どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年10月18日(火)新発売、ローソン名店シリーズのカップ麺「札幌の名店 えびそば一幻 濃厚えびみそまぜそば」の実食レビューです。
えびそば一幻の汁なしカップ麺が大幅に仕様を変更!? はたして改良なのか、それとも——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
えびそば一幻 濃厚えびみそまぜそば
えびそば一幻(いちげん)とは、北海道札幌市中央区・東本願寺前に総本店を置き、海老(えび)に特化したラーメンを提供している超人気店で、2008年10月22日に「おおくら山」のセカンドブランドとしてオープン。当初は「すすきのらーめん 一幻」という屋号を掲げ、鶏がらベースの札幌みそラーメンを提供していましたが、2009年10月から「えびそば一幻」に変わり、現在の地位を築き上げました。
今回の新商品「札幌の名店 えびそば一幻 濃厚えびみそまぜそば」は、コンビニの中でもローソンにしか売ってない、PB(プライベートブランド)の汁なしカップ麺で、製造は即席めん業界最大手の日清食品。以前にも「えびそば一幻」監修の「まぜそば」を展開しているため、初の試みではないのですが、容器の形状が大きく変わっています。そして、変わったのは容器の形状だけではありません‥‥。
初めて「えびそば一幻」監修のカップ麺が発売されたのは、現在を遡ること7年以上、2015年1月27日の話。記念すべき第1弾として現れた「えびそば一幻 えびみそ」は、大判どんぶり型のカップラーメンで、その当初からローソン限定のPB商品として市場に投下。
それ以前にも日清食品が自社のNB(ナショナルブランド)商品として「日清行列のできる店のラーメン えびそば 特濃しお豚骨」(2013年9月30日発売品)と「同 特濃みそ豚骨」(2014年9月29日発売品)を展開していましたが、どちらにも「えびそば一幻」は正式に関与しておらず、2015年のローソン限定商品からカップ麺の監修に携わるようになりました。
ローソンとのコラボが始まって以降、2015年8月25日に「えびそば一幻 えびしお」を発売していましたが、どちらも数量限定のスポット商品で、2017年5月9日発売の「えびそば一幻 えびみそ」からローソン名店シリーズにおけるレギュラー商品としての座を確立。ここから縦型ビッグの容器に変わりましたが、しっかりと海老をフロントに押し出した味わいで、多くのリピーターを獲得しています。
関連ページ:札幌の名店「えびそば一幻」監修「濃厚えびみそ」ローソンで人気のカップ麺 “えびの旨み” を強化!!
縦型ビッグのカップラーメンは、直近だと2022年5月17日にリニューアルし、現在もローソンの店舗に並んでいるのですが、それとは別にカップ麺だけの特別なメニューとして開発されたのが「えびそば一幻(汁なし一幻)濃厚えびみそまぜそば」で、第1弾の発売は2020年7月21日。それは大判どんぶり型の容器に身を包み、麺はノンフライ麺で、2021年5月25日にも同じ内容で再販されたのですが‥‥
汁なし一幻の歴史としては3年目となる2022年版「濃厚えびみそまぜそば」は、前述のように容器が四角い形状に変わり、しかもローソンの公式ウェブサイトには “えびの旨みを凝縮した濃厚なみそだれがフライ麺に絡む一杯” と記載されている、つまりノンフライ麺ではなく油揚げ麺に変わっているため、昨年・一昨年と同じ仕様ではありません。
本格さにおいては圧倒的にノンフライ麺が有利なのは間違いなく、しかしながら「まぜそば」といえばジャンクな印象も強いため、後者においては油揚げ麺が有利な場合も。このブログでノンフライ麺の「濃厚えびみそまぜそば」は超高評価(★7)を叩き出している逸材なので、個人的には残念なリニューアルに思えたんですけど、はたしてプラスに転がっているのかどうか、お手並み拝見と参りましょう。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、あとがけ「液体だれ」と「特製トッピング」の計2種で、液体だれのデザインはノンフライ麺での「濃厚えびみそまぜそば」と完全に一致します。けれども先入れ指定の「かやく」は省かれ、別々に個包装されていた「えび揚げ玉」と「せび粉ふりかけ」は廃止になるなど、ずいぶんとコンパクトになりました。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。イメージとしては「日清焼そばU.F.O.」の流れを汲んでいるように見えるため、ファーストインプレッションは悪くありません。しかし、前回はノンフライ麺だったことを知っている方にとっては、やはり寂しさを覚える部分になるでしょう。とはいえ調理前の麺重量は90gから120gに増えているため、物量的な食べ応えについては軍配かも。
ちなみにローソン標準価格は前回の257円(税込278円)から248円(税込268円)に下がっているのですが、2022年10月現在、メーカー希望小売価格が245円(税別)の大盛りカップ麺をコンビニで購入すると、税込価格は264円が相場なので、妥当といえば妥当な値段。むしろ若干ながら相場よりも高いため、そこも視野に入れて評価しなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:札幌の名店 えびそば一幻 濃厚えびみそまぜそば 製造者:日清食品株式会社 製造所:滋賀工場(滋賀県栗東市下鈎140-1) 内容量:157g(めん120g) 商品コード:4902105278543(JAN) |
