どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月21日(月)リニューアル新発売のカップ麺、日清食品「カップヌードル」の実食・新旧比較レビューです。
世界初のカップ麺「カップヌードル」が “4年半ぶり” にリニューアル!!
リニューアル前との違いに注目しつつ、実際に食べ比べてみた感想と経験に基づき、何が違うのか判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードル 2019 謎肉増量
カップヌードル(CUP NOODLE)とは、言わずと知れた “世界初のカップラーメン” で、東京・新宿の伊勢丹百貨店を皮切りに販売開始。初めて発売されたのは1971年(昭和46年)9月18日、同時期に発足した当時のカップヌードル営業課は、消防署や警察署などの夜勤が多い特殊ルートを中心に営業をかけていたそうです。
(もう見られない旧製品情報ページ)
日清食品が「カップヌードル」の開発に着手したのは1969年12月、プロジェクトチームを本格的に始動させ、1971年5月8日に東京都千代田区の経団連会館で行われたマスコミ向けの発表会を開催。1971年10月16日に竣工した当時のカップヌードル専用工場・関東工場は、早くも日産20万食からのスタートで、その時すでに製造ラインを完全オートメーション化させていました。
1971年9月の発売から現在にかけて、具材の増量や容器の紙カップ化(ECOカップに変更)など、時代のニーズに応じた変化を続けているカップヌードル。今回のリニューアルポイントは「謎肉増量」で、謎肉が容器を突き破っている錯視(トリックアート)系のイラストが追加されていますが、48年前の発売当初より基礎デザインは大高猛氏の手掛けたパッケージから変わっていません。
謎肉(なぞにく)とは、豚脂や粒状大豆たん白、豚肉、玉ねぎ、卵粉などを混ぜてフリーズドライにしたもので、現在の正式名称は「味付豚ミンチ」(旧名称はダイスミンチ又はダイスポークと表示)。「謎肉」という愛称は、2005年ごろに某電子掲示板から広まったインターネットスラング(ネット用語)で、日清食品が “なぞにく” という呼び名を公認したのは2015年4月29日のこと。
実は48年前の発売当初から入っているカップヌードルの中でも最古参の具材で、レストランでは食べられないジャンクな味わいには常習性があり、カップ麺のベテランから若者まで熱狂的なファンが多い「謎肉」。2009年4月20日のリニューアルで新具材「コロ・チャー」が導入された際、まさかの謎肉が全面的に廃止され、ネット上には怒りと不満の口コミが乱立しました。
謎肉の廃止を機に “カップヌードル離れ” するユーザーが増え、もはや「謎肉の乱」と言っても過言ではない状態に陥っていたのですが、2015年4月下旬に実施されたリニューアルで待望の復活。それ以降、謎肉の圧倒的な人気を再認識した日清食品は、「謎肉丼(なぞにくどん)」や「謎肉祭(なぞにくまつり)」「謎肉祭の素」など、特化型の関連商品を意欲的に開発するようになります。
さて、その人気具材「謎肉」を増量して生まれ変わった4年半ぶりのアップデート。ケインコスギさんのシュールな新CMも話題になっていますが、なにもマイナスがないわけではありません。日清食品は、今回のリニューアルを機に「コロ・チャー」を “すべて「謎肉」に置き換える” と前もって発表しており、今度は2009年4月の導入から約10年と6ヶ月かけて馴染んできたコロチャーが全面的に廃止されました。
別のシリーズでは、焼き目の入った「炙りコロチャー」としても登場していた角切りチャーシューのコロチャー。それも無くなってしまうのだろうか——などと危惧していたのですが、2019年10月現在「カップヌードルBIG(ビッグ)」には “ふつうに入っている” ので、まだ完全に絶滅したわけではありません。ただ、それも時間の問題かもしれない‥‥
開封
というわけで、今のところ肉具材が変更されたのは “レギュラーサイズのカップヌードルのみ” という状況。開封すると慣れ親しみのある謎えび(プーバラン)やスクランブルエッグ、ねぎ、そして今回のリニューアルで増量された謎肉が入っていて、しっかりコロチャーはカットされていますが、あいかわらず麺が見えないほどのボリュームが頼もしいカップヌードルの具材。
ちなみに今回の比較対象とするリニューアル前の旧商品は、2019年9月13日に日清食品の「関西工場」(製造所固有記号「S」/ 滋賀県栗東市下鈎21-1)で製造されたもの。対するリニューアル後の新商品は、2019年10月4日に日清食品の「関東工場」(製造所固有記号「A」/ 茨城県取手市清水667-1)で製造されたもので、製造所に違いがあるのですが、販売エリアや製造日によって前後します。
