どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年4月17日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「山田うどん食堂監修 赤パンチ味うどん」の実食レビューです。
山田うどん名物の味「赤パンチ」をイメージしたカップうどん新登場!! 辛い? 辛くない? そもそも赤パンチとは何なのか、その実態を掴んだ途端に生じた疑問とは——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
山田うどん食堂監修 赤パンチ味うどん
山田うどん食堂(やまだうどんしょくどう)とは、1935年(昭和10年)の創業以来、現在は埼玉の県民食として認知されているソウルフードで、赤い案山子(かかし)がトレードマーク。2018年(平成30年)7月から「山田うどん」の屋号を「ファミリ-食堂 山田うどん食堂」に変更し、店舗もファミリー向けのデザインに改め、うどん・そば・ラーメン・定食など、さまざまなメニューを提供しています。
今回の新商品「山田うどん食堂監修 赤パンチ味うどん」は、山田うどん食堂の名物として知られる「赤パンチ」の味わいを再現した即席カップめんで、メーカーは “サッポロ一番” で知られるサンヨー食品。定番の味をイメージした「山田うどん食堂監修 たぬきうどん」も同時に展開し、そちらは先にレビューしているのですが、そもそも「赤パンチ」ってナニ? という疑問について。
山田うどん食堂の沿革については、ひとつ前のページ(「山田うどん食堂監修 たぬきうどん」のレビュー)で触れているため、いきなり「赤パンチ」の正体からツッコミますが、山田うどん食堂では “もつ煮込み” のことを「パンチ」と呼ぶらしく、それに麻辣醤(マーラージャン)や数種類の唐辛子をブレンドした辛いパンチが「赤パンチ」とのこと。
店舗では中ライス・みそ汁・とろろ小鉢付きの「赤パンチ定食」をはじめ、通常のパンチと赤パンチが両方とも食べられる「パンチ食べくらべ定食」ほか、おうちごはんや晩酌時に楽しめる1袋500g入り(2〜3人前)の冷凍「持ち帰りパンチ」も存在。冷凍の「持ち帰りパンチ」は山田うどん公式通販サイトでも購入できるので、近くに店舗がない方でも食べられます。
なぜ “もつ煮込み” なのに「パンチ」という名前になったのか‥‥その理由と経緯は、もつ煮の商品化を進めていた昭和50年代(1975年〜)まで遡り、商品名を決めるための社内公募を実施したところ、なかなかパンチの効いた名前が出てこなかったので、それなら「パンチ」でいいんじゃね? みたいなノリで決まったとか決まってないとか。当時の社員さん、最高かよ。
というわけで、山田うどんの “もつ煮込み” は「パンチ」という名称になり、山田うどんの名物として40年以上の歴史を紡いできたのですが、いつから「赤パンチ」を提供しているのかというと、実は2020年(令和2年)3月2日からと比較的に最近の話。ずっと変わらなかった “パンチ40年の歴史を塗りかえる旨辛味” としてデビューを飾り、従来のパンチと双璧を成す人気メニューとして定着します。
ところで今回のカップ麺「山田うどん食堂監修 赤パンチ味うどん」を担当しているサンヨー食品といえば、知る人ぞ知る “モツに強い” メーカーで、その皮切りとなったのはセブン&アイグループ限定の「蟻月(ありづき)博多もつ鍋風ラーメン 濃厚にんにく白みそ仕立て」というカップラーメン(2019年1月21日発売品)。
それは具材にモノホンのモツ(味付豚腸)を使用したカップラーメンで、2020年11月30日には大判どんぶり型の容器とノンフライ麺に進化した「博多もつ鍋 蟻月 白のもつ鍋風 〆のラーメン(濃厚ニンニクみそ仕立て)」を発売するなど、たしかな実績を持っているサンヨー食品。というわけで、期待しながらの実食です。
開封
同時発売品の「たぬきうどん」と同様に、今回の「赤パンチ味うどん」にも小袋は別添されていないため、お湯を注ぐだけで食べられる簡便性の高さが魅力。もちろん例外的なブランドもありますけど、レギュラーサイズのカップ麺は、コンビニよりもスーパーやドラッグストア、ディスカウントなどでの販売を想定しているため、身軽さが有利に働くことも珍しくありません。
かやくはラーメンで定番のメンマを筆頭に、玉ねぎ・唐辛子・ねぎ‥‥あれ? 赤パンチ(もつ煮込み)がモデルなのにモツは不在? うどんにメンマの組み合わせは珍しいので、群雄割拠の即席カップめん業界でも異彩を放つ個性になりますが、まさかのモツは不使用とは——。ただ、実際の赤パンチには筍(たけのこ)が入っているようなので、あながちメンマの採用は的外れじゃないのかも。
メーカー希望小売価格は214円(税別)なので、2023年4月21日現在、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は231円が相場となっているのですが、前述のようにスーパーやドラッグストアが主な販売ルート。コンビニ以外の店舗であれば、税込130円前後が相場になると思うので、その価格帯に位置する商品であることを念頭に置きながらレビューします。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:山田うどん食堂監修 赤パンチ味うどん 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 関西工場 内容量:65g(めん50g) 商品コード:4901734049593(JAN) |
発売日:2023年04月17日(月) 実食日:2023年04月21日(金) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:214円(税別) 購入価格:127円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:320ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白)、スープ(糖類、食塩、ポークエキス、ポーク調味料、豆板醤、みそ、たん白加水分解物、香辛料、しょうゆ、酵母エキス、にんにく調味料、メンマパウダー、鶏レバーパウダー、発酵調味料)、かやく(メンマ、たまねぎ、唐辛子、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、乳化剤、パプリカ色素、カラメル色素、リン酸塩(Na)、微粒二酸化ケイ素、香料、甘味料(カンゾウ)、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライうどんで、湯戻し時間は「たぬきうどん」と同じ熱湯4分。原材料名の「小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白」という構成も完全に一致するため、まったく同じフライうどんを使用している可能性が高いです。つまり、詳しくは後述しますが、ちょっと長めに待ったほうがいいかもしれません。
先入れ・後入れの小袋は別添されていないため、フタを半分ほど剥がし、お湯を注いでからフタをして待つこと4分。時間になったらフタを開け、しっかり混ぜ合わせたら完成です。ちょっと辛そうな雰囲気ですが、容器側面に小さく “辛味成分が強いので、小さなお子様や辛みの苦手な方の喫食には十分ご注意ください。” との注意書きがあったので、実は激辛クラスなのかも‥‥?
