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2020年のトレンド先取り!?マルちゃん「謹製 豚そば」話題の “豚骨清湯” をカップ麺で再現

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東洋水産

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2019年12月9日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 謹製 豚そば」の実食レビューです。

「謹製」シリーズにラーメン業界の最新トレンド “豚清湯(ぶたちんたん)” をフィーチャーした淡麗とんこつラーメンが登場!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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謹製 豚そば

「豚清湯」とは、豚骨清湯(とんこつちんたん)或いは清湯系豚骨とも呼ばれているラーメンジャンルの一つで、ざっくり要約すると “透明な豚骨ラーメン” のスープを指す言葉。白く濁った白湯系の豚骨スープとは違う、透き通った見た目と淡麗系の味が特徴となっていて、2019年からカップラーメン業界でも新たなトレンドとして注目を集めています。

豚骨白湯・豚骨清湯どちらも豚の骨を主要原材料としているのですが、もっとも大きな違いは調理方法(スープの煮込み方)にあり、「白湯(ぱいたん)」は材料をグツグツと強火で長時間焚き続け、白濁するまで乳化を進めたもの。一方で「清湯(ちんたん)」は “可能な限り沸騰させないように心がけ、じっくりと濁らせないように弱火で旨味を抽出したもの” を指し、今回の「謹製 豚そば」は後者。



たとえば下処理した豚のゲンコツ (大腿骨)や背ガラといった豚骨を中心に、生姜やニンニク、長ネギなどの香味野菜を一緒に寸胴の中へ放り込んだ場合、長時間ぐつぐつ煮込めば濃厚でコクのある「白湯スープ」に仕上がるのですが、煮立たせなければ旨味の強いアッサリとした「清湯スープ」になるため、まったく同じ材料でも出来上がるスープは別物。

濁ってない豚骨ラーメンって言われてもイメージしづらいんだよな——という方は、豚の骨を「鶏の骨」に置換してみてください。鶏ガラや丸鶏、モミジ(鶏の足)などを寸胴に入れて、弱火で煮込めばアッサリとした鶏がらベースの清湯スープになり、まったく同じ原料でも遠慮なく強火で煮込めば鶏白湯(とりぱいたん)になる、といった要領です。

とんこつラーメン発祥の地は、九州の久留米(くるめ)という地域で、現在は「大砲ラーメン」を発祥とする “呼び戻し” という技法が有名になり、現地では比較的あっさりとした博多とんこつラーメンよりも濃厚な白濁とんこつスープが特徴となっています。しかし、久留米で生まれた本来の豚骨スープは “濁りのない豚骨清湯から始まった” ので、現在の主流である白濁系は当時の亜流。

“とんこつラーメン発祥の地” というのは、1937年(昭和12年)創業の老舗「南京千両(なんきんせんりょう)」の歴史に由来し、その初代店主・宮本時男その人が故郷の「長崎ちゃんぽん」と横浜の「支那そば」をヒントに開発。当時は鶏が高価だったので、かわりに安価な豚の骨を使い、豚骨100%の豚骨ラーメンを日本で初めて提供した——というのが発祥の地とされる所以です。



その澄んだ豚骨ラーメンが主流となっていた頃、後に “元祖白濁系” の源流となる屋台「三九(さんきゅう)」の店主・杉野勝美という方が “うっかり” スープを焚き過ぎてしまい、自慢の豚骨スープが無残にも白濁‥‥しかし、その失敗作が「うまい!」と大好評。たちまち巷でも話題になり、それを真似する店も増え、現在の「豚骨白湯が主流」という構図が出来上がりました。

それが最近になって清湯系とんこつラーメンの専門店もオープンし始め、歴史を辿ると清湯が豚骨ラーメンの本来の姿なのに、透明な豚骨ラーメン!? とメディアが拡散。まさに先祖返りのラーメンが新たなトレンドとして注目され始め、2019年はヤマダイの「凄麺 澄んだスープの豚骨ラーメン」やサンポー食品の「透豚骨(すけるとんこつ)」といった豚骨清湯系のカップラーメンも発売されています。

