【忖度なし】大和イチロウ監修「赤龍ラーメンどんぶり」とマツコが絶賛した「赤龍ラーメン」を比較してみたら‥‥

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サンヨー食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2022年3月28日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「大和イチロウおすすめ! 赤龍ラーメンどんぶり 辛子みそ味」の実食レビューです。

棒ラーメンの常識を破ったロン龍を超える!? 大和イチロウの紹介でマツコも唸った赤龍(セキリュウ)の味わいを再現!! オリジナルの赤龍とカップラーメンを比較してみた結果——。

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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大和イチロウおすすめ 赤龍ラーメンどんぶり

赤龍ラーメン(九州ラーメン 赤龍 辛子みそ味)とは、1933年(昭和8年)の創業以来、食文化への飽くなき追求を続けている熊本の老舗「日の出製粉株式会社」を代表する棒状の即席中華めんで、インスタントラーメン研究家の大和一郎(やまと いちろう)が『マツコの知らない世界』2020年3月10日放送分『インスタント袋麺の世界』で紹介し、それを食べたマツコ・デラックスさんが大絶賛。

棒ラーメンを袋麺にアレンジする面白い企画が実現

その味わいをモデルに開発されたのが今回の新商品「大和イチロウおすすめ!赤龍ラーメンどんぶり 辛子みそ味」で、インスタントラーメン研究家・大和イチロウ監修のもと、マツコも唸った棒ラーメンの味わいを簡便性に優れた即席カップ麺で再現。サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品と日の出製粉、大和イチロウが協議を重ね、熊本で愛される “辛子みそ味” が商品化されました。

日の出製粉が誇る「赤龍ラーメン」の麺は、主な原材料となる小麦粉を厳選し、こだわりの配合と製法で作った油を使わないノンフライ麺(※厳密な部類としては乾麺)で、粉の配合を工夫した結果、麺の茹で汁が濁りにくく、そのままスープを入れて食べられる簡便性の高さを実現。形状は縮れ皆無のストレート、もっちりとした中にもコシがあり、即席麺とは思えない質感に定評があります。

スープはポークエキスのコクと味噌の旨味に、唐辛子の辛みを加えた “うまくて辛い” 味わいで、生姜、ニンニク、玉ねぎを絶妙なバランスでブレンド。日の出製粉といえば、特製マー油(焦がしニンニク油)のパンチを効かせた「ロン龍」のイメージが強いところ、日の出製粉は自社の公式ウェブサイトで “棒ラーメンの常識を破った「ロン龍」を超える!?” と訴求しているほどの自信作。

出典:HOME > 商品紹介(ラーメン類一覧)> 赤龍ラーメン 1人前(日の出製粉株式会社)

あらためまして日の出製粉とは、かんざらし粉(白玉粉)の日本三大産地に数えられる熊本県小川町に所在する食品加工会社で、1933年(昭和8年)の創業以来、白玉粉の製造に主力を注いでいます。つまり、白玉粉を中心に事業展開しているメーカーだったので、最初から棒ラーメンを製造していたわけではありません。

そんな日の出製粉が棒状ラーメンの開発を始めたのは、1990年(平成2年)頃と即席めん業界では遅咲きで、それだけに他社の同じ商品では意味がない‥‥と、試行錯誤の末に生まれたのが「ロン龍」という棒ラーメン。それ以前の棒ラーメンで一般的だった粉末スープではなく、当時は珍しかった液体スープを別添し、麺を別茹でしなくても食べられるように工夫するなど、従来品との差別化に成功しました。

大和イチロウとは以前から親交があり、私にとっては道標のような、足を向けて寝られないほど大恩のある存在で、なにかあれば支えてくれる人。今回のカップ麺が仕上がったときも本人から直接連絡があり、発売前にカップ麺と比較用の棒ラーメンを送ってくれたので、当地域絵は入手困難な「赤龍ラーメン」も手元にあります。ただ、大和イチロウからレビューしてほしいと頼まれたわけではありません。

赤龍ラーメンは大和イチロウ(やかん亭)からの提供

今回の企画は “既存の棒ラーメンをカップ麺で再現する” 個人的にも興味深い試みだったので、ひとつ前のページで「大和イチロウおすすめ! 鳥中華どんぶり 和風そばつゆ味」(サンヨー食品)と本物の「山形 そば屋の中華 鳥中華 和風そばつゆ味」(みうら食品)を食べ比べてみた結果、いろいろな制約に頭を抱えたのだろうな‥‥と。開発の苦労を想像することになり、ちょっと複雑な気持ちになりました。

