トロピカルな美味しさ!? トムヤムクンヌードル×パイナップル

どうも、taka :aです。

突然ですが、あなたは「ポテトサラダにリンゴ」や「マカロニサラダ（サラスパ）にミカン」など、サラダ×フルーツの組み合わせを許せますか？

「冷やし中華にサクランボ」だったり、「冷麦にミカンの缶詰」または「白桃の缶詰」ならどうでしょう？

私は上記に挙げた組み合わせを許容することができないのですが、「ハンバーグ」や「ステーキ」のトッピングだったり「バーガー」の間に挟まれている「パイナップル」、いつの時代も激しい論争が繰り広げられる「酢豚パイン問題」に関しては肯定的です。

トムヤムクンヌードルにパイナップルを入れてみた

夏の暑さに打ちのめされ、どうにかなったわけではありません。実は数日前、何気なくニュース系のサイトを眺めていたら、「カップヌードル トムヤムクンヌードル」にパイナップルを入れたらトロピカルなトムヤムクンヌードルになるという記事が目に留まりまして、しかも “日清食品の社員がオススメするアレンジレシピ” というではないですか。

酸っぱ辛いトムヤムクンに南国の味覚パイナップルだなんて、なんとも おしゃれな女性にウケそうな 夏に映える組み合わせですよね。（※あくまでも現段階ではイメージですけど）ええ、ここは 全国のモテたい男子代表 硬派なカップ麺ブロガーとして検証せねばなりません。ｷﾘｯ

ところでパイナップルに “酵素” が豊富に含まれているのは有名な話ですが、パイナップルを食べた時に少し口の中がピリピリしますよね？あれが “分解酵素” です。すっげーいい子です。

パイナップルには肉の繊維質を柔らかくしてくれる “プロメリン” という酵素が含まれているのですが、体内に取り込まれた栄養を吸収しやすいカタチに分解してくれる “ブロメライン” という酵素も含まれていて、それはもうダイエットに励んでいる方にはもちろん、筋肉を増やしたい方にとっては “肉にはパイナップルが最強説” が唱えられるほど有効なフルーツなんです。実は筋トレマニアが肉と一緒にバクバク食べている‥というのも、その筋では有名な話なんですよ。

しかしながら前述したように酵素のパワーは60度以上で効力を失うため、実は “酢豚に入っているパイナップルに肉を柔らかくする効果はありません”（事前に豚肉を生のパイナップルに漬け込んでいれば話は別です）。では、なぜ中華料理の酢豚にパイナップルが入っているのかご存知でしょうか？もちろん、いたずらに入っているわけでもなければ店主の嫌がらせでもございません。諸説ありますが、パイナップル入りの酢豚は上海で誕生したといわれており‥その昔、まだヨーロッパから入ってきたばかりのパイナップルは貴重な食べ物で（なんと1個あたり約90万円だったとか‥）、訪れた欧米人に「酢豚は高級料理だコノヤロー!!」という印象を与えたかったからだと言われています。

さて、余談が長くなってしまいましたが、こちらの本題はパイナップルの効能でもなければ酢豚の飯テロ威力測定でもなく “味” です。もちろん別々に食べたら確実に酵素を摂取することができるわけなんですけれども、今回のテーマは “カップヌードルのトムヤムクンヌードルにパイナップルをトッピングしたら美味しくなるのかヤメといたほうがいいのか” ですからね。パイナップルは “缶詰” と “カットフルーツ” の2種類用意したのですが、どちらのほうが美味しいのか‥というか、そもそも合うのかパイナポー‥（←ちょっと不安になってきたらしいw）とりあえずパイナップルは、見栄えをキープしつつ邪魔にならない程度の大きさにスライスしておきましょう。では、参ります。

カップヌードル トムヤムクンヌードル

海外現地法人が開発に協力した「カップヌードル」ならではのエスニックシリーズとして、2014年4月14日に新登場。日本では “CUPNOODLE” ですが、海外では “CUPNOODLES” と最後に “S” がついており、そのデザインが日本でも踏襲されています。なぜ海外では「S」が必要なのかというと、単純に「NOODLE」だと “めん1本” を意味することになるので、複数形にする必要があるんですよね。

見事に定番入りを果たし、今では販売累計が7,500万食を突破してエスニックヌードルNo.1の座を欲しいがままにしている「カップヌードル トムヤムクンヌードル」ですが、発売されて間もない2014年4月22日‥当初の販売計画を大幅に上回り、充分な供給量を確保できない状況となって、わずか発売から8日という異例のスパンで販売を一時休止（出荷停止）したことで騒がれました。

