どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年6月10日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 縦型ビッグ 黒い豚カレーうどん」の実食レビューです。
マルちゃんの定番「黒い豚カレーうどん」がシリーズ初の縦型ビッグバージョンで販路拡大を狙う!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
黒い豚カレーうどん 縦型ビッグ
マルちゃんの「黒い豚カレーうどん」が初めて発売されたのは、1996年11月——現在も定番商品となっている「白い力もちうどん」の初登場にあわせてリリースされたのですが、実は1995年発売の「豚カレーうどん」という和風カップ麺が前身で、初代・豚カレーうどんの商品名に「黒い」という色分けはありませんでした。
というのも1995年発売品は “ただの” 豚カレーうどんとしてリリースされていて、翌1996年11月「白い力もちうどん」の発売をきっかけにタイトルを更新。白い力もちうどんと対比を描く黒いパッケージだったので、そのまま「黒い豚カレーうどん」として正式に和風丼カップ麺シリーズ(色シリーズ)へと加入したんです。
それ以来、この時期になると定期的にリニューアルを繰り返しているのですが、今回は定番商品のリニューアルではなく縦型ビッグの新商品として展開。普段は手に取らないユーザーの獲得を視野に入れ、シリーズのラインナップを強化すべく “コンビニ向け” の大盛タテ型サイズにアレンジされました。
もちろんコンビニ限定のカップ麺というわけではないのですが、定番のレギュラー商品は標準サイズ・どんぶり型で、おもな販売ルートはスーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストアなど、コンビニ以外の店舗。そしてタテ型ビッグのカップ麺は、基本的に全メーカー “コンビニでの需要を前提に” 開発されています。
コンビニの限られた店内スペースでも配置しやすく、どんぶり型よりも小袋が少ないため、備え付けのポットで手軽に調理できる簡便性の高さも縦型の大きな利点。また1食でも満足できるようにビッグザイズで対応し、コンビニユーザーが求めている購買意欲の一つ「濃いめの味」を意識しているのも特徴です。
実は既存品の中にも “密かに自動販売機専用の” 縦型版「黒い豚カレーうどん」があったりするのですが、自販機専用の縦型はレギュラーサイズのカップ麺(平均めん量60g前後)よりも小さな容器を採用しているので、今回とは別物。それは最近めっきりエンカウント率が低くなってしまいましたけど、たまにビジネスホテルにあったりしますよね。
と、それはさておき前身の「豚カレーうどん」から数えると2019年で発売24年目を迎えるのですが、「黒い豚カレーうどん」が縦型ビッグにアレンジされたのは今回が初めてのこと。定番の「あつあつ豚汁うどん」や「ごま担々うどん」なんかは何度も縦型ビッグになっているので、「黒い豚カレー」初の試みなのには意外性がありました。
けれどもパッケージの全体的なデザインの基調やテーマカラーはもちろん、フォントや調理後のイメージ写真まで実直にトレースし、「味わい深いとろつゆ」というのも定番商品と同じキャッチフレーズ。外見の安心感は申し分ない実食前の現在なので、中身がコンビニ向けに調整されているのかどうかが注目のポイントです。
開封
別添の小袋は付属していないため、フタを半分まで開けたら熱湯を注ぎ、5分待つだけの簡単調理。「本気盛」ほど大量の具材ではないけれど、東洋水産が得意とするリアルな味付豚肉を筆頭に、大きめカットのネギや歯触りのいい玉ねぎ、朱色の人参など、具材の構成も本家どんぶり型と同じ内容となっていますね。
ただ、今回は縦型ビッグの期間限定商品なので、東洋水産の本社工場で製造されているわけではありません。千葉県長生郡にある東洋水産のグループ企業、「株式会社酒悦(しゅえつ)房総工場」(千葉県長生郡長南町美原台1-34)で製造されています。酒悦は1983年から東洋水産グループに所属しているのですが、いつも最新のマルちゃん縦型ビッグを製造しているのは基本的に酒悦なので、ご安心ください。
販売ルートはCVS(コンビニエンスストア)、量販店、一般小売店他となっているため、前述したようにコンビニ限定のカップ麺ではないのですが、製品スタイルはコンビニ向け。しかも2019年6月1日以降の値上げによって実売価格も跳ね上がり、以前はコンビニでも税込216円が平均だったところ、2019年6月11日現在のコンビニ実売価格は税込232円と “16円アップの値上げが施行” ——ちょっと特別感が欲しくなってきますよね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 縦型ビッグ 黒い豚カレーうどん 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場(BP24) 内容量:94g(めん70g) 商品コード:4901990363426(JANコード) 商品サイズ:縦108mm×横108mm×高さ122mm 発売日:2019年06月11日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい不使用) スタイル:縦型ビッグ・大盛サイズ 容器材質:紙+プラ 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:-(小袋なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、乾燥酵母、植物性たん白、卵白)、添付調味料(粉末野菜、食塩、香辛料、ポークエキス、砂糖、豚脂、しょうゆ、たん白加水分解物、発酵調味料、植物油、魚介エキス、ソース)、かやく(味付豚肉、たまねぎ、にんじん、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、増粘多糖類、リン酸塩(Na)、炭酸カルシウム、カラメル色素、香料、レシチン、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・豚肉を含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・大豆・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