しかし、どんな商品であっても “忖度なしで評価する” ことを信条にしているため、今回も「赤龍ラーメン」の個性が再現できているのかどうか、棒ラーメンとカップ麺を比較しながらレビューします。

開封

赤龍ラーメンはストレート麺+液体スープの組み合わせ

日の出製粉の「赤龍ラーメン」は、1袋あたり1人前で、中には一瞬の縮れも見せない棒状の「乾麺」と液体の「とんこつスープ」が入り、かやくの別添はありません。日の出製粉は「赤龍ラーメン」を “ノンフライ麺” と表現していますが、ノンフライ麺は蒸した麺を金属枠ごと熱風乾燥に入れ、80度前後の熱風で30分以上乾燥させた麺のこと。先にも触れたように、棒ラーメンは厳密にいうと乾麺です。

カップラーメンは「かやく」入り

それをイメージしている「赤龍ラーメンどんぶり」は、油で揚げたフライ麺を採用しているため、そもそも別の次元に位置する商品。ただ、手軽に食べられるカップラーメンに落とし込むために、ある程度のデフォルメも必要なこと。別添は「かやく(先入れ)」と「液体スープ(後入れ)」の計2袋で、オリジナルの「赤龍ラーメン」には入っていない具材がステータス。

「赤龍ラーメンどんぶり」のメーカー希望小売価格は193円(税別)なので、先にレビューした「鳥中華どんぶり」と同じ値段。たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は198円になりますが、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外の店舗であれば、だいたい税込98円〜128円くらいが相場になると思うので、その価格帯にあることも踏まえて評価しなければいけません。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:大和イチロウおすすめ! 赤龍ラーメンどんぶり 辛子みそ味
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品株式会社 関西工場
内容量:88g(めん55g)
商品コード:4901734045748(JAN)
発売日:2022年03月28日(月)
実食日:2022年04月01日(金)
発売地域:全国
取得店舗:スーパー
商品購入価格:105円(税込)
希望小売価格:193円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:標準どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:370ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:2袋(液体スープ・かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、粉末卵)、スープ(みそ、ポークエキス、糖類、食塩、しょうゆ、植物油脂、豚脂、たん白加水分解物、チキン調味料、にんにくペースト、ねりごま、四川醤、発酵調味料、調味油脂、酵母エキス、しょうが調味料)、かやく(チンゲン菜、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、炭酸カルシウム、かんすい、香料、香辛料抽出物、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、パプリカ色素、ビタミンB2、酸味料、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

『赤龍ラーメン 1人前』栄養成分表示[1食(めん80g+スープ45g)あたり]カロリー 398kcal、たんぱく質 12.0g、脂質 10.1g、炭水化物 64.8g、食塩相当量 8.8g(めん 1.6g / スープ7.2g)(日の出製粉)

「赤龍ラーメン」の調理には麺を茹でる工程が必要なので、鍋に500ccの熱湯を用意し、沸騰させた状態で麺を茹でること3〜4分。外袋の裏面には麺を別に茹でた場合の調理方法も印刷されていますが、ロン龍と同じように、麺を茹でた鍋に直接とんこつスープを加えても大丈夫。公式はネギやソーセージ、ハムなどの具材を推奨していますが、味のブレをなくすために、今回は “素” の状態で調理しました。

『大和イチロウおすすめ! 赤龍ラーメンどんぶり 辛子みそ味』栄養成分表示[1食(88g)あたり]カロリー 343kcal(めん・かやく 269kcal / スープ 74kcal)、たんぱく質 9.0g、脂質 14.9g、炭水化物 43.1g、食塩相当量 5.1g(めん・かやく 1.4g / スープ 3.7g)、ビタミンB1 0.35mg、ビタミンB2 0.58mg、カルシウム 225mg(サンヨー食品)

片や「赤龍ラーメンどんぶり」の作り方は、オリジナルの「赤龍ラーメン」よりも簡単で、かやくを入れてから熱湯を注ぎ、待つこと3分。時間になったら後入れの液体スープを加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。想像していたよりも香りの再現度は高く、スープの色も近いので、おもわず期待が込み上げてくる展開。

ちなみに「赤龍ラーメンどんぶり」の製造所は太平食品工業の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっているのですが、太平食品工業はサンヨー食品が1963年(昭和38年)1月に設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き「赤龍ラーメン」との共通点や違いに注目しながら掘り下げます。

※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、各項目の評価と最後の総評は「大和イチロウおすすめ! 赤龍ラーメンどんぶり 辛子みそ味」の感想に基づきます。

