どうも、taka :aです。
本日の一杯は、そば粉不使用なのに日本蕎麦の雰囲気が味わえる新感覚ラーメン、宅麺.com「G麺7 年越しそばもどき 塩」の実食レビューです。
そばアレルギーの方も安心して食べられる「G麺7」の年越し限定メニューを通販サイトで取り寄せてみた結果——
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、コストパフォーマンスも踏まえた上で総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
宅麺×G麺7「年越しそばもどき 塩」
G麺7(じーめんせぶん)とは、神奈川県横浜市・上大岡に本店を構える人気ラーメン店で、「麺場 浜虎(めんば はまとら)」の創業メンバーとしても知られる店主・後藤将友氏が2009年1月7日にオープン。氏は全国の同業者から “創作ラーメンの名手” として注目を集めるほどの人物で、こだわり抜いた自家製麺を真髄とし、開業わずか1年で話題の名店になりました。
続けて2011年12月13日に “つけ麺専門” の2号店「啜磨専科(すすりませんか)」を上大岡に開店し、2015年8月17日には団体向けの3号店「ロ麺ズ(ろめんず)」を弘明寺にオープン。2016年10月6日にはフードコート事業で異例となる “一から店舗でスープを作ること” を条件に4号店「らーめんG麺7-01(じーめんせぶん ぜろわん)」を平塚に出店するなど、破竹の勢いで系列店を展開。
最近では2019年6月20日に5号店「川の先の上」を上大岡にオープンし、その新店が講談社発行「業界最高権威 東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー TRYラーメン大賞2019-2020」にて、TRY新人大賞2位、TRY新人賞しょうゆ部門優秀賞、TRY新人賞しお部門優秀賞、TRY新人賞みそ部門2位、TRY新人賞つけ麺部門2位を同時に獲得するという快挙を成し遂げ、確かな実力の高さを見せつけました。
そんな「G麺7」及び系列店が年末限定メニューとして提供しているのが今回の「年越しそばもどき」で、そばアレルギーの常連さんから “年越し蕎麦を食べたい” という要望を受けて開発されたもの。実店舗では2009年末の特別営業日(12月31日 19:00~深夜2:00頃)を皮切りに、毎年末の恒例行事となっていて、その限定メニューを “そのまま冷凍した商品” を宅麺(たくめん)にも提供しています。
【宅麺.com】とは、お店の味を “そのまま冷凍して届けてくれる” お取り寄せ通販サイトで、実際の店舗で提供されているラーメン・つけ麺のスープ・麺・具材を二次加工することなくパッキングしているのが最大の特徴。2019年は上記のように「年末年始のラーメン祭」という特設ページを設け、昨年末に続いて「G麺7」の「年越しそばもどき」も冷凍ラーメンの限定ラインナップに加わりました。
さらに今回は驚異の煮干力を誇る「麺処 晴 HARU」(台東区入谷)の貴重な数量限定商品「濃厚そば」や横浜味噌ラーメンの行列店「拉麺 大公」(南区南太田)の看板メニュー「焼き味噌」、そしてラーメン業界のカリスマ・飯田将太氏が手掛ける「らぁ麺屋 飯田商店」(湯河原)の芸術的な一杯「醤油らぁ麺」も満を持して通信販売されるなど、ラーメン史上に残る豪華な布陣。
前述の4店舗は年明け前に出揃い(第1弾「麺処 晴」「G麺7」2019年12月19日販売開始 / 第2弾「拉麺 大公」「らぁ麺屋 飯田商店」2019年12月24日販売開始)、年明けにはマニアの間で話題騒然となっている名店「亀戸煮干中華蕎麦つきひ」(江東区亀戸)の超ど濃厚ニボシ系ラーメン「濃厚蕎麦」が2020年1月9日(木)販売開始となっています。
というわけで、令和最初で最後の宅麺限定「年末年始のラーメン祭2019-2020」には、合計5店舗のラーメンが集結。いずれも数量・期間限定(※特に「麺処 晴」と「らぁ麺屋 飯田商店」の2店舗は販売再開から3分で再び入荷待ちになるほど倍率の高い人気商品)となっているため、いつ販売終了になるか分かりません。
開封
さて、宅麺で販売されている「年越しそばもどき 塩」(ID:599)の内容物は、「麺」「具入りスープ」の2袋と説明書が1枚、飾り気のない無地のビニール袋に入っている超簡易包装なのは全商品共通の基本仕様。具入りスープには “バラ先軟骨” と “メンマ” が入っているようですが、オススメトッピングの刻みネギ・かいわれ大根・揚げ玉は自分で用意しなければいけません。
