どうも、taka :a（@honjitsunoippai）です。
本日の一杯は、2023年3月20日（月）新発売、日清食品のカップ麺「カップヌードル 塩分控えめPRO 1日分のカルシウム＆ビタミンD カレー」の実食レビューです。
日清独自の “ちゃんとしょっぱい！ 塩分控えめPRO製法” で塩分30％カットを実現した「カップヌードルPRO」の新作と本家「カップヌードル カレー」を比較してみた結果‥‥
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードル 塩分控えめPRO 1日分のカルシウム＆ビタミンD カレー
カップヌードル（CUPNOODLE）とは、1971年（昭和46年）9月18日の発売以来、即席カップめん市場で圧倒的な占有率を誇る日清食品のロングセラーで、言わずと知れた世界初のカップ麺。日本国内でのマーケットシェアはもちろん、今では世界100ヶ国に「CUPNOODLES」の名称で流通している、真のグローバルブランドとしての地位を確立しました。
今回の新商品「カップヌードル 塩分控えめPRO 1日分のカルシウム＆ビタミンD カレー」は、日清食品が新たに開発した減塩技術「ちゃんとしょっぱい！ 塩分控えめPRO製法」により、不動の人気を誇る「カップヌードル カレー」の味わいは据え置いたまま、塩分30％カットを実現した “機能系カップめん” で、さらに1日分のカルシウム＆ビタミンDと食物繊維を配合した「PRO」シリーズの最新作。
カップヌードルの人気ランキングにおいて1、2位に君臨するフレーバーといえば、いつの時代もオリジナルの「カップヌードル」と「シーフードヌードル」が鎬（しのぎ）を削り合っている場面が多く、3位のポジションには常に「カレー」が（それも涼しげな顔で悠々と）鎮座しているイメージが強かったりすのですが、現存するバリエーションの中で2番目に古いのはカレー味。
前述の1971年（昭和46年）9月18日に「カップヌードル」が登場し、翌年12月に発売された「カップヌードル 天そば」は廃盤になりましたが、1973年（昭和48年）5月にデビューを飾った「カップヌードル カレー」は御年50歳を目前にしてバリバリの現役選手。家庭的なスパイスの配合と濃厚なテイストが多くの支持を集め、根強いファンを抱えるロングセラー商品としての地位を確立しています。
そんな「カップヌードル カレー」の味わいはそのままに、塩分30％カットを実現ということで、その通りであれば実に嬉しい展開なのですが、ひとつ前のページでレビューした同時発売品「カップヌードル 塩分控えめPRO 1日分のカルシウム＆ビタミンD」は厳し目に見るとイマイチといわざるを得ず、このブログでの評価は伸び悩んだばかり。
日清食品が公表している “塩味を強める弊社独自の特許技術と、塩味を強める際に出てくるエグみを感じにくくする技術により、おいしさと減塩を両立させた新製法” という「ちゃんとしょっぱい！ 塩分控えめPRO製法」の説明文とは裏腹に、体感的な塩気は栄養成分表示の数値通りに控えめで、通常の「カップヌードル」よりも圧倒的に販売価格が高かったことも評価が伸び悩んだ理由の一つ。
また「カップヌードルPRO」のシリーズ名は、当初 “プロテインを表す「プロ」と上位モデルに冠される「Pro」という2つの意味を持たせ” というコンセプトが由来となっており、第1弾の「高たんぱく＆低糖質」は国内初のたんぱく質強化カップ麺としてデビューを飾ったのですが、新作の「塩分控えめPRO」は2品とも “たんぱく質は強化していません” とのこと。
詳しくは後述しますけど、食物繊維の含有量も既存の「カップヌードルPRO 高たんぱく＆低糖質 / シーフードヌードル / チリトマトヌードル」よりも圧倒的に少なくなっているので、付加価値は1日分のカルシウム＆ビタミンDと塩分30％オフのみ。ただ、スパイスといえば減塩の物足りなさを払拭してくれるアイテムとしても有名なので、実食前の懸念を見事に裏切ってくれるといいのですが、はたして——。
開封
上記画像の向かって左が「カップヌードル カレー」で、右が「カップヌードル 塩分控えめPRO 1日分のカルシウム＆ビタミンD カレー」（以下「塩分控えめPRO」と記載）なのですが、多めのポテトを筆頭に、具材のボリューム感についての物足りなさは感じません。ただ、スープの素が見た感じ半分以上も少ないので、そこが不安なポイント。
麺は油で揚げたフライ麺で、日清食品が公開している「塩分控えめPRO」のニュースリリースには “1日分のカルシウムとビタミンD、たっぷりの食物繊維を練り込み、塩分をカットしました。” と記載されているのですが、既存の「高たんぱく＆低糖質」には平均20g以上の食物繊維が配合されているのに対し、こちらは7.8gと半分以下。たっぷりを謳っているわりに少なく感じますけど、いかがでしょう。
