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二郎インスパイア商戦 “ジェネリック二郎” 最終章突入か【徹底解説】中華蕎麦とみ田vs.千里眼vs.麺屋一燈

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まとめ

どうも、taka :a です。

このページでは、コンビニ大手3社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)で販売されている、有名店が監修した二郎系コンビニラーメン「ジェネリック二郎」について、その特徴や歴史・2020年11月現在の情勢を解説します。

現在のラーメン業界で “もっともアツい” ジャンル「二郎系」「インスパイア系」を模して開発されたジェネリック二郎とは——以下、実際に食べてみた感想に基づき、詳しく丁寧に解説していきますので、よろしければ最後までお付き合いください。

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ジェリック二郎とは

ジェネリック二郎(じろう)とは、ラーメン業界のドル箱といっても過言ではない “二郎系・二郎インスパイア系” と呼ばれるジャンルを意識して開発されたレンジ麺(電子レンジで加熱するタイプのコンビニラーメン)を指すネットスラングで、2019年1月22日に千葉県内のセブンイレブンで先行販売された「中華蕎麦とみ田監修 豚ラーメン(豚骨醤油)」が二郎系レンジ麺ブームの火付け役。

すべてはここから始まった——

その1週間後となる2019年1月29日、販路を全国に拡大したセブンイレブンの「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(豚骨醤油)」は、全国的な知名度を誇る千葉・松戸の有名店「中華蕎麦とみ田(代表:富田治 店主)」が監修した商品で、なおかつ自宅でも手軽に二郎系・インスパイア系の雰囲気が楽しめることで話題になり、SNSや動画投稿サイトを中心に “ジェネリック二郎” という呼び名が定着し始めました。

二郎系・二郎インスパイア系とは、東京都港区三田に本店を構える「ラーメン二郎 三田本店」で修行を積んだ暖簾分けのラーメン店(ラーメン二郎 ○○店)並びにラーメン二郎から強く影響を受けた「インスパイア店」が提供している商品及びジャンルの通称で、いちど食べたら忘れることのできないボリュームや凄まじい背徳感が楽しめる中毒性の高さから、数あるラーメンのなかでも圧倒的な支持を集めている巨大なジャンル。

たとえば麩質(グルテン)の量が多い日清製粉の強力粉・オーション(蛋白13.0±0.5% 灰分0.52±0.04%)を使用した、加水率の低い極太サイズの低加水麺を筆頭に、大量の茹でヤサイ(もやし・キャベツ)や豚(ぶた)と呼ばれる極厚の煮豚または焼豚を盛り付け、スープは豚肉を主原料とする出汁(だし)にチャーシューの煮汁をベースにしたタレを加えるなど、いくつかの代表的な共通点があります。

写真は二郎系ラーメンの典型的なスタイル

二郎系やインスパイア系など、呼び分け(基準)についてはマニアの間でも諸説あるようですが、由緒の違いから大きく分けて「ラーメン二郎」「二郎系」「二郎インスパイア」の3つにカテゴライズされることが多く、それぞれの概要は以下の通り。

  • ラーメン二郎:総本山の「ラーメン二郎 三田本店」をはじめ、営業中は本店で修行を積んだ責任者が厨房に立つことを鉄則に「ラーメン二郎 ○○店」と名乗ることを許された “暖簾分け” による店舗のことを指し、熱狂的なファンは “ジロリアン” と呼ばれる。
  • 二郎系:もともと「ラーメン二郎 ○○店」として営業していたが、なんらかの理由で屋号を変えたラーメン店及び同店で提供される商品のことを指し、店内の雰囲気やメニュー、商品の味は「ラーメン二郎」に限りなく近い内容。
  • 二郎インスパイア:総本山「ラーメン二郎 三田本店」と直接的な関わり合い(三田本店での修行経験等)はなく、しなしかながらラーメン二郎及び二郎系に強い影響を受け、それに似せた “がっつり系のラーメン” を提供している店のことを指し、お店によって多種多様な独自のスタイルを展開しているのが特徴。

