どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年11月19日(月)新発売のローソン限定カップ麺、エースコック「麺屋武蔵×かんだやぶそば 前代未麺! ヤバそば」の実食レビューです。
「豚骨ベース」のスープに「黒マー油」と「和蕎麦」を合わせて作った創作そば!? いまだかつてない “前代未麺” のカップめん爆誕!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺屋武蔵×かんだやぶそば 前代未麺! ヤバそば
「前代未麺(ぜんだいみめん)ヤバそば」とは、コンビニのローソン限定商品として開発された「麺屋武蔵」と「かんだやぶそば」の共同監修商品で、製造はエースコック株式会社。ローソンの公式ウェブサイト曰く、 “豚骨スープに黒マー油とごまラー油をバランスよくきかせたスープに蕎麦をかけ合わせた、全く新しいそば” とのこと——
「麺屋武蔵(めんや むさし)」とは、東京都新宿区に総本店を構える人気ラーメンチェーン店で、創業は1996年5月14日。当時まったく新しいラーメンを生み出し、それまでの概念を覆したラーメン界のエポックメーカー「青葉」や「くじら軒」に並ぶ “96年組” の代表格で、当時のラーメン業界では珍しかった “お客様が主体と考えるサービスに注力した営業スタイル” の草分け的な存在です。
創業以来ずっと変わらない基本理念は、ラーメン屋が「主」ではなく “お客様に喜んでいただく” こと——「新宿総本店」では、鶏ガラと豚骨が主体の “動物系” と鰹節や煮干から取る “魚介系” の二刀流スープ(Wスープ)が特徴となっており、創業当時に注目されていたサンマ節は現在使われていませんが、時代にあわせて常に進化を続けているのも人気の秘訣。
また、新宿総本店を旗艦店とし、より大衆的な店づくりを心がけている「シングルブランド」を展開。さらに無骨(ぶこつ)や虎洞(こどう)といったと “もう一つの屋号” を掲げている「ダブルブランド」も展開しており、後者は各店に “ここだけの味” というオリジナルメニューが用意されていて、同じグループ内で切磋琢磨しながら唯一無二の革新的なラーメンに挑戦し続けています。
様々な企業や大学とのコラボレーション企画など、常に新しい試みに率先して取り組んでいることでも有名な「麺屋武蔵」ですが、今回のタイアップ先は同じ麺類でも中華蕎麦ではなく和蕎麦。それも東京都千代田区神田にある創業1880年(明治13年)の伝統的な老舗そば店「かんだやぶそば」との共演で、同じ麺類というジャンルでもタイプは別物。
しかし、「かんだやぶそば」は創業当時から変わらない “美味しいおそばを気持ちよく” という理念のもと、現在は4代目・堀田康彦氏が139年続く暖簾を守り続けている老舗。そして前述したように「麺屋武蔵」の理念も “お客様が主体のサービスを重視するスタンス” なので、そういった共通点が両者を結びつけたのかもしれません。
とはいえ前述したように、今回は豚骨ベースのスープに黒マー油×ごまラー油を浮かべた「ラーメン」寄りのスープ、しかしながら麺には蕎麦粉を使用した「和蕎麦」を合わせるという前代未聞もとい前代未麺の組み合わせ。さらに原材料名には「チーズ加工品」の文字がある、ちょっとカオスな印象が否めない実食前の現在。
今回のような特定のコンビニ限定のPBカップ麺は、他のNB(ナショナルブランド)商品と比較して数円安くなるのが一般的なんですけど、ローソン標準価格は230円(税込248円)。2019年11月現在、タテ型ビッグ容器のカップラーメンをコンビニで買うと税込232円が相場なので、平均価格と比較して16円も高い値段設定です。
開封
2019年11月19日現在、ローソンの公式ウェブサイトに特設ページは組まれていませんが、立ち位置は「ローソン名店シリーズ」の一貫。土台のスープは黒マー油を効かせた豚骨スープと紹介されていましたが、フタの上には和蕎麦サイドの和風香辛料「柚子七味」が別添されていて、この際もう野となれ山となれな気分。
ローソン名店シリーズから麺屋武蔵のカップラーメンが出るのは3回目で、前回の数量商品「麺屋武蔵 無双新免 鴨だしら~麺」はニュータッチことヤマダイ株式会社が担当していましたが、定番商品のタテ型カップ麺「麺屋武蔵監修 節鶏(ふしちょう)ら〜麺」を担当しているのはエースコック。一方、「かんだやぶそば」の監修カップ麺は、もしかすると今回が初めてかもしれません。
さて、開封すると中には粉末スープまみれの「液体スープ」が入っています。特に今回の「ヤバそば」は粉末スープの量が多く、いつにも増して小袋が粉末まみれいなっているのですが、それはさておき香りですよ——95%とんこつラーメンw 奥から微妙に蕎麦の香りがしないではないものの、思い込みの錯覚? ってくらい、今のところイメージは完全にラーメンサイドです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:麺屋武蔵×かんだやぶそば 前代未麺! ヤバそば 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(K)埼玉県川越市大字今福461-1 内容量:93g(70めんg) 商品コード:4901071288075(JANコード) 個装サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm 発売日:2019年11月19日(火) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体スープ・柚子七味) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、ヤマイモパウダー、卵白粉)、スープ(ポークエキス、植物油脂、魚介風味調味料、食塩、しょうゆ、動物油脂、香味油、乳化油脂、粉末しょうゆ、香辛料、たん白加水分解物、チーズ加工品、酵母エキス、オニオンパウダー、ポークコラーゲン、ゆずパウダー、全卵粉)、かやく(味付鶏だんご、ねぎ、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、リン酸三ナトリウム、酒精、香料、フラボノイド色素、増粘多糖類、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、微粒二酸化ケイ素、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(原材料の一部に小麦・そば・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・やまいも・ゼラチン・ごまを含む) |