開封

おそらく2020年には他社メーカーも参戦してくるジャンルであることは間違いなく、すでに中小企業のヤマダイ(ニュータッチ)とサンポー食品が先手を打ってきましたが、大手企業の中では東洋水産が初。ヤマダイはノンフライ麺・どんぶり型で、サンポー食品は油揚げ麺・どんぶり型(金粉入り)、東洋水産は縦型ビッグと製品スタイルが共通していないのもポイント。

さらに東洋水産でのブランドは、2019年にブラッシュアップして生まれ変わった「謹製シリーズ」ということで、期待値の上昇が否めない実食前の現在。別添の小袋は「特製スープ」が1袋、具材は味付豚肉・メンマ・きくらげ・ネギと構成自体は特に珍しくもなんともないのですが、思いのほか量が多いですね。



製造は東洋水産グループの「株式会社酒悦(しゅえつ)房総工場」で、メーカー希望小売価格は税別220円。コンビニで購入した場合の税込価格は232円(軽減税率8%)となっており、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ローソン」「ファミリーマート」「ミニストップ」での販売を確認しています。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:マルちゃん 謹製 豚そば
販売者:東洋水産株式会社
製造所:株式会社酒悦 房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34)
内容量:93g(めん70g)
商品コード:4901990364966(JANコード)

 

発売日:2019年12月09日(月)
実食日:2019年12月13日(金)
発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他)
取得店舗:コンビニ(ローソン)
商品購入価格:232円(税込)
希望小売価格:220円(税別)

麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:紙+プラ
湯量目安:460ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(特製スープ)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(ポークエキス、しょうゆ、豚脂、植物油、食塩、野菜エキス、酵母エキス、チキンエキス、ミート風味パウダー、こんぶエキス、たん白加水分解物、香辛料)、かやく(味付豚肉、メンマ、きくらげ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、増粘多糖類、酒精、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、クチナシ色素、pH調整剤、カラメル色素、ビタミンB2、ビタミンB1、香料、(一部に小麦・卵・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

調理前は味付豚肉の甘辛い香りが強く、ほとんど豚骨臭は感じないため、イメージとしては豚の肉や骨で出汁(だし)を取った塩ラーメンといったところ。麺は細めの油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。新しく生まれ変わった「謹製」シリーズ(縦型ビッグ)に使用される麺は、洗練された印象のニュータイプがデフォなので、まったく不安はありません。



2019年4月15日に「山椒香る塩そば」で復活を果たし、マルちゃん淡麗系カップ麺の革命を起こした「謹製」シリーズ。その後、10月7日に発売された「山椒香る塩焼そば」では思いのほかワイルドな仕上がりに驚いたのですが、11月25日発売の「松茸香る鱧だしそば」で再び淡麗系の意地を見せ、今回の「豚そば」は第4弾の新作。

※ビックリするほど容器が熱くなるので注意

今のところ縦型ビッグは軒並み高評価を叩き出しているのですが、今回の調理後は具材のボリュームが凄まじく、豚肉・キクラゲ・メンマそれぞれ重ねてもネギの置き場所に困ったくらい。それでは、引き続きマルちゃん流のアプローチに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(97g)当たり

 

カロリー:404kcal
たん白質:11.0g
脂  質:18.1g
炭水化物:49.2g
食塩相当量:5.5g
(めん・かやく:1.8g)
   (スープ:3.7g)
ビタミンB1:2.02mg
ビタミンB2:0.34mg
カルシウム:186mg

参考値(調理直後に分別した値)
熱量:404kcal(めん・かやく:323kcal)(スープ:81kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

ちょっと作り方にコツが必要
5.5

緩やかな縮れが施された幅の狭い平打ち麺で、ほぼ摩擦抵抗のない表面はすすり心地がよく、なるほど「豚そば」という商品名がシックリくる質感。やや開封直後は油揚げ麺特有のニオイが気になったりもしたのですが、後述の液体スープに含まれている豚脂の芳ばしさが相俟って、それがネガティブに作用してくることはありません。

