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1杯に約100匹分のコオロギを使用!?【閲覧注意】昆虫食業界初のカップ麺「コオロギうどん」を食べてみた結果——。

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どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2021年7月26日(月)新発売、1杯に約100匹分のコオロギを使用した業界初のカップ麺「コオロギうどん」の実食レビューです。

昆虫食とカップ麺の未来に新たな兆し!? 味はすれども姿は見えず‥‥。昆虫食のbugoom(バグーム)1杯に約100匹分のコオロギを使用した世界初の「カップうどん」を販売!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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コオロギうどん

bugoom(バグーム)とは、未来を担う次世代フードとして注目を集めている「昆虫食」の専門店で、実店舗及び通販サイトを運営するのは日本サプリメントフーズ株式会社。まだ日本には浸透していない昆虫食ですが、すでに世界では約20億人が1900種以上の昆虫類を食生活に取り入れている現在。そんな昆虫(Bug)食が発展(Boom)することを願い、安全で栄養価の高い昆虫を販売しています。

出典:昆虫食ならバグーム|美味しい食用昆虫を販売

今回の新商品「コオロギうどん」は、1杯に約100匹分のコオロギを使用したカップ麺で、これまでに様々なカップ麺をレビューしてきた筆者も完全に未体験ゾーン。実は “昆虫の類が大の苦手” なので、カップ麺ブロガーとしての使命感と抵抗感を天秤にかけていたのですが、bugoomの通販サイトを見ると “姿が残った虫を一切入れておりません” の文字。

筆者を含め、漠然と昆虫食に抵抗のある方も多いかと思いますが、日常的に食べているベーコンや蒲鉾(かまぼこ)のほかに、桜餅やマカロンなど、スイーツの着色料としても使用されているコチニール色素。これ、実は中南米原産のサボテンなどに寄生するエンジムシ(コチニールカイガラムシ)から抽出した着色料である‥‥というのはご存知でしょうか。

ほかにも抹茶風味のチョコレートやアイスクリームなど、食品に緑の色を付けるために使用される銅クロロフィルの原料も衝撃的で、これは蚕(かいこ)の糞から抽出した葉緑素(クロロフィル)と銅を結合させたもの。見た目にも鮮やかな色合いで、食欲を刺激するために使われている食品用の着色料ですが、極端な話、我々は知らず知らずのうちに昆虫の一部を口にしています。

カップ麺の具材としても定番のエビ

また多くの日本人が愛してやまない食材の一つとして知られ、広く一般の食卓にも並んでいる海老。たとえば高級食材として知られる伊勢海老や桜エビ・白エビなど、冷静に考えたら昆虫と共通点が多い見た目なのに、それを見て嫌悪感を抱く方は少ないハズ。おせちのポスターに写っている有頭海老や日清食品の「カップヌードル」に入っているエビ(プーバラン)を見ても、別に気持ち悪くないですよね。

すこし専門的な話をすると、これはネオフォビア(新奇恐怖症)という “新しいモノや新しい考え方に恐怖を感じる” 心理的な作用が原因で、まだ口にしたことがない、未知の食べ物を拒否する行動や心理(いわゆる「食わず嫌い」など)をフードネオフォビア(食物新奇性恐怖)といいます。エビもカニもクモもムカデも節足動物に分類されますが、一般的に食用として許容できるのはエビとカニくらい。

フードネオフォビアは本能的に備わっている防衛本能の一つなので、大人になればなるほど未体験の食べ物に恐怖を感じるのは自然なこと。しかし、いくら安全で栄養価の高い食用の昆虫といえど “見た目的にムリ” という方が多いのも事実。そこで、今回の「コオロギうどん」を商品化したbugoom(日本サプリメントフーズ)は、まずコオロギを “見えなくする” ことに着目。

パッケージにも「姿なし」と表示

パッケージにコオロギのイラストをプリントしていますが、昆虫食に抵抗がある方でも美味しく食べられるように、1匹あたり約0.078gのコオロギを粉砕したパウダー(9g)と吟味した小麦粉をブレンド。それを清水で練り上げ、丁寧に熟成させたコオロギ麺を新規に開発し、コオロギの存在が見た目では分からないように商品化されています。でも、コオロギ本来の味は損なっていないとか‥‥

開封

内容物は “ふつう” で昆虫感ゼロ

というわけで(ちょっとビビりながら)カップ麺を開封してみたところ、内容物の中にコオロギの姿はなく、思っていた以上に安堵。薬味もフリーズドライと思しきネギしか入っていないので、コオロギの存在感は皆無に等しい状態です。しかし、うどんの色は灰色なので、一般的な純白のうどんではありません。

見た目だけでいえば蕎麦(そば)