麺は力強い食感に期待できそうな角刃の太麺で、どんぶり型の「黒い豚カレーうどん」や「赤いきつねうどん」の麺とは雰囲気が違います。おそらく定期的に販売されている縦型ビッグ版の「あつあつ豚汁うどん」や「ごま担々うどん」の麺と同じではないかとおもいますが、その前に——くれぐれも “調理の際は持ち運びに注意” しなければいけません。
というのも2019年4月以降、マルちゃん縦型ビッグに採用されている容器には蛇腹式の型紙がプラ容器の周りに巻いてあるのですが、以前よりも「熱伝導率がアップ」しています。以前から東洋水産のカップは熱電率が高めなんですけどw 30秒もしないうちに素手で持つのが厳しい温度に到達するため、お湯入れ直後から数分間は机が無いと危険なレベル。
お湯を注いでから10分後には容易く持てるようになりますが、コンビニの備え付けポットで注湯した後、店内のフードコートではなく店外(車内など)に持ち運んで食べる場合などは特に注意が必要です。また台所で調理後すぐに離れたところ(食卓など)で実食される方は、くれぐれも移動中の火傷に気を付けてください。
さて、完成です。まさに見た目は本家と同じような彩りで、ただ容器を移し替えたような雰囲気ですし、香りのベクトルも区別がつきません。想像通りの味なのか、それとも思わぬサプライズが待ち構えているのか——どんぶり型との違いに注目しつつ、「めん」「つゆ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(94g)当たり
熱 量:413kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:413kcal(めん・かやく:352kcal)(スープ:61kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
熱湯5分でフタを開けて、軽く混ぜたらハイ完成! みたいなテンポで食べると硬い部分が残ってしまうのですが、後述するカレーつゆの粉末スープは “最短でも30秒以上かき混ぜたい” ので(可能であれば1分以上)、その頃にはバッチリ食べごろ。本家どんぶり型の麺と比較して幅が狭く、そんなに厚みのる麺でもないのですが、しっかりとしたコシと歯応えのある弾力の持ち主です。
おそらく「あつあつ豚汁うどん」や「ごま担々うどん」など、同じように和風丼カップ麺シリーズから派生した縦型ビッグの汎用麺で、それは実に基礎クオリティが高く、のんびり食べても一定のコシと弾力をキープしてくれるのも嬉しいポイント。やや食べ始めは麺勝ちしているようなバランスですが、麺の風味は穏やかなので、途中から気になりません。
それに、マルちゃん和風部門のライバル「日清のどん兵衛」にもタテ型タイプの創作うどんシリーズがあるんですけど、タテ型どん兵衛の麺は戻りムラが多発するのに対し、マルちゃんの縦型うどん系に致命的な戻りムラが見られません。しかしながらフライングには向かないため、早く食べたくても熱湯5分は守ったほうが美味しく食べられます。
カレーつゆ
コンビニ向けの商品ということで、本家の黒い豚カレーつゆよりもスパイス感が強いとか、いつもよりも辛口とか、比較的にポークや玉ねぎ、魚介のパンチが突出しているとか、そういったアレンジは “いっさいありません” 。それこそ本家の味を実直に、微塵の裏切りもなく再現しています。
つまり裏切りもなければ興味を引かれるような要素もなく、ほんとそのまま「黒い豚カレーうどん」のカレー味で、強いて言うなら全体を包みこんでいるポークがマイルドになり、魚介が半歩引いているような印象でしょうか。微妙に原材料が違うため、まったく同じ味とは言えないものの、かなり再現度は高め。
きわめて甘口につき、辛さレベルは皆無に等しく、ちょっと給食で出てくるカレー(地域差ありますけど)に近い感じのノスタルジックなカレー味で、じっくり煮込んだ玉ねぎの旨味とマイルドなカレー粉の風味が特徴。そして、ほんのりウスターソース系の隠し味に懐かしさを掻き立てられるような——結果的に「ふつう」なんですけどねw でも、その一言で片付けるのは勿体ない伝統の味わい。
ただ、それだけに「黒い豚カレーうどんの粉末スープは溶けにくい」という本家のマイナスポイントも受け継いでいます。およそ1分間、細心の注意を払いながら念入りに混ぜ続け、もういいだろうと思ったら写真のように箸で持ち上げられるサイズ(1cm以上)の溶け残りが出てきたので、しっかり混ぜるのがポイント。
具材
具材は味付豚肉、人参、玉ねぎ、ネギとシンプルな構成ですが、それだけに無駄がありません。あいかわらず人参はクッタクタでしたが(※マルちゃんの特徴です)、斜め切りのネギが和の面持ちを高め、無条件で好印象なのがリアル系の味付豚肉。ちょっと豚肉特有のワイルドな風味もあり、穏やかなカレーつゆに力強さを付与します。
そんな豚肉もさることながら、リアルな豚肉に負けないシャッキシャキの玉ねぎも欠かせない個性で、どんぶり型と同じくフレッシュな香味と食感からアクセント以上の存在感。かなりカレーの風味が穏やかということもあり、玉ねぎの食感と風味が際立っていました。
玉ねぎは容器の底に溜まりがちですが、あえて最後の楽しみに残しておくのもありですし、どんぶり型の具材と比較して何かがカットされているわけでもなく、ちょっとマルちゃんの縦型ビッグにしては量が少なめではあるものの、具材に貧弱なイメージは無かったです。ただ、もうちょい人参がコリコリだと——いや、それもアイデンティティですね。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
各項目のスターレート(星の数)がオール5を叩き出しているように、本家の信用を裏切らない上出来の美味しさです。それなのに、なぜ総評は★4なのかというと、「じゃぁどんぶり型の黒い豚カレーうどんでいいよね」という結論に落ち着いてしまったから。もちろん料理と同じように、容器が変わると実食中に感じる雰囲気も大きく変わります。
私は基本的に縦型のカップ麺が好きなので、なんだかそれだけで特別な気分というか、普段よりも美味しく感じちゃったりしたんですけどw あまりに本家に忠実すぎてコスパ的な部分が引っかかりました。けれども麺に関しては縦型ビッグならではの力強さが楽しめますし、買って損をするような一杯ではありませんよ(※主観的な満足度は★5です)。