赤いきつね、発売45周年記念で “15%麺増量” なのに価格は据え置き!? むしろ通常品より安かった件。しかし‥‥

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東洋水産

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2023年8月21日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん 赤いきつねうどん 45周年記念商品 西」の実食レビューです。

マルちゃんのロングセラー「赤いきつね」45周年を記念して麺15%増量!! なのに通常サイズと同じ希望小売価格!? しかし、そこには思わぬ落とし穴も——。

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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赤いきつねうどん 45周年記念商品 西

赤いきつねうどんとは、マルちゃんの東洋水産を代表するロングセラーで、1975年(昭和50年)9月に同社が発売した、業界初のカップ入り即席きつねうどん「カップうどんきつね」にルーツを持つブランド。当初は「熱いきつねうどん」にリニューアルする予定でしたが、売り場で目立つ “赤” をコンセプトカラーに、1978年(昭和53年)8月10日から名称を「赤いきつねうどん」に改め、現在に至ります。

赤いきつね発売45周年で15%麺増量

今回の新商品「赤いきつねうどん 45周年記念商品」は、2023年(令和5年)8月10日に発売45周年を迎えた「赤いきつね」のアニバーサリー商品で、いつもの「赤いきつねうどん」対比 “めん15%増量” とのこと。味のバリエーションは「東」と「西」の嗜好に合わせて分け、ちょっと大きなタマゴを使うなど、こだわりを感じる一杯なのですが、ひとつ触れておきたいのがメーカー希望小売価格について。

メーカー希望小売価格(MSRP:Manufacturer’s suggested retail Price)とは、製造者や卸売業者が自社の製品を販売する際に “この値段で販売してほしい” という希望で設定される小売価格の総称で、定価(再販売価格維持)との違いは “拘束力” がないこと。一部の例外を除き、メーカーが定価を決める行為は独占禁止法に触れるため、即席カップめん業界では希望小売価格が提示されます。

2023年8月現在、即席カップめん業界におけるメーカー希望小売価格は、レギュラーサイズの商品だと236円(税別)、大盛りサイズの商品だと271円(税別)が事実上の標準となっており、東洋水産の「赤いきつね」ブランドを例に挙げると、内容量が96g(めん74g)の「赤いきつねうどん」は前者、それよりも量が多い136g(めん100g)の「赤いきつねうどん でか盛」は後者。

赤いきつねうどん / 赤いきつねうどん でか盛

定価には “拘束力がない” と前述しましたが、コンビニでの販売価格は実質的に固定されているのが現状で、メーカー希望小売価格が236円(税別)の商品は軽減税率を適用して税込254.88円、271円(税別)の商品だと税込292.68円で販売されています。しかし、メーカーが小売店の販売価格を拘束することは原則として違法なので、昨年に「一蘭」のカップ麺が問題になったわけなんですけれども——

——閑話休題、このページでレビューする「赤いきつねうどん 45周年記念商品」のメーカー希望小売価格は、レギュラーサイズの「赤いきつねうどん」と同じ236円(税別)に設定されているため、単純に麺の量が増えているのであれば、それだけで “お得” なサービス商品。繰り返すように実際の販売価格は販売店の采配に委ねられているため、特に小売店の場合だと断言することはできないのですが‥‥

私が購入した店舗での販売価格を例に挙げると、通常の「赤いきつねうどん」は168円(税込181円)、麺15%増量の「赤いきつねうどん 45周年記念商品」は138円(税込149円)だったので、ある程度の期間内に捌かなければいけない “スポット品は通年品よりも販売価格が低くなる” というのは頻繁に起こり得る事象ではあるものの、この時点でコストパフォーマンスの高さに期待できる展開。

(左)東日本向け /(右)西日本向け

ちなみに私は兵庫県在住なので、通常の「赤いきつねうどん」は “関西” 仕様。15%麺増量は「東向け(北海道・東北・信越・関東・静岡・中京)」と「西向け(北陸・近畿・中国・四国・九州・沖縄)」の2パターンに分けられているため、おそらく関西の出汁(だし)とは異なる配合かと思いますが、うどんの質感や油揚げ(きつね)のサイズなど、そういった部分にも注目しながらレビューします。

開封

45周年記念商品の「かやく」は個包装

今回のカップ麺「赤いきつねうどん 45周年記念商品(西)」に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」と「かやく」の計2種で、内容量は「東向け」「西向け」どちらも109g(めん86g)に統一されています。ただ、関ヶ原を境にした東日本向けの粉末スープには “かつお節とこんぶのだし” を効かせ、西日本向けは “かつお節、雑節、こんぶ、煮干しのだしがきいた淡口の醤油仕立て” とのこと。

うどんは通常品と同じかな?

麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間や調理前の見た目も通常の「赤いきつねうどん」と大きく変わりません。ちなみに2021年6月28日の発売以来、2023年8月現在は “北海道・東北・甲信越・関東・静岡” で販売を継続している「ごつ盛り きつねうどん」の内容量が108g(めん86g)なので、それと同等のボリュームになります。ただ、ごつ盛りはオープンプライスの廉価版に位置するブランド。

レギュラーサイズの「赤いきつねうどん」は168円(税込181円)、15%麺増量の「赤いきつねうどん 45周年記念商品」は138円(税込149円)で販売されていたと前述しましたが、この時世に「ごつ盛り きつねうどん」は “某ドラッグストアで税込105円” という脅威のコストパフォーマンスを叩き出しているため、いずれも同社のブランドだけに、やや複雑な気持ちが無きにしも非ずでしょうか。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:マルちゃん 赤いきつねうどん 45周年記念商品 西
製造者:東洋水産株式会社
製造所:関西工場(兵庫県神戸市西区見津が丘6-8)
内容量:109g(めん86g)
商品コード:4901990375450(JAN)
発売日:2023年08月21日(月)
実食日:2023年08月23日(水)
発売地域:西日本(CVS量販店・一般小売店 他)
取得店舗:スーパー
小売価格:236円(税別)
購入価格:149円(税込)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:大盛バケツ型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:530ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:2袋(粉末スープ・かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白、乾燥酵母、卵白)、かやく(味付油揚げ、卵、かまぼこ)、添付調味料(食塩、しょうゆ、砂糖、粉末こんぶ、粉末かつおぶし、粉末煮干し、たん白加水分解物、香辛料、粉末そうだがつおぶし、ねぎ、粉末さばぶし、植物油、かつおエキス)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、炭酸カルシウム、レシチン、増粘多糖類、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、カロチン色素、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・ゼラチンを含む)

実食開始

栄養成分表示[1食(96g)あたり]カロリー 416kcal、たんぱく質 9.9g、脂質 18.0g、炭水化物 53.7g、食塩相当量 5.5g(めん・かやく 1.9g、スープ 3.6g)、ビタミンB1 0.32mg、ビタミンB2 0.31mg、カルシウム 154mg[製造所:M8 関西工場(兵庫県神戸市西区見津が丘6-8)]
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白、乾燥酵母、卵白)、かやく(味付油揚げ、卵、かまぼこ)、添付調味料(食塩、しょうゆ、砂糖、粉末こんぶ、粉末かつおぶし、香辛料、たん白加水分解物、粉末煮干し、粉末そうだがつおぶし、ねぎ、うるめぶしエキス、粉末さばぶし、植物油、かつおエキス)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、炭酸カルシウム、レシチン、増粘多糖類、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、カロチン色素、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・ゼラチンを含む)
「赤いきつねうどん(関西)」

さて、まずは念のため「赤いきつねうどん(関西)」の調理直後。パッと見は西日本向けと変わりませんが、関西以西の「赤いきつね」には入っていない “潤目鰯(うるめいわし)を使っているのがポイント。つまり「赤いきつねうどん 45周年記念商品(西)」の添付調味料に “うるめぶしエキス” を使用していた場合、関西用の粉末スープをベースにしていることが確定するのですが‥‥

栄養成分表示[1食(109g)あたり]カロリー 509kcal、たんぱく質 11.0g、脂質 23.4g、炭水化物 63.5g、食塩相当量 6.8g(めん・かやく 2.1g、スープ 4.7g)、ビタミンB1 0.32mg、ビタミンB2 0.34mg、カルシウム 185mg[製造所:M8 関西工場(兵庫県神戸市西区見津が丘6-8)]
「赤いきつねうどん 45周年記念商品(西)」

「赤いきつねうどん 45周年記念商品(西)」の添付調味料に “うるめ” の文字はなく、後入れ可能な七味唐辛子の別添がないのも寂しいポイント。しかし、ぷかぷかと浮いているタマゴのサイズは一見して明白に大きく、油揚げのサイズ感も変わりません。タマゴとカマボコの数は個体差によって変動しますけど、おみくじよろしく「いっぱい入ってたらラッキー♪」くらいの感覚でw

