どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年11月2日(火)ローソン限定発売、明星食品のカップ麺「横浜家系総本山 吉村家 豚骨醤油ラーメン にんにくトッピング」の実食レビューです。
家系総本山監修 “絶対間違いない組み合わせ” ついに公式が「吉村家」のカップラーメンにニンニクを別添!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
明星×吉村家 カップめん 第2弾
吉村家(よしむらや)とは、神奈川県横浜市を代表する人気ご当地ラーメン “横浜家系” の元祖とされる総本山で、長距離トラックの運転手だった吉村実(よしむら みのる)その人が1974年(昭和49年)に開業。当初は横浜市磯子区杉田の新杉田駅付近、国道16号に並行する磯子産業道路沿いに店を構えていましたが、1999年(平成11年)10月1日・同市の西区南幸2丁目に移転し、現在に至ります。
今回の新商品「横浜家系総本山 吉村家 豚骨醤油ラーメン にんにくトッピング」は、家系総本山「吉村家」監修のもと、家系ラーメンの王道を地で行く味わいに、それを引き立てる “生おろしニンニク” を別添したカップラーメンで、東京都渋谷区千駄ケ谷に本社を置く明星食品と共同開発。コンビニの中でもローソンにしか売ってない、販路限定のPB(プライベートブランド)商品として企画されました。
家系(いえけい)ラーメンとは、家系総本山「吉村家」を発祥とする醤油とんこつ味のラーメン及び同系統のラーメンを指す通称で、吉村家の流れを汲む直系店舗やインスパイア店が「○○家(や)」という屋号を掲げることに由来し、いつしか家系ラーメンという呼び名が定着。現在はラーメンを語る上で欠かせない “ひとつのジャンル” として認知され、それを模したカップ麺も過去に数多く存在します。
その元祖とされる「吉村家」の店舗では、古くから付き合いのある酒井製麺の特注麺を使い、客の好みに合わせて茹で上げたあと、職人の技術が必要とされる平ザルで湯切り。スープには1日あたり1トンの豚骨と生の鶏ガラを500羽分も使っているらしく、それらを2つの寸胴に分けて炊き出し、キレのある濃口しょうゆベースのタレと合わせ、スープの表面に鶏油(ちーゆ)を浮かべているのもポイント。
こだわりの麺とスープを特製の丼に移したら、燻製の香りが印象的なスモークチャーシューを筆頭に、ほうれん草と3枚の海苔をトッピングする-・というのが基本的なスタイルで、それらの要素が「家系ラーメン」を象徴する上で必要不可欠なアイデンティティとされています。ただ、すべての家系ラーメンに上記の特徴が当てはまるわけではありません。
たとえば家系御三家の一つに数えられた「六角家」をはじめ「川崎家」「近藤家」「寿々㐂家(すずきや)」など、1986年(昭和61年)にオープンした「本牧屋(ほんもくや)」出身の店を “分家” といい、本家及び直系並びに分家と直接的な関係を持たない店は “亜流” とされ、さらには “資本系” と呼ばれる大手企業の参入により、現在の家系ラーメンにおける特徴は多面的になりました。
さて、そろそろ話を本題のカップ麺に戻しましょう。明星食品と吉村家の関係は、2019年12月3日(火)に発売されたローソン限定商品「横浜 家系総本山 吉村家 豚骨醤油ラーメン」を皮切りに、今回の「横浜家系総本山 吉村家 豚骨醤油ラーメン にんにくトッピング」で2度目のコラボレーション。
容器を「大判どんぶり型」から「縦型ビッグ」に変更し、本格さを犠牲に簡便性を高めているような変遷を見せているのですが、濃厚な豚骨スープの旨みを引き立てる “別添の生おろしにんにくが強烈に利いた渾身の一杯” ということで、生おろしニンニクのインパクトや前回との違いに注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「生おろしにんにく」が1袋。前回の大判どんぶり型には4つの小袋を別添していたので、ずいぶんと簡素な内容になっているのですが、それだけに調理も簡単になったのと、生おろしニンニクの別添は前回のカップ麺にはなかった魅力。
トッピングは四角いカットのチャーシューに、ほうれん草のみとシンプルな構成で、残念ながら家系ラーメンを象徴する海苔は入っていませんが、同じく明星食品が担当しているセブンプレミアムの「銘店紀行(めいてんきこう)」に匹敵するボリューム感。ちなみに「吉村家」とコラボする前は、セブン&アイ限定の「六角家」関連商品を担当していた明星食品なので、漠然と示し合わせを感じる展開。
「吉村家」と「六角家」の間には新聞沙汰になるほどの確執があったので‥‥と、それについてはさておき、前回の大判どんぶり型から縦型ビッグに製品スタイルを変更することで、ローソン標準価格を257円(税込278円)から220円(税込238円)に値下げした今回。すでに明らかなトレードオフを感じているものの、だいぶ手に取りやすい値段になりました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:横浜家系総本山 吉村家 豚骨醤油ラーメン にんにくトッピング 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:99g(めん70g) 商品コード:4902881476928(JAN) |
