どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年7月27日(火)新発売、サンヨー食品のカップ麺「博多一双 濃厚豚骨まぜそば」の実食レビューです。
代名詞の “泡系とんこつラーメン” を封印!? 元祖泡系「博多一幸舎」のDNAを受け継いだ人気店「博多一双 博多駅東本店」初の汁なしカップ麺がローソン名店シリーズに!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
博多一双 濃厚豚骨まぜそば
博多一双(はかたいっそう)とは、株式会社EVORISEが運営する博多とんこつラーメン専門店で、創業は2012年(平成24年)11月27日。豚骨由来の天然脂泡がスープの表面に浮かぶ同店自慢の「ラーメン」は、久留米の伝統技法 “呼び戻し” と博多や熊本で一般的な技法 “取り切り” を3つの寸胴で繰り返し、まろやかな口当たりと独特の見た目から「豚骨カプチーノ」と呼ばれているのですが‥‥
今回の新商品「博多一双 濃厚豚骨まぜそば」は、福岡県福岡市博多区博多駅東に本店を構える「博多一双」とサンヨー食品株式会社(サッポロ一番)の共同開発商品で、自慢の “泡系とんこつラーメン” は封印。コンビニの中でも「ローソン」にしか売ってない、販路限定のPB(プライベートブランド)商品で、福岡の名店「博多一双」初となる湯切りタイプの汁なしカップ麺として登場しました。
「博多一双」の即席カップめん「サッポロ一番 博多一双 濃厚豚骨ラーメン」が初めて発売されたのは、現在を遡ること4年以上、2017年(平成29年)5月30日の話。その当初よりサンヨー食品との共同開発商品で、製品スタイルはコンビニ向けの縦型ビッグ。黒い背景のパッケージに身を包み、コンビニの中でもローソンでしか買えないPB商品としてデビューを飾ります。
それに続く「博多一双」監修の即席カップめん第2弾「博多一双 豚骨カプチーノ」が登場したのは、翌2018年(平成30年)6月5日。引き続きサンヨー食品と共同開発、ローソン限定商品という立ち位置で、商品名が “豚骨カプチーノ” に変わったように、なるほどスープ表面に浮かぶ泡が印象的な商品ではあったものの、クリーミングパウダーの主張が強く、肝心の豚骨感は控えめでした。
もうすこし個性的な泡に匹敵する豚骨の個性も強ければ‥‥などと思いつつ、2017年5月発売品を皮切りに “博多一双×サンヨー食品×ローソン” のコラボは恒例となり、2019年(平成31年 / 令和元年)だけは目立った動きを見せなかったのですが、2020年(令和2年)3月10日発売の「博多一双 泡系濃厚豚骨ラーメン」ではスープの臨場感を高めるだけでなく、麺も本格的な細めの低加水麺に進化。
さらに2021年(令和3年)3月16日発売の「博多一双 泡系濃厚豚骨ラーメン」では、商品名こそ前回から変わっていなかったものの、ハイクオリティな細めの低加水麺はそのままに、スープの米粉を “おからパウダー” に変更するだけでなく、わざとらしかったクリーミングパウダーを省いて “野菜エキス” を追加するなど、根本的なフレームワークから刷新。
そして、もっとも印象的だったのは “とんこつの骨っぽさや豚脂の芳ばしい風味もアップしていた” こと。2021年3月発売品は、すでに一つの完成形にあるといっても過言ではなく、このブログでは超高評価の「星6」を叩き出したのですが、2017年発売品から2021年3月発売品まで一貫して縦型ビッグのカップラーメンだった「博多一双」のコラボ商品。
とりあえず来年の3月くらいまでは動かないと油断していたのですが、コラボ第5弾にして初の湯切りタイプを、それもノーアナウンスでリリースしてきた2021年の夏。ローソンの店内やパッケージに明記されているわけではないのですが、福岡県福岡市博多区祇園町の「博多一双 祇園店」限定で現在「豚骨まぜそば」の配達・テイクアウトを行なっているので、それをモデルにしているのかもしれません。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製調味だれ」1袋のみ。たとえば明星食品の「大砲ラーメン」や日清食品(セブン&アイ)の「一風堂」など、有名な豚骨ラーメン専門店も「まぜそば」のカップ麺を定期的に開発している現在、その流れに「博多一双」も乗ってきたような展開です。
関連ページ
・大砲ラーメン ラー油赤豚骨まぜそば
・一風堂 とんこつまぜそば(三代目)
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯4分、量は130gの大盛り仕様。縦型ビッグでは丸刃の低加水麺を標準としていましたが、シリーズ初の湯切りタイプとなる今回は平打ちで、ラーメン版よりも太めのサイズ感。サンヨー食品の油揚げ麺は主張が強く、よくも悪くもソースに影響することが多いので、そこが一つ目の課題。
ちなみにノーアナウンスでのリリースと前述しましたが、2021年7月25日から全国のローソンを対象に実施されている「うまいもん夏祭 九州・沖縄フェア」の一環で、実際に立ち寄ったローソン店舗のカップ麺コーナーには縦型ビッグの「明星 沖縄そば」も並んでいました。全店を挙げての夏向けフェアなので、取り扱っている店舗は多いかと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:博多一双 濃厚豚骨まぜそば 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 関西工場 内容量:167g(めん130g) 商品コード:4901734043034(JAN) |