そんなラーメン業界の巨大ジャンルに強い影響を受けて生まれたのがコンビニの “ジェネリック二郎” で、その発端となったセブンイレブンの「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(豚骨醤油)」が発売された当時、まったく同じタイミングでファミリーマートもインスパイア系のレンジ麺「野菜マシにんにく醤油ラーメン」を発売していたのですが、如何せんタイミングが悪く、日の目を見ずに撤退を余儀なくされたのは苦い思い出。

ローソンが豚ラーメンに喰らい付く

その後、2019年6月12日に短期間でジェネリック二郎の独擅場を築き上げたセブンイレブンの「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(豚骨醤油)」が “二代目” にリニューアルするのですが、2019年10月15日にローソンがオリジナル商品「にんにくが決め手!豚醤油ラーメン」を発売し、ようやくセブンイレブンのジェネリック二郎に対抗勢力が出現。

にんにくが決め手!という商品名とは裏腹に、実際のニンニク感はセブンの「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(二代目)」ほど強くなかったのですが、ついにローソンが動いたと話題になります。

さらにファミリーマートも返り咲き

さらにローソンの新展開から1週間後となる2019年10月15日、ファミリーマートが “野菜マシにんにく醤油ラーメン” の後身となる「大盛にんにく醤油ラーメン」を市場に投下。そこに前身の面影はなく、大幅にブラッシュアップされたファミリーマートのジェネリック二郎は、3大勢力の中で最重量となる300gの太麺と唯一無二の卵黄ソースを搭載し、本格的な三つ巴の戦いが始まりました。

さらに激化するジェネリック二郎

やっとコンビニ大手3社のジェネリック二郎が出揃い、ローソンとファミリーマートは定期的に自社のオリジナル商品をテコ入れしながら再販を繰り返していたのですが、2020年2月19日にセブンイレブンが既存の豚ラーメンを「中華蕎麦とみ田監修ワシワシ食べる豚ラーメン」に大幅リニューアル。

ジェネリック二郎 NextStage

さらに大きな転機を迎えたのが2020年10月27日発売のファミリーマート限定商品「千里眼監修 濃厚マシマシラーメン(ニンニク醤油)」並びに同年11月3日発売のローソン限定商品「麺屋一燈監修 濃厚豚醤油ラーメン」の出現で、それまで有名店が監修したジェネリック二郎といえばセブンイレブンの特異ステータスとなっていたのに対し、千里眼と麺屋一燈の参戦により王者の座が揺るぎ始めました。

セブンイレブンは「中華蕎麦とみ田」監修、ファミリーマートは「千里眼(せんりがん)」監修、ローソンは「麺屋一燈(いっとう)」監修ということで、上記の変遷からコンビニ大手3社における二郎インスパイア商戦が激化している現在。それぞれ初代と比較しても個性的な商品に仕上がっているため、コンビニ大手4社におけるジェネリック二郎(2020年11月8日時点)の特徴と見どころを順番に紹介します。

王道の極み「中華蕎麦とみ田監修 ワシワシ食べる豚ラーメン」

【原材料名】ゼラチンスープ(豚骨風味醤油たれ、ゼラチン)、ゆで中華麺(小麦粉、小麦たん白、食塩、卵加工品)、もやしキャベツ和え、豚肉チャーシュー醤油たれ和え、にんにく入り風味油脂、ラード / 加工澱粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、酸味料、酢酸Na、糊料(加工澱粉)、グリシン、カラメル色素、pH調整剤、香辛料抽出物、(一部に卵・乳成分・小麦・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)
【栄養成分表示】カロリー:822kcal、たん白質:38.8g、脂質:38.8g、炭水化物:83.0g(糖質:76.2g、食物繊維:6.8g)、食塩相当量:8.3g

