どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年8月13日(月)リニューアル新発売のカップ麺、エースコック「セブンプレミアム スープが決め手 担々麺」の実食レビューです。
セブンイレブン限定のPBカップ麺「スープが決め手」シリーズの一角「担々麺」がリニューアル!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
スープが決め手 担々麺
「スープが決め手」シリーズとは、セブン&アイグループのコンビニ限定(セブン-イレブン店舗専用)商品として販売されているタテ型カップ麺で、「担々麺」はエースコックが担当。北近畿の行動圏内にあるセブンイレブンにリニューアル後の商品が並び始めたのは、リニューアルから1ヶ月後の9月に入ってからでした。
上記の向かって左がリニューアル前のパッケージで、右がリニューアル後。どちらも商品名は「スープが決め手 担々麺」ですが、大きな違いはレンゲの有無とパッケージ下のカロリー表示、それから商品名の下にあった英文が消えてシンプルな “Dan dan noodles”(担担麺の英語表記)に変わっています。
リニューアル前のパッケージに掲載されていた英文 “Seven Premium-Always evolving. always affordable, supporting modern life styles.” は、翻訳すると “セブンプレミアムは常に進化しています。常に手頃な価格で、現代のライフスタイルを支えています” で、セブンプレミアムの商品の決まり文句というかテンプレ的な定型文でした。
しかし、2019年以降に発売しているセブンプレミアムの新商品及びリニューアル商品は、ほぼ確実にテンプレの英文が消え、「Fried noodles(やきそば)」「okra udon(オクラうどん)」「Salt broth ramen(しおラーメン)」といった具合にテーマを英語で表記。そして定番フレーバーは、それぞれ大々的な告知をせずに続々しれっとリニューアルしています。
「スープが決め手」の定番フレーバーで、2019年1月1日〜9月19日(記事公開日)までの間にリニューアルした商品は、「とんこつ」と「中華そば」(5月20日)、「担々麺」(8月13日)、「濃厚煮干醤油」(9月10日)の合計4品。「とんこつ」は北海道・東北・関東・甲信越・九州・沖縄のみ、「濃厚煮干醤油」は関東・東北・北海道限定なので、それ以外の地域では売っていません。
それぞれの店舗状況により、販売エリア内でも一部取扱のない店舗は出てきますが、「中華そば」の発売地域は全国で、なぜか「担々麺」は “首都圏を除くセブン-イレブンで販売” と公式が発表。手元にある商品の賞味期限は、リニューアル前:2020年1月17日、リニューアル後:2020年1月30日となっているため、2019年7月下旬にラインが切り替わりました。
ちなみに「セブンプレミアム ごまと花椒の風味担々麺」というスーパーマーケット(IYグループ)限定のカップラーメンもあり、そちらはエースコックの親会社・サンヨー食品(サッポロ一番)とセブン&アイグループの共同開発商品で、サンヨー食品とエースコックの協力工場「株式会社カナヤ食品」(千葉県旭市鎌数9163-25)が製造しています。ややこしいですかねw
エースコックはサンヨー食品の子会社で、カナヤ食品は別の企業ですが、「サッポロ一番 みそラーメン」や「飲み干す一杯 担担麺」「まる旨 小海老天そば」などを製造している昭和35年創業の老舗工場です。手元にあるスーパー限定の担担麺(税込100円)はリニューアル前の商品なので、まずはコンビニ限定「スープが決め手」(税込138円)リニューアル前後を比較します。
開封
「スープが決め手 担々麺」の製造所は、リニューアル前もリニューアル後もエースコックの自社工場なんですけど、工場の場所は違います。賞味期限の下段右下に記載されているアルファベットを「製造所固有」といい、リニューアル前(写真左)は「+K」、リニューアル後(写真右)は「+W」となっているので、まったく同じ製造所ではありません。
エースコックの「K」は、埼玉県川越市にある「東京工場」(埼玉県川越市大字今福461-1)を意味し、「W」は兵庫県加東市にある「関西滝野工場」(兵庫県加東市河高1816-175)のこと。購入店舗は両商品とも同じセブンイレブンでしたが、リニューアル前は埼玉県の工場で、リニューアル後は兵庫県で製造されていました(※ただし複数の工場で製造している可能性あり)。
どちらの商品も別添の小袋は「液体スープ」が1袋、これについては毎度お馴染みの光景で、最初から容器の中で粉末スープまみれになっています。唯一のメリットは、フタの上で温めても “粘着剤不使用だから再接着しない” こと‥‥くらいですかね。リニューアル前の小袋は黒、リニューアル後の小袋は青、このパターンは基本的に中身も変わっている確率が高いです。
製品詳細情報・購入価格等(リニューアル後)
製品名:セブンプレミアム スープが決め手 担々麺 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(W)兵庫県加東市河高1816-175 内容量:89g(めん65g) 商品コード:4901071287818(JANコード) 発売日:2019年08月13日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:310ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん〔小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、植物性たん白、砂糖〕、スープ(ねりごま、みそ、おからパウダー、糖類、きな粉、ポーク調味料、粉末みそ、植物油脂、食塩、香味調味料、香辛料、香味油、チキンエキス、豆板醤、デキストリン、醸造酢、全卵粉)、かやく(ごま、チンゲン菜、鶏・豚味付肉そぼろ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、香料、酒精、カラメル色素、微粒二酸化ケイ素、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、増粘多糖類、カロチノイド色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
