「でかまる 汁なしスッパメン」汁なし部門優勝! “ハイパーファットン” のカップ麺

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東洋水産

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2019年4月21日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん でかまる 汁なしスッパメン」の実食レビューです。

第10回最強の次世代ラーメン決定戦・汁なし部門優勝「ハイパーファットン」の「汁なしスッパメン」を再現!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。

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ハイパーファットン 汁なしスッパメン

「第10回 最強の次世代ラーメン決定戦」とは、「Yahoo!特別企画」及び業界最高権威「TRY(トライ)ラーメン大賞」協力のもと、全国から数多くのラーメン店を募り、今までになかった新しいラーメン「次世代ラーメン」を生み出すために「Yahoo!特別企画 ラーメン特集2018-2019」から立ち上がった企画です。

特集ページに掲載されていた各店の紹介文とメニューの写真を見て、 “食べたい!” と思った店に誰でも投票できるユーザー参加型の企画となっているのですが、10回目を迎える2019年は歴代優勝店舗のエントリーも解禁。そして「汁なし部門(汁なしラーメン部門)」は次世代ラーメン決定戦の第10回を記念して新設された部門で、「ハイパーファットン」の限定メニュー「汁なしスッパメン(スッパそば)」が優勝に輝きました。



「ハイパーファットン」とは、横浜・新羽にあるラーメン店で、2017年8月18日にオープン。ラーメンジャンルとしては二郎系に該当するのですが、J系(二郎系)やG系(がっつり系)とは違う唯一無二の「F系」(ファットン系)を提唱し、ツイッターでも「#F系」というハッシュタグを数多く見かけるほどコアなファンも多く、今回の「汁なしスッパメン」をはじめ定期的に開発・販売されている限定麺シリーズも高い評価を得ています。

「東池袋大勝軒」の創業者・山岸一雄さん最後の愛弟子としても知られ、「六厘舎」本店での修行経験や「次念序」の店主も任されていた栗山卓也さんが独立して創業した横浜・六角橋の行列店「くり山」(旧:仁鍛)のグループに属し、その「くり山」で製麺を担当していた現「ハイパーファットン」店主・折原亮さんが独学で2015年12月15日にオープンした “脂と麺量” がコンセプトのガッツリ系ラーメン店「ファットン」の2号店として開業しました(※2019年4月現在「ファットン」は人手不足により一時閉店中)。

新たに生まれ変わった「ハイパーファットン」のコンセプトは “真のファットンを具現化したラーメン” で、店主・折原亮(おりはら りょう)さんは京都府京都市出身。なんと桐蔭横浜大学法科大学院で法律を学び、法務博士を授与されてから博士後期課程にも進んだ経歴の持ち主なのですが、ラーメン好きが高じて法律関係の仕事ではなくラーメンの道を歩もうと決意し、2015年12月1日「くり山」(栗山食品株式会社)に入社します。

お店の「ファット(太る)」には “おいしくたくさん食べて欲しい” という願いが込められ、店名に「トン(豚)」が入っていることからメニューは「豚」がテーマ。基本のスープは豚オンリーで、豚の旨味を最大限に引き出した濃厚乳化スープと麺の評判も高く、「蒙古タンメン中本」の「北極ラーメン」を超える辛さといわれる超激辛ラーメン(限定)も話題になっていましたが、今回のモデルになっている限定麺「スッパ」シリーズは数ある汁なしメニューの中でも特に人気が高いとのこと。



最初は梅干し食べてスッパマンのイメージから梅の酸味を想像していたのですが、酸味の源泉は梅干ではなく「ポン酢」。お店では天明7年(1787年)創業の岡直三郎商店(日本一しょうゆ)が手掛ける「ポン酢の涙」を使い、脂が多い汁なしメニューを食べやすく、しかしながら夏季限定の “冷やし中華” みたいなものにはしたくないと差別化を図るために豚脂(ラード)を使用しているそうです。

