どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年9月1日(火)新発売のカップ麺、サンヨー食品「金色不如帰 蛤だしの塩そば」の実食レビューです。
トリプルスープの第一人者「金色不如帰」の “真鯛と蛤の塩そば” をコンビニ限定のカップラーメンで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
金色不如帰 蛤だしの塩そば
SOBA HOUSE 金色不如帰(そば はうす こんじきほととぎす)とは、大量の蛤を使った貝出汁ラーメンを提供している行列必至の名店で、創業は2006年1月11日。オープン当初は1日たった5杯しか出ない日もあったそうですが、2014年12月5日に発行された『ミシュランガイド東京2015』よりラーメン部門が新設、みごと “ビブグルマン” に選出され、現在は海外ファンからも熱烈な支持を得ている実力の持ち主。
ビブグルマン(Bib Gourmand)とは、従来の星(三つ星、二つ星、一つ星)の評価からは外れるものの、5,000円以下で楽しめるオススメの店舗に与えられる証。もちろんビブグルマンも名誉な評価ですが、2018年11月30日に発行された『ミシュランガイド東京2019』でビブグルマンから “一つ星” に格上げされ、不動の地位を確立しました。
今回の新商品「金色不如帰 蛤だしの塩そば」は、サンヨー食品と金色不如帰の共同開発商品で、コンビニの中でもローソンでしか買えない販路限定のPBカップ麺として展開。7月27日に「金色不如帰監修 真鯛とあさりのだし冷し塩そば」というローソン限定の要冷蔵コンビニラーメンを発売していますが、即席カップ麺では約2年ぶりとなる新作です。
サンヨー食品と金色不如帰の付き合いは長く、2015年2月23日に “金色不如帰” 初のカップ麺「サッポロ一番 名店の味 金色不如帰 トリュフ香る塩そば」を新発売。そのコラボ第1弾は販路を問わないNB(ナショナルブランド)商品で、特有のエグみを感じるほど強烈な貝出汁とトリュフの香りが特徴的なスープを軸に、全粒粉を練り込んだノンフライ麺で同店の「真鯛と蛤の塩そば」を再現。
続いて2015年11月24日、今度は金色不如帰の「そば(醤油)」をイメージして開発された「サッポロ一番 名店の味 金色不如帰 醤油そば」をリリース。パッケージには “今食べるべきラーメン店 醤油1位” とあり、ラーメン研究家・石山勇人(いしやま はやと)氏の写真を起用するなど、自らハードルを上げるようなデザインでしたが、前作の「トリュフ香る塩そば」に勝るとも劣らない、素晴らしい一杯だったと記憶しています。
コラボ第1弾「トリュフ香る塩そば」とコラボ第2弾「醤油そば」はNB商品として販売されていたのですが、2017年10月24日発売の「金色不如帰 濃厚貝だし醤油そば」及び「金色不如帰 裏 極にぼ」より、以前から金色不如帰とコラボ商品を展開していたローソンだけのPB商品として販売ルートが変更され、製品スタイルも “大判どんぶり型+ノンフライ麺” から “縦型ビッグ+油揚げ麺” に刷新。
その縦型2品の発売から約1年後となる2018年10月30日、再び製品スタイルを大判どんぶり型+ノンフライ麺に戻したローソン限定商品「金色不如帰 濃厚貝だし塩そば」が前回発売品。2019年は関連するカップ麺が発売されなかったので、今回の「金色不如帰 蛤だしの塩そば」はサンヨー食品×金色不如帰のタイアップ商品 “第6弾” の新作。
幡ヶ谷店の路地裏で創業した最初の店舗は2018年5月17日に閉店、2018年5月25日に新宿御苑前で現在の本店をオープンし、満を持す自家製麺化を叶えた金色不如帰。パッケージには現在の本店外観をデザイン、その下で全粒粉を練り込んだハリのある中細麺と蛤だしの奥深い旨みが味わえる塩味スープを強調しているため、全粒粉の恩恵と蛤だしに注目しながらレビューします。
開封
さて、今回の小袋に別添されている小袋は「液体スープ」が1袋。縦型ビッグ容器の中に小袋を放り込んでくるスタイルはエースコックの十八番なのですが、最近ちょいちょいサンヨー食品の製品でも見られるようになってきた手法です。ちなみにサンヨー食品の縦型ビッグでは基本的に “仕上げの小袋” となっているのに対し、今回は金色不如帰特注のデザインではなく、単純に「液体スープ」と記載されていました。
具材は鶏・豚味付肉そぼろ、味付ぶなしめじ、ねぎとシンプルな構成で、あまり全体量は多くないうえに味付ぶなしめじも小さめですが、ネギは大きめの斜め切りにした太めの青ネギを使用。鶏・豚味付肉そぼろも大きめのサイズなので、量よりも質を重視しているような印象です。
