どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月7日(月)新発売のカップ麺、日清食品「麺屋雪風 札幌濃厚味噌らーめん」の実食レビューです。
北海道・札幌の名店「麺屋雪風」監修カップラーメンが全国のローソンで新発売!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺屋雪風 札幌濃厚味噌ラーメン
「麺屋 雪風(めんや ゆきかぜ)」とは、札幌・すすきのに本店を構える行列必至のラーメン店で、創業は2003年12月10日。オープン当時から店長を務め、のちに店主となった工藤翼氏(現「和中華と麺 丹陽」店主)が提供する新しいスタイルの濃厚味噌ラーメンは、たちまちラーメン激戦区の札幌で話題になり、観光客だけでなく舌の肥えた地元民をも唸らせました。
「麺屋雪風」元店主・工藤翼氏は、某有名中華料理店の出身で、ラーメン業界に入る前に10年以上のキャリアを積み、その後「麺屋雪風」で腕を振るうことになるのですが、2014年——現在の「和中華と麺 丹陽(タンヨウ)」をオープンするためか店を離れ、経営者(オーナー)が変わり、そこから “味が落ちた” というファンの意見がネット上にも浮上するようになります。
しかし、それでも「雪風」の人気は止まることを知りません。店内には有名芸能人の色紙が並び、むしろ行列は長くなった言われるほど。2014年4月20日にオープンした支店「狸小路店」は残念ながら閉店していますが、2016年6月24日に「手稲店」を開店。さらに令和初日となる2019年5月1日、現存する店舗では3号店となる「清田店」をオープン。
今回のカップ麺「麺屋雪風 札幌濃厚味噌らーめん」は、パッケージに “札幌すすきので行列必至のラーメン店監修” とあるように、「麺屋雪風 すすきの本店」が監修するローソン限定商品として、日清食品と共同開発。北海道のローソンでは1週間早く先行販売されていましたが、2019年10月7日から全国のローソン各店舗に販路を広げ、今週の新商品として店頭に並び始めました。
雪が舞う札幌の繁華街・薄野(すすきの)の夜景が描かれたフタ上には、 “とんこつとにんにくの旨さが魅惑的なマイルド味噌スープ”「特製あとがけ香味油付き」と製品の特徴を記載。お店の「濃厚味噌らーめん」は、三種の味噌を道産豚骨と鶏白湯、煮干し、鮪節で仕上げ、焦がし油で香り付けしたスープに定評があり、その上品でいて力強いマイルドな味わいをカップ麺で再現。
日清食品のコンビニ限定カップ麺は基本的に数量限定で、販売を開始した時すでに生産終了となっている場合も多かったりするのですが、すくなくとも今回は “2019年11月までは製造予定がある” とのこと(※日清食品談)。ローソン標準価格は257円(税込278円)と強気の設定ですが、今回と同じ大判どんぶり型の高級カップラーメンでは珍しい値付けではありません。
ちなみにカップ麺が発売される約1ヶ月前、日清食品の有名店シリーズ(チルド麺)より、北海道・東北・関東・中部地区限定商品として「一度は食べてみたかった日本の名店 麺屋雪風 濃厚白湯味噌らーめん 2人前」(2019年9月1日発売)という要冷蔵の袋麺が出ているので、実は今回で2度目のタイアップになります。
(日清食品チルドの調理例)
ところで「麺屋雪風」元店主・工藤翼氏が現在経営中の「和中華と麺 丹陽(タンヨウ)」をオープンしたのは、2016年9月23日のこと。新店の屋号になっている「丹陽」とは、太平洋戦争の主力駆逐艦・38隻の中で唯一生き残り、一度も大きな損傷を受けなかった “奇跡” の駆逐艦「雪風」が終戦後、賠償艦として中国に引き渡された時に名付けられた名前‥‥
開封
「麺屋雪風」元店主が開業した「和中華と麺 丹陽」の屋号には、とても深い意味が込められているのかもしれません——という考察はさておき、容器側面にある調理方法には「粉末スープ」「液体スープ」「特製あとがけ香味油」「かやく」と4種類の小袋しか記載されていませんが、実際には「焼豚」を入れた “合計5種類の小袋が入っている” ので、忘れずに取り出してください。
