どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年1月3日(火)新発売、ファミマルのカップ麺「中華そば処 琴平荘 味噌そば(三代目)」の実食レビューです。
山形県鶴岡市の期間限定営業店「中華そば処 琴平荘」監修 “幻の一杯” と呼ばれた平日10食限定の人気メニューを再現したカップラーメンが進化して再登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
中華そば処 琴平荘 味噌そば 2023ver.
中華そば処 琴平荘(こんぴらそう)とは、日本海の荒波が打ち付ける山形県は鶴岡市三瀬己の沿岸に建ち、営業期間は10月1日〜5月31日限定という特殊な環境下にありながら、週末になると昼営業のみで1日500人以上の客が訪れる超人気店で、ラーメンフリークや評論家の間ではもちろん、一般の方にも広く知られている存在です。
今回の新商品「中華そば処 琴平荘 味噌そば」は、山形の名店「中華そば処 琴平荘」が誇る平日限定の「味噌そば」を再現した一杯で、コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、販路限定(PB)のカップラーメンとして商品化。製造はマルちゃんのブランドで知られる東洋水産で、即席カップめんとしての「味噌そば」は3度目になるのですが、まったくテコ入れなしの再販ではありません。
「中華そば処 琴平荘」のカップラーメンが初めて発売されたのは、現在を遡ること10年以上、2012年(平成24年)9月11日の話。お土産用の箱入りラーメンやチルド麺など、これまでに数々の商品を監修してきた「中華そば処 琴平荘」ですが、即席カップめんの製造は一貫して東洋水産の担当で、基本は同店の「中華そば(あっさり)」をモデルにしています。
しかし、2020年1月7日に初めて平日限定メニューの「味噌そば」を再現したカップ麺「中華そば処 琴平荘 味噌そば(初代)」が発売され、2021年11月30日に「中華そば処 琴平荘 味噌そば(二代目)」を挟み、2022年は目立った動きを見せなかったのですが、このページでレビューする「中華そば処 琴平荘 味噌そば(三代目)」のパッケージには “平日10食限定” の文字。
というのも以前は “平日20食限定” だったのに対し、現在は「平日のみ10食限定」ということで、さらにハードルが高くなっている様子。ちなみに店舗で提供されている「味噌そば」のスープには、市場での仕入れから下拵え・天日干し・焼きに至るまで、すべて店主が自ら手掛けるアゴ(飛魚)の焼き干しを筆頭に、サバ(稚魚)や鰯の煮干しほか、由良漁港で採れた小鯛の煮干しと魚醤を隠し味に使用。
動物系はゲンコツ(豚の大腿骨や脛骨)を軸に、骨だけでなく肉からも旨みを抽出。さらに岩手県産の高級丸鶏やモミジ(鶏の足)を加え、香味野菜は生姜やニンニク・玉葱・長葱などを使い、タレには山形県産の庄内米を使用した白味噌をブレンド。またニンニクオイルで炒めたスパイスを加え、めん・スープ・具材に至るまで完全自家製にこだわり、唯一無二の味わいを実現しました。
それを再現したカップ麺のパッケージにある「鯛の旨味が隠し味」の訴求は二代目と共通で、白味噌ベースの文字は無くなっているのですが、引き続き「まろやかで芳醇な味噌味スープ」というのも共通するアピールポイント。おそらく劇的な変化は生じていないと思いますが‥‥
ファミリーマートにおける「中華そば処 琴平荘」シリーズとしては初の「ファミマル」ブランドでリリースされた「琴平荘 中華そば」(2022年11月8日発売品)と同様に、スープが “さらにおいしく” との記載がありますので、前回発売品(二代目)からの進化に注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」と「液体スープ」の計3種。構成自体は2021年11月発売品(二代目)から変わっていませんが、それぞれのカラーリングが変わっている(つまり中身にも変更がある確率が高い)ため、引き続き進化の度合いが気になるところ。
麺はパッケージにも表示されていた「生麺ゆでてうまいまま製法(特許 第5719064号)」の乾燥麺なので、同社が誇る「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」の流れを汲んだもの。事前に麺を蒸熱するプロセスを挟まない製造工程から “厳密にいうとノンフライ麺ではない” のですが、大別するとノンフライ麺という認識で問題ありません。
ちなみに二代目「味噌そば」のファミリーマート通常価格は258円(税込278円)だったのに対し、三代目は276円(税込298円)に値上がりしているのですが、2022年11月8日発売の「中華そば」と同じ値段。2022年6月1日の出荷分(価格改定)以降、東洋水産は自社の即席カップめん類に設定しているメーカー希望小売価格を従来品比9%~12%アップさせたので、倍率的には良心的な値上げです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:中華そば処 琴平荘 味噌そば 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:123g(めん70g) 商品コード:4901990373630(JAN) |
発売日:2023年01月03日(火) 実食日:2023年01月06日(金) 発売地域:全国 取得店舗:ファミリーマート 小売価格:276円(税別) 購入価格:298円(税込) |
