どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年2月8日(火)ローソン限定発売、東洋水産のカップ麺「麺匠玄龍 濃厚味噌らーめん」の実食レビューです。
ミシュランガイド特別版にも選出された「麺匠 玄龍」監修のカップラーメン・第3弾は再現度UP!? 前回発売品から大きく変わったのは‥‥。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺匠玄龍 濃厚味噌らーめん 2022
麺匠 玄龍(めんしょう げんりゅう)とは、2009年9月17日の創業以来、たしかな実力で『ミシュランガイド宮城2017特別版』にも掲載された仙台の名店で、当初は宮城県仙台市太白区郡山4丁目*に店舗を構えていましたが、2016年11月16日に3号店の「ララガーデン長町店」をオープン。2022年2月現在は「ララガーデン長町店」を本店とし、行列のできる人気店として確固たる地位を築きました。
*2018年1月11日、同所にオープンした「麺匠 一丞(いちじょう)」は、4年間「麺匠 玄龍」で修行を積み、店長を任されていた遠藤丞氏が独立開業した店で、内装などは「麺匠 玄龍」から譲り受けたまま、鰆(さわら)の煮干しを使った独自のラーメンをメインに提供しています。
今回の新商品「麺匠玄龍 濃厚味噌らーめん」は、玄龍の創業者・嵯峨圭一郎(さが けいいちろう)店主監修のもと、同店を代表する「味噌らーめん」を再現した “ローソン限定” のカップラーメンで、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産と共同開発。2020年8月18日にも今回と同じような条件で「麺匠玄龍 濃厚味噌らーめん」を販売していましたが、まったくテコ入れなしの再販ではありません。
「麺匠 玄龍 ララガーデン長町店」で提供されている「味噌らーめん」は、焼き飛魚(あご)のダシを中心とする魚介系のスープに、鶏ガラと豚骨から抽出した動物系の清湯(ちんたん)を合わせ、タレには塩分濃度の高い仙台味噌と淡色・辛口を特徴とする信州味噌をブレンド。
調理方法は注文の都度、ラードを熱した中華鍋で野菜を炒め、そこにスープを注ぎ入れる札幌の味噌ラーメン(純すみ系)と共通の手法を採用し、にんにくや生姜、山椒、すりごまなどのアクセントでパンチを表現。一見すると優等生で、しかしながら “隠し味のバジル” が面白く、唐辛子をペースト状にした味変用の「辛み」が別皿で付いてくるなど、個性的な味に仕上がっていました。
私は関西の田舎に住んでいるのですが、2020年8月にカップ麺の「麺匠玄龍 濃厚味噌らーめん」がリリースされた際、ちょうど仙台に遠征していたので、ララガーデン長町(宮城県仙台市太白区長町7丁目)の3階にある「麺匠 玄龍 ララガーデン長町店」まで足を運び、本物の「味噌らーめん」と「いぶき こってり」を実食しています。
そのため2020年8月発売品をレビューした際、再現度についても触れることができたのですが、お店のスープで印象的だった焼きアゴの個性は尊重されておらず、バジルの隠し味も行方不明。有名店の味をカップ麺で再現する場合、基本的に店舗側からレシピの提供などはなく、開発の味覚と技術にかかっているのですが、せめて焼きアゴの個性は表現してほしかった‥‥と、すこし厳しめに評価しました。
しかし、2022年2月発売品のパッケージには「焼あごの旨味」と明記しているので、今度は意識されている様子。さらに「低温殺菌製法のシャッキリもやし入り」と「生麺ゆでてうまいまま製法」に関するアピールもあるので、前回よりも高い満足感が得られそうな予感。ちなみに「麺匠 玄龍」監修のカップ麺は、2016年9月20日発売品が第1弾で、2020年8月発売品を挟み、今回で第3弾。
ちなみに第1弾のパッケージには岩手県盛岡市中央通にあった2号店「盛岡店」の外観を、第2弾のパッケージでは「ララガーデン長町店」を掲載し、仙台・盛岡の名店と紹介していましたが、2020年末「盛岡店」は新型コロナウイルスの感染拡大を受け閉店。2022年2月現在の店舗は「麺匠 玄龍 ララガーデン長町店」のみなので、第3弾では “仙台の名店” と紹介しています。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」が1袋に、後入れの「粉末スープ」「液体スープ」「もやし調理品」で合計4袋。この構成は前回発売品と共通で、もやし調理品も「でかまる バリシャキ!もやし味噌ラーメン」などに使われている例のアレだと思いますが、粉末スープの小袋はデザインが変わっています。つまり、ここに焼きアゴが仕込んであるのかもしれません。