それと前述した販売価格の高さも見逃せないポイントで、通常の「カップヌードル カレー」におけるメーカー希望小売価格は214円（税別）なのに対し、新作の「塩分控えめPRO」は230円（税別）に設定されています。ちなみに私の購入した店舗での販売価格を例に挙げると、カップヌードルは税込149円、塩分控えめPROは税込192円だったので、43円もの価格差が生じていました。
製品詳細情報・購入価格等
| 製品名：カップヌードル 塩分控えめPRO 1日分のカルシウム＆ビタミンD カレー 製造者：日清食品株式会社 製造所：下関工場（山口県下関市小月小島1-1-12） 内容量：86g（めん60g） 商品コード：4902105278826（JAN） |
| 発売日：2023年03月20日（月） 実食日：2023年03月25日（土） 発売地域：全国 取得店舗：スーパー 小売価格：230円（税別） 購入価格：192円（税込） |
| 麺の種類：油揚げ麺 スタイル：縦型レギュラー 容器材質：紙 湯量目安：300ml 調理時間：熱湯3分 小袋構成：別添なし |
原材料名とアレルギー表示
| 【原材料名】油揚げめん（小麦粉（国内製造）、植物油脂、食塩、植物性たん白、糖類、しょうゆ、デキストリン、チキンエキス、ポークエキス、香味調味料、サイリウム種皮粉末、ポーク調味料、香辛料、チキン調味料）、スープ（豚脂、カレー粉、たまねぎ、小麦粉、でん粉、糖類、オニオンパウダー、香味調味料、マーガリン、ポーク調味料、粉末しょうゆ、たん白加水分解物、プロセスチーズ、にんじん、脱脂粉乳、香辛料、オニオン調味料、粉末ソース、トマトパウダー、酵母エキス、卵粉）、かやく（フライドポテト、味付豚ミンチ、味付豚肉、ねぎ、にんじん）/ 加工でん粉、調味料（アミノ酸等）、炭酸Ca、乳化剤、増粘剤（増粘多糖類、アルギン酸エステル）、香料、カラメル色素、かんすい、塩化Mg、pH調整剤、環状オリゴ糖、カロチノイド色素、酸化防止剤（ビタミンE）、ビタミンD、香辛料抽出物、酸味料、くん液、ビタミンB2、ビタミンB1、（一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む） |
実食開始
| 栄養成分表示［1食（87g）あたり］カロリー 422kcal（めん・かやく 363kcal / スープ 59kcal）、たんぱく質 9.0g、脂質 20.4g、炭水化物 50.6g、食塩相当量 4.4g（めん・かやく 2.2g / スープ 2.2g）、ビタミンB1 0.21mg、ビタミンB2 0.20mg、カルシウム 108mg（製造所：関西工場） |
さて、まずは「カップヌードル カレー」の調理直後。オリジナルの「カップヌードル」にも通じるところになるのですが、香りを嗅いだ瞬間に「カップヌードル カレー」と判断できるくらい、例のスパイシーかつマイルドな芳香が脳に突き抜けます。具材も大きなフライドポテトを中心に、まったくもって物足りなさを与えません。
| 栄養成分表示［1食（86g）あたり］カロリー 384kcal（めん・かやく 332kcal / スープ 52kcal）、たんぱく質 9.8g、脂質 18.6g、炭水化物 50.8g（糖質：43.0g / 食物繊維：7.8g）、食塩相当量 2.8g（めん・かやく 1.4g / スープ 1.4g）、ビタミンB1 0.19mg、ビタミンB2 0.24mg、カルシウム 733mg、ビタミンD：6.9μg |
片や「塩分控えめPRO」も多めのフライドポテトを筆頭に、なぜかニンジンは気持ち程度にしか入っていなかったのですが、おかげで謎肉の数に関しては本家「カップヌードル カレー」よりも多かったので、なんとなく得した気分。ただ、麺の吸水スピードが尋常じゃないほど早くってw なんか混ぜ麺みたいになっちゃいました。
ちなみにスープの素は「塩分控えめPRO」のほうが少ないと前述しましたが、調理前に容器から取り出してみたところ、塩分そのまま「カップヌードル カレー」と大差なかったので、どちらも調理の際は溶け残りに注意してください。それでは、引き続き「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
| ※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
| 油揚げめん（小麦粉（国内製造）、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、ポークエキス、チキンエキス、たん白加水分解物） |
「塩分控えめPRO」のほうが薄い