麺に練り込まれているコオロギは、バッタ目コオロギ科に属するヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)で、鳥類や爬虫類などの餌としても重宝されている品種。乾燥させたヨーロッパイエコオロギの約75%はタンパク質という栄養価もさることながら、味は “エビに近い” との評判で、飼養時に排出される温室効果ガスの量も少なく、SDGsの達成にも貢献すると注目されている食材。

実は今回の「コオロギうどん」が発売される2年以上前、2019年(平成31年)3月25日に昆虫食の通販サイト・バグズファーム(BugsFarm / 運営:株式会社アールオーエヌ)が鍋で調理するタイプの干しめん「コオロギ100匹が練り込まれたうどん(姿コオロギの薬味つき)」を発売しているのですが、カップ麺としての商品化は世界初の試みです。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:コオロギうどん
販売者:日本サプリメントフーズ株式会社
製造所:有限会社浜松屋製麺所
内容量:120g(めん90g)
商品コード:4573224810725(JAN)
発売日:2021年07月26日(月)
実食日:2021年10月10日(日)
発売地域:全国
希望小売価格:810円(税込)
麺の種類:コオロギ麺
スタイル:ホット麺
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:400ml
調理時間:電子レンジ(500W)4分
内容構成:めん・やくみ・つゆ

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、コオロギ粉末、食塩)つゆ(しょうゆ(国内製造)、砂糖、食塩、かつおエキス、かつおぶしエキス、発酵調味料、さば粉、混合節粉末、煮干、かつおぶし、酵母エキス、乾燥しいたけ、こんぶ粉末 / 調味料(アミノ酸等)、酒精、(一部に小麦・さば・大豆・を含む)、やくみ(ねぎ)

実食開始

調理前の麺は “田舎のタンス” みたいな感じのニオイ

現在の日本における即席カップ麺の作り方といえば、基本的に熱湯を注いで待つだけなので、その手軽さが多くの方に支持されている理由の一つなのですが、今回の「コオロギうどん」は “電子レンジが必要” なホット麺。容器に「麺」と「かやく」をセットし、約400mlの熱湯を注いだら、ご家庭の電子レンジに入れ、500Wなら4分ほど加熱しなければいけません。

容器はコンビニのレンジ麺と同じタイプ

電子レンジでの加熱が終わったら、やけどに注意しながら取り出して、別添の「液体つゆ」を馴染ませたら出来上がり。ちょっと色の悪いネギが気になるところではあるものの、引き続きヨーロッパイエコオロギの姿はなく、逆に地味とも思える見た目ですが、昆虫食に抵抗のある筆者でも余裕のファーストインプレッション。

ちなみにbugoomの通販サイトでは「HOUSE CRICKETS No.22」というトッピング用のヨーロッパイエコオロギと「コオロギうどん」をセットにした「追いコオロギうどんセット」も販売しているのですが、だいぶ衝撃的な見た目に仕上がるのでw まずは「コオロギうどん」単体の状態でレビューします。

栄養成分表示:1食(120g)あたり
カロリー:325kcal
たん白質:18.2g
脂  質:2.2g
炭水化物:58.3g
食塩相当量:11.4g
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

コオロギ粉末との兼ね合いか蕎麦寄りの食感

「コオロギうどん」の販売者は「日本サプリメントフーズ」となっているのですが、麺の製造は静岡県伊豆の国市でオリジナル乾麺やイベント用の麺類を製造・販売している有限会社「浜松屋製麺所」の担当で、これまでに小松菜やクレソン、竹炭、カレー、菊芋、浜納豆、菜の花、みかん、薔薇、つばき、アロエ、なしジュレ、わさび、ヤーコンなど、さまざま食材を麺に練り込んできた企業。

昆虫食ならではのネガティブな印象は皆無に等しい

これまでに様々なオリジナル乾麺の製造やプロデュースを行なってきた実績の持ち主なので、コオロギという特殊な食材も難なく麺に練り込んでしまった今回。うどん単体で見ると、一般的にネガティブとされる昆虫食のイメージは皆無に等しかったので、それについての抵抗を感じることはないでしょう。しかし、食感については要改善。

お湯は沸騰したての熱湯を使い、電子レンジでの加熱時間も守ったのですが、それでもネチョっとした食感だったので、端的に例えると “つなぎが多すぎる蕎麦” みたいな。ほんのり奥から感じる苦味は逆に面白かったんですけど、いかにも健康食品っぽいというか、特別な栄養素を摂取するために妥協しなければいけない要素が目立っていたので、うどんらしさには期待しないほうがいいかもしれません。

