どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年5月29日(月)新発売、日清食品のカップ麺「AFURI 柚子塩らーめん 全粒粉入り麺 / 炙りチャーシュー」の実食レビューです。
コラボ史上最も高級な “店主こだわり” の逸品!? シリーズ初となるノンフライのカップラーメンついに登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
AFURI 柚子塩らーめん 2023
AFURI(あふり)とは、2001年(平成13年)9月3日に神奈川県厚木市の山間で産声を上げた「ZUND-BAR(ズンド・バー)」を総本山とする “おしゃれ淡麗系” の先駆けといっても過言ではないラーメン店で、2003年(平成15年)6月16日に洗練されたカフェのような雰囲気を醸す東京1号店「AFURI 恵比寿」をオープン。
店主の中村比呂人(ひろと)氏は、特殊な湯切りのスタイル “天空落とし” で一世を風靡した「麺処 中村屋」代表・中村栄利(しげとし)氏の実兄で、この業界にポップかつモダンな風を吹き込んだ立役者。AFURIという名前は、丹沢山地の東端に位置する大山(別称:雨降山 – 阿夫利山)に由来し、その麓から湧き出る天然水で仕込んだスープと爽やかな柚子の香りで独自の世界観を確立しました。
今回の新商品「AFURI 柚子塩らーめん 全粒粉入り麺 / 炙りチャーシュー」は、正統派の淡麗系らーめんとして海外からも高く評価されているAFURIの代表作「柚子塩らーめん」の味わいを再現したカップラーメンで、お店の “炙りコロチャーシュー飯” をイメージしたカップメシ「AFURI 柚子七味香る炙りコロチャー飯(メシ)」も同時に発売し、AFURIの人気No.1セットを再現。
NISSIN×AFURIといえば、2015年(平成27年)3月9日発売の「日清 THE NOODLE TOKYO」シリーズ第1弾「AFURI 限定鶏塩らーめん」を皮切りに、縦型ビッグのカップラーメンをコンスタントに展開しつつ “オシャンティ” なカップメシ(阿夫利メシ)や、新ブランド「AFURI kara kurenai(辛紅 – からくれない)」とのコラボ商品ほか——
柚子塩らーめんのスープを冷凍炒飯にアレンジした「日清 麺屋の炒飯 AFURI監修 柚子塩炒飯」だったり、夏季限定のチルド麺「AFURI 冷やし柚子塩らーめん 2人前」だったり、昨年はシリーズ初の汁なしカップ麺「日清 東京RAMENS AFURI 夏限定 柚子塩和えそば」を発売するなど、さまざまな形態の商品をリリースしているのですが、大判どんぶり型の新作は前例がありません。
そんな容器の形状も然る事乍ら、これまでのカップラーメンには汁あり・汁なしを問わず、一貫してフライ麺(油揚げ麺)を搭載していたのに対し、シリーズ初となるノンフライの全粒粉入りストレート麺を新たに採用しているところも注目すべきポイント。
具材はAFURIコラボで定番の炙りコロチャーシューを筆頭に、メンマ、白髪ネギ、青ネギ、柚子皮の組み合わせと余念を感じさせないラインナップで、もちろんスープにも柚子の爽やかな香りを効かせるなど、過去最高峰と思しきスペックに仕上げてきました。
公式は「柚子塩らーめん」と「炙りコロチャー飯」を一緒に食べることを推奨しているため、最後に「柚子七味香る炙りコロチャー飯」の感想も綴りますが、このページではカップラーメンの「柚子塩らーめん」を細かく掘り下げます。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」2袋に、後入れ「液体スープ」の計3パックで、お店の「柚子塩らーめん」にはトッピングされている海苔は入っていません。ちなみにカップラーメンとカップメシのセット販売といえば、2022年6月20日発売の「あの有名店のラーメンライス定食 新福菜館本店」が記憶に新しいところではあるものの、その続編ではない様子。
麺は油で揚げずに乾燥させられたノンフライ麺で、細めの形状と調理前の段階から視認できる全粒粉が印象的。なおフタ裏には「2023年6月『AFURI』生誕20周年」と「柚子塩らーめん&炙りコロチャー飯の発売」を記念した “超お得なキャンペーン” についての告知(QRコード)があるので、そちらも要チェックです。