今では安定して供給され、2018年4月2日に「カップヌードル トムヤムクンヌードル」と「カップヌードル シンガポール風ラクサ」のメイン具材であるパクチーを見直し、新製法によるフレッシュな香りと色合いにこだわったパクチーが採用されています。もちろん発売当初にブログで紹介しましたが、リニューアル後のトムヤムクンヌードルを食べるのは今回が初めて。ええ、まさかパイナップルをトッピングすることになるとは夢にも思いませんでした‥人生なにが起こるか分かりません。

通常のカップヌードルほど具沢山ではありませんが、でっかい海老が目立ちますね。セブンプレミアムの「IPPUDO タイ トムヤムクン豚骨」に入っていた海老は極小だったんですけど、およそ2.5倍ないし3倍サイズの海老様がカップの中に堂々と鎮座されております。（たった3尾だけど）

IPPUDO タイ トムヤムクン豚骨 ＠セブンプレミアム

全国のセブン-イレブンで絶賛発売中「セブンプレミアム IPPUDO タイ トムヤムクン豚骨」の実食レビューです。一風堂バンコク店の "トムヤム豚骨ラーメン" がカップ麺で再現されたのですが、意外性のある豚骨ラーメンとトムヤムクンの相性は‥

cupmen-review.com

2018.07.25

他の具材はマッシュルーム、赤唐辛子、パクチー。トムヤムクンといえば “フクロタケ” ですが、日本ではマッシュルームを採用しているトムヤムクンも多いですよね。カップ麺でも稀にマッシュルームを見かけますが、ちょっと珍しい具材かもしれません。新製法のパクチーは、調理前の段階だと鼻を近付けて嗅いでみても パァクチィィイイーーーッッ!! などと叫ばなければいけないほど強烈な香りではないですね。（←最近やっとパクチーを克服して調子に乗っている）ただ、やっぱり気になる人は気になるかもしれません。あとは決め手の「トムヤムペースト」ですが、こいつ地味に出しにくいので、ズバッと真一文字に開封し、箸で中のペーストを掻き出してやりましょう。

パイナップル

さすがにパイナップルを皮付きのホールで買う度胸はチキンハートの私に備わっていなかったので、行きつけのスーパーでカット済みのパイナップルと‥これ、誰に貰ったんだろう？いつの間にか家にあった「ドール パイナップルスライス 8枚」を用意しました。缶詰のほうは期限が2019年11月となっているので、けっこう前に頂いた物なのかもしれません。どなたか存じ上げませんが、あなたのパイナップルは元気に活躍しております。カットフルーツのパイナップルはスーパーで税込108円だったんですけど、だいたい手頃な小さいカップだと100円前後が相場ですよね。

左の たくあん パイナップルが缶詰のパイナップルで、右のパイナップルがカットフルーツの非加熱パイナップルです。缶詰は8枚切りを半分にしてるので、16枚切り状態ですね。これを普通に熱湯を注いで調理した「カップヌードル トムヤムクンヌードル」の上に乗せるわけなんですけど‥量の基準が分からないw とりあえずフレームに収まる範疇で盛り付けてみますか。では、いよいよ日清食品の社員がオススメするというアレンジレシピ、トロピカルなトムヤムクンヌードルを実食します。（深呼吸）

実食!! トロピカル トムヤムクンヌードル

お、意外と‥いや待てよ、これは‥か、かなりイケるかもしれな‥ イケます!!（断言）

カップヌードルのトムヤムクンはレモングラスとライムリーフの酸味が強いので、最初は甘いシロップ漬けの缶詰パインが対比を描くようにマッチしてイイ感じになるのかも？などと予想していたのですが、実際まったくの逆。缶詰のパイナップルだと甘すぎて全体的に抑揚が無くなり、せっかくのシャープなスープが単純にボヤけてしまったように感じたんです。 “カップヌードルのトムヤムクンは酸っぱすぎて食べにくい!!” という方にとっては嬉しい抑制効果になるかもしれませんが、当ブログでは圧倒的にカットフルーツの非加熱パインをオススメします。

