どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年4月5日(月)新発売、日清食品のカップ麺「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質」と世界初のカップ麺「カップヌードル」の実食・比較レビューです。
おいしさそのまま “高たんぱく&低糖質” を実現!? 国内年間売上1,000億円を誇るインスタントラーメンのNo.1ブランド「カップヌードル」が自信を持って送り出す “国内初のたんぱく質強化カップ麺” とは——。
おいしい? まずい? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質
カップヌードル(CUPNOODLE)とは、言わずと知れた日清食品が誇る “世界初のカップ麺” で、東京都新宿区の伊勢丹百貨店を皮切りに、1971年(昭和46年)9月18日から販売をスタート。しかし、袋入りインスタントラーメンが30円前後で販売されていた当時、カップヌードルの売り出し価格は正規ルートで100円と高額だったので、販売関係者らの反応は悪く、問屋からの注文が入らない日々が続いたのは知る人ぞ知る話——。
そんな状況を打開するため、当時の日清食品はカップヌードルのリリースから数日後に「カップヌードル営業課」を組織。消防署や警察署、自衛隊、病院など、まずは夜勤の多い特殊ルートに営業をかけ、東京スタジアムや遊園地なども対象に試験販売を行なった結果、最初の大口顧客となったのは自衛隊。続けて1972年(昭和47年)2月に起きた「あさま山荘事件」で機動隊に配られ、生産が追いつかないほどの大ヒットを記録しました。
今回の新商品「カップヌードルPRO(プロ)高たんぱく&低糖質」は、2020年に国内年間売上1,000億円を達成し、今年で発売50周年を迎えるインスタントラーメンのNo.1ブランド「カップヌードル」が自信を持って送り出す機能系カップ麺で、プロテインを表す “プロ” と上位モデルに冠される “Pro” が商品名の由来。
定評のある “いつものおいしさ” はそのままに、たんぱく質を15g配合するだけでなく、新製法「低糖質三層フライ製法」によって糖質50%OFFを実現。さらに「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質」には “たんぱく質を1.8倍に強化” した「ハイプロテイン謎肉」を使用ということで、そちらの仕上がりも気になるところ。
たとえば通常の「カップヌードル」と比較して30%の減塩を実現した「カップヌードル ソルトオフ」(事実上「カップヌードル ライト」の後身にあたる商品)に、脂質50%オフ&糖質40%オフ&カロリー約半分の新・意識高い系「カップヌードル コッテリーナイス 濃厚!ポークしょうゆ」及び「同 クリーミーシーフード」など、以前から健康に配慮した商品を展開しているカップヌードル。
その歴史を振り返ってみても、高たんぱく&低糖質を売りにした機能系カップヌードルは過去に例を見ない試みで、日清食品が公表しているニュースリリースにも “国内初のたんぱく質強化カップ麺です” と記載。時代の変化に応じて「挑戦」と「進化」を続ける「カップヌードル」の新コンセプト商品ということで、実に注目度の高い新作となっているのですが、満を持す「カップヌードルPRO」が一般販売される1週間前の話——。
日清食品と並ぶ国内即席麺事業の中核事業会社であり、現在は日清食品グループ傘下の明星食品が「おいしいたんぱく 鶏白湯ラーメン」というファミリーマート限定のPBカップ麺を2021年3月30日に発売しているため、実は “カップヌードルPROよりも早く「たんぱく質強化カップ麺」をリリースしていた” 明星食品とファミリーマート。
しかし、日清食品の「カップヌードルPRO」は “2021年3月24日に自社グループの公式オンラインストアで特別先行販売を実施していた” ので、やはりコチラが「国内初のたんぱく質強化カップ麺」なのか‥‥などと思いつつ、なんにせよ「たんぱく質」が即席カップめん市場でも注目され始めたことを意味しているのは間違いありません。
開封
さて、2021年4月9日現在、まだ「おいしいたんぱく 鶏白湯ラーメン」はレビュー前なので、その詳細については触れませんが、ひとまず通常の「カップヌードル」と「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質」は何が違うのかを比較し、ほんとうに “いつものおいしさそのまま” なのか、違いや共通点を解説していきます。
どちらの具材も「味付豚ミンチ(謎肉)」「味付卵(スクランブルエッグ)」「味付えび(プーバラン)」「味付豚肉(ミンチポーク)」「ねぎ」ということで、調理前の様子は一見すると同じような雰囲気ですが、ハイプロテイン謎肉は通常の謎肉と比較して色が薄く、ややメンマパウダーの香りも弱めに感じる開封直後。ちなみに各具材の数量は、個体差によって大幅に変動するため、その差については触れません。