2020年9月現在、縦型ビッグのカップラーメン(NB商品)をコンビニで購入すると税込232円が標準となっているのですが、今回のローソン標準価格は211円(税込228円)と良心的な値段。たとえば「えびそば一幻」や「中華蕎麦にし乃」など、現在のローソン名店シリーズにおける縦型ビッグ製品の値段は211円(税別)が基本となっているようですね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:金色不如帰 蛤だしの塩そば 販売者:サンヨー食品株式会社 製造者:太平食品工業株式会社 本社工場 製造所:群馬県前橋市朝倉町555-4(A) 内容量:95g(めん70g) 商品コード:4901734040996(JAN) 商品サイズ:φ112×118(mm) |
発売日:2020年09月01日(火) 実食日:2020年09月02日(水) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:211円(税込) ローソン標準価格:228円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(小麦全粒粉5%)(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵)、スープ(魚介エキス(魚介類)、糖類、食塩、豚脂、植物油脂、昆布エキス、ポークエキス、しょうゆ、香辛料、発酵調味料、みりん、マッシュルームエキス、香味油、魚介調味油)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、味付ぶなしめじ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、酒精、レシチン、香料、カラメル色素、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、増粘剤(キサンタン)、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・魚介エキス(魚介類)を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。写真ではパッと見よく分からないのですが、目視できるサイズの茶色い粒がチラホラと確認できます。2017年10月24日発売の「金色不如帰 濃厚貝だし醤油そば」と「金色不如帰 裏 極にぼ」にも同じような油揚げ麺を使っていたので、その流れを汲んでいるのかもしれません。
別添の液体スープは後入れなので、お湯を注いだら待つこと3分。お世辞にも具沢山とはいえない調理直後ではあるものの、液体スープを入れた瞬間から香ってくるバターっぽい香りとトリュフの香りが心地よく、サンヨー食品の縦型ビッグでネックになりがちな油揚げ麺特有のニオイが控えめなのも嬉しいポイント。
ちなみに販売者はサンヨー食品株式会社、製造所は太平食品工業株式会社の本社工場となっているのですが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、蛤だしと全粒粉の恩恵に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(95g)あたり |
カロリー:389kcal たん白質:8.7g 脂 質:12.9g 炭水化物:59.4g 食塩相当量:6.8g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.6g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.58mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:389kcal(めん・かやく:308kcal)(スープ:81kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
油揚げ麺でもネックではない
実店舗の自家製麺は、北海道産のブランド小麦「春よ恋」を主体に、合計6種類となる国産小麦を使用。さらに「春よ恋」の石臼挽き全粒粉で風味を加え、製麺後は麺専用の高湿冷蔵庫で半日寝かせているらしく、形状は平打ち気味の中細ストレート。しなやかで香り高く、やや柔らかめでありながら、かるく芯を残す絶妙な茹で加減との評判。
対する今回のカップラーメンに使われている油揚げ麺は、丸刃でカットされた白っぽい見た目の細麺で、加水率(麺を作る際、小麦粉に加えられる水分の割合)は低めの設定。そのため粘り気よりもスパッとした歯切れの良さが際立ち、全粒粉が練り込まれているため特有の芳ばしさがフワッと上がってくる、なかなか侮れないクオリティの高さ。
形状は縮れの少ないストレート麺でありながら、低加水麺なのでスープとの一体感は高く、なにより油揚げ麺特有の雑味がスープを蹴散らしてこないのが勝因。懸念していた油揚げ麺臭は弱く、むしろ特有の芳ばしさが素直に楽しめるような、油揚げ麺であることをネックに感じさせない、ミシュラン掲載店監修の再現カップ麺に相応しい麺に仕上がっていました。
スープ
蛤がつん!!
