年12月22日に現在の拠点・阪急十三駅西口に移転し、開業当初から店長だった柳原隆之さんを筆頭に営業を続けています。
そんな「くそオヤジ最後のひとふり」が手掛ける一杯をカップラーメンで再現したのは、凄麺(すごめん)に定評のあるニュータッチことヤマダイ株式会社で、一般販売用のNB(ナショナルブランド)商品としてではなく、ローソン専売のコンビニ限定PB(プライベート)商品として展開。ローソンから事前に大々的なリリースはなかったので、不意に店頭で見かけた時は驚きました。
その後、ニュータッチの公式アカウント(Twitter)からもカップラーメンの発売報告があり、販売店は全国のローソンが対象とのこと。しかし、取扱店の詳細を尋ねると沖縄のローソンには売ってないとの回答だったので、沖縄を除くローソン店舗での販売になります(※ローソンの公式ウェブサイト内にある「ローソン研究所」でも “沖縄除く” との記載を確認)。
開封
さて、くそオヤジのカップラーメンに別添されている小袋は「液体スープ」「調味油」「かやく」の合計3袋。販売期間は正確に定まっているわけではないものの、商品が無くなり次第終了の数量限定扱いで、ローソン標準価格は257円(税込278円)の高級品。とはいえヘタに安い値段よりも安心といえば安心ですし、最近は300円ちかい商品の勢いも増しているカップめん業界。
開封口には “ニュータッチ” の表記があったのに対し、どこにも “凄麺” の文字は見当たりませんでしたが、麺はヤマダイが誇る凄麺ライクなノンフライ麺を搭載。それからフタの裏がフタの裏ばなし(凄麺で定番の裏話)ではなく「クーポン」になっていて、このフタを「くそオヤジ最後のひとふり」の実店舗に持参すると、煮玉子(50円の有料トッピング)が1個もらえる大阪らしいサービス精神あふれた特典となっています。
ただし、煮玉子がもらえるのは「くそオヤジ最後のひとふり」だけなので、同じUNCHIグループの系列店に持参しても使用不可。またクーポンの使用期限は2020年5月31日までの期間限定となっているため、その間に実店舗まで足を運べそうな方は、ぜひ活用してください(店舗住所:大阪府大阪市淀川区十三本町1-2-23 ※阪急「十三駅」西改札口を出たら右折して徒歩約30秒)
製品詳細情報・購入価格等
製品名:くそオヤジ最後のひとふり 旨味が自慢のあさりらーめん 製造者:ヤマダイ株式会社 本社工場 製造所:茨城県結城郡八千代町平塚4828 内容量:113g(めん65g) 商品コード:4903088014692(JAN) 商品サイズ:縦175mm×横175mm×高さ78mm |
発売日:2020年03月03日(火) 実食日:2020年03月03日(火) 発売地域:全国(沖縄除く) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:278円(税込) ローソン標準価格:257円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(調味油・液体スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、食塩、大豆食物繊維)、スープ(しょうゆ、アサリエキス、動物油脂、糖類、たん白加水分解物、植物油脂、食塩、ガラスープ)、かやく(アサリ、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、乳化剤、カラメル色素、香料、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、(一部に小麦・えび・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造工場では、そばを含む製品を製造しています。本製品で使用しているアサリなど二枚貝には、かにが共生しています。 |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみ、液体スープと調味油は食べる直前に加える後入れで、液体スープと調味油は熱湯を注いでから待っている間にフタの上で温めます。かやくの小袋に入っていた具材は、アサリ・メンマ・ネギとシンプルな構成で、アサリは本物、メンマは小さめ、ネギは輪切りではなく縦切りにカットされてはいるものの、コンビニ限定の税込278円にしては寂しい印象でしょうか。
本物の「あさりらーめん」には、定評のある大きなレアチャーシューや姫筍も入っているため、いささか具材は妥協すべきポイントになってしまうのですが、ネギが輪切りじゃないのは再現度が意識されている項目かつ本物のアサリが具材として入っているのも嬉しいポイント(小さいけど)。それに、調理直後から漂ってくる芳醇な貝出汁の香りに思わず期待が高まる実食前——
