どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年6月4日(火)新発売のカップ麺、エースコック「辛節(からぶし)カレーそば」ローソン限定商品の実食レビューです。
食べごたえ抜群の極太蕎麦に唐辛子の辛さと魚介の旨みを効かせた「辛節」で仕上げるカレーそば新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
ローソン限定 辛節カレーそば
今回の新商品「辛節カレーそば」は、ローソン限定のオリジナル商品としてエースコックが開発したタテ型ビッグサイズの辛い和風カップ麺で、「辛節」の読み方は「からぶし」。パッケージには「食べ応えのある太蕎麦」と記載されているのですが、エースコックの太い蕎麦といえば「厚切太麺」シリーズの極太蕎麦を彷彿とさせますね。
一部の店舗や地域によっては取り扱いがないかもしれませんが、販売エリアは全国のローソンで、数量限定商品につき無くなり次第終了となる場合があるとのこと。蕎麦に鰹は定番ですし、カレーに唐辛子もマストアイテムではあるものの、辛節(辛い魚粉)をトッピングしたカレー味の極太蕎麦は意外とありそうでなかった組み合わせかもしれません。
節系の辛い魚粉といえば「麺処井の庄」の「辛辛魚らーめん」が全国的にも有名ですが、その再現カップ麺は寿がきや食品の管轄なので扨措き、エースコックの辛い魚粉といえば「驚き」と「やりすぎ」がテーマとなっている「EDGE」ブランドの「鬼辛」シリーズ。そこで何度か登場している唐辛子と節系の魚粉を合わせた “激辛スパイス” を思い出しました。
パッケージのイメージ写真にも辛そうな「辛節」が山盛りでトッピングしてありますし、今回は「厚切太麺」の “極太蕎麦” と「EDGE(鬼辛)」の “激辛スパイス” をブレンドしたような背景を感じている実食前の現在なんですけども、今週(2019年6月第1週)からカップ麺の価格改定に伴い、コンビニでの実売価格が値上げされているので、軽く触れておきます。
「辛節カレーそば」のローソン標準価格(株式会社ローソンがフランチャイズチェーン本部として各店舗に対し推奨する売価)は税込225円となっているのですが、有名店監修でもなければノンフライ麺を採用しているわけでもないので、値上げ前は税込216円で販売されていたスタイルのカップ麺。今回に関しては9円の値上げなんですけど、塵も積もれば馬鹿にできません。
ちなみに下の画像は、2019年5月27日に発売されたエースコックが製造する「一度は食べたい名店の味 べんてん 特製濃厚塩ラーメン」を先週から販売しているコンビニの店内写真で、撮影に協力していただいた店舗は京都府の「ミニストップ」(2019年6月4日撮影)。
写
続けてコンビニ大手4社(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ)の実売価格をリサーチしてみたところ、各コンビニの店頭に並んでいる「発売日が2019年5月までの新商品」は “価格改定前の値段から変更なし” の据え置きで、メーカーを問わず「発売日が2019年6月以降の新商品」は “値上げ後の新価格に改定” されていました(※2019年6月4日現在)。
なんとも世知辛い現状ではあるものの、業界全体で決まった方針なので、こればかりは仕方ありません。というわけで気を取り直して今回のカップ麺「辛節カレーそば」の詳細に触れていきますが、パッケージの側面には「※辛い味わいにつき、小さなお子様や辛いものが苦手なお客様のご飲食はご注意ください」と、辛いカップ麺で定番の警告文。
また、「※『ふりかけ』は辛い味わいにつき、スープによく溶かしてお召し上がりください」とのこと。おそらく「ふりかけ」は「辛節」のことを指しているものと思われますが、「辛節」の辛さレベルはもちろん、カレー味のカップ麺を世界で初めて開発したのはエースコックなので、カレーの打ち出し方にも注目ですね。
開封
フタの上に小袋は別添されていませんが、開封しますと毎度おなじみエースコック式の先入れとなっていて、最初から「ふりかけ」が1袋、あらかじめ容器の中に入っています。この別添方式は小袋やフタの上に接着剤が残らないので、液体スープや調味油を “フタの上で温めてください” の時にメリットを発揮するんですけど、今回は温める必要のない「ふりかけ」——特にメリットはありませんw
