どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年9月7日(火)ローソン限定発売、東洋水産(マルちゃん)のカップ麺「中華そば ひらこ屋 こいくち煮干しそば」の実食レビューです。
ローソンの “東北フェア” に青森の人気ラーメン店「ひらこ屋」監修のカップラーメンが登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ひらこ屋 こいくち煮干しそば
「中華そば ひらこ屋」とは、株式会社らいもんが運営する “煮干をふんだんに使用した” 中華そば専門店で、創業は2005年(平成17年)12月1日。同社の代表取締役である三上怜(みかみ れい)氏が立ち上げ、現在は鶏・豚・魚介のトリプルスープを特徴とする「麺屋 らいぞう」や煮干し+焼干出汁の「中華そば ひらこ屋 㐂ぼし(きぼし)」を展開し、いずれも青森を代表する人気店に成長しました。
今回の新商品「ひらこ屋 こいくち煮干しそば」は、全国のローソン店舗を対象に、東北地方の商品を集めた「東北フェア」用のカップラーメンで、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産と「自家製麺 中華そば ひらこ屋」が共同開発。東洋水産が「ひらこ屋」のラーメンを即席カップ麺として商品化するのは初めてなのですが、実は史上初のコラボレーションではありません。
地元の方に愛されている “ご当地麺” にスポットを当て、全国に発信することをコンセプトにした東洋水産のブランド「日本うまいもん」の青森編「青森津軽煮干しラーメン 激にぼ」というカップ麺に、津軽地方のラーメン店で構成される「津軽ラーメン煮干し会」が全面的に協力。その団体に「中華そば ひらこ屋」も所属しているため、以前から東洋水産と関係を築いていた有名店の一角。
その「津軽ラーメン煮干し会」には、以前に東洋水産のカップ麺を監修した「長尾中華そば」をはじめ「出し屋 五丈軒」や「サンライズ食堂」「原食堂」「高長まるしげ」「中華そば 田むら」「丸山らーめん」らも所属しており、そのパイプがあったからこそ今回のカップラーメン「ひらこ屋 こいくち煮干しそば」の開発に繋がったと推測できます。
ほかにもローソンの「東北フェア」に合わせ、東洋水産が東北・信越エリア限定で販売しているスープ付きのカップ焼きそば「焼そばバゴォーン」に、青森市民のソウルフード “味噌カレー牛乳ラーメン” を再現した「日本うまいもん 青森味噌カレーミルクラーメン」も選出。※初見だと地雷感の否めない「青森味噌カレーミルクラーメン」ですが、けっこうクセになる感じで真面目に美味しいからオススメ。
またニュータッチのブランドで知られるヤマダイの「凄麺 仙台辛味噌ラーメン」に、エースコックが東北エリアを中心に展開している「シュリンプヌードル」もピックアップされていたのですが、いずれも通年販売されているレギュラー商品。純然たる新作は「ひらこ屋 こいくち煮干しそば」だけだったので、それを優先してレビューすることにしました。
「ひらこ屋」の店舗には「煮干し中華そば(あっさり)」をはじめ、中あぶら(背あぶら増量)と鬼あぶら(背あぶら大増量)が選べる「背脂煮干しそば(せあぶら)」に、ひらこ屋名物の「バラそば(煮干しバラ肉そば)」など、さらに “濃い煮干しが苦手な方はご遠慮ください” という注意書きが添えられた限定10食の「煮干脂泡(ニボダク)」という攻めたメニューもあるようですが‥‥
カップ麺の商品名に “こいくち” とあるように、今回は「とんこつ煮干しそば(こいくち)」がモデルと見て間違いありません。味のあるイラストを添えて “たかが煮干し されど煮干し 三度食べたら癖になる” と軽快なキャッチフレーズをプリントしていますが、店舗の「こいくち」は “数種類の煮干を大量に使い煮干を全面に押し出した濃厚スープが特徴” とされているため、仕上がりが楽しみです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」が1袋に、後入れの「液体スープ」と「粉末スープ」の合計3袋。原材料名では煮干しエキスを筆頭に、さばエキス、粉末煮干し、かつおエキス、粉末さばぶしを重ねているため、重厚感のある海産物の旨味に期待できそうなフレームワーク。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。パッケージに “生麺ゆでてうまいまま製法” の記載があったように、東洋水産が誇る「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」と同じ特許製法を採用しています。もともと正麺カップ用に開発された技術ですが、けっこう他の商品にも応用しているので、今回だけの仕様ではありません。
ちなみに現在を遡ること2017年(平成29年)1月31日、ラーメンデータバンク有名店コラボ第10弾として、力の源カンパニーと資本提携している渡辺製麺(「とかち麺工房」の用地と設備を買収した企業)が「ひらこ屋 煮干し中華そば」というローソン限定のカップラーメンを発売していましたが、現在の渡辺製麺は即席カップめん事業から撤退しているため、東洋水産が引き継ぐような形になりました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 中華そば ひらこ屋 こいくち煮干しそば 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:115g(めん70g) 商品コード:4901990369428(JAN) |