ちなみに製造者は「株式会社 翔和麺業」となっていて、これは「G麺7」並びに系列店「啜磨専科」「ロ麺ズ」「らーめんG麺7-01」を経営している運営母体のこと。その下に記載されている所在地(神奈川県横浜市港南区上大岡東2-44-8)は、「G麺7」の本店(横浜市港南区上大岡西3-10-6)から100mほど離れたところにある場所なので、法人として登録した際のオフィスでしょうか。
なお、実店舗でも年末は「年越し限定メニュー」だけの特別営業で、「G麺7」限定150食、「啜磨専科」限定110食、「川の先の上」限定130食、それぞれ12月30日(月)から提供開始。さらに今年は “全店舗回りきれない” との要望を受け、「ロ麺ズ」のみ限定130食で12月29日(日)11:00から限定メニュー開始となっています(※ららぽーと湘南平塚「G麺7-01」では年末年始も通常営業とのこと)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:G麺7 年越しそばもどき 塩 製造者:株式会社 翔和麺業 所在地:神奈川県横浜市南区六ツ川1-689-1 内容量:510g(めん160g) 商品コード:4562342217066(JANコード) 発売日:2019年12月19日(木) |
麺の種類:冷凍麺 スタイル:冷凍食品 賞味期限:発送から40日間 保存方法:要冷凍(-15度以下) 調理時間:スープ 10分 / 麺 2~3分 小袋構成:2袋(麺・具入りスープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】麺(小麦粉、食塩、かん水)、具入りスープ(ゲン骨、鶏ガラ、手羽、バラ先軟骨、メンマ、グリ、唐辛子、ニンニク、ネギ、鰹節、調味料(アミノ酸等)、蜆、アサリ、白ワイン、とり節、塩、ピーナッツ油、オリーブオイル、背脂、かも油)(原材料の一部に小麦、ピーナッツを含む) |
実食開始
必要な道具は大きめの鍋2つ(麺用とスープ用)に湯切りするためのザル、どんぶり、ハサミと特殊な器具は必要ありません。あとは可能な限り熱湯を多めに沸かし、凍ったままのスープを開封せずに10分ほど湯煎。麺の茹で時間は2〜3分ほどとなっていて、あらかじめ丼を温めておくのが美味しく食べる作り方のポイントになります。
ちなみに1食あたりの本体価格は税抜830円と宅麺の中では安いのですが、基本送料900円に加えて注文ごとの送料120円、さらに決済方法を代引きにした場合は代金引換手数料300円と外税198円[軽減税率8%(66円)+通常消費税10%(132円)]が必要になるため、単品で購入した場合の税込価格は合計2,348円と安くありません。※2019年12月現在
とはいえ本店に通えない距離に住んでいても、自宅に居ながら “本物” が食べられるのは宅麺ならではの魅力ですし、送料よりも交通費のほうが安くて時間に余裕があるなら本店に通えば万事オッケー。というわけで、最初は追加トッピングなしの状態で「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、そのあとでオススメのトッピングも試してみます。
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。なお、現品にカロリー等の表記はありません。 |
めん
いやいや、これは実に面白い麺ですよ。梘水(かんすい)使用・そば粉不使用なので、ジャンルとしてはゴリゴリの中華蕎麦ですし、かんすい特有の風味や粘弾性も兼ね備えているのですが、雰囲気けっこう日本蕎麦(和そば)です。もちろん蕎麦の香りは皆無なんですけど、なかなかどうして日本蕎麦っぽい雰囲気を醸し出しているのは、全粒粉のザラついた舌触りと歯切れがポイント。
鋭利な角刃でカットされた断面の四角い平打ち麺に縮れはなく、その目が覚める様な輪郭のある口当たりも然る事乍ら、噛み切ろうと歯で圧をかけた途端に内側からバツンッ! と弾ける歯切れの良さは感動もの。表面は滑らかですが、麺を味わっていると全粒粉の芳ばしい風味とザラ付きが広がって、その芳ばしさと舌触りが蕎麦粉に似た印象を抱かせてくれました。