さて、どのくらい謎肉が増えているのか、せっかくなので他にも違いがないか比較するために、旧商品(写真左)と新商品(写真右)の具材を “ネギひとつ残らず全部” 取り出してみました。リニューアル前の謎肉は3個、コロチャーは約6個。総重量の関係でバランスは前後しますが、リニューアル後はコロチャーが消えて謎肉は約10個以上、それ以外ほぼ違いはありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(A)茨城県取手市清水667-1 内容量:78g(めん65g) 商品コード:49698626(JANコード) 商品サイズ:縦96mm×横96mm×高さ107mm 発売日:2019年10月21日(月)リニューアル |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:300ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、チキンエキス、ポークエキス、しょうゆ、ポーク調味料、たん白加水分解物、香辛料)、かやく(味付豚ミンチ、味付卵、味付えび、味付豚肉、ねぎ)、スープ(糖類、粉末しょうゆ、食塩、香辛料、たん白加水分解物、香味調味料、ポーク調味料、メンマパウダー)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、カラメル色素、かんすい、増粘多糖類、カロチノイド色素、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、くん液、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、酸味料、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺重量は引き続き65gで、内容量は77gから78gに上昇。日清食品は2016年12月中旬、各メディアに向けて “3年後(2019年12月)までにカップヌードル1個当たり15%の減塩を目指す” と宣言していましたが、「カップヌードル ソルトオフ」(2019年9月23日発売品)にて公約を達成しているため、むしろ食塩相当量の数値はリニューアル前の4.9gから5.2gに増えているくらい。
全体のカロリーは553kcalから551kcalに減っていますが、調理直後に分別して分析したスープだけのカロリーでいうとリニューアル前の18kcalから24kcalに増えるなど、具材の変更に伴い栄養成分表示の値も微妙に前後しています。ただ、すべて100%同じ商品が製造できるわけではないので、再計測による誤差もあるでしょう。
リニューアル後の天面デザインには、製品情報ではなく調理後の写真が印刷されています。ただ、おそらく2015年4月下旬のリニューアル当時と同じように期間限定パッケージ。調理後の香りはリニューアル後のほうが若干ながらワイルドで、早くも謎肉増量による違いを感じました。それでは、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、旧商品とリニューアル後の違いを判定します。
栄養成分表示:1食(78g)当たり
カロリー:351kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:351kcal(めん・かやく:327kcal)(スープ:24kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
麺の原材料名を比較すると、旧表示「小麦粉、植物油脂、食塩、チキンエキス、ポークエキス、しょうゆ、たん白加水分解物、香辛料」から新表示「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、チキンエキス、ポークエキス、しょうゆ、ポーク調味料、たん白加水分解物、香辛料」に変わっているのですが、ほぼ体感的に大差ありません。微妙に写真で麺の色が違うのは、油揚げ麺の部位による違い(容器の底に位置する部分は色が濃く、フタに近いほうは薄くなるため)。
(リニューアル前の麺)
まず小麦粉の「国内製造」追記について、どちらも主な原産国はオーストラリア、日本、アメリカ、カナダの4カ国。でも “最終加工地” は日本だから「国内製造」と追記されているだけで、小麦そのものが国産小麦100%になったわけではありません。ちなみにリニューアル後の原材料名は、2019年9月に発売された「カップヌードル ビッグ 謎肉祭(四代目)」と同じです。
