どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年4月17日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「山田うどん食堂監修 たぬきうどん」の実食レビューです。
埼玉県民のソウルフード!? 知る人ぞ知るファミリー食堂「山田うどん」の味わいをカップ麺で再現!!
おいしい? まずい? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
山田うどん食堂監修 たぬきうどん
山田うどん食堂とは、早い! 安い! うまい! 腹いっぱい! をコンセプトに、山田食品産業(埼玉県所沢市)がチェーン展開しているファミリー食堂で、1935年(昭和10年)の創業以来、現在は埼玉の県民食として認知されているソウルフードとしての地位を確立。赤い案山子(かかし)を目印に、地元民の間ではもちろん、一部の芸能人や業界関係者からも溺愛されています。
今回の新商品「山田うどん食堂監修 たぬきうどん」は、山田うどん食堂で定番とされる「たぬきうどん」の味わいを再現した即席カップめんで、メーカーは “サッポロ一番” で知られるサンヨー食品。以前にTBS系列のテレビ番組『坂上&指原のつぶれない店』(2022年8月21日 18:30~21:00放送分)で観たことがあるので、存在は知っていたのですが、さらに詳しく知ろうと検索してみたところ‥‥
ネット上では「そばとカレーとチャーハンは意味不明(その他は悪くないと思う)」とか「Googleで『山田うどん』って打つと『まずい』ってサジェストされるw」とか「Q.山田うどんは安いからマズいのですか?」「A.いいえ、まずいから安いのです」など、散々なコメントが目に入ったのでw ひとまず “山田うどんの歴史” を調べてみました。
現在を遡ること88年、1935年(昭和10年)に創業者である山田量輔その人が埼玉県所沢市日吉町に立ち上げた手打ちうどん専門店に始まり、1953年(昭和28年)9月15日に有限会社山田製麺店を設立。1962年(昭和37年)7月にはシンボルマークの「かかし」が商標登録され、1964年(昭和39年)12月には埼玉県所沢市上安松に製麺工場を建設するなど、順調に事業規模を拡大させていきます。
しかし、スーパーをはじめとする取引先での売上が伸び悩んだことを受け、1965年(昭和40年)1月に「うどん食堂」を開店。さらに同年5月から埼玉県内にある小・中学校の給食用にソフト麺の提供を始め、最盛期には160校の給食に導入されるなど、これが後に「山田うどん」が埼玉の県民食として認識される大きな切っ掛けになるのですが、積極的に直営店及びFC店の拡大に尽力したのも大きな所以。
1966年(昭和41年)7月から直営店の展開を始め、1969年(昭和44年)1月にはFC店舗の展開にも取り組み、そのタイミングで日本初の回転看板を導入したのが「山田うどん」である-・というのは知る人ぞ知る話。1990年(平成2年)7月には直営100店舗を達成し、2023年4月現在の店舗数は埼玉を中心に158店舗(直営151店、FC7店)を展開するなど、まさに不動のポジションを築き上げました。
ちなみに “山田うどんの名前が変わった” との評判・口コミもヒットしたのですが、2018年(平成30年)7月から「山田うどん」の屋号を「ファミリ-食堂 山田うどん食堂」に改め、ファミリー向けの新デザイン店舗をオープンしたのが理由。それを機に “への字” だった「かかしくん」の口も反転させ、現在の笑った「かかしくん」に変わりました。——さて、そろそろ話題をカップ麺に戻しましょう。
カップ麺の容器側面には店舗外観のイメージ画像と共に “うどん・そば・ラーメン・定食を低価格で取り扱う著名人からも愛される埼玉発祥のチェーン!” という概要を記載されているのですが、味についての特徴は明記されていません。はたして「山田うどん食堂」らしさは楽しめるのか、サンヨー食品の手腕が問われるところ。
開封
今回のカップ麺に小袋は別添されていないため、お湯を注ぐだけで食べられる簡便性の高さが魅力。そのため液体しょうゆ特有のフレッシュな風味だったり、オイルのコクだったり、ふりかけのパンチだったり、そういった要素は犠牲になりますが、標準サイズの縦型カップめんは基本的にスーパーやドラッグストア向けの商品なので、可能な限り販売価格を抑えたかったのでしょう。
かやくは味付揚げ玉を筆頭に、わかめとネギの組み合わせ‥‥なんですけど、揚げ玉の量が想像以上に多かった件w さすがに「背徳のあげ玉」シリーズほどではないけれど、調理後は確実に麺が見えなくなるであろうボリューム感には驚きました。
ちなみにメーカー希望小売価格は214円(税別)なので、2023年4月現在のレギュラーサイズ製品における標準的な値段設定になるのですが、実際の販売価格はピンキリ。ただ、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外の販売店であれば、おそらく税込130円前後が相場になると思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:山田うどん食堂監修 たぬきうどん 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 関西工場 内容量:73g(めん55g) 商品コード:4901734049579(JAN) |