麺には東洋水産が誇る「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」と同じ “生麺ゆでてうまいまま製法”(特許 第5719064号)を採用しており、前回発売品の麺も “生麺ゆでてうまいまま製法” となっていましたが、今回の原材料名とは完全に一致しません。これは2021年9月6日に「正麺カップ」がリニューアルしたことに由来し、それに伴って質感にも大きな変化が生じたので、その違いも見どころ。
ローソン標準価格は276円(税込298円)のまま据え置きですが、麺の量が75gから70gに減っていたので、値上げを回避するために調整した様子。ただ、即席カップ麺の開発費用は1円もとい1銭(100分の1円)単位でコストを調節しなければいけないと聞いたことがあるので、消費者としては “たった5g” の違いに思えますが、1銭単位で-・の話を聞くと、5gの凄まじさが伝わってきます。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:麺匠玄龍 濃厚味噌らーめん 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:165g(めん70g) 商品コード:4901990370981(JAN) |
発売日:2022年02月08日(火) 実食日:2022年02月10日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:298円(税込) ローソン標準価格:276円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・かやく・もやし調理品) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(みそ、豚脂、ポークエキス、砂糖、香辛料、すりごま、植物油、食塩、香味油脂、でん粉、しょうゆ、野菜エキス、酵母エキス、粉末焼きあご)、かやく(もやし、味付挽肉、にんじん、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、香料、かんすい、カラメル色素、炭酸カルシウム、酸化防止剤(ビタミンC、ローズマリー抽出物、ビタミンE)、レシチン、酸味料、pH調整剤、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、甘味料(ソーマチン)、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、中身は味付挽肉と熱風乾燥のネギ。これは前回発売品から変わっておらず、湯戻し時間も熱湯5分のまま、必要なお湯の目安量も変わっていません。もやし調理品や添付調味料を先に入れてしまった場合、麺が適切に戻らなくなってしますため、かならず後入れを徹底してください。あとはフタの上で「液体スープ」と「もやし調理品」を温めながら、待つこと5分。
時間になったら “添付調味料を入れる前に” ノンフライ麺をほぐし、それから「粉末スープ」と「液体スープ」を馴染ませ、仕上げに「もやし調理品」をトッピングしたら出来上がり。調理後の見た目は大きく変わっていませんが、この時点で焼きアゴを彷彿とさせる芳ばしさが漂ってくるため、たしかな違いを感じる展開。
前回発売品と栄養成分表示を比較してみると、総カロリーは464kcalから449kcalに、炭水化物も69.8gから63.8gに減っていますが、おそらく前述した麺量の違いが理由。ただ、それとは逆に脂質の値は14.5gから15.7gに増えるなど、興味深い変化が生じていたので、引き続き前回との違いや再現度の高さに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(165g)あたり |