ちなみに麺の茹で時間は、推奨時間の最短「2分」に設定。熱湯が沸き立つ鍋に凍ったままの麺を入れて、かるく箸で揺すってやると、だいたい40秒くらいで完全にほぐれます。火加減は最初から強火のまま1分30秒ほどで再沸騰するので、吹きこぼれに注意しつつ合計2分で湯切り、スープに移して30秒〜1分ほど休ませる(その間に刻みネギやら天かすをトッピングする)と食べ頃ですよ。
スープ
湯煎し終わったスープを丼に移した瞬間、いきなり獣臭が気になったので、結論からいうと人を選ぶスープです。ただ、ハマるとヤバい——見た目は淡麗系の大人しそうなスープに見えますが、なんのこれしきムワッと動物系の勢いがあって、軸は明らかに「骨」の旨味と分かるもの。加えて手羽の芳ばしさが鮮明にあり、それをブーストさせるのが「グリ」という名の加速装置。
一般的には聞き慣れない単語かもしれませんが、ラーメン業界で「グリ」は鶏の関節(足首)を指す隠語で、いわゆるスープに使う鶏の足をモミジ、豚の大腿骨(だいたいこつ)をゲンコツなどと呼ぶラーメン用語の一種。モミジよりも淡白な出汁が取れる部位になるので、今回もゲン骨に鶏ガラ、手羽をあわせているように、基本は丸鶏・廃鶏や豚ガラと一緒に使用されます。
和の要素(鰹節)は二歩ほど下がってサポート的ですが、舌の脇に浸透してくる蜆(しじみ)とアサリの旨味は絶妙で、強過ぎず弱過ぎず旨味の奥行きと幅を演出。その二枚貝と相性のいい白ワインで貝出汁の旨味を引き出し、ほんのりとオリーブオイルの香りを忍ばせている様は、元イタリアンシェフという後藤店主の経歴を物語っているようなポイント。
使用している鶏節は、創始文化5年(1808年)の鰹節問屋・削り節メーカー「丸眞(まるしん)株式会社」(神奈川県藤沢市)の鶏節で、鰹節とも鶏ガラとも違う独特の芳ばしい風味が個性的。それをキュッと粗めの塩気が引き締めている複雑な構図から、最初は味が緻密過ぎて正直よくわからなかったんですけど、舌で味を追いかけているうちに飲み込まれました。
具材
宅麺のイメージ画像には豚のバラ先軟骨しか写っていなかったのですが、実際の商品にはバラ先軟骨が1個とバラではない部位の脂身が少ないスライスタイプの豚肉が1枚、それからメンマが多めに入っています。メンマはシャクッと柔らかい食感かつ適度な歯触りを残し、かなり味付けは控えめで、思わぬファーストインプレッションに面食らうタイプの塩っぱいメンマではありません。
バラ先軟骨は圧力鍋で煮込んだように柔らかく、メンマと違って塩気がキュッと効いた味付け。これが大量に入っていたら厳しかったかもしれませんが、中腹で食べると箸休めに効果的。一方、スライスされたチャーシュータイプの豚肉は、おそらく肩ロースを調理したもので、かなりパサついた食感かつ強めの獣臭が気になるところ——でもって全体的に茶色くて見た目が地味w
というわけで、作り方に書いてあったオススメの刻みネギ・貝割れ大根・揚げ玉(ではなく今回は天かす)をトッピング。このチョイスが絶妙で、天かすのコクで全体がマイルドになるだけでなく、麺の風味やスープのフレームワークと相性抜群。さらにカイワレ(多め推奨)とネギの清涼感によって獣臭が減退し、ずいぶんと食べやすくなりました。
ただ、おそらく獣臭についてはチャーシューが元凶なので、これを事前に取り除くことはできないですし、ネギやカイワレをもってしても完全にクリアなテイストになるわけではありません。その癖も今回の魅力的なポイントではあるものの、不安な方は生姜や柚子皮、薄く輪切りにしたスダチを数枚トッピングしてみてください。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆☆(★5)
強い鶏の芳ばしさに加えて独特の獣臭がターニングポイントではあるものの、そば粉不使用なのに和蕎麦っぽい麺は素直に面白く、蕎麦っぽい云々を差し引いてもレベルの高い麺だったので、それを味わうためだけに買っても損ではありません。スープの癖についても香味野菜や柑橘系ちょい足しアレンジで緩和できますし、初めての方にとっては記憶に残る年越しになると思います。
なお、宅麺では2019年12月31日(火)〜2020年1月3日(金)の間、年末年始休業につき発送業務も休止となっているため、注文のタイミングによっては来年1月5日(日)以降の到着になるかもしれません(12月29日に注文・翌日発送が間に合えば大晦日の夜までに届くかも——)。とはいえ年明けでも楽しめますし、翌年末に向けての予習にもなるので、気になった方は販売終了前にチェックしてみてください。