「かぼちゃコロコロ ほうとう風うどん」セブンの格安カップ麺 “山梨の郷土料理” アレンジ!!

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セブンプレミアム

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2019年12月10日(火)新発売のカップ麺、サンヨー食品「セブンプレミアム かぼちゃコロコロ ほうとう風うどん」の実食レビューです。

セブンイレブンの格安カップ麺シリーズに「ほうとう」をイメージしたカボチャ入りの新商品が登場!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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かぼちゃコロコロ ほうとう風うどん

ほうとう(餺飥)とは、甲斐国・山梨県の郷土料理として親しまれている麺料理の一つで、2007年には農林水産省による「農山漁村の郷土料理百選」にも選出。県外の人からは「うどんの一種」または「鍋料理」と認識される場合も多いようですが、地元では基本的に「ほうとう」は “ほうとう” という固有の料理として認識されているため、うどんの一種でも鍋料理の一種でもありません。

今回のカップ麺「セブンプレミアム かぼちゃコロコロ ほうとう風うどん」は、セブン&アイグループ及びサンヨー食品株式会社(サッポロ一番)との共同開発商品で、全国のセブンイレブンを中心に新発売。現在は同じ小麦粉を主成分とする麺類ですが、厳密にいうと饂飩(うどん)ではないため、商品名も “ほうとう風うどん” と曖昧な表記にしているのでしょう。



しばしば名古屋の「きしめん」と混同されることもある「ほうとう」ですが、いわゆる沖縄の「すば(そば)」と蕎麦(和そば)が違うように、実際は似て非なる別物。山梨県は山間部が多いことから稲作が難しく、代わりに栽培していた麦を麺のようにして切り出し、それを味噌と一緒に煮込んで食べ始めたのが「ほうとう」の発祥といわれています。

「うどん」と「ほうとう」の違いには、まず麺の製造工程からして大きな違いがあり、うどんを打つ時は基本的に食塩を使いますが、ほうとうを作る時は基本的に食塩を加えることはありません。そのためコシが弱く、味噌を溶いた汁で煮込む際に澱粉(でんぷん)が溶け出し、そのトロミのついた汁で具材との一体感や独特の風味を楽しむのが「ほうとう」の魅力。

写真は東洋水産(マルちゃん)のカップ麺「日本うまいもん 吉田のうどん

山梨県には「吉田のうどん」という強烈な歯応えを誇る饂飩を使った郷土料理もあるのですが、「ほうとう」は饂飩のように伸ばして切ることもあれば “すいとん” のように手で千切って形成することもあり、そもそもコシの強さも製法も違うため、同じ地域の郷土料理でも違う食べ物。きしめんや吉田のうどんは上記のように通年商品のカップ麺もあるけれど、ほうとうは希少価値の高いテーマ。

「ほうとう」という名前の由来は平安時代に遡り、こねた小麦粉を麺棒で細長く延ばしてから煮込む饂飩の一種「餺飩(ハクタク)」の音が転じて「ほうとう」と呼ばれるようになった——というのが有名な一説。ほかにも “甲斐の虎” の異名を持つ戦国大名・武田信玄が自ら伝家の宝刀で麺を切り出したことに因み、宝刀(ホウトウ)と呼ばれるようになった、という説もあります。



基本は麺のように長く平たく切り出されるのが一般的に知れ渡っている形状ですが、前述のように千切って鍋に放り込まれることも珍しいパターンではなく、具材も家庭によって様々。しかし、甲州では物事がうまく運んだ時に “うまいもんだよ、カボチャのほうとう” と間の手が打たれるほど、「ほうとう」は「かぼちゃ」と一緒に煮込むのが定番の組み合わせ。

それが今回の「かぼちゃコロコロ」に繋がる所以と見て間違いなく、商品名の下にはワールドワイドに “Houtou style pumpkin udon” と記載。若干ながら誤解を招きそうな英文ではあるものの(カボチャ練り込みうどん的な)、ほうとう風のカップうどんは一般的ではないため、元ネタは伝統的なのに目新しさを感じる新商品です。