その小袋を取り出すと、思いのほかネギが大量に入っていて、もはや「南蛮蕎麦」を名乗っても差し支えないレベル。あと小さな揚げ玉と粗挽き唐辛子、それから鶏肉っぽい小さな白い塊が入っているのですが、この白いヤツ‥‥ちょっと怪しいですね。
それから先ほど価格改定について触れましたが、もっともコンビニで主流となっているタテ型ビッグサイズのNBカップ麺(値上げ前の実売価格が税込216円だった製品)は、コンビニ大手4社「もれなく税込232円にアップ」していたので、今週から「16円の値上げ」が施行されています。
上記の画像は今週の新商品「タテロング わかめラーメン しょうゆ ピリ辛ごまラー油仕立て」を販売しているコンビニの店内写真で、撮影に協力していただいた店舗は「ファミリーマート」。これから実食レビューする「辛節カレーそば」も税込232円相当のタテ型ビッグ製品に該当しますが、NB商品(ナショナルブランド商品)ではなくローソン専売のプライベートブランドなので、ちょっと値段が安くなっていました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:辛節カレーそば 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場・埼玉県川越市(K) 内容量:90g(めん70g) 商品コード:4901071287719(JANコード) 商品サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm 発売日:2019年06月04日(火) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい不使用・蕎麦) スタイル:縦型ビッグ(タテロング) 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、砂糖、ヤマイモパウダー)、スープ(魚介パウダー、食塩、カレー粉、糖類、小麦粉、香辛料、大豆たん白、チキン調味料、粉末ソース、魚介風味調味料、香味調味料、オニオンパウダー、酵母エキス、全卵粉)、かやく(揚げ玉、ねぎ、唐辛子、大豆加工品)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、炭酸カルシウム、リン酸三ナトリウム、カラメル色素、重曹、甘味料(カンゾウ)、酸味料、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・そば・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・やまいも・ごまを含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・そば・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・やまいも・ごま(表示が義務付け及び推奨されているもの) |
実食開始
麺は熱湯5分の油揚げ蕎麦で、調理前の段階から田舎蕎麦(いなかそば)を彷彿とさせる野趣に富んだ厳つい風貌。やはり「厚切太麺」を彷彿とさせる極太麺が採用されていたのですが、だとするとスープにインパクトがなければ確実に孤立します。で、それに対するカレーの香りは、なんの変哲も無い家庭的なザ・カレー粉といったところ。
あとは熱湯を注いでからフタをして5分待機、「ふりかけ(辛節)」をトッピングすれば完成——ではなく、容器側面の注意事項や調理方法に “ふりかけを入れ、スープが解け残らないようによくかき混ぜて” と書いてあるように、しっかり混ぜたら完成です。雰囲気的には混ぜる前のほうが見栄えしますけど、なかなか辛節の量が多く、見た目にもインパクトがありました。
この記事では辛節を混ぜる前の味と混ぜた後の違いもレビューしますので、ご参考ください。それでは、辛節による魚粉の威力と唐辛子の辛さレベルに注目しつつ、「めん」「スープ・辛節」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(90g)当たり
熱 量:377kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:377kcal(めん・かやく:317kcal)(スープ:60kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん(極太蕎麦)