程よい縮れがスープを掴み、かつての無骨な印象は皆無に等しく、繊細でアシのある上品な面持ち。それでいてコシの強さも魅力的な、実にクオリティの高い麺ではあるものの、熱湯3分ジャストで開封した場合、まだ天面に位置していた上部の麺が完全に持っておらず、部分的に硬い部分が残っていました。



その状態でも食べられなくはないのですが、しばらく部分的に乾燥しているため、この麺が持つポテンシャルを最大限に引き出せません。というわけで、とりあえず3分待ってから麺をグルッと上下逆さまに引っ繰り返し、再びフタを閉めてから追加で1分ほどケアするのがオススメ。その方法で2食目を調理してみたところ、コシを損なうことなく均一に戻りました。

スープ

また革命を起こしたかも‥‥
6.5

まず液体スープを入れずに土台のスープを味見してみたところ、前述の油揚げ麺から滲み出る特有の風味が気になったりもしたのですが、野菜の甘みが印象的な味わいで、さらに “骨っぽい旨味” も感じます。とはいえタレが不在の状態につき、まだ完成系ではないものの、かなり土台は丁寧な作り。

液体スープには白だしベース(※それっぽいイメージ)のタレと豚脂が多めに入っていて、最終的な見た目は濁っているのですが、いわゆる白濁系の豚骨スープではありません。たしかに豚骨から出汁を取っているのは明白なんですけど、文字通り出汁(だし)という表現が適切。監修者は元和食出身の料理人で、和風出汁の取り方を応用しながら豚の旨味を引き出しているような——

というのはイメージですけど、豚ガラを中心に鶏ガラで軽く動物系の脇を固め、カエシには昆布出汁と香り付けの意味合いで薄口醤油を使用しているようなイメージ。昆布以外に海産物は使用せず、あくまで動物系を立てるスタンスで、ちょっと面白いのが「ミート風味パウダー」という原材料。骨と違う肉の出汁感を並行して感じたのは、具材の豚肉だけでなく、これも大きな要因かもしれません。

たとえば2018年9月3日にオープンした、福岡・中洲で話題の名店「豚そば 月や」(「支那そば 月や」の2号店)を始め、骨と一緒に豚肉を煮込んで出汁を強化するスタイルは実店舗でも使用されているテクニック。さらに液体スープから強めに放たれる豚脂の芳ばしい風味が絶妙で、反対に塩気は弱く、ちょっと唸ってしまいました。

具材

コスト大丈夫?
7.0

具材は味付豚肉、キクラゲ、メンマ、ねぎ。いずれも今回のために新開発されたものではなく、マルちゃんのカップ麺で頻繁に採用されているもの。しかし、定評のある味付豚肉は高品質かつ大量で、数倍に膨れ上がったキクラゲに関しては暴動の勢い。ねぎも万能ネギ系の小振りなものでスープと相性がよく、大振りのメンマはコリコリとした歯応えが箸休めに効果的。

キクラゲは細切れではなく大きめなタイプなので、ぷるぷるコリコリした食感。味付豚肉は普段通り甘辛い味付けで、ほぼ赤身がメインとなっているのですが、一部の脂身がジューシーすぎてヤバい。たまたま個体差で当たりを引いたのかと思ったんですけど、麺の食感を確かめるために調理した2食目にも同じくらい具材が入っていました。

総評

★★★★★★☆☆☆☆(★6)

麺のポテンシャルを最大限に引き出すには4分ほど待つ必要がある、というのが若干のネックではあるものの、気になった点といえばそれくらい。先手を打ったヤマダイ(凄麺 澄んだスープの豚骨ラーメン)やサンポー食品(透豚骨)との差別化は明白で、東洋水産が培ってきた豚骨のノウハウを注ぎつつ、なるほど豚骨だけど豚清湯。

骨っぽい旨味に加えて豚肉の煮汁も重ねながら、それを壊さない洗練された油揚げ麺に大量の具材という、まさに現代のマルちゃん縦型ビッグに於ける強みと「謹製」の魅力が遺憾無く発揮されていました。いわゆる白濁系の豚骨ラーメンとは違うので、事前のイメージ調整は必要になりますが、まさに「謹製 豚そば」という商品名が相応しい逸品です。

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