開封

別添の小袋は付属していないため、セブンイレブンで購入後、すぐにフタを開けて熱湯が注げるオールインワンタイプ。かぼちゃゴロゴロではなくコロコロと書いてあるように、1cm角あるかないかの可愛いカボチャが入っているのですが、そのうち何個か濃い緑の皮付きで、どことなく田舎の郷土料理を彷彿とさせる素材感が好印象。



一部の地域や店舗では売ってないかもしれませんが、販売エリア及び取扱店は全国のセブンイレブ店舗が対象で、メーカー希望小売価格は128円(税込138円)の格安価格。セブンイレブンの和風カップ麺(縦型)は基本的に118円(税込127円)が標準となっているため、ワンランク上の値段設定ではあるものの、カップ麺にカボチャというのも珍しいですからね。

発売日である2019年12月10日(火)現在、すでにセブン-イレブン・ジャパンの公式ウェブサイト(トップ > 商品のご案内 > セブンプレミアム > 常温・加工食品)にも掲載されていて、 “かぼちゃ具材を中心にかつお、昆布のだしに合わせ味噌と野菜の旨みを合わせた優しい味わいの味噌スープです” と、商品の特徴が要約されています。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:セブンプレミアム かぼちゃコロコロほうとう風うどん
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品工業株式会社 関西工場(W)奈良県大和郡山市額田部北町944
内容量:72g(めん50g)
商品コード:4901734039143(JANコード)
商品サイズ:100φ110×(mm)

発売日:2019年12月10日(火)
実食日:2019年12月10日(火)
発売地域:全国(セブン-イレブン限定)
取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン)
商品購入価格:138円(税込)
希望小売価格:128円(税別)

麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型レギュラー
容器材質:紙
湯量目安:330ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:-(別添なし)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん〔小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維〕、スープ〔糖類、みそ、粉末ポテト、食塩、すりごま、おからパウダー、ポークエキス、乳等を主要原料とする食品、野菜エキス、粉末香味油、かぼちゃ粉末、魚介エキス(魚介類)、昆布エキス、酵母エキス、発酵調味料、たん白加水分解物〕、かやく(かぼちゃ加工品、味付油揚げ、人参、ねぎ)/ 加工でん粉、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、レシチン、リン酸塩(Na)、カラメル色素、微粒二酸化ケイ素、香料、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に乳成分・小麦・ごま・大豆・豚肉・魚介エキス(魚介類)を含む)

実食開始

麺は熱湯5分の油揚げ麺で、 “山梨県の郷土料理である「ほうとう」をイメージした幅広でちぢれのあるうどんを使用しました” とのこと。「うどんを使用」と書いてあるように、麺の原材料には食塩も練り込まれているため、あくまでも立ち位置は “ほうとう風” となっているのですが、比較的にコシが弱くても大丈夫なのは大きなメリットかもしれません。



通常、うどんはコシの強さも求められるのに対し、ほうとうは食塩不使用に加えて生地を寝かすことなく切り出すため、より具材との一体感が魅力的な食感になります。もし麺から溶け出る澱粉のヌメりまで再現できていたら申し分ないのですが、そこまでいかずともコシにこだわらなくてよいのは縦型・標準サイズのPBカップうどんとして大きな利点ですよね。

ごろんとデカいカボチャは入っていませんが、調理前から調理後も芳醇な味噌の香りが漂い、コロコロとした可愛いカボチャは量も多く、なかなか雰囲気は悪くありません。それでは、ほうとうの雰囲気とカボチャの旨味に注目しつつ、「めん」「つゆ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(72g)当たり

カロリー:314kcal
たん白質:6.0g
脂  質:13.0g
炭水化物:44.6g
  (糖質:41.8g)
(食物繊維:2.8g)
食塩相当量:3.8g
(めん・かやく:1.2g)
   (スープ:2.6g)
ビタミンB1:0.46mg
ビタミンB2:0.55mg