ナチュラルローソンやローソンストア100など、一部のローソンでは取り扱いがないかもしれませんが、販売地域は「全国」で、販売店は一部店舗を除く「ローソン」全店が対象。現段階、12月以降の製造スケジュールは決まっていないので、もしローソンから12月分の発注がなければ生産終了、発注があれば引き続き製造を続けるかもしれないとのこと。
麺はノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯4分。実店舗の「濃厚味噌らーめん」には北海道の老舗製麺所「西山製麺」から仕入れている卵麺(玉子ちぢれ麺)を使用しており、今回のノンフライ麺も黄色味の強い見た目ですが、原材料名は大豆食物繊維やチキンエキスを練り込んでいる日清食品お得意の構成で、卵粉なども練り込まれていませんし、そもそも実店舗の麺は “平打ちではありません” 。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:麺屋雪風 札幌濃厚味噌らーめん 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(A)茨城県取手市清水667-1 内容量:126g(めん80g) 商品コード:4902105261248(JANコード) 発売日:2019年10月07日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:5袋(粉末スープ・液体スープ・特製あとがけ香味油・かやく・焼豚) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、チキンエキス)、スープ(みそ、ポークエキス、豚脂、香辛料、粉末みそ、植物油脂、糖類、たん白加水分解物、鶏脂、卵粉、ポーク調味料、乳化油脂、香味油、デキストリン、にぼし粉末、魚介調味油)、かやく(チャーシュー、ねぎ、きくらげ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、かんすい、カラメル色素、香料、炭酸Ca、カロチノイド色素、乳化剤、焼成Ca、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
お湯を入れる前に開封する小袋は、「焼豚」と「かやく」のみで、粉末スープ・液体スープ・特製あとがけ香味油は “かならず後入れ” してください。日清食品の高級カップラーメンに使用されているノンフライ麺は、かなりの確率で麺の戻りが悪いので、もしスープ類を先に入れてしまった場合、麺が適切に戻らなくなるおそれがあります。
焼豚は実店舗(現在)のような四角いチャーシューでもなければ日清食品の厚切焼豚でもありませんが、もやしではなく「麺屋雪風」のトッピングで特徴的な白ネギやキクラゲを入れてくれているのはポイント。あとは熱湯を注いで4分、液体スープと特製あとがけ香味油の小袋をフタの上にのせ、待っている間に温めておきましょう。
4分経ったらフタを全部剥がし、まずは麺をほぐしてから「粉末スープ」を馴染ませ、次に「液体スープ」と「特製あとがけ香味油」を入れて “もう一度よく混ぜ合わせたら” 出来上がり。それでは、再現度の高さに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(126g)当たり
カロリー:473kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:473kcal(めん・かやく:331kcal)(スープ:142kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
まず懸念していた解れにくさについて、すんなりスムーズとは言えませんが、ストレスを感じるほど頑固な麺ではありません。端っこが何本か束になったまま離れない、麺と麺の中間地点で癒着している部分が硬いまま——など、日清食品の高価格ノンフライ麺に有り勝ちなトラブルもなく、だいたい30秒ほどあればほぐせました。