発売日:2021年07月27日(火) 実食日:2021年07月29日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:238円(税込) ローソン標準価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型ビッグ・湯切りタイプ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:580ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(特製調味だれ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩)、たれ(ポークエキス、たん白加水分解物、植物油脂、調味油脂、豚脂、砂糖、香辛料、食塩、香味油)、かやく(キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、キクラゲ)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、香料、炭酸カルシウム、増粘剤(加工でん粉)、かんすい、クチナシ色素、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
具材は最初から容器の中に入っている状態で、キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、キクラゲとシンプルなラインナップ。縦型ビッグでは四角い味付豚肉(チャーシューチップ)を筆頭に、キクラゲ、ネギの構成を基本としていたので、きちんと汁なし用の構成に変更しています。
あとは熱湯を注いで4分間、後入れの「特製調味だれ」は量が多いため、待っている間にフタの上で温めた後、食べる直前に加えて混ぜたら出来上がり。その「特製調味だれ」を加えた瞬間、まさに “とんこつラーメンのスープを豊富とさせる” 乳化感の強い濃厚な香りが漂い、食欲を刺激してくれる調理直後。
ちなみに製造所は太平食品工業株式会社の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっていますが、太平食品工業はサンヨー食品が1963年(昭和38年)1月に設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、名店監修の臨場感に注目しつつ「めん」「たれ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(167g)あたり |
カロリー:762kcal たん白質:19.9g 脂 質:36.6g 炭水化物:88.2g 食塩相当量:5.6g カルシウム:303mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
再現度はともかくタレとの相性はいい
形状は縮れの強い平打ちで、カップまぜそばといえば “もっちり” とした粘りの強い弾力を強調してくる麺が多いところ、今回の「濃厚豚骨まぜそば」に使われている麺は加水率が低く、コシやアシ(伸び)よりも歯切れの良さを重視しているようなイメージ。
モチモチとした弾力に期待していると、軽快な歯切れのよさに意表を突かれると思いますし、博多とんこつラーメンで一般的な白い極細ストレート麺(パッツン系)ともベクトルは違うものの、後述する「特製調味だれ」との相性は悪くありません。むしろ軽快な食感が心地よく、その軽さが「特製調味だれ」の豚骨感を可能な限り邪魔せずに伝えてくれるような効果を感じました。
たとえば添付調味料を混ぜ合わせている間や箸で持ち上げたとき、バラッとした感じで麺が独立するというか、その質感が他に類を見ないサンヨー食品(太平食品工業)らしく、なんとも既視感のある麺だったので、おそらく新開発の麺ではないと思いますが、暑い夏にも食べやすくてよかったです。
たれ
あえて奇を衒わないストレート感が魅力
たとえば明星食品×大砲ラーメンの「豚骨まぜそば」を例にあげると、添付調味料を加えた瞬間、中に含まれるオイルから人を選ぶほど強烈な(豚臭い)獣臭が漂ってくるのですが、サンヨー食品×博多一双の「特製調味だれ」に激しく人を選ぶような要素はなく、むしろ上品とさえ感じる香り。ただ、きちんと “豚骨が濃厚” と思えるテイストで、単調な味ではありません。
まったりとした乳化感の強い豚骨エキスを中心に、塩ダレとオイルをミックスしているような内容で、カップまぜそばといえば塩気の強いタレも珍しくないところ、適度に塩気を効かせながらも旨みで食わせるようなフレームワーク。博多一双といえば “泡系” の要素こそないけれど、汁なしカップ麺で原因不明の泡が立ったら逆に怖いですしw
湯切り後に混ぜ合わせていると、分離していた動物系のエキスと油脂が乳化して、前回(2021年3月発売)のカップラーメンでも印象的だった “骨っぽさ” を感じられたのもポイント。脇を固めるニンニクのアクセントも適切で、まさに「とんこつラーメン」のスープを「まぜそば」用にチューンナップしたような、あえて奇を衒う要素のないストレートな方向性に好感が抱けました。
具材
使い回しだけど各アイテムは効果的
キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、キクラゲは、いずれもサンヨー食品が販売するNB(ナショナルブランド)商品のカップラーメンにも使われている汎用の具材なので、まったく新鮮味はありません。ただ、汁なしカップ麺で定番のキャベツは比較的に量が多く、細切りのキクラゲはコリコリとした食感で、生姜の風味を効かせた肉そぼろも全体のアクセントに寄与。
カップ麺の外装フィルムに “「博多一双」では「濃厚豚骨まぜそば」は提供されておりません” との注意事項を記載していますが、前述の「博多一双 祇園店」が行なっている配達・テイクアウト限定の「豚骨まぜそば」も角切りチャーシュー、キクラゲ、ネギとシンプルな構成ですし、ある意味これはこれで再現度が高い(?)のかもしれません。ただ、ふりかけの別添とかあると嬉しかったですね。
総評
あまり冒険していなかったので、想定の範囲内ではあるものの、それだけにズッコケない安牌な一杯。奇抜な捻りがなかった分、特製調味だれを活かす「煎り胡麻」や全体を引き締める「紅生姜」「針生姜」のほか、すこし「柚子胡椒」や「山椒」「辛子高菜」などでアクセントを加えても面白いと思いますし、まぜそばといえば「刻み海苔」など、お好みのトッピングでアレンジするのもオススメ。
ちなみに「博多一双 祇園店」の配達・テイクアウトメニューには「辛豚骨まぜそば」もあるので、今後もカップラーメンを定期的にリリースしつつ、変わり種の湯切りタイプや大判どんぶり型・ノンフライ麺を使用した本気モードの開発など、次回作にも期待しています【author・taka :a(大石敬之)】