即席めん市場における新商品のリリースは、年間およそ1,000アイテム以上とされ、なかでも回転が早い即席カップめん類のフレーバーは「しょうゆ」「みそ」「とんこつ」「しお」を筆頭に、さらに細分化すると「二郎インスパイア」「激辛」「淡麗」「コスパ重視」「高級志向」「白湯」「清湯」など、さまざまな引き出しが存在するのですが、大きく見ると棚は「汁あり」か「汁なし」の2つに分かれます。
このページでは、2022年(令和4年)1月〜12月に発売された商品の中で、実際にブログで評価した汁なしカップ麺(焼きそば・まぜそば・油そば等)を厳選し、ランキング形式でTOP5を紹介します。年間1000食以上のカップ麺を実食した筆者(@honjitsunoippai)の独断と偏見に基づいたランキングなので、個人的な嗜好及び主観的な考えも含みますが、よろしければ最後までお付き合いください。
カップ麺ランキング 汁なし篇 2022ver.
ランキングの発表前に、いくつかのルールを記載しておきます。まずは “汁なしカップ麺” の定義について、たとえば「日清焼そばU.F.O.」や「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」「ペヤング ソースやきそば」など、いわゆる湯切り口が付いた商品は基本的に該当するのですが、湯切りしてから再び熱湯を注がなければいけない「最高に面倒で、最高にうまいラーメン。家系豚骨醤油」はカウントしません。
でもって際どいのが「湯切ってお湯足し!とろっとあんかけ 蝋燭屋監修シビレまぜそば」で、これも熱湯を注いでから湯切りし、再び熱湯を注いで餡掛け系のスープを作る食べ方を提唱しているのですが、最終的な状態がラーメンではなく「まぜそば」のため “汁なしカップ麺” としてカウントします。
ちなみに「二郎インスパイア系」と「激辛」に該当するカップ麺は、先に別のページでTOP5を発表しているため、汁なし篇のエントリーにはカウントしません。二郎インスパイア系と激辛カップ麺のランキングについては、2022年版のカップ麺ランキング【二郎インスパイア篇】【激辛篇】をご覧ください。それでは、本題に入りましょう。
第5位「らぁ麺 飯田商店 秘密のまぜそば ゆずの香り 豚鶏白湯味」★6
ランキング第5位のカップ麺は、2022年7月18日(月)発売の「らぁ麺 飯田商店 秘密のまぜそば ゆずの香り 豚鶏白湯味」(東洋水産)で、2010年(平成22年)3月16日の創業以来、神奈川県足柄下郡湯河原町で絶大な人気を誇る「らぁ麺 飯田商店(いいだしょうてん)」の厨房でしか食べられない “賄い” を再現したセブンプレミアムの商品。
2021年11月29日に初代「秘密のまぜそば」を発売しているのですが、それと比較して麺が現行の「正麺(せいめん)カップ」と同じ仕様のノンフライ麺(汁なし専用)に変わり、どっしりとした動物系のコクと “ぽってり” とした口当たりは踏襲しつつ、新たに柚子の香りをプラスすることで、味の重心を下げながらも洗練したテイストにブラッシュアップされていました。
セブンプレミアムの汁なしカップ麺といえば、2022年5月16日に2年ぶりの電撃復活を果たした「鳴龍 汁なし担担麺」(日清食品)もクオリティが高く、正直かなり迷ったんですけど、総合力の高さから僅差で「秘密のまぜそば」に軍配でした。しかし、ほぼほぼ同列の高評価なので、2品とも2023年の再販を楽しみにしています。
第4位「凄麺 冷し中華 海藻サラダ風」★6
続きましてランキング第4位のカップ麺は、2022年4月25日(月)発売の「ニュータッチ 凄麺(すごめん)冷し中華 海藻サラダ風」(ヤマダイ)で、2021年5月17日発売品に続く “二代目” に該当するのですが、このブログで評価したのは今年が初めて。SNSでも話題になっていたことから、そこそこハードルは上げていたんですけど、軽々と飛び越えられました。
まずは熱湯を注いで5分待ち、湯切りしてから冷水で麺を締める、その作業が手間ではあるものの、なんのこれしき食感と風味はノンフライ麺の域を超え、生麺と遜色ないレベルに到達。そんなリアルすぎる麺の質感も然る事乍ら、酸味は控えめ・やや甘さ強めの中華風に仕立てられたタレも本格的で、タイトルが「海藻サラダ風」となっているように、たっぷりの海藻も魅力的なポイント。
さらに細かく刻んだ生タイプの紅生姜を別添し、最後まで飽きない工夫を凝らすなど、個性的かつ一切の隙を見せない逸品でした。この感じだと来年の春〜夏にかけてもリリースされると思うので、まだ未体験の方は見つけ次第お試しいただきたい商品です。
