サンヨー食品が「韓国式ちゃんぽん」をカップ麺で再現!! 結果:あまりの本格さに脱帽せざるを得なかった件

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サンヨー食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2022年8月1日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「韓国式ちゃんぽん」の実食レビューです。

ドラマでおなじみ “韓国熱愛メニュー” 具材たっぷり旨辛海鮮スープが特徴の「チャンポン」を日本のメーカーが本気で再現!!

辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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韓国式ちゃんぽん

今回の新商品「韓国式ちゃんぽん」は、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品のカップラーメンで、韓国ドラマにも高い頻度で登場している韓国式中華の「チャンポン」を再現。スープは牛と魚介の旨味を軸に、唐辛子や豆板醤の辛みを効かせ、配合している唐辛子のうち韓国産唐辛子を50%使用するなど、なかなかに気合が入っている様子。

天面左には “Local Asian Noodles” の文字

Local(ローカル)とは、直訳すると “地方的” という意味で、文化や民謡、方言、風習など、特定の地域や国にのみ関わる様を表現するときに用いられます。パッケージには “ドラマでおなじみ! 韓国熱愛メニュー!” とありますが、そもそも「韓国式ちゃんぽん」って何? 日本の「ちゃんぽん」と何が違うの? という方も多いかと思いますので、すこし解説しておきます。

まず「ちゃんぽん」とは、別種の物を交互に、あるいは同時に使ったり、混ぜ合わせたりすることを指す言葉で、日本の食べ物で例を挙げると “長崎ちゃんぽん” が有名どころ。

しかし、網走ちゃんぽん、高根沢ちゃんぽん、尼崎あんかけチャンポン、近江ちゃんぽん、八幡浜ちゃんぽん、戸畑ちゃんぽん、唐津上場ちゃんぽん、武雄ちゃんぽん、小浜ちゃんぽん、日田ちゃんぽん、天草ちゃんぽん、久留米ちゃんぽん、水俣ちゃんぽん等々‥‥

日本国内においてもローカル的な “ご当地ちゃんぽん” は多いため、具材やスープの特徴も多岐に亘るのですが、海鮮や肉、野菜など、一杯あたりに様々な具材を使い、旨味を引き出すところは共通するポイント。

한국식 짬뽕=韓国式ちゃんぽん

韓国のチャンポン(짬뽕)も具沢山なことで知られますが、魚介や豚肉から取った出汁(だし)に、韓国産の赤唐辛子をスープが真っ赤になるまで加えるのが特徴で、韓国料理の中でも辛さが強い食べ物に分類されるのが基本。

そのルーツを辿ると20世紀の初頭まで遡り、中国は山東省の麺料理が韓国に伝わったところからチャンポンの歴史は始まるのですが、チャンポンという名前は日本の「ちゃんぽん」に由来する-・というのが有力説。韓国ではチャジャンミョン(짜장면)と双璧を成す麺料理で、それを模したインスタントラーメンも市場に多く流通しています。

たとえば農心(NONGSHIM)の「旨辛海鮮ちゃんぽん(マッチャンポン – 맛짬뽕)」を筆頭に、わりと最近の話だと2021年9月1日にモランボンが「韓国式チャンポン 海鮮辛口」をリリースして話題になるなど、韓国のトレンドに敏感な方にとっては見知ったメニューになるかと思いますが、それを模した日本のカップラーメンは多くありません。

サンヨー食品がノンフライ麺を使うときは本気

そして、パッケージでは具材のボリュームに関する訴求(具材たっぷり)と “ノンフライ麺” の表記があるように、けっこう本腰を入れて開発したことが伝わってくる韓国式ちゃんぽん。辛味についての警告や目安(辛さレベルなど)はないため、そういった部分にも注目しながらレビューします。

開封

あ、接続テープ(なんか当たりっぽくて嬉しいw)

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「特製スープ」と「液体スープ」の計3種。いずれも使い回しのデザインですが、かやくの小袋が妙に大きいので、パッケージの “具材たっぷり” には期待してもよさそうな雰囲気。

独特の色合いのノンフライ麺

麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、全粒粉を練り込んでいるような色合いですが、原材料名に全粒粉の記載はありません。サンヨー食品のカップラーメンといえば、縦型で油揚げ麺だと頻繁にコケる傾向があるのに対し、いつもノンフライ麺のクオリティは高いため、比較的に安心です。ただ、値段も高いのが玉に瑕——。

2022年6月1日出荷分から実施されている価格改定以降、即席めん市場の相場は軒並み上がっているのですが、今回のメーカー希望小売価格は300円(税別)ということで、お世辞にも安い部類とはいえません。ちなみに私の購入価格を例に挙げると、いつもカップ麺を安く売ってくれている地元のローカルスーパーでも311円(税込)だったので、全国的にも300円以上が相場になるかもしれません。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:韓国式ちゃんぽん
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品工業株式会社 本社工場
内容量:109g(めん70g)
商品コード:4901734047209(JAN)
発売日:2022年08月01日(月)
実食日:2022年08月04日(木)
発売地域:全国
取得店舗:スーパー
商品購入価格:311円(税込)
希望小売価格:300円(税別)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:420ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:3袋(特製スープ・液体スープ・かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、植物油脂、食塩、大豆食物繊維)、スープ(しょうゆ、魚介エキス、豚脂、植物油脂、食塩、豆板醤、ビーフ調味料、にんにくペースト、香辛料(唐辛子、にんにく粉末、こしょう、しょうが粉末)、砂糖、おでん用調味料、野菜粉末、ビーフエキス、クリーミングパウダー、みそ、キムチ調味料、カニガラパウダー、酵母エキス、デキストリン、発酵調味料)、かやく(キャベツ、あさり、キクラゲ、ニラ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、レシチン、香料、パプリカ色素、増粘多糖類、カラメル色素、かんすい、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・かに・小麦・乳成分・いか・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)※本製品で使用しているアサリは、まれに砂を含んでいる場合があります。