加熱していないカットフルーツのパイナップルは、天然の甘酸っぱさによって蛇足的な嫌いを見せず、酸っぱ辛いトムヤムクンスープと絶妙にマッチ。パイナップルの自然な甘さでスープの酸味が適度に丸みを帯び、それでいてパイナップルの酸味が間に入ることで抑揚を失うことなく、喧嘩する素振りも見せず見事なまでに調和しているんです。ただでさえ異国情緒が凄まじいイロモノなので、パイナップルの参戦によって完全なる創作メニューに変貌するのですが、驚きのベストマッチでした。

通常の具材は前述したように、エビが3尾と細切れのマッシュルーム。エビの数や大きさには個体差が生じているかもしれませんが、以前のマッシュルームはもっと大きくカットされていました。とりあえず5個くらい食べ比べないと断言できませんが、かなり小さめのカットになりましたね。ただ、これも個体差による当たり外れが生じているかもしれません。そして新製法のパクチーですが、それほど変化は感じられませんでした。あえて香りを飛ばし過ぎないように抑えているのかもしれませんが、かなり本格的なスープなので、もうちょっと思い切ってもいいような気がします。

麺は原材料が小麦粉、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料なので、「カップヌードル シーフードヌードル」に使われている油揚げ麺と同じです。カップヌードルの麺はスープに合わせて変更されているのですが、主張が最も弱いシーフードヌードルの麺を合わせることでスープのインパクトを最大限に引き出そうとしているのでしょう。実際、麺を啜っている時にもスープの存在感がダイレクトに感じられ、文句の付けようがない見事なバランスを打ち出していました。

満足度

★★★★★★★★☆☆（8）
（標準は★3「トムヤムクンヌードル」は★7です）

いつもの客観的な「総評」とは違い、「満足度」は主観的な評価に傾倒していますが、「カップヌードル トムヤムクンヌードル」に「パイナップル」は合います!! いやぁ‥さすが日清食品の社員さんが勧めるだけのことはありますね。その太鼓判を抜きにしても、ちょっと想像の域を超えた相性のよさでした。なんとなく実食前のイメージとしては（ビビりながらも）合うだろうとは思っていたのですが、よもやここまでとは恐るべしトロピカルトムヤムクン‥

本文中でも触れましたが、オススメは “缶詰ではない生の非加熱パイナップル” です。缶詰だとシロップ漬けが大半ですし、すでに加熱済みで酸味が飛んでいるので、カップヌードルの鮮烈なスープと合わないわけではないけれど、せっかくのシャープな印象がボヤけてしまうんですよね。しかしながら生のパイナップルには酸味が残っており、ノーマルのトムヤムクンヌードルでは得られない果実の甘味が付与されるのですが、その橋渡しに必要不可欠なギアとして酸味が位置します。

もちろん酢豚にパイナップルはナンセンス、フルーツ系のソースもダメ、っていうかパイナップルとか食べ物じゃないし‥という方には間違ってもオススメできないアレンジレシピになりますが、そうでなければ騙されたと思ってパイナップルひとかけらだけでもトッピングしてみてください。ついでに言うと私は一口目でハマってしまい、蛇足だと感じた甘い缶詰のパイナップルを早々に丸呑みしてw 生のパイナップルを追加でトッピングしました。

もちろんスライスしたパイナップルを具材としてトッピングするとインスタ映えしそうな写真が撮れるでしょうし、スープにも干渉し過ぎず、箸休め感覚で好きなタイミングに食べて気分転換できますが、面倒でも微塵切りにする、または搾ってスープと馴染ませても美味しいと思います。

最近はエスニック系のテイストに寛大な方が多いので、パイナップル果汁を別添した期間限定のトムヤムクンヌードルとか真面目にウケるんじゃないですかね。トムヤムクンは硬派な路線からカジュアルなアレンジまで融通が利くジャンルだと思うので、ぜひとも新作開発の視野に入れていただきたいです。

思いのほかパクチーは弱かったので、さらなるチャレンジャーは生のパクチーをトッピングするのもよいでしょう。撮影しながら “緑が欲しいなぁ‥” と思ったので、記事にするかは分かりませんが、次はパクチーを添えて食べてみようと思います。たしかに人を選ぶアレンジではあるものの、エスニック好きはもちろん、「食」に対して保守的でなければ試していただきたいですし、ハワイアン料理が好きな方は抵抗なく受け入れられるのではないでしょうか。今回の「カップヌードル トムヤムクンヌードル」×「パイナップル」ちょい足しアレンジ、文句の付け所が見当たらない結果となりました。