つゆ

醤油のエッジを強く効かせた関東風

液体つゆの製造は、静岡県静岡市に本社・工場を置く真富士屋食品株式会社(大関株式会社のグループ企業)の担当で、タイプとしては濃口しょうゆ強めの関東風。麺に独特の苦味があったので、それを分散することに関しては効果的に思えたのですが、全体の食塩相当量が11.4gという強烈な数値が表しているように、だいぶ塩気の主張が強めのテイスト。

筆者は出汁(だし)文化の関西育ちなので、醤油が強すぎると他の味覚を捉えることができなくなってしまうのですが、醤油がキリッと強い、濃いめの和風つゆが好きな方にとっては程よい塩梅になるのかなと。それに、もしも関西風の液体つゆを合わせていたら、麺が孤立しそうな雰囲気だったので、これくらい濃いめの味にしたのは正解だったかもしれません。

ちなみに風化した感じのネギは、そこまで風味にネガティブな要素はなかったので、見た目さえ許容できれば入れても問題ないと思います。

※以下、トッピング用の追いコオロギ「HOUSE CRICKETS No.22」について詳しく触れますので、昆虫の写真などに抵抗がある方は、くれぐれも閲覧に注意してください。

HOUSE CRICKETS【No.22】

乾燥状態のハードルは低かった

がっつりパッケージにコオロギの写真を印刷しているのですが、漠然とオシャレに見える洗練されたデザイン。トッピング用の追いコオロギ「HOUSE CRICKETS No.22(net.15g)」に入っているのはヨーロッパイエコオロギなので、麺に練り込まれていたコオロギと同じタイプ。

裏面に製品情報をプリント

コオロギの味付けは塩のみとシンプルで、原産国はタイ。前述の良質なタンパク質をはじめ、アミノ酸やカルシウムは牛乳よりも多く、ビタミンB12やオメガ3、オメガ6、鉄、リン、カリウム、ナトリウムなども含有。さらに近年の研究結果では、アンチエイジングや糖尿病などの予防につながる抗酸化作用や抗炎症作用にも期待できると報告されている、かなり優秀なコオロギ氏。

・・・・・・うん。

日本にも「いなごの佃煮」や信州の珍味として知られる「蜂の子」があるように、古くから昆虫食の文化が存在するため、すくなからず我々のDNAにも刻まれているハズなのですが、いざ取り出してみると見た目のコオロギ感はマックスw ただ、思っていたよりもサイズは小さめ。

とりあえず “これが昆虫である” というイメージを捨て、いざ口に放り込んでみたところ‥‥うん。なんか、ふつうに美味しいw 食感はサクッと軽やかで、干しエビに通じる芳ばしさを感じるのですが、旨味はエビほど強くありません。かなり食感が軽いので、意識しなければ “虫を食べている” みたいな感覚はなく、雰囲気を例えるなら「いかり豆」を食べているようなイメージ。

凛々しい目付きがカッコいいかよ

うっすら塩で味を調えているのですが、ほんのりとした塩味で、口の中に残る風味と破片が「いかり豆」の薄皮みたいな‥‥いや、アレだ「エビフライの尻尾」とか近いかも。そんなにサイズが大きくなかったこともあり、拍子抜けするほど抵抗なく食べられました。で、それを「コオロギうどん」に放り込んでみたところ——。

初心者には単体で食べるよりも抵抗あり‥‥ww

そのまま食べると全体的にサクサクで、けっこう違和感なく美味しかったのですが、つゆに浸けてしまった場合、腹部の弾力がリアルになるというか、いろいろ復元されていく感じというか‥‥w 初心者でも “ふやけた干し海老” と思い込めば攻略できそうですけど、見た目的なこともありますし、慣れない間はトッピングしないほうが安全かもしれません。

※昆虫はエビ・カニなどの甲殻類に近い生物なので、該当する食物アレルギーをお持ちの方は、お召し上がりにならないよう充分ご注意ください。

総評

2.5

コオロギの姿が見えない「コオロギうどん」の税込価格は単体で810円、意外にも食べてみたら美味しかった「HOUSE CRICKETS No.22」の税込価格は単体で1,137円、それらをセットにした「追いコオロギうどんセット」の税込価格は1,750円なので、購入するならセットのほうが割安なのですが、カップ麺の「コオロギうどん」については “要改善” というのが正直な意見。

栄養価の高さと話題性に加え、希少価値も踏まえた場合、これが妥当な値段なのだとは思いますけど、油揚げ麺やノンフライ麺の製造技術が向上し、全粒粉や花椒を練り込んだ麺も珍しくない近年。電子レンジを使わなくても調理できるコオロギ麺の開発も可能だと思うので、もっとカジュアルに食べられる商品が実現すれば、さらに未来は明るくなるかもしれません【author・taka :a(大石敬之)】

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