発売日:2022年10月18日(火) 実食日:2022年10月18日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:268円(税込) ローソン標準価格:248円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型ビッグ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:740ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(液体だれ・特製トッピング) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、香辛料、大豆食物繊維)、たれ(ポークエキス、みそ、豚脂、植物油脂、えび調味油、糖類、たん白加水分解物、食塩、チキン調味料、えび調味料、香辛料、えび粉末、えび醤)、ふりかけ(揚げ玉、ねぎ)、かやく(キャベツ、大豆たん白加工品)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸Ca、酒精、かんすい、カラメル色素、酸味料、グリセリン、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ベニコウジ色素、乳化剤、ビタミンB2、炭酸Mg、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
かやくは最初から容器の中に入っている状態で、画像を見ての通り「日清焼そばU.F.O.」の変わり種に匹敵する貧弱さ。しかも豚肉に見える具材は大豆たん白加工品(フェイクミート)なので、本物の肉具材ではありません。チップ状のチャーシューに見える日清食品の大豆たん白加工品は、いざ食べてみると意外に違和感を覚えないため、おそらく気にならないとは思いますが、如何せん少ないw
別添の小袋は両方とも後入れなので、小袋を取り出してから熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体だれ」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら湯切りして、液体だれを馴染ませた後、特製トッピングを加えたら出来上がり。
特製トッピングの揚げ玉は華やかで、これも「えびそば一幻」を象徴するアイデンティティ的なアイテムになりますけど、はたして油揚げ麺でも前作に匹敵する感動と満足感が得られるのか「めん」「たれ」「かやく・特製トッピング」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(157g)あたり |
カロリー:725kcal たん白質:13.1g 脂 質:35.3g 炭水化物:88.8g 食塩相当量:7.3g ビタミンB1:0.48mg ビタミンB2:0.64mg カルシウム:215mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
あかん
「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、香辛料、大豆食物繊維」という原材料名の並びは、最近にレビューした商品を例に挙げると「蒙古タンメン中本 辛旨魚介味噌まぜそば」(セブン&アイ限定)や「けやき監修 濃辛 辛味噌まぜそば」(ファミリーマート限定)と共通で、NB商品では「日清焼そばU.F.O. 極濃モンスター焼そば」の油揚げ麺とも完全に一致。
形状は「蒙古タンメン中本」や「けやき」監修の油揚げ麺(角刃で切り出された縮れ麺)よりも「日清焼そばU.F.O. 極濃モンスター焼そば」に近い、丸刃で切り出された縮れの弱い中太麺で、断面は楕円形。まったく同じ配合ではないかもしれないけれど、イメージとしては「日清焼そばU.F.O. 極濃モンスター焼そば」と共通で、実際に食べたときに受ける印象も然り。
見た目はパスタっぽく洗練された雰囲気で、ちぢれの弱さも高級感に一役買っているのですが、実際に噛むとフカフカした食感で、どうにも安っぽい。後述するタレを蹴散らすような荒々しさは皆無に等しく、油揚げ麺特有のニオイも控えめなので、それについては高く評価すべきポイントになりますけど、フカフカとした軽さは後述するタレに合っていませんでした。
たれ
アブラとエビが減退して味噌が前に
味付けの方向性は大きく変わっていない‥‥かと思いきや、麺に対して明らかに豚脂の存在感が弱くなり、味噌の使用量が増えているため、ずいぶんとキレのあるテイスト。ノンフライ麺を油揚げ麺に変更したことによる調整なのは確実ですが、こってりとした豚脂の厚みは鳴りを潜め、えび油の存在感も香りほど味覚に訴えかけてくるインパクトはなく、まさかの拍子抜けする結果に。
探せば海老みそ(中腸腺)を彷彿とさせる独特のコクを感じるものの、それ以上に味噌ダレのキレが強いので、ずいぶんと受ける印象が異なります。えび粉末も使用しているようですが、以前のように別添されているわけではないので、久々に会ったら別人だった的な気持ちになりました。
かやく・特製トッピング
先入れの具材は論外
最初から入っている具材は、少量のキャベツとフェイクミートだけなので、これだけでは値段に見合った内容と評価することはできません。前述のように大豆たん白加工品は当たり障りない存在感ではあるものの、気持ち程度の内容です。
加えて特製トッピングに入っている青ネギの高級感も皆無に等しいものの、揚げ玉は甲殻類特有の芳ばしさと生姜のキレを感じる例の飛び道具で、そこそこ多めの量にも好感が抱けました。しかし、えび粉ふりかけに該当する成分は入っていないため、もっと海老に振り切ってほしかったのが正直なところ。
総評
これが人生初の “汁なし一幻” であれば、おそらく評価は変わってくると思います。しかし、昨年・一昨年の「濃厚えびまぜそば」に感動を覚えた方にとっては拍子抜け必至の内容なので、たとえば販売価格を税込300円オーバーに値上げすることになったとしても、ノンフライ麺を継続するべきだったのではないでしょうか(もはやコンビニで300円オーバーのカップ麺もザラですし‥‥)。
もちろんノンフライ麺よりジャンクさは上がっていますが、それに振り切ったバランスとも言い難い、なんとも中途半端な印象を受けたので、手に取りやすい価格を優先してしまったが故の改悪に思えました。もちろん賛否両論あるかとは思いますけど、値段が高くなってもいいからノンフライ麺に戻してほしいです【author・taka :a(大石敬之)】