王道の二郎系ラーメンを再現

またおま系の王者に君臨する千葉・松戸の怪物店「中華蕎麦とみ田」が監修したセブンイレブンのジェネリック二郎は、王道の二郎系ラーメンを意識して開発された商品で、2020年2月19日のリニューアルから麺の質感を大幅にブラッシュアップ。まずは小麦粉の配合から見直し、従来の麺よりも加水率を下げるなど、製麺方法の改善を実施した結果、2019年2月発売の初代より指摘されていた麺の “うどんっぽさ” を払拭。

ニンニクは3社の中で最強クラス

さらに「野菜マシ」と「豚マシ」をコンセプトに、野菜(もやし)の量を増やすだけでなく、具材のチャーシュー(ぶた)も従来と比較して倍の厚みにカット。これによりコンビニ大手3社の中で “もっとも分厚い豚のボリューム感” を打ち出し、刻んだニンニクと背脂・ラードを合わせた新兵器「アブラニンニク玉」を搭載することでニンニクの重量も3.5倍に増強してきたセブンイレブン。

あくまで “素人向けのインスパイア系” 的な立ち位置でありながら、スープは非乳化系~微乳化系に該当する硬派な醤油豚骨味をイメージし、いい意味で品のない豚臭さやニンニクの攻撃性を打ち出すなど、二郎系の雰囲気を掴むための入門編としても誂え向きなフレームワーク。セブンイレブン標準価格は税込550円から税込594円に値上がりしているのですが、その価値は充分にある良品です。

関連ページ:セブンの二郎系「中華蕎麦とみ田監修ワシワシ食べる豚ラーメン」ついに解禁!!

カロリー最強「千里眼監修 濃厚マシマシラーメン」

【原材料名】ゆで中華麺、スープゼラチン、ゆで野菜(もやし、キャベツ、食塩)、油脂加工品、チャーシュー、にんにく、ねぎ、辛口揚げ玉 / 増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、酒精、かんすい、乳酸Ca、着色料(カラメル色素、パプリカ粉末)、酢酸Ca、加工デンプン、酸化防止剤(V.C、V.E、カテキン)、グリシン、リゾチーム、香料、(一部に小麦・卵・乳成分・いか・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※当工場では、そば・卵を含む製品を生産しています。
【栄養成分表示】カロリー:1134kcal、たん白質:41.4g、脂質:58.2g、炭水化物:114.8g(糖質:107.5g、食物繊維:7.3g)、食塩相当量:11.5g(麺・具材:2.3g、スープ:9.2g)

最強のボリューム感を誇るインスパイア系

二郎インスパイア系の中でも最高峰と評価されている行列必至の二郎インスパイア店「千里眼」が監修したファミリーマートのジェネリック二郎は、引き続きコンビニ大手3社のなかで “最大量となる300gの茹で中華麺” を筆頭に、しゃきしゃきとした食感のヤサイ(もやし)も多く、監修店の「千里眼」を象徴する唐辛子を練り込んだ揚げ玉・辛揚げ(カラアゲ)が個性を表現。

「千里眼」が監修する以前の極太麺は、ふかふかとした茹で置き特有の食感から “うどんっぽさ” が否めなかったのに対し、従来の麺よりも加水率を下げ、なおかつ製法そのものを見直したのか、以前とは比べ物にならないほどのアップデートを実現。そんな麺のリニューアルもさることながら、スープのバージョンアップも見どころ。

駒場東大前の名門「千里眼」監修は伊達じゃない

ファミリーマートが単独で開発していた頃のスープは豚骨重視のテイストで、けっこう人工的に乳化させていたのに対し、スープの乳化感を微乳化系のラインまで落としつつ、醤油と食塩のエッジを強化。おろしニンニクのパンチも遠慮なく効かせ、化学調味料による雑味と独特の刺激が二郎インスパイア特有の中毒性を高めている、さすが最高峰との呼び声が高い「千里眼」監修と思える仕上がり。