発売日:2021年11月02日(火) 実食日:2021年11月02日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:238円(税込) ローソン標準価格:220円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(生おろしにんにく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、酵母エキス、たん白加水分解物)、スープ(しょうゆ、ポークエキス、香辛料(ガーリック、ペッパー、ジンジャー)、デキストリン、たん白加水分解物、食塩、粉末油脂、糖類、香味調味料)、かやく(チャーシュー、ほうれん草)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、カラメル色素、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、香料、リン酸塩(Na)、乳化剤、酸味料、微粒二酸化ケイ素、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。パッケージに製法などは記載されていませんが、明星食品の縦型ビッグに使われているノンフライ麺なので、同社の独自技術 “スチームノンフライ製法” とみて間違いありません。前述の「銘店紀行 六角家」にもスチームノンフライ製法の麺を合わせていましたが、使い回しではないと思います。
別添の小袋は後入れなので、それをフタの上から取り外したあと、内側の線まで熱湯を注ぎ、待つこと5分。豚骨の香りは芳醇で、別添の生おろしニンニクも香りからしてインパクトが強く、麺が見えなくなるほどの具材量も評価できるポイント。
ただ、別添の小袋に鶏油は入っていないため、それに由来する芳ばしい香りは漂ってこないのと、家系ラーメンを象徴する海苔を別添していないのは大きいマイナス。はたして前回と同じように家系総本山監修の恩恵が感じられるのかどうか「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(99g)あたり |
カロリー:369kcal たん白質:12.0g 脂 質:7.2g 炭水化物:64.0g 食塩相当量:7.4g (めん・かやく:2.7g) (スープ:4.7g) ビタミンB1:0.29mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:142mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:369kcal(めん・かやく:305kcal)(スープ:64kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
クオリティは低くないけど再現度は低い
「吉村家」の店舗で提供されている酒井製麺の特注麺は、わずかにウェーブがかっているものの、ほとんど縮れのないストレート麺で、サイズは太く、一般的なラーメン店の麺と比較して短めにカットしているのもポイント。また注文の際は茹で加減を「硬め」「普通」「やわめ」から選べるようになっており、通の間では柔らかめでオーダーされる方が多い印象。
対して今回のノンフライ麺はコシが強く、濃いめのスープや生おろしニンニクのインパクトに負けないようなバランスとなっているのですが、けっこう縮れが強いので、形状の再現度は高くありません。これはこれと割り切れば、けっして出来の悪いノンフライ麺ではないものの、一般的なカップラーメンと比較して長さも標準的なので、それなりに割り切って食べる必要があります。
ちなみに「スチームノンフライ製法」とは “ノンフライ麺と油揚げ麺の中間的な麺組織を形成する” 明星食品の独自技術で、クオリティは大判どんぶり型の「スーパーノンフライ製法」に引けを取りますが、油揚げ麺と違って雑味がないのと密度感のある仕上がりが魅力。それほど再現は高くないと前述しましたが、ひとまずスープとの相性は悪くなかったので、評価は及第点に★ひとつプラスしました。
スープ
やっぱり鶏油は欲しい
最初から入っている粉末スープは、けっこう乳化感の強いポークエキスを軸に、濃口しょうゆのキレを重ねているのですが、液体しょうゆ特有のコクや酸味は表現できておらず、鶏ガラを使っていないのも残念なポイント。ただ、けっこう重心の低い濃いめのテイストで、別添の「生おろしにんにく」を加える前からガーリックパウダーの主張も強く、その脇を固める生姜のアクセントも効果的。
そこに加える別添の小袋は、チューブの生おろしニンニクと同じ内容で、ガーリックの強烈な香味を叩き込んでくれると同時に塩気もプラス。ただ、横に白ご飯が欲しくなる背徳感には魅力を感じるものの、鶏ガラに由来する旨みと鶏油の芳ばしさは意識されていないため、家系総本山監修なのに‥‥という不完全燃焼感は否めませんでした。
具材
やはり縦型カップに海苔の別添は難しいか‥‥
「吉村家」の店舗では、燻製した吊るしチャーシューを使用しているため、そこからスープに滲み出るスモーキーな風味も醍醐味としているのですが、今回のカップ麺に使われている肉具材は汎用のチャーシューチップ。ただ、ほうれん草もチャーシューも量が多く、どちらもスープとの相性は悪くありません。
ここに海苔さえ別添されていれば、だいぶ雰囲気が出たのではないかと思いますけど、縦型のカップ麺に海苔を別添するのは難しいみたいなので、今回は別添の生おろしニンニクに免じて‥‥といった感じでしょうか。
総評
別添された生おろしニンニクの威力は強烈で、ノンフライ麺の基礎クオリティも高く、白ご飯と一緒に食べたくなる濃いめのスープにも魅力を感じたのですが、この商品を監修しているのは天下の家系総本山。資本系のカップラーメンなら話も変わってきますけど、家系総本山の名を冠した商品のわりに妥協しなければいけないポイントが多かったので、すこし厳しめに評価しました。
たとえば既存の商品にはない工夫を凝らし、生おろしニンニクの小袋に鶏油の風味を加えるとか、肉をスモークしたような燻製の風味を仕込むとか、酒井製麺を意識して麺を短めに切り出すとか、家系総本山監修ならではの個性を感じたかったので、カップめん第3弾の開発とリベンジに期待しています。
ちなみに全国のローソン店舗を対象に、電子レンジ加熱専用のホット麺「家系総本山 吉村家監修 豚骨醤油ラーメン」(税込550円)を再販しているのですが、こちらには “ほのかに燻した香りのチャーシュー” を搭載。さらに従来の商品よりも “スープのコクをUPさせている” そうなので、カップ麺とレンジ麺を食べ比べてみると、その違いから得られるものは大きいと思います【author・taka :a(大石敬之)】