ちなみに製造所は太平食品工業の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、単純に “サッポロ一番の工場” という認識で問題ありません。それでは、念のため体感的な辛さレベルにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(65g)あたり |
カロリー:290kcal たん白質:5.5g 脂 質:11.2g 炭水化物:41.7g 食塩相当量:4.6g (めん・かやく:1.5g) (スープ:3.1g) ビタミンB1:0.69mg ビタミンB2:0.35mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:290kcal(めん・かやく:234kcal)(スープ:56kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ちょっと長めに待つのがオススメ
山田うどん食堂の店舗で提供されている麺は自家製ですが、同社のセントラルキッチンで茹で上げた後、冷却してから各店舗に配送し、それぞれの店舗で提供時に茹で直す工程を基本としているため、たとえば讃岐うどんのような強いコシは備わっていません。対して今回の油揚げ麺は、そういった質感を再現しているわけではなく、きわめてオーソドックスな仕上がりで、再現度は高くありません。
——いや、そもそも店舗のグランドメニューに「赤パンチうどん」は存在しないため、再現度は無視していいのかもしれないけれど、問題は食べ始めの戻りムラ。とろみ成分を完全に溶かさなければいけないので、同時発売品の「たぬきうどん」よりも混ぜ時間は必然的に長くなりますが、それでも食べ始めは部分的にサクサクとした戻りムラが目立ちます。
それも踏まえた上で「たぬきうどん」と同じ油揚げ麺を搭載している、という認識で問題ないかと思いますが、よく見ると “たぬきうどんよりも麺重量が5g少ない” ので、スープや具材との兼ね合いかコスト調整を感じました。えっと、見るからに褒めていませんが、ノスタルジックな感じで美味しいですよw ふつうに。
スープ
持つ煮込みよりチゲっぽいかも
実際の「赤パンチ」には麻辣醤を、つまり花椒(ホワジャオ)の痺れや唐辛子の辛さを特徴とする調味料を使用しているようですが、それをイメージしたスープから花椒の清涼感を感じることはなく、豆板醤(とうばんじゃん)が代打。そこに具材のメンマから滲み出る発酵感とメンマパウダーが作用して、うどんつゆの延長線上というよりもラーメンのスープに近いフレームワークです。
味付けは日本の味噌と醤油を中心に、ポークエキスやポーク調味料のほか、鶏レバーパウダーも加えるなど、もつ煮込みっぽさを演出しようとする姿勢は伝わってくるのですが、実際はチゲっぽいテイスト。とろみの強さも不自然ではなく、なかなか凝った味付けで、単純に「おいしい」「まずい」でいえば前者です。ただ、再現度については怪しいかもしれません。——あ、辛さはピリ辛でした。
かやく
うどん×メンマ‥‥ありかもw
残念ながら本物のモツは入っていなかったので、パンチ(もつ煮込み)がモチーフなのに‥‥と、残念な気持ちになっていたのですが、うどんに風味の強いメンマの組み合わせは面白く、シャキシャキした食感とフレッシュな風味が楽しめる玉ねぎのアクセントも効果的。
赤唐辛子は飾りに過ぎないアイテムで、熱風乾燥のネギにも特筆すべき点はないけれど、メンマと玉ねぎは印象に残りました。やっぱりモツも頑張ってほしかった‥‥という不満が無きにしも非ずではあるものの、実際の「赤パンチ」にも玉ねぎや筍を使っているようなので、モツの不在を除けば悪くないチョイスだったと思います。
総評
商品名が「赤パンチ味うどん」なので、必ずしも本物のモツを使わなければいけない理由はなく、それをスープの鶏レバーパウダーで補おうとするなど、サンヨー食品の工夫が伝わってくる一杯なのですが、ぶっちゃけ再現度については分かりません(たぶん低い)。
ただ、単純に「おいしい」か「まずい」かでいえば “ふつうに美味しかった” ので、ひとまず総評は及第点としました。とりあえず、もつ煮込みっぽさについてはストレートに伝わってこないため、そこは追求せずに食べ進めるのがいいでしょう。あと容器の底に粉末スープが残りやすいので、実食の際は念入りに混ぜ合わせてください【author・taka :a(大石敬之)】