オリジナルの「カップヌードル」に使われる油揚げ麺は、同ブランドでの標準となる約2mm幅に切り出されているのに対し、スープの味が濃いめの「カップヌードル カレー」には約3mm幅の太麺を合わせているため、いくつかあるテンプレの中でも強い自己主張の持ち主。たった1mmの差に思えるかもしれませんが、口当たりや食感の違いは意識すると歴然です。
| 油揚げめん（小麦粉（国内製造）、植物油脂、食塩、植物性たん白、糖類、しょうゆ、デキストリン、チキンエキス、ポークエキス、香味調味料、サイリウム種皮粉末、ポーク調味料、香辛料、チキン調味料） |
同じく「塩分控えめPRO」の油揚げ麺も比較的に幅のある形状となっているのですが、本家よりも明らかに厚みがないため、ぺらぺらとした口当たり。さらに「植物性たん白」や「サイリウム種皮粉末」を配合しているので、そこも大きな違いになります。ただ、繊維質の強化と引き換えに小麦の含有量が減っているため、伸びやすいのが玉に瑕‥‥いや、今回の場合はプラスに捉えるべきですね。
あまりにもスープが少ないのは撮影していたからかも‥‥と、あらためて作り直してみたのですが、けっきょく混ぜ麺みたいになったので、減塩ならではの頼りなさを払拭するために、そういう仕様を狙ったのかもしれません。麺単体としての存在感は圧倒的に「塩分控えめPRO」のほうが弱く、それが功を奏し、スープの濃度を引き立てくれていたので、結果的な食べ応えに大きな差は感じませんでした。
スープ
| スープ（豚脂、カレー粉、小麦粉、カレー調味料、玉ねぎ、でん粉、香味調味料、糖類、マーガリン、食塩、人参、ピーナッツバター、香辛料） |
満足度は遜色なし
いまさら「カップヌードル カレー」の味わいを解説する必要はないと思いますが、周知の通り辛さは控えめで、とろみの強さも不自然に思わせないくらい、とにかくマイルドかつ濃厚なテイスト。また容器の底に沈みがちな刻み玉ねぎもバイプレイヤーで、そのシャキシャキした歯触りとフレッシュな風味が濃いめの味わいでも最後まで飽きさせないアクセントになり、製品の魅力に寄与しています。
| スープ（豚脂、カレー粉、たまねぎ、小麦粉、でん粉、糖類、オニオンパウダー、香味調味料、マーガリン、ポーク調味料、粉末しょうゆ、たん白加水分解物、プロセスチーズ、にんじん、脱脂粉乳、香辛料、オニオン調味料、粉末ソース、トマトパウダー、酵母エキス、卵粉） |
片や「塩分控えめPRO」のスープなんですけど、想像以上に濃いめの味わいで、それこそ本家の「カップヌードル カレー」に遜色ないくらい。スパイスの使い方やスモークフレーバー（くん液）による焦がした感じの芳ばしさなど、味についても「カップヌードル カレー」に勝るとも劣らない仕上がり完成度の高さにビックリです。
それだけスープが少なかったら濃くなるだろw というツッコミは全力で受け入れますが、スープを飲み干しても（というか麺を食べてると勝手に無くなる感じなんですけど）摂取する食塩相当量は2.8gと控えめで、それなのに “カレーは飲み物” 的な背徳感が楽しめます。もちろん刻み玉ねぎのアクセントも健在と、いい意味で予想を裏切られました。
かやく
| かやく（フライドポテト、味付豚ミンチ、味付豚肉、人参、ねぎ） |
ちょっと人参が少ないけど満足感は充分
「カップヌードル カレー」と「塩分控えめPRO」に搭載されている具材は完全に同じ内容で、食べ応えのあるフライドポテトはゴロゴロと多く、謎肉（なぞにく）こと味付豚ミンチもジャンクな味わいが魅力的。味付豚肉（ミンチポーク）の量は若干「塩分控えめPRO」のほうが少なめに感じたのですが、ふと口に飛び込んできた際の存在感は凄まじく、ワイルドさの底上げに大きく寄与。
| かやく（フライドポテト、味付豚ミンチ、味付豚肉、ねぎ、にんじん） |
ただ、よく見ると原材料名の「人参（にんじん）」と「ねぎ」が逆になっている、つまり「塩分控えめPRO」のほうが人参の占める割合が少ないことを意味しているため、あきらかに人参が少なかったのは個体差である可能性もありますけど、そもそもの仕様なのかもしれません。
総評
ひとつ前のページでレビューした「カップヌードル 塩分控えめPRO 1日分のカルシウム＆ビタミンD」の印象がネガティブだったので、あまり期待していなかった（実食前のハードルが低かった）ことは認めます。しかし、塩分そのまま「カップヌードル カレー」と真横に並べても遜色ない味わいで、ぺらぺらと頼りない食感の麺もエモい感じだったし、想像していた以上に高い満足感が得られました。
メーカー希望小売価格に基づいた各店の販売価格も無視できないため、総評は迷ったのですが、減塩だけがコンセプトなら★4。しかしながら1日分のカルシウムとビタミンDの付加価値を考慮して、値段相応の価値が見出せる良品だと判断しました。高たんぱく＆低糖質のコンセプトからは外れますけど、塩分が気になっているのであれば、選択肢の一つに加えてください【author・taka :a（大石敬之）】