なおメーカー希望小売価格にも違いがあり、通常の「カップヌードル」は193円(税別)に設定されているところ、高たんぱく&低糖質を売りにしている新作「カップヌードルPRO」の値段は206円(税別)と若干ながら高めの設定。内容量も「カップヌードル 78g(めん65g)」「カップヌードルPRO 74g(めん60g)」と差が生じているため、ここにはコスト的な調整が見られます。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質 製造者:日清食品株式会社 製造所:B・下関工場(山口県下関市小月小島1-1-12) 内容量:74g(めん60g) 商品コード:4902105263600(JAN) |
発売日:2021年04月05日(月)※一般販売開始 実食日:2021年04月09日(金) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:公式ネット通販サイト(日清食品グループ オンラインストア) 商品購入価格:222円(税込) 希望小売価格:206円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:310ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、植物性たん白、食塩、サイリウム種皮粉末、チキンエキス、しょうゆ、ポークエキス、香辛料、ポーク調味料、チキン調味料、たん白加水分解物、卵粉)、スープ(コラーゲンペプチド、豚脂、粉末しょうゆ、食塩、糖類、香辛料、たん白加水分解物、香味調味料、ポーク調味料、メンマパウダー)、かやく(味付豚ミンチ、味付卵、味付えび、ねぎ、味付豚肉)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、増粘剤(増粘多糖類、アルギン酸エステル)、かんすい、炭酸Ca、カラメル色素、環状オリゴ糖、pH調整剤、乳化剤、焼成Ca、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、チャ抽出物、ビタミンB2、シリコーン、くん液、ビタミンB1、酸味料、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
【カップヌードル】栄養成分表示:カロリー 351kcal(めん・かやく 327kcal / スープ 24kcal)、たんぱく質 10.5g、脂質 14.6g、炭水化物 44.5g、食塩相当量 4.9g(めん・かやく 2.4g / スープ 2.5g)、ビタミンB1 0.19mg、ビタミンB2 0.32mg、カルシウム 105mg |
まずは通常の「カップヌードル」調理直後、あいかわらず具材で麺が見えないほどのボリュームが頼もしく、これぞカップヌードルの魅力といえるポイント。通常商品の熱量は351kcal(キロカロリー)ということで、ちょっとダイエット中には気になる数値になりますが、おおむね通常サイズのカップラーメンとしては基準となる値であり、たんぱく質の量も10.5gと極端に少ないわけではありません。
【カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質】栄養成分表示:カロリー 274kcal(めん・かやく 236kcal / スープ 38kcal)、たんぱく質 15.2g、脂質 16.8g、炭水化物 35.4g(糖質 15.3g / 食物繊維 20.1g)、食塩相当量 4.8g(めん・かやく 2.1g / スープ 2.7g)、ビタミンB1 0.22mg、ビタミンB2 0.40mg、カルシウム 105mg |
対する「カップヌードルPRO」の調理直後、こちらも具材で麺が見えないほどのボリューム感を実現しているため、パッと見の違いは謎肉のサイズと色くらい。ただ、全体の熱量は274kcalということで、通常商品対比22%オフ。たんぱく質の量は15.2gなので、こちらについては1.5倍。また食物繊維の量も糖質を上回っているため、そこも嬉しいポイントになりますが、脂質の量は通常商品よりも若干ながら高めの値。
先ほど内容量は微妙に違うと触れましたが、食塩相当量の数値は誤差の範囲に過ぎないため、減塩に関する措置はありません。ただ、それについては「ソルトオフ」の管轄ですし、今回の大切なポイントは “高たんぱく&低糖質でも違和感なく美味しいのか” どうか——。というわけで、引き続き通常商品との違いに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、最後の総評は「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質」の感想に基づきます。 |
めん
食物繊維を加えることで糖質オフ
通常の「カップヌードル」に使われている麺は、ブランドの基準となる熱湯3分の油揚げ麺で、サイズは約2mm幅、形状は平打ち。食べ始めは適度にコシのある弾力が楽しめる反面、伸びるのが早く、あっという間に頼りない食感になりますが、その儚さも「カップヌードル」の魅力。なおレギュラーサイズにおける他のフレーバーは麺重量60gを標準としているのに対し、王道の「カップヌードル」だけは麺重量65gと多めになっています。