実食開始
チーズ加工品の香りなども混じっているため、純とんこつ100%ではないものの、明らかに香りのベクトルは豚骨ラーメンで、しかも何気に “いい意味で癖のある香り” が期待値を煽ってきます。具材は味付鶏だんご、ねぎとシンプルな内容ですが、どちらも大きくて見るからに存在感がありますし、メイン具材は大豆たん白加工品ではありません。
容器の材質は紙で、麺の湯戻し時間は熱湯3分。調理前は粉末スープで和蕎麦なのか中華蕎麦なのか判断できませんが、そば粉やヤマイモパウダーが練り込まれていて、梘水(かんすい)も不使用の和風麺。最近のエースコックは「THE和」をはじめとする熱湯4分の麺が軒並みハイクオリティなんですけど、果たして今回はどうでしょうか。
別添の小袋は両方とも後入れなので、本体に熱湯を注いでから、液体スープの小袋をフタの上にのせて温めましょう。3分経ったら液体スープを馴染ませて、最後に柚子七味をトッピングすれば出来上がり。それでは、和蕎麦と黒マー油とんこつスープの相性に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(93g)当たり
カロリー:407kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:407kcal(めん・かやく:323kcal)(スープ:84kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
前述した「THE和」には、日清食品の「どん兵衛」に匹敵する——いや、それ以上の完成度といっても過言ではない、縦型では最高峰のストレート蕎麦を採用しているのですが、やや今回は縮れが見られます。しかし、そば粉の香りは強く、プツンッとした歯切れの良さは博多麺に通じるところがあって、どことなく豚骨を意識しているような印象も。
それに「小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、ヤマイモパウダー、卵白粉」という原材料の構成は、「THE和」シリーズの麺と “まったく同じ構成” です。それと比較してインスタント感が強くなっているようなイメージではあるものの、けっして安っぽい質感の麺ではありませんでした。
で、肝心のスープ(とんこつ×黒マー油)との相性はというと、最初は違和感マックスです。でも意外と慣れてしまえば癖になるというか、でも慣れなかったらジャケ買いリピなしで終わりそうというか、けっこう人を選ぶ組み合わせ。個人的に後半だいぶ慣れちゃったので、けっこう楽しかったのですが、ネットを中心に賛否両論飛び交うかもしれません。
スープ
調理前は圧倒的に強かった粉末スープの豚骨ですが、熱闘3分の間に蕎麦粉の反撃が始まっていて、お湯を注いでから待っている間に豚骨の香りから蕎麦の香りにシフト。液体スープを入れる前のスープは蕎麦の味が強く、その風味と乳化油脂が相俟って、なんだか塩気の効いた「そば湯」みたいな味。なにこれ斬新w
などと思いながら液体スープを開封したところ、中から出てきたのは異様に黒い液体。それも単なる黒マー油(焦がしニンニク油)ではなく、ごまラー油の芳ばしいピリ辛アクセントに加えて動物油脂のコクや魚介の旨味、そして砂糖も糖類も甘味料も使用されていないのに “甘み” を帯びています。
醤油は蕎麦つゆのカエシほど強い効かせ方ではなく、黒マー油のニンニク感も焦がしの風味も色のわりに一辺倒ではありません。けっこう土台の豚骨は丁寧で、まったりとした旨味を塩気がキュッ、と引き締めているのですが、同時に蕎麦の香りも強く主張してきた結果、武蔵と小次郎が小競り合いをしているような状態。
別添の柚子七味は小競り合いの火花の如く、柚子の香りがパッと広がって、仲介役なんだか火に油なんだか微妙な立ち位置ではあったものの、結果的なイメージとしては蕎麦寄りで前者。完全に調和しているわけでもなければ明後日の方向を向いているわけでもなく、なんとも不思議なテイストでした。
具材
エースコックのカップ麺は、例のスカスカなスポンジ肉そぼろを筆頭に、特定のブランド(たとえば「わかめラーメン」や「ワンタンメン」など)を除いて具材が貧弱になる傾向にあるのですが、今回は違います。税込248円の商品にしては特別に豪華というわけではないものの、量・質ともに妥協はありません。
ネギは大きめの斜め切りと小さな小葱の2種類で、南蛮蕎麦を名乗っても差し支えない品質。そしてメインの味付鶏だんごはフワフワで柔らかく、ちょっとスパイシーな味付けで、数も約4個と頑張ってます。あくまでカップ麺のクオリティから逸脱する存在ではないものの、大豆たん白加工品に逃げることなく、きっちり質を追求した姿勢に好感が抱けました。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
なんというか、うん‥w いや、まずいわけじゃないんですけど、絶品かと聞かれたら即答しがたい味で、慣れたら癖になるような、でも慣れるまでに何度か実食が必要そうな、とりあえず新境地開拓という点は高く評価できます。ただ、結果的にプロトタイプ感があったので、もうちょい練り直す必要あり。
変わり種というよりもキワモノに近い立ち位置なので、正直かなり人を選びます。とりあえず蕎麦が好き、豚骨ラーメンが好き、でも保守的な方は手を出さないほうが安全。しかし、これまで誰かがやりそうで誰もやらなかったことに挑戦してくれたチャレンジ精神は素晴らしかったので、自信を持ってオススメはできないけれど、後学のために経験しておいても損はない一杯だと思います。