※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

完全に食感は「うどん」
5.0

ほうとうは具材と一緒にグツグツと煮込んで食べるため、うどんのようなコシは楽しめない反面、むしろ煮崩れするくらいが美味しい食べ物。対して今回の麺は「ほうとう」寄りか「うどん」寄りかと言われたら確実に後者のベクトルで、しかしながらコンビニ税込138円の縦型カップ麺にしてはクオリティが高く、なかなかに侮れません。

比較的ぜんぜん幅はないので、「ほうとう」的にはアウトかもしれないけれど、今この記事を書いている数時間前にレビューした税込237円のセブンイレブン限定商品「どん兵衛 マシマシ篇 ガチニンニクバター味噌」の麺(戻りムラの激しい芋づる式)よりも印象がよく、ひとつの縦型カップ麺として正解なのはコッチと思えるくらい。



麺量こそ50gと少なめですし、あくまで油揚げうどんのベクトルを逸脱するクオリティでもないけれど、熱湯5分きちんと待てば致命的な戻りムラが発生することはありません。それに意外とコシが強かったり、もちもちとした弾力が食べ終わるまで持続してくれたりで、思いのほか印象がよかったです(※それでも混ぜ終えた後に1、2分ほど休ませるのがオススメ)。

つゆ

“ほうとう風” を表現
5.0

まず端的に味のイメージを要約すると、家庭的な「味噌汁」の延長線上にあります。たとえば味噌ラーメンのスープを “味噌汁っぽい” と例えた場合、それは一般的に動物系のコクが弱く、香味野菜や油脂の旨味も頼りなくて、味噌ダレにもこだわりがないなど、如何せん悪い意味で使われることが多いのですが、今回そうではありません。

ほうとうは味噌汁と鍋料理と煮込みうどんの中間地点にあるような——という例えが適切なのかどうかはさておき、実際そのようなイメージが強く、カップ麺でも最初から生麺を茹でたようなトロミが意識されていて、味噌もラーメンの味噌ダレというよりも一般的な味噌汁の味噌。赤みそ・白みその比率は中間で、赤だしほどのエッジはなく、しかしながら味噌特有のコク感じられる味わい。

出汁は鰹よりも煮干しが中心で、しかしながらカドの取れた穏やかなもの。おからパウダーや粉末ポテトのザラついた舌触りを覚えるのですが、それも田舎味噌で具材を長時間煮込んでいるような印象に繋がって、すりごまのコクも効果的。中でも「かぼちゃ粉末」と糖類の共演による “かぼちゃの甘み” が秀逸で、それが「ほうとう風」を確かなものにしていました。

具材

具材も “ほうとう風” を意識
5.0

かぼちゃ加工品、味付油揚げ、人参、ネギとシンプルな具材構成で、どれも「ほうとう」の雰囲気にピッタリなラインナップ。ふっくら甘い刻み揚げに斜め切りのネギ、コリコリとした歯応えの強い人参も存在感があって、なかでも主役のコロコロかぼちゃが個性的。

品種は比較的ねっとりとした水分量の多いタイプで、けっこう甘みが強化されています。その分かりやすい甘みによって存在感が際立ち、皮の部分を噛んだ時の食感は特にリアルな歯触りで、素材の持つ個性と旨味が楽しめる、きちんと記憶に残る具材でした。カボチャは頻繁にカップ麺の具材になることはないので、このためだけに買っても損ではないかもしれません。

総評

★★★★★☆☆☆☆☆(★5)

麺は「ほうとう」ではなく完全にカップ麺の「うどん」ですが、とろみが強く、それでいて自然な粘度のスープに具材のカボチャも雰囲気があって、なるほど「かぼちゃコロコロ ほうとう風うどん」というタイトルにも素直に納得できる着地点。あくまでカップ麺とのハイブリッドではあるものの、税込138円という実売価格を思えば上出来です。

具材は重量判定なので、もしかすると中には刻み揚げ大量でカボチャが少なかった——という場合もあるかもしれませんが、試しに同じ商品を3つ購入して確かめたところ、いずれもカボチャの量は平均して多かったですし、ほうとうが上手くカップ麺に落とし込まれている良品だと感じました。テーマとしても珍しいので、気になった方は最寄りのセブンイレブンをチェックしてみてください。

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