旧表示から新たに「ポーク調味料」が追加されているのですが、おそらく2020年3月31日に経過措置期間(猶予期間)が終了する新食品表示への対応で、これまでポークエキスに要約していたポーク調味料を追記したのでしょう。関西工場(S)や関東工場(A)の麺と比較して、若干ながら下関工場(B)の麺は細かったりするのですが、とりあえずリニューアル前後の違いはありません。
スープ
スープ(リニューアル後)の原材料名は、「糖類、粉末しょうゆ、食塩、香辛料、たん白加水分解物、香味調味料、ポーク調味料、メンマパウダー」となっており、リニューアル前の原材料名と比較して “ポークエキスがポーク調味料に変わっている” のが目立った違い。それ以外の原材料名は同じで、並びも変わっていません。
おそらく表記の違いは麺と同じ理由かと思いますが、もし変えていたとしてもマイナーチェンジの過ぎない変更で、試しに両商品の具材すべて放り出した状態で調理してみたところ、粉末スープの味は据え置きでした。けれども通常の手順で調理した場合、比較的に上品だったコロチャーがパワフルでジャンクな謎肉に変わっているため、その影響による違いは生じています。
(リニューアル前のスープ)
見た目はリニューアル前のスープと比較して若干ながら彩度が落ち、スープに謎肉のコクが染み渡る倍率も単純計算で3〜4倍なので、以前よりもパワフルに、それこそ10年以上前のコロチャー導入前を想起させるテイスト。このオリジナルスープと比較して、さらに力強さを増しているのが「カップヌードル 謎肉祭」のスープなんですけど、ある意味それとは似て非なる別物。
今回はリニューアル前のスープよりも謎肉のコクがアップしていることに加え、カップヌードルといえばエビの風味やスクランブルエッグの甘みも引き続き100%に近い状態をキープ。もちろんスモークフレーバー(くん液)の芳ばしさやメンマパウダーの素朴のアクセントも踏襲されているので、正直なところスープはリニューアル後のほうが美味しいと感じました。
具材
やや調理前は謎肉の色合いに濃淡が生じていましたが、それぞれ味に大差なく、エビとスクランブルエッグについては量・質ともに変わっていないので、もう単純にコロチャーが減った分だけ謎肉が増えている状態。具材は総重量で計測しているため、エビが多くて謎肉が少ない・スクランブルエッグが多くて——などの差が生じることもありますけど、ざっくり要約すれば “2009年4月20日以前(コロ・チャー導入前)の状態” に戻りました。
原材料名では「味付豚ミンチ」に要約されている “謎肉の材料” は、『豚脂、粒状大豆たん白、豚肉、しょうゆ(小麦・大豆を含む)、玉ねぎ、卵粉、食塩、香辛料(大豆を含む)/ 調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、膨張剤、酸化防止剤(ビタミンE:乳・大豆由来)、くん液』。粒状大豆たん白が数年前に騒がれた「大豆」の正体で、他にも玉ねぎや卵白が練り込まれています。
そして「味付豚ミンチ」とは違う「味付豚肉」も引き続き入っていて、調理後は砕けた謎肉みたいな色になりますが、謎肉でもコロチャーでもない小さな(まれに大きな)豚ひき肉のこと。日清食品の公式ウェブサイトでは “ミンチポーク” という名前で、「カップヌードル カレー」にも使用されている謎肉よりもジャンク度が低い具材です。
ちなみに「謎肉丼(二代目)」の謎肉は40個以上、「謎肉祭(四代目)」の謎肉は35個以上だったので、それほどのインパクトではないけれど、圧倒的に謎肉の存在感はアップしました(関連記事:2018年12月発売「カップヌードル 謎肉丼」、2019年「カップヌードル ビッグ 謎肉祭 四代目」)。
まとめ
粉末スープや麺に大幅な違いはなく、また具材もコロチャーが謎肉に置換されたこと以外は量・質ともに変わっていなかったので、リニューアル前との違いは単純に “コロ・チャーが消えて謎肉が増えた” という認識で大丈夫。私はコロチャーよりも圧倒的に謎肉が好きなので、もはや手放しに好印象でした。
つまり、謎肉派の方にとっては満を持す改良で、コロチャー派の方にとっては改悪かもしれません。ただ、いうなれば「10年以上前の状態に回帰させた」のが今回のリニューアル、勢いを増し続ける謎肉ブームの背景も考慮すると、肯定的な意見が多いのではないかと思います。さて、あとは「カップヌードル ビッグ」で生き残っているコロチャーはどうなるのか——炙りコロチャーの存続についても分かり次第報告します。