めん

日の出製粉の乾麺

再現度は低くて無難な印象

3.0

「赤龍ラーメン」に使われている乾麺は、中細サイズのストレート麺で、やや加水率は低めに設定されています。しかし、たとえば博多の豚骨ラーメンで定番の低加水麺ほど加水率が低いわけではなく、小麦粉の風味を限界レベルまで引き出しながら、適度な粘りと歯切れの良さに、粉っぽさまで備えている‥‥ここまでの域に到達されると、正直 “お店で食べる麺” と遜色ありません。

サンヨー食品(太平食品工業)の油揚げ麺

片や「赤龍ラーメンどんぶり」では油揚げ麺を採用しているため、そもそもの製法からして異なるのですが、丸刃で切り出された平打ちの縮れ麺という形状も本家と大幅に異なるポイント。小麦の風味は乾麺の足元にも及ばず、コシよりも歯切れの良さが目立つ軽めの食感で、小麦よりも油で揚げた風味を前面に感じるスナック的な仕上がりです。

規定の容器に乾燥させた麺を入れなければいけないカップラーメンは、製造の過程で麺を切り出した後、ウェーブボックスという装置で縮れを付け、麺と麺の接触部分を小さくし、くっつきを防止しています。実売価格が100円前後の商品にストレート麺を使うのは難しいので、もちろん理解できないデフォルメではないのですが、これはこれと割り切る必要があるでしょう。

スープ

日の出製粉のスープ

端的に例えると “本家のスープを薄めた” 感じ

3.0

「赤龍ラーメン」の液体スープは、炊き出し感のある豚骨の旨みを中心に、キレのある赤味噌をドスンと効かせた重心の低いテイストで、なるほど辛さは万人受けするピリ辛程度ではあるものの、かなり濃いめの味わいから、後者については人を選びそうなほど。生姜とニンニクの香味も強く、玉ねぎの甘みで赤味噌の角を適度に丸め、隠し味の酒粕で深みを出すなど、生半可な骨組みではありません。

サンヨー食品(太平食品工業)のスープ

片や「赤龍ラーメンどんぶり」も液体スープで、前述のように香りの再現度は高く、辛さレベルも同じくらいか、やや大人しめ。豚骨の存在感は「赤龍ラーメン」よりもライトな立ち位置にあり、味の濃さも食べやすく調整してあります。味噌で味を整え、ニンニクと生姜を適度に効かせるなど、オリジナルのスープを彷彿とさせる要素もありますが、万人受けするラインまで下げたイメージ。

「赤龍ラーメン」では重心の低い豚骨×赤味噌のキレが印象に残ったのに対し、カップ麺は優しいテイストで、オリジナルのスープには含まれない “ねりごま” で優しさを重ねるなど、赤龍ならではの攻撃性は感じられませんでした。それだけに、オリジナルよりも多くの方が楽しめる味の濃さに仕上がっていることは間違いありません。

具材

値段(販売価格)相応の内容です

3.0

かやくは「赤龍ラーメンどんぶり」にしか別添されていないため、ここは特有のステータスになりますが、チンゲン菜は少なく、スパイシーな鶏・豚味付肉そぼろも使い回しの具材。この肉そぼろが地味に美味しいのですが、もっとも目立っていたのは熱風乾燥の青ネギによる強い歯触りだったので、販売価格が税込100円前後のカップラーメン相応と思える内容でした。

しかし、ひとつ前のページでレビューした「鳥中華どんぶり」には “鳥中華に必須の刻み海苔が入っておらず、それが原因で星ひとつマイナスした” ので、そういう先入観なく楽しめたのはよかったです。

総評

3.0

あの大和イチロウが監修した商品なので、まったく的外れなランディングではないのですが、要約すると “赤龍ラーメンを万人受けするまで薄めた” イメージ。赤龍は攻撃性の強い棒ラーメンなので、多くのユーザーが楽しめるように、その攻撃性(個性)を削がなければいけなかったのかもしれません。

もしも「赤龍ラーメン」を知らない方が食べた場合、カップ麺から本家の攻撃性を垣間見ることは至難の業になりますが、香りの再現度は高かったので、そこに “インスタントラーメンの香りで記憶を取り戻している” 大和イチロウのこだわりを感じました。これを気に「大和イチロウって誰?」「鳥中華って何?」「赤龍とは‥‥」と、興味を持ってくれた方も多いと思いますし、大和イチロウはクリエイティブな研究家なので、次の挑戦も楽しみにしています【author・taka :a(大石敬之)】

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