具材はシンプルに豚、ネギ、フライドオニオンがトッピングされているのですが、辛そうに見える唐辛子は辛味の弱い旨味重視の韓国唐辛子を採用しているため、見た目ほど辛くないという感想も見られました。さて、栄えある新設「汁なし部門」初代チャンピオン・ハイパーファットンの「汁なしスッパメン」はイメージ通りに再現されているのでしょうか——

開封

カップ麺の容器に入っている小袋は、先入れの「かやく」が1袋、後入れの「液体スープ」と「粉末スープ」が1袋ずつで、合計3種類の小袋が別添されています。かなり液体スープの量は多く、反して粉末スープの小袋が小さく見えるのですが、液体スープはフタの上で温めてから召し上がる直前にと書いてあるので、お湯を注いでからフタ止め代わりに温めておきましょう。



やや黒ずんだ色の油揚げ麺は角刃でカットされている縮れの強いゴツゴツとした形状で、湯戻し時間は熱湯5分の太麺。いかにも油そば・まぜそば系統の製品に使用されるタイプの強面で、この段階から精製ラード特有の芳ばしい香りが漂ってくるのですが、東洋水産の汁なしカップ麺に共通する個性的なポイントでもあります。

ちなみに容器側面にある製品情報欄の枠外上部、賞味期限右端に記載されている製造所固有記号は「M1」となっているのですが、これは群馬県にある東洋水産の自社工場「関東工場」(所在地:群馬県館林市赤生田本町3831-1)を意味しています。廉価版の「ごつ盛り」はM8ですが、「でかまる」はM1となっていることが多いですね。

また、東洋水産が公表している販売ルートはCVS(コンビニエンスストア)・量販店・一般小売店他となっているのですが、コンビニでは「ローソン」「デイリーヤマザキ」「スリーエフ」がメイン、スーパーではイオン系列店での取り扱いが意欲的かもしれないので、売ってない! という場合は前述した店舗をチェックしてみてください。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:マルちゃん でかまる 汁なしスッパメン
製造者:東洋水産株式会社
製造所:関東工場(製造所固有記号 M1)
内容量:167g(めん130g)
商品コード:4901990362955(JANコード)
規格サイズ:縦177mm×横177mm×高さ68mm

発売日:2019年04月22日(月)
実食日:2019年04月22日(月)
発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他)
取得店舗:スーパーマーケット(イオンリテール@兵庫県)
商品購入価格:198円(税込)
希望小売価格:210円(税別)

麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用)
スタイル:カップ焼そばタイプ・角型大盛サイズ
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:720ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、しょうゆ、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(しょうゆ、豚脂、植物油、デキストリン、醸造酢、ポークエキス、砂糖、粉末野菜、フライドオニオン、発酵調味料)、かやく(味付豚肉、香辛料、ねぎ)/ 加工でん粉、トレハロース、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、酸味料、酒精、酸化防止剤(ビタミンE)、増粘多糖類、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・大豆・豚肉・りんご・ゼラチンを含む)
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・大豆・豚肉・りんご・ゼラチン(特定原材料及びそれに準ずるもの)

実食開始

先入れの「かやく」には東洋水産が得意とするリアル系の味付豚肉を筆頭に、香辛料(赤唐辛子)やネギなどの薬味が入っていて、開封した瞬間から味付豚肉の甘辛い香りが食欲をそそってきます。なぜ湯切りが必要なカップ麺なのに唐辛子が先入れなのか疑問に思っていたところ、店主の方から “私が、酸味をもっと増やせといったからです。容量いっぱいにゆずを入れてくれとお願いしたんです。” と、理由を教えてくださいました。



お湯を内側の線まで注ぎ、液体スープの小袋をフタの上で温めながら5分待機。湯切りを行った後は調理方法にも記載されているように “液体スープを馴染ませてから” 粉末スープを入れるのですが、どうしても赤唐辛子とネギが浮いてくるので、湯切りの際は火傷に注意しながら “手早く傾ける” のが唐辛子やネギを逃さないためのコツになります。