カロリー:449kcal たん白質:13.2g 脂 質:15.7g 炭水化物:63.8g 食塩相当量:7.3g (めん・かやく:2.2g) (スープ:5.1g) ビタミンB1:0.28mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:231mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:449kcal(めん・かやく:332kcal)(スープ:117kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
仕様の変更で再現度が高くなった
「マルちゃん正麺」の袋麺に使われている「生麺うまいまま製法」とカップ麺に使われている「生麺ゆでてうまいまま製法」は厳密にいうと別物で、それについての詳細は「マルちゃん正麺 カップ 濃厚もやし辛味噌」(2021年12月27日発売品)をレビューした際に解説しているため省略しますが、2021年9月のリニューアル以降、新たに “乳糖” を練り込み、質感を大きく変えています。
なかでも目立って変わったのは粘りの加減と箸で持ち上げたときの重量感で、従来の「生麺ゆでてうまいまま製法」よりも若干ながら粘りが弱くなり、それに伴って重量感も従来ほど印象的ではなくなってしまったものの、湯伸びに対する耐性と反発性を強化したようなイメージ。今回の麺も例に漏れず、同じような変化が生じていました。
お店の麺と同じ質感かと聞かれたら、やはり異なるベクトルにあるものの、前回発売品を食べたときは “実店舗の麺と比較して明らかに粘りが強い” と感じたので、質感は実際の麺に近付いています。油揚げ麺と違って雑味がないため、小麦の風味も香り高く、後述するスープとの相性にも問題を感じることはありませんでした。おそらく新開発ではないと思いますけど、高品質ですね。
スープ
焼きアゴの存在感も本物に近い
基本的なフレームワークとベースラインは変わっていませんが、粉末スープに「粉末焼きあご」が追加されているため、ここが前回との決定的な違い。ほかにも人工的な旨み成分や砂糖など、カップ麺らしいジャンクさを備えていますが、すりごまのパンチは効果的で、新たに追加された粉末状の焼きアゴにより、再現度は明らかに上がっています。
そこまで焼きアゴが全面に主張してくるわけではないけれど、実際のスープも焼きアゴを下にスーッと泳がせているような感じだったので、その効かせ方も再現度の高さに寄与していたポイント。
液体スープには多めの味噌ダレを軸に、動物系のオイル(豚脂)も入っていて‥‥というのは前回と共通する項目になりますが、若干ながら豆味噌のキレが増し、豚脂か香味油の種類を変えたのか、ラードで炒めたような風味も強くなっていたので、そこも印象に残ったポイント。
今回もバジルの隠し味は意識されていませんが、ニンニク、生姜、すりごまの効かせ方は本物に近いバランスで、ちょっと不自然に思えたトロミも抑えられるなど、焼きアゴの追加以外にも変化を感じました。いいですね、明らかに進化してますよ。
具材
値段を加味しても満足度は高い
味付挽肉、ネギ、もやし調理品は、それぞれ前回と共通で、ここに関しては変化を感じません。ネギは歯触りが強いエアドライなので、フリーズドライほどナチュラルではなく、味付挽肉もジャンクな具材になりますが、スープとの相性に問題なし。なんといってもバリシャキもやしが秀逸で、もはや卑怯とさえ思えるレベルw
食感と風味は炒め野菜と異なるものの、乾燥もやしでは打ち出せない食感のリアルさは凄まじく、しっかりと食べ応えに寄与。ちょっと酸味が気になる場合もあるかもしれませんが、スープに馴染ませると酸味も適度なアクセントに思えたので、しっかりと混ぜて食べるのがベストかもしれません。
総評
ページのタイトルに含みを持たせた「○○」は “焼きアゴの追加” で、そこが最大の変更点だったのですが、とろみを抑えていたり、豚脂の主張が強くなっていたり、麺の質感が変わっていたり、そういった部分にも変化があって、あきらかに再現度が高くなっていました。
別に 前回のレビュー が反映されたわけではないと思いますけど、2020年8月発売品で感じた何箇所かの物足りなさが補完されたので、あながち‥‥などと思いつつ、それはさておきローソン限定かつ税込298円の高価格商品ですが、その値段にも納得の良品です。300円弱のカップラーメンに抵抗さえなければ、ぜひ試してみてください【author・taka :a(大石敬之)】