実際の「蛤と真鯛の塩そば」に使われている塩ダレには、ミネラルやマグネシウムのバランスを計算し、沖縄海塩とモンゴル岩塩をブレンド。出汁は動物系の素材いっさい不使用で、愛知県宇和島直送の真鯛、三重県桑名直送の蛤、昆布や椎茸などの乾物系と3種類の出汁を軸にしているのですが、それぞれ別々の鍋で旨味を抽出してからブレンドする “トリプルスープの手法” をラーメンで取り入れたのも「金色不如帰」がパイオニア。
対するカップラーメンのスープは豚脂やポークエキスを使用しているため、動物系素材不使用ではないですし、鯛の旨みも目立っていませんが、我先に飛び込んでくるハマグリのインパクトは特筆すべきレベル。やや塩気は強めに効かせてありますが、ただ闇雲に塩っぱいわけではなく、塩ラーメンらしいと思える適切な塩梅で、穏やかながらに力強い昆布の旨みと隠し味のマッシュルームも見どころ。
また液体スープの油脂も複雑なテイストで、お店のインカベリーソース(ゴールデンベリーとも称される食用ほおずきを使用したソース)や国産黒豚パンチェッタベーコンビッツは意識されていませんでしたが、ほんのりバターっぽい風味とトリュフの香りが面白く、そこにポルチーニデュクセル(バターで炒めたポルチーニ茸ペースト)とトリュフオイルの再現性を感じました。
具材
具材は及第点
実際の「蛤と真鯛の塩そば」には、カナダSPFナチュラルポークの肩ロース肉とデ・ベジョータ(イベリコ豚の中でも最上級ランク)のバラ肉を使った低温調理チャーシューをはじめ、穂先メンマや白葱などがトッピングされているのに対し、カップ麺の具材はインスタントの枠を出ず、なかでもスパイシーな鶏・豚味付肉そぼろは強めの味付けで、うっかり世界観を壊しかねないレベル。
反面、柔らかい青ネギはスープに馴染んで好印象。かなり小さな味付ぶなしめじもキノコらしい食感で、液体スープに含まれるバターっぽい香りと相性抜群。ポルチーニ茸でもなければペースト状でもないけれど、ある意味これもポルチーニデュクセルを意識してピックアップされた素材なのかもしれません。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
サンヨー食品の縦型ビッグ製品は、油揚げ麺のスナック的なニオイと食感がネックになりがちなので、今回も実食前は構えていたのですが、なんのなんの。懸念していた油揚げ麺はクオリティが高く、商品名にもなっていた蛤だしの蛤も明白で、ほんのり香るトリュフの香りや隠し味が織り成す複雑な旨みなど、値段以上の満足感が得られる名作です。
具材はカップ麺としても及第点だったので、そこは妥協しなければいけないポイントになりますが、麺とスープの出来は一見の価値あり。もちろん「金色不如帰」で提供されている「蛤と真鯛の塩そば」には及ばないけれど、縦型のカップラーメンでもここまでやれる、そんな心意気を感じた一杯でした。
金色不如帰/蛤だしの塩そばですが、湯戻し時間5分ではなく3分ではないでしょうか…?
食べながら記事見て、あれ?っと思ってしまったので
コメントさせていただきました
Re:ebi様
コメントありがとうございます!
ほんとだ‥‥一箇所だけ5分になってましたね;
該当の箇所は修正済みです。
完全に見落としていたので助かりました!