そっと傾けると熱湯の表面に浮いた香辛料やネギが率先して湯切り口からの脱出を試みてくるので、それらが逃げる前に湯切り口を麺で塞ぐようなイメージで手際よく傾けて熱湯を捨てると具材が流れ出るのを最小限に食い止めることが可能です。ただしアクロバティックに調理する必要はないので、くれぐれも火傷には気を付けてください。

それでは、ハイパーファットン(豚脂)の重量感とスッパメン(酸っぱさのレベル)に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。ちなみに「第10回 最強の次世代ラーメン決定戦」関連の前回新商品、ガツ盛り部門優勝「背脂煮干醤油」(らーめん香澄 – ガツ盛り背脂醤油の煮干しラーメン)は汁ありの「でかまる」で再現済み。

また、次世代部門優勝「スパイシー赤味噌」(創作らーめん style林 – 次世代スパイスパウダー赤味噌)と準優勝「花椒香る煮干醤油」(麺処 若武者 – 次世代椒油がけニラ煮干し醤油白そば)は「本気盛」シリーズから最初に再現されているので、最強の次世代ラーメン決定戦・第10回の関連商品はハイパーファットンの汁なしスッパメンが大トリですね。

栄養成分表示:1食(167g)当たり

熱  量:733kcal(カロリー)
たん白質:14.2g
脂  質:34.7g
炭水化物:91.0g
食塩相当量:5.3g
ビタミンB1:0.67mg
ビタミンB2:0.62mg
カルシウム:251mg

※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

太くてモチモチとした食感の食べごたえのある角麺。

(出典:東洋水産公式サイト「東洋水産トップ > 企業・IR・採用 > ニュースリリース >『でかまる 汁なしスッパメン』新発売のお知らせ」)

食べ応えのある存在感絶大の麺

汁なし版の「でかまる」で熱湯5分の時に採用される雛形的な油揚げ麺で、縮れの強い角刃の太麺です。「小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、しょうゆ、香辛料、粉末野菜、卵白」という原材料の構成もテンプレですし、油そばライクなゴツい存在感を放っているのですが、今回のタレ(スープ)に対して適切なバランスですね。

かなり無骨な男らしい麺に仕上がっているのですが、二郎系を彷彿とさせるほど強引なゴワゴワわしわし食感ではなく、強めの存在感から結果それに近い印象が無きにしも非ずではあるものの、そこまで小麦感というか粉っぽさは強くありません。しかし、何度圧迫しても反抗してくる反発性から食べ応えはバッチリです。



もともと「ハイパーファットン」は「くり山」で製麺担当だった店主の折原さんが独学で開いたラーメン店から始まっているので、お店の麺はラーメンマニアからの評判も上々。打ち方はギュッと押し込むのではなく、繊細な技術を駆使して優しく打ったムッチリ系となっているそうなので、その印象からすると重量感や加水率の再現度は低いかもしれませんが、スープとの相性はまったく悪くありませんでした。

スープ

ポークをベースに、酸味とゆずの風味を利かせた、ハイパーファットンの汁なしスッパメンをイメージした醤油味のスープ。

(出典:東洋水産公式サイト「東洋水産トップ > 企業・IR・採用 > ニュースリリース >『でかまる 汁なしスッパメン』新発売のお知らせ」)

まさに次世代の新境地!