発売日:2021年09月07日(火) 実食日:2021年09月10日(金) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:298円(税込) ローソン標準価格:276円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂)、添付調味料(煮干しエキス、香味油脂、植物油、さばエキス、ポークエキス、粉末煮干し、しょうゆ、こんぶエキス、豚脂、食塩、乳糖、かつおエキス、砂糖、粉末さばぶし、たん白加水分解物、粉末野菜、醸造酢)、かやく(焼豚、メンマ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、酒精、かんすい、カラメル色素、レシチン、炭酸カルシウム、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、香辛料抽出物、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、大きめの丸いチャーシューを筆頭に、汎用のメンマとフリーズドライのネギを採用しています。店舗の「とんこつ煮干しそば(こいくち)」もチャーシュー、メンマ、ネギとシンプルなトッピングなので、質の高さやボリュームこそ違うものの、あながち的外れな構成ではありません。
あとは内側の線まで熱湯を注ぎ、待つこと5分。その間にフタの上で液体スープの小袋を温めて、5分後に粉末スープと一緒に加えるのですが、これ‥‥けっこうニボいですよ。たとえば前述の「激にぼ」を筆頭に、マルちゃん正麺カップからも「濃ニボ」や「濃い煮干し醤油」という変わり種を出していて、その両方とも煮干し感が強く、今回の芳醇な香りから味わいにも期待せざるを得ない実食前。
ただ、ローソン標準価格は276円(税込298円)と地味に高かったので、それも忘れずに評価しなければいけません。というわけで、煮干しのインパクトもさることながら、それを支える豚骨や醤油などのパワーバランスにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(115g)あたり |
カロリー:385kcal たん白質:14.4g 脂 質:10.8g 炭水化物:57.6g 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:1.6g) (スープ:4.7g) ビタミンB1:0.23mg ビタミンB2:0.29mg カルシウム:230mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:385kcal(めん・かやく:272kcal)(スープ:113kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
加水率を下げたコシの強いノンフライ麺
生麺ゆでてうまいまま製法とは、生の麺を茹でてから乾燥させる東洋水産の独自技術(特許 第5719064号)で、多孔質をキーワードに蒟蒻(こんにゃく)を練り込んでいるのも特徴的なポイント。それ以上に詳しい情報は公表されていませんが、こんにゃくの微粒子がキーワードになっているのは間違いなく、既存の常識を覆すほどハイクオリティな質感の実現に成功しました。
それが世に解き放たれた2015年(平成27年)10月当時、重量感のある多加水麺しかラインナップになかったのですが、すこしずつ加水率を下げることに成功した東洋水産。それは今回のノンフライ麺も例に漏れず、ある程度の粘りを備えながら、噛むと内側からバツンッと弾ける歯切れのよさと小麦の香り、またコシが強くて伸びにくいところも高品質。
店舗の「こいくち」に使われている自家製麺は、2種類の小麦をブレンドし、梘水(かんすい)は少量に抑え、つなぎに山芋を使っているのもポイント。某レビューサイトには “うどんみたいな麺” とのコメントが多かったので、その評判とは異なる印象のノンフライ麺になりますが、税込298円という値段を加味しても素晴らしく、スープとの相性にも配慮が行き届いていました。
スープ
しっかり煮干しがフロントに
粉末スープは開封した瞬間から魚粉の香りが強く、すこしだけ雑味を残した煮干しを軸に、その脇を鯖(さば)と鰹(かつお)の芳ばしさが固めているような、それでいて口に含むとビターな感じは控えめで、鋭さよりも膨よかさに力を入れているようなイメージ。苦味やエグみは抑えてありますが、鼻に抜ける風味に青魚が持つ癖を感じたので、それが苦手な方には厳しいスープになるかもしれません。
そこに液体スープを加えると、さらに煮干しの存在感と癖も強くなり、いよいよ鯖と鰹は下支えに徹しているような骨組みで、全体を濃口しょうゆベースのタレがキュッと引き締めます。とろみの加減が人工的だったのは残念ですが、液体スープを投入後は煮干しの苦味も適度に強くなり、ほんのちょっと醸造酢の酸味を効かせている隠し味も見どころ。
さらに煮干しを支える土台の豚骨も丁寧で、しっかりと煮干しを前面に押し出しつつ、それ一辺倒の単調な味ではありません。ちょっと「マルちゃん正麺カップ 濃い煮干醤油」の焼き直し感が否めないところもありますけど、味の重心は低く、口の中に残る煮干しの余韻が心地よいスープでした。それだけに、煮干し系が苦手な方は要注意です。
具材
値段的に可もなく不可もなし
厚みでいえば日清食品の「ラ王」などに入っている焼豚の足元にも及ばない、ぺらぺらタイプのチャーシューではあるものの、面積だけでいえば「ラ王」の厚切焼豚に匹敵するサイズ。とはいえ味は加工肉特有のチープさが目立つので、もうすこし力を入れてほしかった思いもありますが、麺やスープのクオリティを加味すれば許容範囲内。
店舗のメンマは結んであるのが特徴なので、それをカップ麺でも再現する‥‥というのは難しいですねスミマセンw ただ、汎用のメンマはコリコリとした食感で、その歯応えや風味も煮干しが効いたスープと相性がよく、フリーズドライのネギは主張しすぎないところが好印象でした。
総評
前述の「マルちゃん正麺 カップ 濃い煮干醤油」(2019年4月29日発売)や「同 濃ニボ」(2020年4月27日発売)の延長線上にある雰囲気だったので、青森の名店「中華そば ひらこ屋」監修のインパクトよりも「正麺カップ」の影を強く感じてしまったのですが、ひとつの煮干しラーメンとしてのクオリティは高く、ローソンで税込298円という値段が許容できるのであれば試す価値あり。
逆にコストパフォーマンス重視の方にはオススメしにくい商品になりますが、生麺ゆでてうまいまま製法のノンフライ麺は文句なしで高品質。煮干しをフロントに押し出したスープも味わい深かったので、気になっている方は早めに最寄りのローソンをチェックしてみてください。ほかにも東北関連の商品が多かったので、それを見て回るだけでも楽しいですよ【author・taka :a(大石敬之)】