ちなみに熱湯入れる前、ノンフライ麺の表面や容器の内側にオブラート状の成分が付着していますが、同社が製造している凄麺と同じく麺をほぐれやすくするための大豆食物繊維なので、食べても身体に害はありません。それでは、引き続き貝出汁の使い方に注目しながら「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(113g)あたり |
カロリー:349kcal たん白質:8.7g 脂 質:8.2g 炭水化物:60.0g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.6g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おそらく凄麺シリーズの汎用麺
「くそオヤジ最後のひとふり」の本店で使用されている自家製麺は、全粒粉(小麦の胚乳だけでなく、表皮や胚芽を丸ごと粉状にした茶褐色の小麦粉)を練り込んだ平打ち中太麺で、ほとんど縮れはありません。対する今回のカップラーメンに使用されている麺は、ストレート麺ではなく縮れた太麺で、ところどころ捻れている独特な形状となっています。
ヤマダイ製造の縮れたノンフライ麺かつ湯戻し時間は熱湯5分の太麺なので、おそらく凄麺ご当地シリーズの味噌ラーメン系統や「ねぎみその逸品」などに使っている汎用のノンフライ太麺と同じもの。アサリ出汁が効いた今回のスープには中細の低加水麺を合わせてみたいと感じたのですが、本店と同じく多加水麺ですし、スープとの相性も結果的に悪くありません。
ただ、数年前の凄麺シリーズほどではないけれど、食べ始めはスープを弾くような麺質となっているため、やや前半は麺勝ちしているような印象を受けました。それはそれで小麦感と強靭なコシが楽しめると思えばポジティブではあるものの、比較的に表面が柔らかくなってくる後半のほうがスープとの釣り合いが取れていると感じたので、まずは熱湯5分後しっかり待った後、液体スープを入れてから2〜3分ほど休ませるのがオススメです。
スープ
芳醇な貝出汁と芳ばしい香味油
スープの原材料は「しょうゆ、アサリエキス、動物油脂、糖類、たん白加水分解物、植物油脂、食塩、ガラスープ」と実にシンプルな構成で、それゆえにグルタミン酸(アミノ酸等)の人工的な旨み成分が躍り出てくる場面もありましたが、液体スープならではの醤油感と動物油脂の芳醇な香りが心地よく、地のアサリエキスも丁寧な仕込み。
二枚貝が持つ特有の苦味やエグ味を全面に打ち出しているようなタイプではないものの、はまぐりの出汁よりもシャープな滑り込みで、しじみの出汁ほど癖はなく、舌の脇をくすぐってくるような二枚貝特有の訴えがあったのも好印象。表面に動物油脂を浮かべていますが、あえて土台の動物系は下支えに徹しているような構成となっていたので、きっちり出汁の軸は貝が担っています。
ちょっと上記の写真では見た目の変化に乏しいのですが、別添の調味油にはエシャロットや葱油のような芳ばしい風味の香味油が仕込んであって、スープの臨場感が大幅に加速。その芳ばしさと貝出汁の旨味には不思議と相乗効果があり、ワンランク上の味わいが印象的でした。そして、具材として入っているアサリもギミックではありません。
具材
小さいアサリが効果的!!
メンマは端材のような形状の個体が多く、小さい上に柔らかめの食感ですが、その食感については今回の柔らかい貝出汁にハマり、また輪切りの青葱ではなく白髪葱タイプの乾燥ねぎもシャープな風味が効果的で、スープにおける糖類の甘味を適度にリフレッシュしてくれる効果があります。で、具材のアサリは若干えぐみのある味わいがポイント。
かなりサイズとしては小さいものの、内臓まで丸ごと入っているためアサリ特有の苦味と旨味があり、また乾燥状態から戻した “乾物” でもあるので、生のアサリとは違う凝縮された旨味が楽しめます。ちょっと前に食べた別のカップラーメンのアサリからは風化したような雑味を感じたのですが、今回そういったこともなく、ちょいちょい口の中に入ってきてはサイズ以上の旨味を炸裂していました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
ちょっと麺の湯戻し時間に気を付ける必要があったのと、あわせて具材は妥協すべきポイントになりますが、丁寧で密度の高い貝出汁は味わい深く、ヤマダイのシェル系というのも珍しいですし、アサリさえ苦手でなければ安心して手に取っていただける一杯です。めちゃくちゃコスパの高いカップ麺ではないけれど、この完成度で税込278円なら悪くありません。
ちなみに私の行動圏内にあるローソンでは発見できなかったのですが、近畿2府4県のローソン限定商品として「おにぎり屋」から「くそオヤジ最後のひとふり 味付海苔貝めし」(税込148円)というコンビニおにぎりも期間限定で販売されます。もし近くのローソンに売っていたら、貝飯おにぎりと貝出汁カップラーメンをダブルで決めちゃうのもアリですね。