対する「カップヌードルPRO」に使われている麺も油で揚げたフライ麺ですが、オリジナルには含まれない「植物性たん白」や「サイリウム種皮粉末」で糖質を抑え、なおかつ「卵粉」も使用。さらにポークエキスやチキンエキスに「ポーク調味料」と「チキン調味料」を重ねているのもポイントで、やや低糖質麺特有のクセを感じますが、ほぼほぼネガティブな印象はありません。
すこし中心部に独特の芯を残すところに差を感じますが、低糖質麺だから “味気ない” とか “違和感すごい” みたいな印象はなく、これで糖質50%オフなら結果オーライ。ちなみに「カップヌードルPRO」専用の「低糖質三層フライ製法」とは “内層に食物繊維を練り込む三層麺製法に、油で揚げて乾燥する工程を組み合わせることで、糖質をカットしながらも、フライ麺のクセになる香ばしさを実現した新製法” だそうです。ふむふむ。
スープ
いつものスープよりペッパー系のアクセントが強め
いまさら筆者が語るのも烏滸(おこ)がましいくらい、すでに確固たる市民権を得ているテイストなので、逆に書くことがなかったりもするのですが‥‥w ひとまず粉末スープの味付けは、日本の伝統的な調味料である醤油がベース。けれども世界各国で愛されているように、どこか洋風な印象も並行する味付けから、このブログでは “洋風しょうゆ味” と形容することが多く、メンマパウダーのアクセントも効果的。
また「謎肉祭(なぞにくまつり)」などの変わり種で顕著に感じられるのですが、具材の謎肉はもちろん、スクランブルエッグや謎海老(プーバラン)から滲み出る旨味、さらに油揚げ麺の風味も重要で、それらが熱湯3分で渾然一体となり、おなじみの「オリジナルスープ」を構成します。
対する「カップヌードルPRO」のスープも “洋風しょうゆ味” を踏襲しているのですが、体感的に大きく違うのはスパイス(胡椒)の強さ。加えてオリジナルのスープよりも表面の油分が多いように、豚脂を使用しているのもポイントで、オリジナルには含まれないコラーゲンペプチドが「たんぱく質」を強化。
後述する謎肉の種類が違うため、旨味やコクについてはオリジナルに軍配‥‥と、言いたくなるところもありますが、それを香辛料のパンチで補っているようなフレームワーク。やや力業ではあるけれど、健康に配慮した商品だからといって薄味の印象はなく、むしろ本家より濃いめに仕上がっていました。
具材
ハイプロテイン謎肉というパワーワードw
ファンの間では謎肉(なぞにく)の愛称で親しまれているダイスミンチ(味付豚ミンチ)を筆頭に、ほんのり甘いスクランブルエッグ、風味豊かな味付エビ、シャキッとした歯触りがアクセントに効果的なネギ、援護射撃的ながらも旨みの増幅効果に一役買っている味付豚肉(ミンチポーク)と蛇足的な要素は皆無に等しく、これ以外の具材では成立しない、そう思える完璧なラインナップ。
ただ、前述のようにカップヌードルの具材は個体差が激しいため、やたら謎肉の量が多かったり、やたらエビの量が多かったり、逆にエビが2尾しか入っていないなど、具材のバランスでスープの味が変わることも珍しくないのですが、その “ブレ” も「カップヌードル」における魅力的なポイントの一つ。
体感的に「カップヌードルPRO」のスクランブルエッグ、味付エビ、味付豚肉、ネギは本家と共通で、しかしながら明確に違うのは “ハイプロテイン謎肉” を謳う新具材。パッケージには “いつもの謎肉よりもたんぱく質をたくさん含んだ高たんぱくな謎肉です。いつもよりもさらに肉肉しい味わいをお楽しみください” とありますが、ぶっちゃけ肉肉しさについてはオリジナルのほうが上。
イメージとしては “いつもの謎肉をベースに大豆たん白を増やしたような具材” だったので、ちょっとモサモサしているというか、ジューシー感が控えめというか、うん。とはいえ別にマズいわけではないですし、高たんぱく&低糖質というコンセプトを考慮すれば納得できる仕上がりで、ちょっとヘルシーな謎肉みたいな。そのため通常の謎肉はジャンクすぎて苦手‥‥という方にとっては、むしろ嬉しい変化になると思います。
総評
まず “高たんぱく&低糖質” だからといって薄味の印象は皆無に等しく、むしろオリジナルよりも強めの香辛料が功を奏し、そこそこパンチのある味に仕上がっていたのですが、既存の商品に脂質50%オフ・糖質40%オフ・カロリー約半分なのにコッテリな味わいを実現した「コッテリーナイス」が存在するため、もうすこし個性的な要素が欲しかったなと。
また考えようによっては “いつものカップヌードルに近い味わいで付加価値も欲しい” という、あまりカップ麺で冒険したくない方にとっては朗報に思える反面、たんぱく質を余すことなく摂取するにはスープまで全部飲み干さないといけないのも玉に瑕。とはいえ漠然とたんぱく質が多そうな「ハイプロテイン謎肉」は面白く、糖質50%オフを実現した麺の機能性は評価できるポイントなので、あとは売り上げ(需要)次第といったところでしょうか。(author・taka :a)