どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年8月7日(月)新発売、日清食品のカップ麺「カップヌードル イタリアンシーフード ビッグ」の実食レビューです。
あの “ペスカトーレ風シーフードヌードル” を公式が再現!? ガーリックの芳ばしさとトマトの酸味が食欲を掻き立てる夏の新フレーバー登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードルBIG イタリアンシーフード
カップヌードル(CUPNOODLE)とは、1971年(昭和46年)9月18日の発売以来、即席カップめん市場で圧倒的な占有率を誇る日清食品のロングセラーで、発売50年目に世界累計販売500億食を突破。日本でのマーケットシェアはもちろん、今や世界100ヶ国で販売される規模にまで成長し、国際的なブランドとしての地位を確立しました。
今回の新商品「カップヌードル イタリアンシーフード ビッグ」は、1984年(昭和59年)7月23日の発売以来、現在も熱狂的なファンが多いことで知られる「カップヌードル シーフードヌードル」をベースにした新フレーバーで、開発の決め手となったのはSNSで話題の「温めたトマトジュースで『シーフードヌードル』を作るとおいしい」という口コミ。
ポークと魚介の旨みを効かせた「カップヌードル シーフードヌードル」のスープに、フライドガーリックの芳ばしさとトマトの酸味・甘みを加えた “コクうま” な味わいが特徴ということで、いつもと違う変わり種でありながら、手堅く美味しそうな雰囲気を漂わせています。ただ、ひとつ実食の前に触れておきたいのが「温めたトマトジュースで『シーフードヌードル』を作る」アレンジの元ネタについて。
日清食品のニュースリリースには “SNS上の-・という口コミに着目” と記載されていますけど、温めたトマトジュースで「シーフードヌードル」を作るアレンジレシピは、フジテレビ系列の番組『有吉弘行のダレトク!? 〜登山グルメ / 大自然で食べたいヤバい料理!アウトドア・BBQグルメ』(2017年5月2日 22:00〜22:54 放送分)で紹介された「ペスカトーレ風シーフードヌードル」が震源地。
そのレシピは個人サイトやクックパッド(cookpad)のほか、コープシェフ(coop chef)をはじめとする企業サイトにも掲載されており、たとえばニンニクを炒めて本格さを高めるとか、オリーブオイルを回しかけるとか、とけるチーズを追加するとか、応用版のレシピも出回っていますけど、基本は熱湯の代わりに熱々のトマトジュースを注ぎ、チューブのニンニクを5〜6cmほど加えるだけ。
筆者も以前に試してみたところ、トマトジュース100%で作ったら “粘度が高すぎて容器の底まで浸透しなかった” のでw たとえばトマトジュースと水を半々にブレンドしてから沸かすなど、すこし工夫は必要でしたが、えっと‥‥めっちゃ濃厚で美味しかったと記憶しています(※レビュアーとしてあるまじき語彙力)。
結果的にネット上でも話題になったので、日清食品のニュースリリースにある “SNS上の-・” という表現も的外れではないんですけど、それはさておきネットで話題のレシピをモデルにした「カップヌードル」といえば、2007年(平成15年)11月12日の発売以来、冬の風物詩として愛されている元祖 “ねとめし” こと「ミルクシーフードヌードル」(現「北海道濃厚ミルクシーフー道ヌードル」)が代表格。
「イタリアンシーフード」のパッケージには、2023年7月17日発売の「レッドシーフードヌードル」と同じ “夏はシーフード!” のアイコンをデザインしているため、ひとまず夏季限定であることは確実。はたして今後は夏の風物詩となり得る実力の持ち主なのか、それとも一発屋に終わってしまうのか、お手並み拝見と参りましょう。
開封
今回のカップ麺に小袋は別添されていないため、お湯を注ぐだけで食べられる簡便性の高さについてはもちろん、プラスチック原料の削減にも繋がっている、というのは『Transforming our world:the 2030 Agenda for Sustainable Development(我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ)』を目指すSDGs(持続可能な開発目標)の観点からも評価できるポイント。
そう、2015年9月25日の国連総会(第70回)で採択された成果文書の正式名称は、17の目標と169のターゲットで構成されている「Sustainable Development Goals(サスティナブル・ディベロップメント・ゴールズ)」ではないんですけど、閑話休題——。かやくは、キャベツ、イカ、トマト、スクランブルエッグの組み合わせで、オリジナルの「シーフードヌードル」とは異なるラインナップ。
メーカー希望小売価格は271円(税別)なので、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は292.68円になりますが、スーパーマーケットやドラッグストアなど、販売店はコンビニ限定ではありません。ひとまず夏だけの変わり種なので、取扱店によっては売れ残りが出ないように「カップヌードル シーフードヌードル ビッグ」よりも安く販売されていると思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル イタリアンシーフード ビッグ 製造者:日清食品株式会社 製造所:関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1) 内容量:98g(めん80g) 商品コード:4902105281291(JAN) |