値段はセブンイレブンのジェネリック二郎よりも若干ながら高い税込598円となっているのですが、カロリーや脂質、食塩相当量、炭水化物(糖質)などの値はセブンイレブンやローソンよりも “圧倒的に高い” ので、微乳化系のスープが好きな方やボリューム感を重視している方にオススメの一杯です。

関連ページ:正直かなりヤバい【千里眼】監修「濃厚マシマシラーメン ニンニク醤油」

唯一無二の革命家「麺屋一燈監修 濃厚豚醤油ラーメン」

【原材料名】茹中華麺、醤油ラーメンスープゼラチン、もやしキャベツ炒め、味付茹卵、背脂入りにんにく炒め、焼豚、ネギ / かんすい、加工澱粉、糊料(加工澱粉、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、グリシン、酢酸塩(Ca、Na)、酸化防止剤(V.E)、香辛料、カラメル色素、香料、酵素、(一部に卵・小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む)(本品製造工場では、そば・卵を含む製品を生産しています)
【栄養成分表示】カロリー:733kcal、たん白質:44.0g、脂質:21.1g、炭水化物:95.4g(糖質:88.0g、食物繊維:7.4g)、食塩相当量:8.90g

個性的なスープと本格的な麺で他社と差別化

ローソンのジェネリック二郎を監修している濃厚魚介鶏白湯の名門「麺屋一燈」の店主・坂本幸彦氏は、前述の「中華蕎麦とみ田」を師と仰ぎ、カップラーメンをはじめ以前からローソン限定のタイアップ商品を定期的に展開しているため、必然的なタイアップといっても過言ではないのですが、このジャンルに「麺屋一燈」が手を出してきたのは今回が初めて。

調理後の見た目は地味な仕上がりではあるものの、歴代ジェネリック二郎の中で味付煮卵を初めて採用した商品であり、豚骨と鶏骨をブレンドした乳化系スープに魚粉のパンチを重ね、元フレンチ職人の経歴を持つ坂本店主のホタテペースト(2019年10月まで「麺屋一燈」の実店舗で提供されていたトッピング)を彷彿とさせる乾物の旨味が唯一無二の個性を表現。

麺の雰囲気はローソンが最強

さらに “麺はコンビニ大手3社の中で最強クラス” といっても過言ではなく、力強いランダムな縮れもさることながら、茹で中華麺では難しかった二郎インスパイア特有の “ごわごわ・わしわし” とした食感の雰囲気が楽しめる、その完成度の高さに初めて食べたときは驚きました。

硬派な二郎系からは遠退きますし、ボリューム感ではセブンイレブンやファミリーマートに劣りますが、ある意味もっとも記憶に残る一杯になるかもしれません。ちなみに値段は税込598円となっているため、ファミリーマートのジェネリック二郎と同じ価格設定です。

関連ページ:ジェネリック二郎に革命【麺屋一燈】監修「濃厚豚醤油ラーメン」

まとめ

日本を代表するコンビニ大手3社の “ジェネリック二郎” が有名店監修のコラボ商品になり、いよいよ佳境を迎えた2020年11月上旬。硬派な二郎系を意識した中華蕎麦とみ田監修「ワシワシ食べる豚ラーメン」をはじめ、最強のカロリーを誇る千里眼監修「濃厚マシマシラーメン」に、個性的なスープと麺の作り込みで独自の路線を開拓した麺屋一燈監修「濃厚豚醤油ラーメン」と三者三様の魅力で次のステージにステップアップ。

それぞれ監修店が違うように、インスパイア系をテーマにしながら大きく毛色は異なるため、正直どれが最強かと聞かれたら返答に困ってしまうのですが、いずれのレンジ麺もクオリティの高さは同等のレベル。引き続き特色のあるガッツリ系の「ラーメン」をはじめ、期間限定の「まぜそば」や「冷やし中華」など、今後も多種多様な商品の登場に期待できそうな展開です(author・taka :a)

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