麺の種類:生麺ゆでてうまいまま製法 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(みそ、ポークエキス、豚脂、植物油、りんご果汁、香辛料、砂糖、でん粉、食塩、野菜エキス、ゼラチン、魚醤(魚介類)、酵母エキス、ごま、しょうゆ、鯛エキス、たん白加水分解物、チキンエキス)、かやく(焼豚、メンマ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、炭酸カルシウム、レシチン、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、香辛料抽出物、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチン・魚醤(魚介類)を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容は丸型の焼豚が1枚に、けっこうメンマの量は多く、あとはフリーズドライ(FD)のネギとシンプルな内容なのですが、実際の「味噌そば」にトッピングされている具材もチャーシュー、メンマ、ネギとシンプルなので、品質はともかく的外れな取り合わせではありません。
添付調味料は2袋とも後入れなので、かやくをあけてから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら箸で麺を解し、フタの上で温めておいた「液体スープ」と「粉末スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら完成です。添付調味料を最初に入れてしまうと麺が適切に戻らないので、調理の際は必ず後入れするように注意してください。
ちなみに二代目「味噌そば」と比較して、カロリーは427kcalから436kcalに上がり、脂質も14.8gから15.4gに微増するなど、栄養成分表示の数値が少し頼もしくなっていました。というわけで、引き続き前回発売品との違いや臨場感に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(123g)あたり |
カロリー:436kcal たん白質:13.7g 脂 質:15.4g 炭水化物:62.2g (糖 質:58.9g) (食物繊維:3.3g) 食塩相当量:6.1g (めん・かやく:1.9g) (スープ:4.2g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:170mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:436kcal(めん・かやく:300kcal)(スープ:136kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
再現性を度外視すれば★7でも差し支えない
実際の「味噌そば」に使われている麺は、琴平荘専用粉で打つ「味噌そば」用の完全自家製麺で、加水率(麺の水分含有量)は驚異の50%以上。対して現在の「生麺ゆでてうまいまま製法」による乾燥麺は、2021年9月6日に実施された「マルちゃん正麺 カップ」のリニューアル以降、それ以前よりも加水率が低くなり、箸で持ち上げた際の重量感も衰えるなど、大幅に仕様が変わりました。
しかし、いくつかのパターンが存在する「生麺ゆでててうまいまま製法」の中でも今回の麺は別格で、やや硬めに茹で上げられた感じのコシと密度の高さ、歯切れのタイミング、さらに駆け抜けるような小麦の風味が恐ろしいほどリアルな仕上がり。おそらく二代目と同じ麺だと思うのですが、あらためて「生麺ゆでてうまいまま製法」の凄まじさを体感した次第。
本物の「味噌そば」に使われるのは、けっこう縮れの強い超多加水麺なのに対し、こちらはストレートに近い平打ちの低加水麺なので、ほぼ真逆といっても過言ではありません。けれども後述するスープとの相性は申し分なく、カップラーメンの麺としては最上級に位置する品質のため、低く評価することはできませんでした。
スープ
鯛の旨みと味噌感UP
まずは「粉末スープ」だけの状態で味を確認してみたところ、前回も印象的だった焼干しを彷彿とさせる芳ばしさを筆頭に、基本的なフレームワークは変わっていなかったのですが、あきらかに焼干しの芳ばしさがパワーアップ。そこに煎り胡麻の風味と食感のアクセントが重なる骨組みは、前回と同じなんですけど‥‥
続けて「液体スープ」を投入したところ、オイルは前回と同様に豚脂と植物油のミックスで、タレは白味噌を基調にしているのですが、ほんのちょっと赤味噌が強くなったイメージ。けっこう生姜の存在感も分かりやすく、しかしながら味噌ラーメンといえば札幌のスープとは完全に別のベクトルで、主張を弱めない焼干しも然る事乍ら、下支えに過ぎなかった鯛の主張が明確に強くなっていたのも大きな変更点。
りんご果汁の酸味を効かせているのも「琴平荘」監修による「味噌そば」らしい要素であり、前回のスープには使っていなかった “チキンエキス” を新たに追加することで、やっと丸鶏の旨みも取り入れられるなど、さらなる臨場感のアップを実現していました。味の組み立て方がマルちゃんらしいので、それなりにデフォルメされてはいるものの、またワンランク上の味わいになりましたね。
かやく
必要最低限だけど悪くない
丸い焼豚は他のマルちゃん製品にも使われている肉具材なので、まったく目新しさはないけれど、広めの面積は嬉しいポイント。成型肉特有の雑味も比較的に控えめなので、スープの邪魔をしてきません。斜め切りのネギもエアドライ(AD)より本格的なFDですし、箸休めに嬉しいジャキッとした歯応えのメンマも量が多く、麺とスープの完成度を思えば不満を覚えることはありませんでした。
総評
たとえば数年前みたいに、メンマが高温殺菌の “かやく調理品”(同社の「激めん ワンタンメン」に入ってるアレ)だったら‥‥と、そこだけが★6に一歩及ばずの理由になってしまったのですが、なんのこれしき現状の「生麺ゆでてうまいまま製法」で最高峰に位置する麺のリアリティは凄まじく、二代目と比較して明らかにスープもバージョンアップと正当な進化を遂げていた三代目。
ファミリーマート通常価格は276円(税込298円)に値上がりしていますが、パーセンテージでいうと東洋水産のNB(ナショナルブランド)商品における値上げ率(9%~12%)よりも低い7%なので、現在の相場を思うと良心的。数量・期間限定品ですが、取り扱っているファミリーマート店舗は多かったので、ぜひ試してみてください。【author・taka :a(大石敬之)】