発売日:2023年08月07日(月) 実食日:2023年08月08日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 小売価格:271円(税別) 購入価格:292円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料、香味調味料)、スープ(ポーク調味料、香辛料(にんにく、胡椒、しょうが)、糖類、豚脂、食塩、トマトパウダー、チキン調味料、粉末しょうゆ、乳等を主要原料とする食品、あさり調味料、野菜調味油)、かやく(キャベツ、いか、トマト加工品、味付卵)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸Ca、かんすい、酸味料、増粘多糖類、カロチノイド色素、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、炭酸Mg、乳化剤、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は標準の3分。このブランドに使われるフライ麺にはスープごとに複数のモデルが存在するのですが、今回は「カップヌードル シーフードヌードル」が題材なので、おそらく同じ麺とみて間違いないでしょう(※詳しくは後述します)。
前述のように小袋は別添されていないため、フタを半分まで剥がし、トマトジュースではなく熱湯を注いで待つこと3分。時間になったらフタを開け、かるく混ぜ合わせたら出来上がり。なるほど香りの土台は「シーフードヌードル」なのですが、そこに「チリトマトヌードル」と「ニンニク」を足して割ったような雰囲気。
トマトとニンニクはイタリア料理でも定番の素材ですし、そこにシーフードで漠然と地中海っぽいというか、うん(※典型的なイメージ)。というわけで、引き続き「シーフードヌードル」の魅力とイタリアンの共鳴に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(98g)あたり |
カロリー:458kcal たん白質:10.8g 脂 質:20.3g 炭水化物:58.1g 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:2.6g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.96mg ビタミンB2:0.36mg カルシウム:123mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:458kcal(めん・かやく:380kcal)(スープ:78kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
体感的には「シーフードヌードル」と同じ麺
たとえば「カレー」「チリトマトヌードル」「味噌」など、スープの味が濃いめのカップヌードルには約3mm幅の太麺を合わせるのに対し、それ以外のフレーバーには基本的に約2mm幅の麺を合わせているのが特徴で、数年前の「シーフードヌードル」には約1.8mm幅の細麺を採用していたのですが、現在は約2mm幅に統一されています。
今回の原材料名は「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料、香味調味料」なので、小麦粉から香辛料までは「シーフードヌードル」と完全に一致しますが、そこに “香味調味料” を追記しているのがポイント。ただ、おそらく食品表示法の問題で、使っている麺は完全に同じ、あるいは厳密にいうと微妙に違ったとしても、体感的に大きな差はありません。
たとえばトマトジュースで「シーフードヌードル」を作った場合、通常の調理よりもスープの粘度が高くなるため、だいぶ麺が押され気味になりますけど、今回は製造元の公式アレンジ。後述するスープのテクスチャーがサラッとしていたので、約2mm幅の麺がピッタリとハマっていました。それだけに特別感はないけれど、約3mm幅の太麺を合わせていたらチグハグだったでしょうね、きっと。
スープ
優等生にアレンジ
動物系はポークの旨みをベースに、そっとチキンが脇を固め、アクセントの生姜、アサリの滋味、まったりと広がるコク、野菜調味油の隠し味など、もちろん魚介感も含めて本家「シーフードヌードル」の流れを汲んでいることは明確に伝わってくるのですが、けっこうニンニクの主張が強く、トマトの酸味と甘みで個性を表現。でも、ちゃんと「シーフードヌードル」なんですよね。
このブランドにおける夏のシーフードといえば「レッドシーフードヌードル」が台頭ですけど、それよりも「シーフードヌードル」らしい面影が濃厚で、しかしながら異国情緒あふれる味わい。元ネタになったトマトジュースとは異なるベクトルを歩んではいるものの、トマトの存在感については申し分なく、ニンニクはフライドガーリックで調理感を底上げするなど、丁寧な気配りを感じました。
かやく
ここも優等生
キャベツ、イカ、スクランブルエッグは「シーフードヌードル」と共通で、トマトキューブは「チリトマトヌードル」にも入っている具材。後者はトマトパウダーとは違う、フレッシュで濃厚なトマト感の演出に長けたアイテムで、ふんわり甘いスクランブルエッグもスープにマッチ。ただ、スープとの関係かイカは少し生臭さが気になったので、気になる人は気になるかも。
ひとまずキャベツの量が功を奏し、ボリューム感について特に不満を覚えることはなかったものの、たとえば過去にリリースしていた「イタリアントマト」(2019年6月10日発売品)の「バジル香る特製MIXハーブ」だったり、もうちょい遡ると「イタリアンチリチマト味」(2018年8月6日発売品)の「バジル謎肉」だったり、ひとつインパクトの強いアイテムが欲しかったなー、というのも本音。
総評
馴染み深い麺は「シーフードヌードル」と共通の(あるいは違ったとしても、きわめて近い)配合で、スープも「シーフードヌードル」の面影が強く、しかしながら「トマト」と「ニンニク」を絶妙なバランスでブレンドすることで変わり種ならではの個性を表現した——なんですけど、絶妙なバランスを追求したあまり、よくも悪くも優等生な印象が無きにしも非ず。ええ、もちろん “おいしい” ですよ。
ただ、夏の定番「レッドシーフードヌードル」に勝てるほどのインパクトはなかったので、及第点が妥当と判断しました。つまり、本体が規則正しく丁寧な分、ペースト状のバジルや生おろしニンニク、とろけるチーズなんかを足したらエグいことになると思うので、いくつか購入を検討している方はアレンジにもチャレンジしてみてください【author・taka :a(大石敬之)】