ちなみに「柚子塩らーめん」のメーカー希望小売価格は328円(税別)なので、同時発売品の「炙りコロチャー飯」268円(税別)よりも高く、前述のチルド麺を除くとコラボ史上最高値。それぞれコンビニで購入した場合の税込価格は354.24円+289.44円=643.68円なので、AFURI人気No.1セットを楽しみたい方は念頭に置いておいてください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:AFURI 柚子塩らーめん 全粒粉入り麺 / 炙りチャーシュー 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:93g(めん65g) 商品コード:4902105278277(JAN) |
発売日:2023年05月29日(月) 実食日:2023年05月31日(水) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:328円(税別) 購入価格:278円(税込) |
麺の種類:全粒粉入りノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく2袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、小麦全粒粉、食塩、植物性たん白、植物油脂、卵粉、チキン調味料、しょうゆ、大豆食物繊維)、スープ(植物油脂、チキン調味料、食塩、鶏脂、魚介調味油、魚介エキス、糖類、ゆず果汁、香辛料、チキンエキス、こんぶエキス、かつおぶし粉末、にぼし調味料、オニオンエキス)、かやく(味付豚肉、味付メンマ、ねぎ、ゆず皮)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、かんすい、酒精、リン酸Ca、酸味料、カラメル色素、増粘多糖類、焼成Ca、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、乳化剤、カロチノイド色素、チャ抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、くん液、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、中身が見えるほうには炙りコロチャーとメンマを、中身が見えないほうには白髪ネギ・青ネギ・柚子皮を充填していたのですが、ぶっちゃけ後者については食べる直前に加えても問題なさそうなラインナップ。むしろ白髪ネギと柚子皮については後入れのほうが引き立つので、ふりかけだとテンションあがったんですけど、なにか理由があるのかもしれません。
味の決め手となる「液体スープ」は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で小袋ごと温めながら待つこと4分。時間になったら「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら完成です。さらに海苔があったら雰囲気めっちゃアガるのに‥‥と、そのような不満を抱きつつ、それはさておき香りは縦型ビッグのときよりも濃密で、食欲を刺激してくる調理直後。
ただ、前述のようにメーカー希望小売価格が300円を超えるハイクラス系の一杯なので、其れ相応の高級感が楽しめるのかどうか、コストパフォーマンスについても注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(93g)あたり |
カロリー:319kcal たん白質:9.3g 脂 質:8.2g 炭水化物:52.1g 食塩相当量:6.5g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.3g) ビタミンB1:0.19mg ビタミンB2:0.27mg カルシウム:117mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:319kcal(めん・かやく:250kcal)(スープ:69kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ぷりっとした低加水麺
縦型ビッグの油揚げ麺には、2017年(平成29年)1月30日発売のコラボ第3弾「日清 THE NOODLE TOKYO AFURI 限定 柚子辣湯麺」から全粒粉を練り込み、昨年の「日清 東京RAMENS AFURI 夏限定 柚子塩和えそば」にも漏れなく全粒粉入りの油揚げ麺を使用していましたが、前述のようにノンフライ麺が採用されたのは今回が初めて。