実食開始

ほんとに具材たっぷり

先ほど値段について触れたばかりですが、先入れの「かやく」はキャベツ、あさり、キクラゲ、ニラと具沢山。油揚げ麺よりも本格的なノンフライ麺を使っているのに、これだけ具材が多ければ、あながちコストパフォーマンスが悪いと決め付けることはできません。なかでも “あさりに由来する二枚貝の匂いが強烈” で、かなり期待を煽ってきます。

めっちゃいい香り‥‥

添付調味料は両方とも後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。容器側面の調理方法にも書いてあるのですが、添付調味料を先に入れると麺が適切に戻らないのと “特製スープ液体スープは必ずめんをほぐした後にお入れください。” との記載があるため、調理の際は留意してください。

ちなみに製造所は太平食品工業の本社工場(製造所固有記号 +A)となっていますが、太平食品工業はサンヨー食品が1963年(昭和38年)1月に設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き費用対効果も視野に入れつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(109g)あたり
カロリー:389kcal
たん白質:8.8g
脂  質:9.8g
炭水化物:66.4g
食塩相当量:6.2g
(めん・かやく:2.1g)
   (スープ:4.1g)
ビタミンB1:0.36mg
ビタミンB2:0.61mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:389kcal(めん・かやく:289kcal)(スープ:100kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

出ました伝家の宝刀

5.5

韓国の麺といっても様々で、まず押し出し式の「冷麺」と包丁切りの「カルグクス」に分けられたり、そば粉入りだったり春雨だったり、いろいろとあるのですが、チャンポンに使われるのは小麦が主体の自家製麺、あるいはジャガイモを原材料に使用したカムジャ麺を使う店もある模様。

この麺、芳醇。

対して今回のノンフライ麺にジャガイモなどは練り込まれていませんが、しなやかでアシのある質感に、コシと適度な歯切れを兼ね備え、噛むたびに主張を強める小麦の甘さと豊かな香りも見どころ。添付調味料を入れる前に必ず “ほぐしてから” という注意事項について触れましたが、ほぐれにくさについては気にならなかったのも好印象なポイントで、まったくストレスを感じません。

たとえば長崎ちゃんぽんで定番の麺とは異なるものの、つるつるとした麺肌で喉越しがよく、基礎クオリティの高い仕上がりで、さすがノンフライ麺には定評のあるサンヨー食品。ちょっとスープの乗りが悪い側面もありますが、それだけに前半は小麦の存在感が強く、後半にかけて徐々に馴染んでくるので、その変遷を楽しんでみてください。

スープ

いやー、びっくりした‥‥

6.5

「特製スープ」は粉末で、見るからに辛そうな色合いですが、辛さレベルは一般的に見てピリ辛の枠を出ない程度。韓国産の唐辛子は、甘みと芳ばしさが強く、辛味は日本の唐辛子や中国の唐辛子と比較して控えめなので、その個性を表現しているようなブレンドです。さらに、この時点で二枚貝(あさり系)の旨味が強めに存在するのと、魚介の要素を強める蟹殻(かにがら)パウダーの隠し味も効果的。

かなり本格的

「液体スープ」にはラー油のような色のオイルが入り、最終的な辛さレベルは中辛(辛い食べ物が苦手な方にとっては辛口)くらいにアップしますが、それ以上に味のフレームワークが複雑で本格的。味付けは醤油に味噌と日本人向けにチューニングしてあるものの、豆板醤とビーフの旨みで韓国料理の雰囲気を強めている、馴染みのあるところで例えると「海鮮チゲ」っぽいテイスト。

生おろしニンニクのキレを適度に、それでいて分かりやすく効かせることで、使用している原材料は多くても間延びした印象を覚えることはなく、まさかの “おでん用調味料” というカップ麺では見慣れないアイテムを使っているのも見どころ。それなりにジャンクでありながら、即席のスープとは思えないほどのレベルに到達していたので、いやはや本格さに驚きました。

具材

文句なし

6.0

本場のチャンポンには、二日酔いの予防にムール貝を入れるのが特徴となっているのに対し、今回のカップ麺には代替的にアサリが入っているのですが、このアサリが素晴らしい。個体差か原型を保つアサリは見かけなかったものの、乾燥させられたことで旨味が凝縮しているため、サイズのわりに存在感は大きく、湯戻しの過程でスープの味に深みを持たせてくれるのもポイント。

またキャベツの量も多く、コリコリとしたキクラゲは食感にアクセントを、フリーズドライのニラは全体のパンチを底上げしてくれる、ちゃんと具沢山かつ意味のある組み合わせ。φ165×75(mm)の口径が広い容器を使用していますが、かやくで麺が見えなくなるほどのボリュームで、きちんと値段に見合った内容でした。

総評

6.0

カップ麺では高い部類に入りますが、すでにコンビニでは400円前後のカップ麺も珍しくない現在、それを思えば「めん」「スープ」「具材」いずれも値段以上の価値を感じる仕上がりから、これで300円(税別)ならコストパフォーマンスも悪くありません。カップラーメンだけどチープじゃない、食事としての満足度が高い一杯です。

さて、次は “Local Asian Noodles” 第2弾として「韓国式ちゃんぽん」と双璧を成す「韓国式チャジャン麺」(ジャージャー麺から派生した麺料理)をリリースしてくるか、別の地域にスポットを当てた “Local ○○○ Noodles” としてシリーズ化するのか、韓国式ちゃんぽん単発の企画に終わってしまうのか、今後の動向にも注目ですね【author・taka :a(大石敬之)】

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