さて、黄色味の強い見た目は味噌ラーメンにぴったりな雰囲気ですが、前述したように卵由来の素材は練り込まれていません。それに本店の麺は丸刃でカットされている、比較的に断面の丸い小刻みな縮れ麺で、対するカップラーメンは角刃の平打ち。もしかすると麺が癒着しにくいように幅広麺を採用したのかもしれませんが、再現度は低いです。
噛むと粘り気は控えめで、けっこう歯切れがよく、ブリンッ! と跳ねるような弾力が個性的で面白いのですが、気を付けなければいけないのは今回のカップラーメンはローソン限定商品ということ——たとえば写真のように溝のある箸先なら比較的に安全ですが、ローソンの割り箸は丸くて麺が逃げやすいので、くれぐれもスープの飛び散り等お気をつけください。
スープ
カップ麺の味噌ダレには、液体味噌と粉末味噌を組み合わせていて、液体スープに含まれている味噌は白味噌由来の甘みが強く、粉末スープに含まれている味噌はエッジの効いた赤味噌寄り。総体的な味噌は白味噌のコクが優勢で、後味には煮干しの旨味が泳ぎ、だいぶ重心の低い濃厚な旨みを感じるのですが、塩気で押し切るようなスープではありません。
土台の動物系は乳化感の強い豚骨がメイン、対する鶏白湯の要素は弱いのですが、ほんのり鶏油を効かせることで鶏白湯風の雰囲気を出しています。札幌の濃厚な味噌ラーメンといえば、「純連(すみれ)」を発祥とするラードの油膜で湯気が立たない赤味噌寄りの “純すみ系” と呼ばれるスープがクラシカルで、「麺屋雪風」は札幌白味噌系ほど穏やかではないけれど、明らかにニュースタイル。
それを確固たるものにしているのが特製あとがけ香味油の芳ばしいアクセントで、イメージとしては焦げるか焦げないかのギリギリを攻めたマー油と胡麻油をブレンドしているようなもの(※ニンニクけっこう強め)。また、この香味油に「とろみ成分」が含まれていたので、 “香味油を入れてから念入りに混ぜる” のが今回のカップ麺を美味しく食べるポイントになります。
ただ、お店のスープは「米」で軽くトロミをつけているのに対し、カップ麺のスープに米粉などは使用されておらず、あきらかに人工的な粘性率の高さ。動物系の重心が低いのと、ややスープを弾きがちなノンフライ麺を使用しているため、高粘度に仕上げたのは間違いではないと思えた反面、冷めたらボッテボテに固まる不自然な粘度が気になりました。
具材
麺屋雪風(実店舗)の「濃厚味噌らーめん」に入っている具材は、長方形の自家製豚ばらチャーシューに半熟の味玉、キクラゲ、中央には白髪ネギと水菜を盛り、その上にトッピングされた細切りのフライドポテトがトレードマークとなっているのですが、カップ麺に後がけのフライドポテトは別添されていません。
ただ、キクラゲは細切りよりもコリコリ感は控えめで、しかしながら大切りならではのプルンッとした弾力が心地よく、何気に青葱のシャキッとした歯触りが濃厚マイルドな味噌スープに生えていて、それとは違う白ネギの香りもアクセントに効果的。この白ネギが後入れだと最高だったんですけど、その余裕は無かった模様。
焼豚は箸で持ち上げると破れそうなくらい薄く(というか破れてますね少し)、サイズも丸型ですが、けっこう脂身の多いジューシーなもの。ちなみに実店舗で提供されている現在のチャーシューは丸くありませんが、創業当時は丸型だったので、ある意味ちょっと復刻版的な雰囲気と言えるかもしれません(形だけw)。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
単純に味だけでいえば美味しかったのですが、実店舗で使用されている縮れ麺とは真逆を歩むような形状のノンフライ麺は再現度が低く、コンビニで税込278円必須なので、もうちょっと具材も充実させてほしかったところ。お店のメニューには最小限のトッピングで食べる「具なし」もありますけど、今回それを再現したものとは一言も書かれていません。
しかしながら再現度の高さはさておいた場合、跳ねるような弾力のノンフライ麺は調理前80gで食べ応えがあり、スープは初めて食べる人でも親しみやすい感じの味なのに独創的なもの。しっかり濃厚な味わいのスープは食後の満足度が高く、トラディショナルな純すみ系とは違う魅力が感じられた一杯だったので、一度試してみても損はないかと思います。