加水率は低めの設定で、妙にプリプリした質感が日清食品らしいというか、生の麺を茹で上げたような臨場感とは異なるベクトルを歩んでいる、いかにもノンフライ麺な仕上がりではあるものの、じっくり噛み締めると奥から上品に香ってくる全粒粉の芳ばしさが印象的。もちろん揚げ油の風味は皆無に等しいため、スープのニュアンスを濁らせずに伝えてくれるところも本格さを高める上で嬉しいメリット。
2017年8月21日に「日清麺職人」が大幅なリニューアルを実施した際、すべてのフレーバーに全粒粉入りノンフライ麺が搭載されたので、それを思うと新鮮味に欠ける印象が無きにしも‥‥なんですけど、AFURIが縦型ビッグを脱出したのは一つの快挙。日清食品が保有する縦型カップ用のノンフライ麺は、ほぼ例外なく加水率が高いので、容器ごと変更したのは大成功だったと思います。
スープ
鶏油の量は “淡麗” だけど濃密でリッチ
これまでの縦型ビッグでは最初から入っている「粉末スープ」に、後入れの黄金香油 ——冬の「まろ味」は鶏油(ちーゆ)ちょっと多め—— を加えることで本格さを表現していましたが、味の方向性は ——例の “魚肉ソーセージっぽい風味” も含めて—— 従来の「柚子塩らーめん」を継承しつつ、魚粉がメインの鰹は出汁(だし)メインに変わり、ゆず果汁の清涼感も上品で柔らかい効かせ方にシフト。
縦型ビッグのスープと比較して鶏油の存在感が弱かったこと、加えて柚子の酸味も明らかに弱くなっていたので、そこに物足りなさを感じてしまったのですが、鶏と魚介の密度については格段にアップしています。比べると私は縦型ビッグのスープに魅力を感じたんですけど、それについては好みの問題かもしれません。なんにせよ、希望小売価格に相応しい上等なスープです。
かやく
次は白髪ネギと柚子皮は後入れに変更 or 海苔の別添希望
AFURIのカップ麺に炙りコロチャーシューが初めて発売されたのは、2018年(平成30年)3月19日発売のコラボ第5弾「日清 THE NOODLE TOKYO AFURI 限定柚子塩らーめん」からで、以降はAFURI以外の商品にも使われるようになったのですが、何を隠そう “AFURI監修シリーズを切っ掛けに生まれた” 肉具材。表目を炙ったことによる芳ばしさも然る事乍ら、噛むとジューシーで、けっこう本格的。
青ネギは熱風乾燥(エアドライ)のジャキジャキしたヤツだったので、あまり魅力を感じなかったというか、むしろ蛇足に思えたんですけど、柚子皮の清涼感は心地よく、口の中に飛び込んできたときはもちろん、スープの柚子感を底上げさせることにも寄与しています。
メンマの量は多く、しかしながら主張し過ぎない柔らかな歯触りで、特有の発酵感がスープにマッチ。白髪ネギはフリーズドライだったので、スープの邪魔になることはなく、むしろ香りの引き立て役として柚子皮と同じくらい重要なポジションに位置していました。熱風乾燥の青ネギを省き、柚子皮と白髪ネギは「ふりかけ」だと最高だったんですけど、あえて次回作に向けた伸び代を用意したのでしょうか。
総評
かやくの構成やパワーダウンした柚子、さらにメーカー希望小売価格の設定を加味すると、ぶっちゃけ総合力の高さは縦型ビッグの「柚子塩らーめん」に軍配です。よって「★6」の壁は破れなかったのですが、より上品な仕上がりに価値が見出せる新たな「AFURI」に出会えたことは大きな収穫で、値段相応の価値は充分にあると感じました。
さて、最後に「AFURI 柚子七味香る炙りコロチャー飯」の感想をば。こちらにはフタの上に後入れの「旨み香油(かおりあぶら)」が別添されているため、それを取ってから熱湯を注ぎ、待つこと5分。時間になったら「旨み香油」を加え、よく混ぜ合わせたら完成です。
実食前は「柚子塩らーめん」のメシ版をイメージしていたのですが、なんのなんの。カップラーメンにはない七味唐辛子のアクセントも然る事乍ら、柚子の酸味もキリッと強く、なんといっても印象的だったのは肉を直火で炙ったような芳ばしさ。例の魚肉ソーセージみたいな風味は皆無に等しく、それ以上にラードのコクが強いなど、想像していた以上にワイルドな味わいでした。
ただ、カップメシのほうは食べ始めにバキッとくるライスの戻りムラが気になったので、きちんと5分待った後、しっかり混ぜてから4、5分くらい放置するのがベストかもしれません。というわけで、AFURIの歴史に新たな1ページが刻まれた2023年。ちょうど20周年の節目なので、これから矢継ぎ早の新作にも期待しています【author・taka :a(大石敬之)】