やはり麺は「厚切太麺(あつぎりふとめん)」の流れを汲む極太蕎麦で、今回の新商品から1ヶ月前となる2019年5月6日に発売された「厚切太麺 濃いつゆラー油肉そば」と原材料名も一致しますし、体感的にも厚切太麺の極太蕎麦と変わりません。ごわごわした食感と飾り気のなさが特徴で、とにかく無骨。
更科(さらしな)とは真逆を行くワイルドな極太麺で、繊細な印象など皆無に等しく、そのスタンスは完全に “ついてこれる奴だけついてこい” の状態です。なのでスープ(つゆ)との一体感なんて二の次ですし、作戦も「ガンガンいこうぜ」以外に選択肢は残されていませんが、今回まったくネガティブではありません。
「辛節」を入れる前のカレーつゆだと麺の主張が強すぎてチグハグなバランスでしたが、辛節を混ぜた後は麺とスープの均衡が保たれ、極太蕎麦のポテンシャルがイキイキと開花。むしろ厚切太麺ライクな極太蕎麦だからこそスープと渡り合えているような状態で、ざらついた表面からスープとの一体感も高く、しっかり主張していた蕎麦粉の香りも好印象でした。いいですね、バッチリです。
スープ・辛節(辛い魚粉)
「辛節」を入れる前は穏やかで、カレー粉による複雑なスパイス感はあるものの、まだ辛くないです。ぜんぜん。スープの表面には具材の唐辛子が多めに浮いていますが、これも目立って辛いわけではなく、カレーは香り付けの役に徹し、穏やかなカレーを鰹出汁で伸ばしているようなテイスト。味の濃さも麺の存在感に対抗できない濃度だったので、「辛節」を全投入しても味が濃くなりすぎないように計算してあります。
その「辛節」は思っていたよりも淡い色合いで、唐辛子よりも節系の含有量が多く、文字通り鰹と鯖を中心とした節系の魚粉に唐辛子をブレンド。辛さレベルはスープの熱による追い風ありきで一般的に「辛口」くらいだと感じたのですが、すくなくとも辛い食べ物が苦手な方は構える必要がある辛さには到達していますし、ふつうに辛口以上が厳しい方にとっては「大辛」かもしれません。
「辛節」を入れる前のスープはカレーを蕎麦つゆで伸ばした “お蕎麦屋さんスタイル” でしたが、それを入れて混ぜた後は途端に表情が一変。スープの粘度もサラサラではなくなり、けれども粘性率の高さを不自然に思わせないほど旨味の重心は低く、節系の魚粉は煮干よりも膨よかな旨みが特徴なんですけど、出汁(だし)とはベクトルの違う魚粉添加型のインパクトを打ち出します。
辛さは瞬発力のある即効性で、しかしながら口の中にダラダラと残らない引き際の良さが好印象。この時点で味のイニシアチブは完全に「辛節」が握ることになるのですが、何味かと聞かれたらカレー味で、それが埋没することはありません。コンビニ限定らしい力強さを表現しつつ、旨味のバランスにも配慮が行き届いていました。
かやく
多めに入っているネギは2種類あって、ひとつは歯触りの強い輪切りのネギ、もうひとつは大きめにカットされた斜め切りのネギが入っています。商品名は「辛節カレーそば」となっていますが、ほぼ具材についてはネギが主役と言っても過言ではない存在感だったので、イメージとしては「辛節カレー南蛮そば」。
またスープに溶け込む揚げ玉がコクを深めてくれていたのですが、白い鶏肉そぼろのような見た目の具材は「大豆加工品」なので、いわゆる偽肉(フェイクミート)です。辛さは辛節(ふりかけ)が担っているため、具材の唐辛子も飾りに過ぎません。でも特徴的な極太麺と辛節のインパクトを思えばイミテーション系の具材も気にならなかったですし、2種類のネギが効果的で、意外と寂しくありませんでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
激辛カップ麺ではありませんが、すくなくとも辛さレベルは中辛以上・辛口の領域ですし、ただ辛いだけの新商品ではありません。かなり存在感の強い田舎蕎麦風の極太麺が個性的で、それを野放しにしない節系の旨み、さらに全体が力強くもカレーの風味で単調なイメージがなかったのも好印象。
めちゃくちゃコストパフォーマンスが高いわけではないけれど、極太蕎麦×節主体の辛い魚粉×カレー風味の組み合わせは新鮮で、きちんと記憶に残る良品でした。ローソン限定商品ということで税込225円必須ですが、その価値は充分あると思います。