発売日:2023年04月17日(月) 実食日:2023年04月20日(木) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:214円(税別) 購入価格:127円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:320ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白)、スープ(糖類、食塩、しょうゆ、魚介調味料、酵母エキス、かつお節粉末、粉末酒、こんぶ粉末、たん白加水分解物、植物油脂)、かやく(味付揚げ玉、ねぎ、わかめ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、リン酸塩(Na)、増粘剤(サイリウム)、レシチン、微粒二酸化ケイ素、甘味料(カンゾウ)、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・大豆・魚醤(魚介類)を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、サンヨー食品の公式ウェブサイトには “もっちりとした食感のうどんです。表面につるみがあり、なめらかな太めんに仕上げました。” と記載されているのですが、そこまで太くありません。ちなみにカップうどんの湯戻し時間は熱湯5分が定番ですが、今回は熱湯4分と中途半端なので、調理の際は留意してください。
小袋は別添されていないため、フタを半分まで剥がし、お湯を注いでから待つこと4分。時間になったら粉末スープの溶け残りがないように、よく混ぜ合わせたら完成です。あんかけ風の製品ではないので、とろみ成分に注意する必要はないんですけど‥‥揚げ玉すごいw(※画像では分かりにくいのですが、わかめとネギの下にも揚げ玉が敷いてあります)。
ちなみに製造所は太平食品工業の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、単純に “サッポロ一番の工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き「山田うどん食堂」監修ならではの魅力にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(73g)あたり |
カロリー:324kcal たん白質:6.1g 脂 質:12.6g 炭水化物:46.6g 食塩相当量:4.5g (めん・かやく:1.5g) (スープ:3.0g) ビタミンB1:0.32mg ビタミンB2:0.33mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:324kcal(めん・かやく:272kcal)(スープ:52kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
えっと‥‥ふつうですw
「山田うどん食堂」は “手打ちうどん専門店から始まった” と前述しましたが、讃岐うどんブームから全国的に重要視されるようになったコシの強さに重点を置くのではなく、あえて昔ながらの柔らかい麺にこだわっているのが特徴で、自家製うどんをセントラルキッチンで茹で上げた後、冷却して各店舗に配送し、それぞれの店舗で提供時に茹で直す工程を基本としています。
ちなみに「五反田TOC店」(現在閉店)では、試験的に茹で上げた麺を急速冷凍していたので、五反田TOC店だけ食感が違う(他の店舗よりもコシが強い)と一部では話題になっていたようですが、それはさておき今回の油揚げ麺は‥‥きわめて “ふつう” ですw 茹で直した食感を再現する場合、生タイプめんを使うのがベストではあるものの、それに近づけようと工夫した形跡さえありません。
後入れの小袋は別添されていないため、熱湯4分+かきまぜ15〜20秒くらいで食べ始めることになると思いますが、その時点では部分的にサクサクとした戻りムラが目立っていたり、揚げ油の風味も強かったり、だいぶチープな印象を受けると思います。ただ、いい意味で安っぽいとも思えるポジションに「山田うどん食堂」とのシンパシーが‥‥考えすぎですかねw とりあえず少し長めに待ってください。
スープ
醤油も出汁(だし)も甘さも強い
けっこう濃いめの色合いが示しているように、実際の味わいも醤油が濃いめの仕上がりで、一見して明白に関西風ではありません(埼玉のソウルフードだし)。ただ、かつお節・うるめ節・昆布の旨みも強く、それに負けじと後引く甘さがクセになる味わいで、パワフルだけど包容力もある、けっこう奥深いテイスト。
私は関西生まれの関西育ちなので、どんどん舌に蓄積されていく醤油の攻撃性が後半ちょっとツラかったんですけど、こっくりとした甘い余韻には魅力を感じました。実際の「たぬきそば」も随分と甘いのかな? それだけに醤油よりも甘さが人を選びそうだったので、甘い和風つゆが苦手な方にはハマりにくいかもしれません。
かやく
地味にズッシリくるw
わかめとネギは実際の「たぬきうどん」にもデフォルトでトッピングされているようなので、再現度の高さに寄与する部分になりますけど、揚げ玉か天かすかの違いは店舗によるのでしょうか‥‥どっちも検索でヒットするんですよね。とりあえずカップ麺では揚げ玉で、地味に多いw おかげで内容量以上の食べ応えが得られたんですけど、かかしマークの可愛さとは裏腹にアグレッシブでした。
総評
結論からいうと “ふつうに美味しいカップ麺” で、高級感や本格さは皆無に等しい仕上がりだったのですが、それだけに得られる満足度も価格相応といったところ。なるほど「山田うどん食堂」監修ならではの特別感は見出せなかったので、やや没個性な印象を抱くことになったんですけど、濃いめの味と甘さには個性を感じました。
ちなみに同店の “赤パンチ” をイメージした「山田うどん食堂監修 赤パンチ味うどん」も同時発売となっているため、詳細は次のページ(2023年4月21日公開)で紹介します【author・taka :a(大石敬之)】