というわけで、七味唐辛子の後入れ・先入れ仕様については除きますが、通常の「赤いきつねうどん」と大きな差を感じさせない45周年記念商品。はたして単純に麺の量を増やしたサービス品なのか、それに伴うトレードオフに注目しつつ「めん」「つゆ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

ちょっと厚みが増してた

3.5

調理前は通常の「赤いきつねうどん」と同じサイズに見えたのですが、いざ口にすると「45周年記念商品」のほうが厚みのある口当たり。ライバル他社を引き合いに出しますけど、もっちりとした弾力については「日清のどん兵衛」よりも弱く、ちぢれは強めの形状で、どちらかといえば伝統的なタイプである、というのは「赤いきつねうどん」らしいポイントになるのですが‥‥

いつもより分厚い

通常の「赤いきつねうどん」と比較して厚みのある口当たりも然る事乍ら、比較的に強付きのある食感で、いつもよりワイルドなイメージ。たとえば同社の「日本うまいもん 吉田のうどん」ほどゴツいわけではないけれど、レギュラーサイズの油揚げうどんを真横に並べて比べてみたら、あきらかな違いを感じます。

ちなみに製造工場は「赤いきつねうどん(関西)」「赤いきつねうどん 45周年記念商品(西)」ともに兵庫県神戸市の関西工場(製造所固有記号:M8)だったので、工場の違いによる差ではない様子。標準どんぶり型よりも保温性が高い、大盛りバケツ型の容器でも最後まで伸びにくいように‥‥との配慮なのか、それとも「赤いきつね」の麺ではないのか、いずれにせよ違いを感じました。

つゆ

間違いなく味は西日本向けだけど‥‥

3.0

既存の「赤いきつねうどん」を例に挙げると、やはり最も近い原材料名の構成は関西以西の「西日本向け」で、使用している原材料は完全に一致するのですが、厳密にいうと「たん白加水分解物」と「香辛料」の並び(全体に占める割合の重量)が変わっています。というのも通常サイズと比較して明らかに七味唐辛子の主張が弱いので、それが原因。

粉末スープの中に七味唐辛子は入っているのですが、単体で後入れすることが困難な仕様に加え、そもそもの量が少なかったこともあり、ずいぶんと主張が弱くなっています。つまり、出汁のニュアンスや優しい甘みが全面的に楽しめるため、あとは好みの問題かもしれません。ただ、それ以上に “とろみが若干ながら強くなっていた” ので、ちょっと不自然なテクスチャーが気になりました。

かやく

たまごふわふわ

3.0

パッケージには “ちょっと大きなたまご入り” とありますが、ちょっとかコレw 体感的には通常比1.5倍くらいの大きさ、ただ単純にサイズアップしたように見えますけど、いざ口に放り込むと通常品よりも弾力が控えめで自然な食感。実は「赤いきつね」のタマゴが苦手なんですけど、そんな自分でも比較的にナチュラルだと感じたくらい。

油揚げも変更なし

油揚げはオリジナルと同じサイズで、厚みや面積に変わった様子はなく、味付けも然り。そのため「赤いきつね」の油揚げが好きなら間違いなくハマれますけど、せっかくの記念商品だったので、メーカー希望小売価格を271円(税別)に引き上げてオリジナルと同じサイズの油揚げを2枚搭載するとか‥‥いや、内訳とか知りませんよw ただ、ちょっと大きめのタマゴだけってのは特別感に欠けますよね。

総評

3.0

販売価格にもよりますが、単純に値段だけ見るなら “お得” な商品だと思います。しかし、関ヶ原を境に「東向け」と「西向け」に味を分けてしまっているので、たしかに馴染みのある出汁の方向性は安心感に繋がるポイントになりますけど、たとえば「東向け」と「西向け」を全国で一斉に展開し、食べ比べが楽しめるようにするとか、もう一工夫ほしかったところ。

せっかくの45周年記念商品だったのに、どうも企画の弱さが目立つというか、コスパにスポットを当てても「ごつ盛り」に見劣りするし、ずいぶんと保守的に感じてしまったので、ひとまず評価は及第点としました。ちなみに1週間後、激めんの発売45周年を記念した「激めん きつねラーメン」がリリースされるので、そっちのほうが面白そうです【author・taka :a(大石敬之)】

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