実食開始
上記の写真は左がリニューアル前、右がリニューアル後。どちらの商品も製造日は近く、同じ環境で保管していたもので、調理前の香りは変わりません。しかし、リニューアル後の商品は比較的に麺の色が微妙に濃くなっていて、明らかに粉末スープと胡麻(いりごま)の量が減っているように見えるのが気になりました。
2019年9月19日現在、値段はリニューアル前・リニューアル後、どちらも税込138円のままで、具材の構成も “ごま、チンゲン菜、鶏・豚味付肉そぼろ” で変更なし。必要なお湯の目安量は310ml、待ち時間は熱湯3分、内容量も89g(めん65g)と同じですが、麺とスープの原材料名は違うため、けっこう大きな違いが生じているかもしれません。
カロリー(エネルギー)は389kcalから376kcalに減少、脂質も16.7gから15.1gに減っていますが、食塩相当量は4.7gから5.0gに増えるなど、栄養成分表示の数値も微妙に変わりました。それでは、麺の食感や味の違いに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
【リニューアル前 / リニューアル後】
栄養成分表示:1食(89g)当たり カロリー:389kcal / 376kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:389kcal / 376kcal(めん・かやく:304kcal / 297kcal)(スープ:85kcal / 79kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
リニューアル前の原材料名は「小麦粉、植物油脂、食塩、しょうゆ、砂糖、卵白粉」となっていて、やや加水率は低く、適度にハリのある弾力と歯切れの良さを兼ね備えた程よい食感。けっこう縮れは強めに施されていて、角刃でカットされた断面の四角い中細サイズの油揚げ麺を採用していました。
対するリニューアル後の麺は、原材料から卵白粉がカットされ、代わりに “植物性たん白” を追加。さらに大きな違いは麺の形状で、同時に調理して真横に並べてみても切刃番手(麺の太さ)は変わりませんが、角刃ではなく “断面の丸い丸刃” でカット。明らかに縮れは弱くなっていて、かなり雰囲気の違う麺に変わっています。
さて、結果どっちの麺が美味しいのかというと、単純に “リニューアル前” です。どうもリニューアル後の麺は “ハリがない” というか、そこそこ食べ始めはコシが強かったんですけど、モタついたイメージが気になり、スープとの親和性も落ちたように感じました。しかし、麺量は引き続き縦型レギュラーサイズの平均麺重量(60g)以上の65gなので、そこは素直に好印象でした。
スープ
上記の写真は熱湯3分待ってからフタを剥がして直後、液体スープを入れる前に撮影したもので、リニューアル前(左)は熱湯なみなみ、リニューアル後は麺の表面が剥き出しですが、これは粉末スープの量が明らかに減った結果を現しています。もちろん麺の傾きなども関係してきますけど、麺が正しい位置にあることを確認し、3回同時に調理した結果すべて同じだったので、間違いありません。
リニューアル前のスープは、某口コミサイトで “食器用洗剤のにおいがします。 あまりのケミカルな臭いに頭痛がする” などと書き込まれ、さらに “製造過程で洗剤が混入しているのでなければ作った人は嗅覚障害です” とまで酷評されていたのですが、そこまで酷い味ではありません。けれどもエースコックの液状みそ* 特有の発酵感が強く前に出てくるため、けっこう癖のあるスープでした。
独特のニオイが鼻に付くなぁ‥‥と、私も思っていたのですが、リニューアル後のスープは明らかに和味噌の使用量が減っていて、液体スープ自体の色も薄くなっています。ある意味それが他社との差別化を図る個性的なポイントだった反面、硬派なイメージから大幅なギャップが生じる上に人を選ぶ要因でもあったので、液状みその主張を弱めたのは正解かもしれません。
それ以外は特に変わった様子もなく、ねりごま(芝麻醤)が増えたというよりも単純に味噌が減ったような状態で、引き続き唐辛子の辛さはピリ辛以下、花椒(かしょう)の痺れについても “え、入ってるの?” くらい。豆板醤や醸造酢のアクセントも弱く、香辛料も控えめですが、実は隠し味に「きな粉」を使っているのが特徴で、他に類を見ないタイプの和製担担スープです。
* 試しに液体スープを入れ替えて調理してみたところ、あわせて独特の発酵感も移ったので、粉末スープ(粉末みそ)の量だけでなく、後入れ液体スープ自体の成分バランスも大きく変わりました。
具材
具材の原料は同じで、厚みのあるシャキシャキ食感の青梗菜は手放しに好印象な具財ではあるものの、鶏・豚味付肉そぼろ(いわゆるエースコック流でいうところの “程良く味付けした肉そぼろ” )は残念ながらハズレ。食感はスポンジみたいにスカスカで頼りなく、味付けも味付肉そぼろって書いてあるけど味付けした? みたいな廉価具材。
リニューアル後も引き続き出来の悪いスポンジそぼろ肉なので、よくも悪くも変わっていませんが、明らかに胡麻の量が減っているのが気になるところ。終始ぷちぷちと胡麻の芳ばしい食感や風味は主張してきますし、コンビニ限定でも税込138円のPBカップ麺なので、とりあえず及第点(★3)をつけましたけど、胡麻の量は体感的に30%減です。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)
リニューアル前と比較してスープ(味噌)の癖が控えめになり、そこは大幅に食べやすくなったと感じた反面、ハリを失った麺と胡麻の量が減った具材の構成はネガティブで、あいかわらず唐辛子や花椒が弱いのは食べやすさに寄与していましたが、本格的な担担麺からは遠退く構図。結果、イマイチではないけれど、上出来とは言えませんでした。
もともとエースコックは担担麺に強いメーカーで、2009年11月23日に発売された「練り胡麻の恵み 担担麺」(旧「ゴマが決め手の担担麺」のリニューアル)は激ウマでしたが、いつの間にやら販売終了——と、それはさておきセブンプレミアムの担担麺(コンビニ専用)は麺の劣化と胡麻の減少が気になったので、次のテコ入れで改善されることを期待しています。