第3位「日清 東京RAMENS AFURI 夏限定 柚子塩和えそば」★7
折り返し地点となるランキング第3位のカップ麺は、2022年7月18日(月)発売の「日清 東京RAMENS AFURI(あふり)夏限定 柚子塩和えそば」(日清食品)で、2015年(平成27年)3月9日に始動した「日清 THE NOODLE」シリーズ第1弾「TOKYO AFURI 限定鶏塩らーめん」からコラボを続けているNISSIN×AFURIですが、湯切りタイプの即席カップ麺はコラボ史上初の試み。
カップラーメンでは角刃の平打ち麺を基本としているのに対し、湯切り用の麺は丸刃で切り出されていましたが、引き続き全粒粉を練り込んでいたのは「AFURI」らしいポイント。また油で揚げたフライ麺でありながら、特有のニオイが世界観を壊すことはなく、パツンとした加水率低めの食感で、全粒粉の芳ばしさと歯切れのよさ、さらに “しなやか” なアシも印象的。
そんな全粒粉入り麺の仕上がりも然る事乍ら、鶏油(ちーゆ)の芳ばしさを中心に、たしかな動物系のコク、さらに柚子果汁の酸味をキリッと効かせた「液体ソース」の仕上がりも絶妙で、複数の魚粉(さば、いわし、そうだかつお、むろあじ)に柚子皮を加えた「特製ふりかけ」とのタッグには、ある種の感銘を受けたほど。初の汁なし系にして “AFURIの真骨頂” と思える仕上がりに、大満足の一杯でした。
第2位「ビャンビャン麺風 西安式旨辛麺」★7.5
そろそろ大詰め‥‥ランキング第2位のカップ麺は、2022年4月11日(月)発売の「ビャンビャン麺風 西安式旨辛麺」(サンヨー食品)で、激ムズ漢字としても話題性抜群の “ビャンビャン麺” を再現した一杯。以前からノンフライ麺のクオリティに定評があるサンヨー食品ですが、その中でも歴代最強クラスなのが「ビャンビャン麺風」で、麺を単体で評価するなら今年のNo.1といっても過言ではありません。
ご覧の通りトッピングこそ寂しい感じに仕上がりますが、サンヨー食品史上‥‥いや、即席カップめん史上もっとも幅が広いノンフライ麺の完成度は凄まじく、その驚異的な幅の広さも然る事乍ら、1本あたりの長さも平均1mを超えるなど、きちんと再現度の高さにも重きが置かれており、かつてない衝撃を覚えました。ほんと、よく作りましたね。
また特製調味だれ(液体)も味わい深く、醤油・葱油・黒酢の3本柱を中心に、花椒(ホワジャオ)の清涼感と粉末醸造酢のアクセントが印象的な特製スープ(粉末)を重ねて本格さを表現。さらに250円(税別)というメーカー希望小売価格の設定も素晴らしく、コンビニで購入しても270円(税込)だったので、本格的な商品は税込300円超えも珍しくない昨今、コスパ的にも評価できる超優良品でした。
第1位「みかさ監修 ソース焼そば」★8
そして‥‥2022年のカップ麺ランキング【汁なし篇】第1位に輝いたのは、2022年12月12日発売の「みかさ監修 ソース焼そば」(明星食品)で、かれこれ “六代目” に該当するのですが、みかさ監修シリーズ初となる「たまごタレ付」にバージョンアップ。メーカー希望小売価格は278円(税別)と若干ながら高めの設定ではあるものの、ソース焼そばの決定版といっても過言ではありません。
麺は油で揚げた太めのフライ麺ですが、中心部にかけての密度は高く、油揚げ麺ならではのジャンクな芳ばしさもプラスに働いている相性のよさ。明星食品が得意とするノンフライ麺に切り替えることも容易だと思いますけど、あえて油揚げ麺を採用しているのでしょう。味付けは従来と同じWの液体ソースで、2つ目に使うソースは “混ぜないで食べる” というのも「みかさ」監修シリーズ特有のアイディア。
少量なのに効果覿面の「ふりかけ」も然る事乍ら、2022年はシリーズ初となる「たまごタレ」を別添することで、ワンランク上の味わいに進化していました。コンビニで購入した場合の税込価格は300円をオーバーしますけど、充分に回収できると思いますし、おそらく来年の2月頃までは見かける頻度も高いはずなので、まだ試したことがない方は前向きに検討してみてください。
まとめ
たとえば「東京油組総本店」や「珍々亭」「蝋燭屋」「ぶぶか」「けやき」「若武者(汁なし鶏台湾)」「MEGA鶏」ほか “真面目なペヤングの変わり種” など、魅力的な商品が数多くリリースされた2022年だったので、まだまだ語りたい商品は多いのですが、★の数(総評)を基準に振り返り、上記の5品をTOP5に選出しました。
というわけで、2022年も残すところあとわずか。大晦日には「汁あり篇」を公開しますので、1年を振り返りながら、話のネタにでも楽しんでいただけたら幸いです【author・taka :a(大石敬之)】