液体スープのフレームワークはシンプルな構成で、オイル成分には植物油も含まれますが、圧倒的に豚脂が優勢の動物系が主体。それも油そば系統のカップ麺に匹敵するレベルで量が多く、容器の底に余るほどではないものの、一口目から唇はテッカテカ。醤油の風味と塩気も感じますが、大量のオイルで尖った印象は覚えません。

本品原材料に含まれているアレルギー物質に「牛肉」や「鶏肉」の記載がないように、スープも具材も引っ括めて動物系は豚のみ使用という潔さ。そこにお店のこだわりが見られ、やや醸造酢による酸味も感じますが、このままだと豚脂が強すぎて味に抑揚がなく、ピンぼけ感が否めない状態——けれども液体スープはファットンな土台を組み上げることに徹しているような状態で、粉末スープが印象を大幅に変えてきます。

粉末スープを入れた途端に柑橘系のアクセントが花開き、香りは黄柚子(ゆず)よりも青い酢橘(すだち)系の清涼感が優勢。油そば・まぜそばに酸味のアクセントは定番ですが、一般的な王道の味変アイテムである食酢(米酢)とは違う、一見して明白に柑橘系のアクセントから、しっかり豚脂でファットンなのにコッテリ爽やかな新境地。

私は酸味に強いほうなので、正直ぜんぜんスッパメンな感じではなかったのですが、実はスープの中にフライドオニオンが仕込んであって、ふと感じるフライドオニオン特有の芳ばしい甘さとホロ苦さが絶妙でした。さらに柚子皮と思われる柑橘系のビターなアクセントがフライドオニオンとは違ったベクトルからホロ苦さをアピールしてくる、実に個性的で記憶に残る味わいですね。

具材

味付豚肉、粗挽唐辛子、ねぎ。

(出典:東洋水産公式サイト「東洋水産トップ > 企業・IR・採用 > ニュースリリース >『でかまる 汁なしスッパメン』新発売のお知らせ」)

具沢山ではないものの豚に技有り

お店のように大きな「豚」はトッピングされていませんし、ネギは白ネギではなく汎用的な小さい青ネギ。さらに粗挽唐辛子に関しては辛くないのでレッドベル(赤ピーマン)なんじゃないかと疑っているのですが、こってりスッパ系のスープにパプリカの系譜にあるスイートな風味が思わぬ効果的なアクセントになっています。

実際に食べる前は湯切り不要の赤唐辛子を先入れする必要性が見えませんでしたが(※記事公開後、店主の方に理由を教えていただき追記しました。貴重な情報、ありがとうございます)、赤唐辛子というよりも赤パプリカ系の風味が強かったので、先入れも悪くないと思いました。そしてメインの味付豚肉は定評のある東洋水産のリアル系で、赤身の部分は肉本来の繊維質が楽しめる食感。

脂身の部分はとろけるように柔らかくて甘く、また合挽の挽肉(豚・鶏味付肉そぼろ等)に妥協していなかったことにハイパーファットンの「トン(豚)」が大切にされているなと思えたので、豚脂と柑橘を大切にしながらリアル系の味付豚肉を入れてもらえただけでも嬉しかったです。

総評

★★★★★☆☆☆☆☆(★5)

酸味の強度に関しては正直あんまりスッパメンしてなかったので、実際のハイパーファットンで提供されている「汁なしスッパメン(スッパそば)」よりも格段に食べやすくチューニングしてあるように感じたのですが、ひとつのカップ麺として今回の新商品は名作ですよ。一見すると豚脂たっぷりでガテン系なんですが、柑橘の繊細なアクセントがバランスよく絡み、重心が低くてもネガティブではありません。

それでもカップ油そば系の汁なしカップ麺が苦手な方にはオススメできないオイル感には到達していますし、想像するだけで唾液が出るほど酸っぱい酸味やポン酢ではなく梅干の酸味を思い描いている方はイメージの調整が必要ですが、バランス型でありながら記憶に残る、そしてまたリピートしたくなるようなレベルの高い次世代系の汁なしカップ麺でした。

酸味については柑橘系のアクセントさえダメじゃなければ酸っぱすぎて人を選ぶような仕上がりではないので、米酢特有の鼻にツンとくるシャープなトゲトゲしさもありませんし、酸味が物足りなければレモン・すだち・柚子などの果汁や果皮でアレンジすれば解決。コンビニで買うと税込225円のカップ麺になりますが、その価値は充分にある良品です。

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